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俺の口車に上手く騙されてくれた…………コホン! 俺の熱い主張に納得してくれたロザリナへのご褒美として、その夜は念入りに責めてあげ…………コホン! コホン! 特に可愛がってあげた。
翌日。
今日は昨日のアルタナ王国での戦いのことを姫様と、ついでにロイターのおっさんにも報告しなければならない。
8時ごろ家を出る。
この世界は朝が早い代わりに夜は早く休むという生活スタイルなので、8時というのは朝出掛けるにしては割と遅めの時間帯ということになる。
急を要する報告ではないので、朝一番で面会を申し込んでは少し迷惑かなと思っての家を出る時間なのだ。決して昨晩ロザリナを可愛がり過ぎたせいで、朝一からルルカとディアに責められていたというわけではない。
壁外区の北出入り口の先にある、いつもロザリナ達と訓練してる場所に寄ってから内城へと向かった。
内城に到着後すぐに姫様との謁見手続きを行う。
だが、午前中はもう姫様の予定は埋まってるらしく、午後に回されてしまった。
仕方ないのでロイターのおっさんに先に報告することにする。
ひょっとしたらナナイさんにも会えるかもしれないしな。
ナナイさんと最後に会ったのは、国王からの召喚状を渡されて軍の魔術士たちに風槍・零式を指導した日で、10日ほど前のことだ。
あの日の魅惑の脚線美をアピールするナナイさんの服装はかなり刺激的だった。
「やあ。いつ戻ったんだい?」
「昨晩になります」
残念ながら執務室にはナナイさんの姿はなかった。無念なり…………
「まずは報告を聞こうか」
「はい」
…
……
…………
「…………なるほど。
本格的な攻勢ではなく、威力偵察だったわけか。
王都から派遣されてる第3騎士団とは何か接触はあったかい?」
「いえ。何も。
何分夜に到着して翌朝早く出陣しましたし、退却後もレイシス姫に報告してすぐルミナス要塞を発ちましたので。
宿泊も要塞の外で野営しましたから…………」
「接触がなかったのならそれでいいよ」
おっさんと第3騎士団との間に何かあるのだろうか?
この第3騎士団は南砦奪還に参加して、そのまま砦に駐屯するはずだった軍だ。
急遽アルタナ王国に派遣されその期間が延長されたことで、こちらへの参陣が大幅に遅れることとなってしまった。
あるいは縄張り意識的なことだろうか?
自分たちの担当区域に同じ国の冒険者が首を突っ込んでくるのを快く思わず、トラブルに発展してしまうのを懸念して、とか。
出発前にトラブルを起こさないよう注意をされたが、相手は同じ国の騎士団だから外交問題にはならないしなぁ…………
まぁ何も接触がなかったのは事実なんだし、気にする必要はないか。
「それで、ルミナス要塞の南に集結中だった魔物は完全に魔族領に撤退したんだね?」
「全面的に退却していたのは確かです。
ただ、自分は死体の収納後その場に留まらずに部隊との合流を優先しましたので、完全に撤退したのかはわかりません」
「そうか…………」
おっさんは何やら思考モードに入ってしまった。
部隊の後を追った俺の判断は間違ってはいないはずだ。
北から迫る2000体の魔物と森の中で激突したレイシス姫の部隊は、若干の負傷者を出したもののほぼ完勝した。
でもそれはあくまでも結果論であって、もしその2000体の中に上位種や高技量型が含まれていたら、かなりの被害を受けていただろう。
あっ…………
自分で考えていて気付いたが、そんな懸念があったのなら死体拾いなんてしてないでとっとと合流しろって話だよな。
最速では魔物が俺に向かって来なくなった時点で退けたし、戦略的な重要性から異形の捕獲を試みるまでは有りなのかもしれないが、金儲けに目が眩んだその後の死体の収集は完全にアウトだ。
犠牲者が出てなくて、レイシス姫が無事で本当に良かったが、このことは大いに反省しなければ…………よし!
「午後に殿下にも報告するのですが、その後でルミナス要塞に行って(魔物が撤退したかどうか)確認してきましょうか?」
自分への反省も兼ねて再度要塞に行くことを申し出た。が、
「いや、それには及ばない。
後のことは要塞のほうで対処するだろう」
自分から言い出しておいてなんだが、午後からあの要塞まで往復するとなるとかなり遅くなりそうだったから、行かなくて済んでラッキーだったかも。
「(…………どの道我らではどうにもならない問題か)」
おっさんの思考モードが終わったみたいだ。
何やら呟いていたがよく聞こえなかった。
「ところで君の特殊個体との模擬戦闘の件なんだが、選抜隊に聞いてみたところ是非行いたいとのことでね。
加えて選抜された者以外にも結構参加希望者がいるので、実施日など具体的なことは少し待って欲しい」
結構大事になってきたな。
ある程度安全に強者との戦闘経験を積めるのなら積極的に参加したくもなるか。
もっとも安全と言っても…………
「わかりました。
ただ今日こちらに来る前に試したのですが、手加減するよう指示してもかなりの攻撃力になってしまいます」
手加減自体できないのか、それとも指示通りに手加減しても尚あの破壊力なのか。
土甲弾用の大きな的を軽々と壊していく様子を思い返すに、まともに模擬戦をしたらかなりヤバいような…………
俺の口車に上手く騙されてくれた…………コホン! 俺の熱い主張に納得してくれたロザリナへのご褒美として、その夜は念入りに責めてあげ…………コホン! コホン! 特に可愛がってあげた。
翌日。
今日は昨日のアルタナ王国での戦いのことを姫様と、ついでにロイターのおっさんにも報告しなければならない。
8時ごろ家を出る。
この世界は朝が早い代わりに夜は早く休むという生活スタイルなので、8時というのは朝出掛けるにしては割と遅めの時間帯ということになる。
急を要する報告ではないので、朝一番で面会を申し込んでは少し迷惑かなと思っての家を出る時間なのだ。決して昨晩ロザリナを可愛がり過ぎたせいで、朝一からルルカとディアに責められていたというわけではない。
壁外区の北出入り口の先にある、いつもロザリナ達と訓練してる場所に寄ってから内城へと向かった。
内城に到着後すぐに姫様との謁見手続きを行う。
だが、午前中はもう姫様の予定は埋まってるらしく、午後に回されてしまった。
仕方ないのでロイターのおっさんに先に報告することにする。
ひょっとしたらナナイさんにも会えるかもしれないしな。
ナナイさんと最後に会ったのは、国王からの召喚状を渡されて軍の魔術士たちに風槍・零式を指導した日で、10日ほど前のことだ。
あの日の魅惑の脚線美をアピールするナナイさんの服装はかなり刺激的だった。
「やあ。いつ戻ったんだい?」
「昨晩になります」
残念ながら執務室にはナナイさんの姿はなかった。無念なり…………
「まずは報告を聞こうか」
「はい」
…
……
…………
「…………なるほど。
本格的な攻勢ではなく、威力偵察だったわけか。
王都から派遣されてる第3騎士団とは何か接触はあったかい?」
「いえ。何も。
何分夜に到着して翌朝早く出陣しましたし、退却後もレイシス姫に報告してすぐルミナス要塞を発ちましたので。
宿泊も要塞の外で野営しましたから…………」
「接触がなかったのならそれでいいよ」
おっさんと第3騎士団との間に何かあるのだろうか?
この第3騎士団は南砦奪還に参加して、そのまま砦に駐屯するはずだった軍だ。
急遽アルタナ王国に派遣されその期間が延長されたことで、こちらへの参陣が大幅に遅れることとなってしまった。
あるいは縄張り意識的なことだろうか?
自分たちの担当区域に同じ国の冒険者が首を突っ込んでくるのを快く思わず、トラブルに発展してしまうのを懸念して、とか。
出発前にトラブルを起こさないよう注意をされたが、相手は同じ国の騎士団だから外交問題にはならないしなぁ…………
まぁ何も接触がなかったのは事実なんだし、気にする必要はないか。
「それで、ルミナス要塞の南に集結中だった魔物は完全に魔族領に撤退したんだね?」
「全面的に退却していたのは確かです。
ただ、自分は死体の収納後その場に留まらずに部隊との合流を優先しましたので、完全に撤退したのかはわかりません」
「そうか…………」
おっさんは何やら思考モードに入ってしまった。
部隊の後を追った俺の判断は間違ってはいないはずだ。
北から迫る2000体の魔物と森の中で激突したレイシス姫の部隊は、若干の負傷者を出したもののほぼ完勝した。
でもそれはあくまでも結果論であって、もしその2000体の中に上位種や高技量型が含まれていたら、かなりの被害を受けていただろう。
あっ…………
自分で考えていて気付いたが、そんな懸念があったのなら死体拾いなんてしてないでとっとと合流しろって話だよな。
最速では魔物が俺に向かって来なくなった時点で退けたし、戦略的な重要性から異形の捕獲を試みるまでは有りなのかもしれないが、金儲けに目が眩んだその後の死体の収集は完全にアウトだ。
犠牲者が出てなくて、レイシス姫が無事で本当に良かったが、このことは大いに反省しなければ…………よし!
「午後に殿下にも報告するのですが、その後でルミナス要塞に行って(魔物が撤退したかどうか)確認してきましょうか?」
自分への反省も兼ねて再度要塞に行くことを申し出た。が、
「いや、それには及ばない。
後のことは要塞のほうで対処するだろう」
自分から言い出しておいてなんだが、午後からあの要塞まで往復するとなるとかなり遅くなりそうだったから、行かなくて済んでラッキーだったかも。
「(…………どの道我らではどうにもならない問題か)」
おっさんの思考モードが終わったみたいだ。
何やら呟いていたがよく聞こえなかった。
「ところで君の特殊個体との模擬戦闘の件なんだが、選抜隊に聞いてみたところ是非行いたいとのことでね。
加えて選抜された者以外にも結構参加希望者がいるので、実施日など具体的なことは少し待って欲しい」
結構大事になってきたな。
ある程度安全に強者との戦闘経験を積めるのなら積極的に参加したくもなるか。
もっとも安全と言っても…………
「わかりました。
ただ今日こちらに来る前に試したのですが、手加減するよう指示してもかなりの攻撃力になってしまいます」
手加減自体できないのか、それとも指示通りに手加減しても尚あの破壊力なのか。
土甲弾用の大きな的を軽々と壊していく様子を思い返すに、まともに模擬戦をしたらかなりヤバいような…………
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