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「次は私の用件だ。
まずは一つ目。
君の(死霊術で操る)特殊個体との模擬戦闘の件なんだが、2日後に実施するのはどうかな?」
「問題ありません」
「では明後日の午後に城に来てくれ。
選抜隊の隊長と模擬戦、他の隊員には盾で攻撃を受けてもらう予定だ」
「模擬戦…………大丈夫でしょうか?」
特殊個体に手加減して戦うよう指示しても、対戦相手の安全は保障できないのが現状の俺の死霊術だ。
木製の武器に変えることで攻撃力の落ちる点を生かすために二本角に任せるつもりだが…………
「私からも最初は攻撃を受けるだけにしたらどうかと説得したのだが。
実際に戦ってみないことには部下に指示も助言もできないから、と頑として譲らなくてね」
「そうですか」
言いたいことはわかるが、それで命を失っては元も子もないのに。
「自分が危ないと判断したら模擬戦中でも特殊個体の動きを止めます。いいですね?」
「もちろんだ。
私のほうからもその隊長には念入りに注意を促しておこう」
実際には危ないと思ってから動きを止めても間に合わないかもしれない。
状況次第ではあるものの、そのもっと手前で止めるよう心掛ける必要がある。
「二つ目の用件だ。
コートダールから書状が2通届いた。
1通は閣下(=バルーカ領主エルスト・グレドール伯爵)宛で、先方の司令官から先日のお礼を改めて述べて来た」
司令官というのは、俺がレグザール砦に行く前に司令部で挨拶したクリュネガー司令のことだろう。
「もう1通は同じく閣下宛なのだが差出人が補佐官となっていて、君が飛行中に攻撃を受けた件に関する調査結果が書かれている」
レグザール砦に赴き黒オーガを2体討ち取った翌日、イズフール川(=商都の南を流れる大河。魔族に対する防御陣地となっている)の北側を飛んでいる時に魔法攻撃を受けたのだ。しかも人間に。
「結論から言うと、君を攻撃した者の痕跡は発見できなかったそうだ。無論魔物もいなかった」
正直調査にはあまり期待していなかった。
攻撃を受けた後も飛び続けてしまったので、正確な位置を伝えることができなかったからだ。
地図スキルに反応がなかったので魔物でないことは確定しているのだが…………
「他にイズフール川沿いの防衛部隊の魔術士も調査したそうだが、コートダール軍全員問題はなかったとのことだ」
全員シロか。
前線陣地を長時間不在にすれば怪しまれるので、防衛部隊の中に犯人はいな…………
「だが、政治的な理由から帝国軍を調査することは叶わなかったそうだ。
これは仕方ないね。ウチも似たり寄ったりな事情だからよくわかる」
おっさんがしきりに頷いている。
『わかる~わかるなぁ』と言った感じか。
「どうする?
更なる調査をするよう伝えるかい?」
「…………いえ、これ以上調べても進展は無さそうなので打ち切る方向で」
「わかった。閣下の名でそのように返書を送っておこう」
魔物のことを調べるのはまったくの無駄だし、コートダールや帝国と変に外交問題にでも発展されても困る。
俺のことを狙ったのかどうかの確証もないので、一旦棚上げにすることにした。
内城を後にして、もうすっかり日が落ちてしまった城内を歩いて帰路に就く。
本来は日課である魔法の練習をするべきなのだが、報告が長引いて疲れたこともあり今日はサボることにした。
「ただいま~」
「「「お帰りなさいませ」」」
すかさず中央のルルカに抱き着く。
はぁ~~、1日半振りのルルカの身体はたまらないものがある。
「お疲れですか?」
後頭部を撫でられながら聞かれるその声も心地良い。
「色々あってね」
単に昨日からの地上移動で疲れただけだ。
これを言うとロザリナがまた特訓とか言い出すから黙ってるけど…………でも昨日これからは運動しようと決めたばかりだったっけ…………明日からで。
「ツトム様失礼します」
「ツトム、脱がすぞ!」
左右からロザリナとディアが装備を脱がしてくれた。
「さぁ、まずはお食事にしましょう」
「その前に、3人にお土産があるんだ」
収納から布に包まれた例のブツを渡した。
「これは…………?」
「ドルーチェですね。
女性冒険者が装備の下に着る衣装です」
「私は冒険者ではないのだが??」
「なぜ私の分まで??」
「3人とも、風呂に入った後でそれを着て見せてくれ!!」
「「は??」」
「ツ、ツトム様、ドルーチェはれっきとした装備品なのですがっ?!」
「ロザリナよ、既成の概念にとらわれてどうする!
装備して良し! 見て楽しんで良し! 今求められているのはそういったマルチな使用法だ!」
「マ、マル??」
「私が着るには少し小さいような…………」
「ディアよ、敢えて言おう…………それもまた良し! と」
「良いのか??」
「やはりこういったモノを家の中で着るのは…………」
「ルルカよ、逆に聞くが外でなら着るのか?」
「無理ですっ、絶対無理…………」
「そうだろう。だったら答えは1つしかないではないか」
「どうして家の中で…………」
普段からもっとエロい下着姿を見せてくれているのに、どうしてドルーチェだとダメなんだろう?
まずは一つ目。
君の(死霊術で操る)特殊個体との模擬戦闘の件なんだが、2日後に実施するのはどうかな?」
「問題ありません」
「では明後日の午後に城に来てくれ。
選抜隊の隊長と模擬戦、他の隊員には盾で攻撃を受けてもらう予定だ」
「模擬戦…………大丈夫でしょうか?」
特殊個体に手加減して戦うよう指示しても、対戦相手の安全は保障できないのが現状の俺の死霊術だ。
木製の武器に変えることで攻撃力の落ちる点を生かすために二本角に任せるつもりだが…………
「私からも最初は攻撃を受けるだけにしたらどうかと説得したのだが。
実際に戦ってみないことには部下に指示も助言もできないから、と頑として譲らなくてね」
「そうですか」
言いたいことはわかるが、それで命を失っては元も子もないのに。
「自分が危ないと判断したら模擬戦中でも特殊個体の動きを止めます。いいですね?」
「もちろんだ。
私のほうからもその隊長には念入りに注意を促しておこう」
実際には危ないと思ってから動きを止めても間に合わないかもしれない。
状況次第ではあるものの、そのもっと手前で止めるよう心掛ける必要がある。
「二つ目の用件だ。
コートダールから書状が2通届いた。
1通は閣下(=バルーカ領主エルスト・グレドール伯爵)宛で、先方の司令官から先日のお礼を改めて述べて来た」
司令官というのは、俺がレグザール砦に行く前に司令部で挨拶したクリュネガー司令のことだろう。
「もう1通は同じく閣下宛なのだが差出人が補佐官となっていて、君が飛行中に攻撃を受けた件に関する調査結果が書かれている」
レグザール砦に赴き黒オーガを2体討ち取った翌日、イズフール川(=商都の南を流れる大河。魔族に対する防御陣地となっている)の北側を飛んでいる時に魔法攻撃を受けたのだ。しかも人間に。
「結論から言うと、君を攻撃した者の痕跡は発見できなかったそうだ。無論魔物もいなかった」
正直調査にはあまり期待していなかった。
攻撃を受けた後も飛び続けてしまったので、正確な位置を伝えることができなかったからだ。
地図スキルに反応がなかったので魔物でないことは確定しているのだが…………
「他にイズフール川沿いの防衛部隊の魔術士も調査したそうだが、コートダール軍全員問題はなかったとのことだ」
全員シロか。
前線陣地を長時間不在にすれば怪しまれるので、防衛部隊の中に犯人はいな…………
「だが、政治的な理由から帝国軍を調査することは叶わなかったそうだ。
これは仕方ないね。ウチも似たり寄ったりな事情だからよくわかる」
おっさんがしきりに頷いている。
『わかる~わかるなぁ』と言った感じか。
「どうする?
更なる調査をするよう伝えるかい?」
「…………いえ、これ以上調べても進展は無さそうなので打ち切る方向で」
「わかった。閣下の名でそのように返書を送っておこう」
魔物のことを調べるのはまったくの無駄だし、コートダールや帝国と変に外交問題にでも発展されても困る。
俺のことを狙ったのかどうかの確証もないので、一旦棚上げにすることにした。
内城を後にして、もうすっかり日が落ちてしまった城内を歩いて帰路に就く。
本来は日課である魔法の練習をするべきなのだが、報告が長引いて疲れたこともあり今日はサボることにした。
「ただいま~」
「「「お帰りなさいませ」」」
すかさず中央のルルカに抱き着く。
はぁ~~、1日半振りのルルカの身体はたまらないものがある。
「お疲れですか?」
後頭部を撫でられながら聞かれるその声も心地良い。
「色々あってね」
単に昨日からの地上移動で疲れただけだ。
これを言うとロザリナがまた特訓とか言い出すから黙ってるけど…………でも昨日これからは運動しようと決めたばかりだったっけ…………明日からで。
「ツトム様失礼します」
「ツトム、脱がすぞ!」
左右からロザリナとディアが装備を脱がしてくれた。
「さぁ、まずはお食事にしましょう」
「その前に、3人にお土産があるんだ」
収納から布に包まれた例のブツを渡した。
「これは…………?」
「ドルーチェですね。
女性冒険者が装備の下に着る衣装です」
「私は冒険者ではないのだが??」
「なぜ私の分まで??」
「3人とも、風呂に入った後でそれを着て見せてくれ!!」
「「は??」」
「ツ、ツトム様、ドルーチェはれっきとした装備品なのですがっ?!」
「ロザリナよ、既成の概念にとらわれてどうする!
装備して良し! 見て楽しんで良し! 今求められているのはそういったマルチな使用法だ!」
「マ、マル??」
「私が着るには少し小さいような…………」
「ディアよ、敢えて言おう…………それもまた良し! と」
「良いのか??」
「やはりこういったモノを家の中で着るのは…………」
「ルルカよ、逆に聞くが外でなら着るのか?」
「無理ですっ、絶対無理…………」
「そうだろう。だったら答えは1つしかないではないか」
「どうして家の中で…………」
普段からもっとエロい下着姿を見せてくれているのに、どうしてドルーチェだとダメなんだろう?
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