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「ナゼワカッタ?」
「そんな気配も消せないような未熟さで俺達を騙せると思うなよ?」
思いっきりテキトーなことを言う。
「ワレノ"ギタイ"ハカンゼンノハズダ」
ギタイ? 擬態か? 魔法…………いや、語感からしてスキルっぽいな。
「まぁ詳しいことは署でじっくりと聞かせてもらおうか」
あっ!? ここは署ではなくて城にすべきだったか!
4人でジリジリと包囲しながらくだらないことを気にしていると、
ブワァァァァァァァァ!!
一瞬で部屋の中が蒸気に包まれた。
「な、なんだ?」「視界が!?」
とっさに4人の前に魔盾を展開させると、
ドッゴォォォォォォォォォォン!!
窓側の壁が壊されて、室内から蒸気が一気に引いて行く。
!!!!
そこには背に翼を生やした異形がいた。
その異形の背丈は2メートルを優に超えており、オークのような巨漢型ではなく体型はオーガに近い。
肩や膝からは骨のようなものが突き出ており、背には大きな翼が生えている。
そして眉間の上には第3の目が開いていた。
異形は壊された壁から外へと飛び立った。
「あっ!? ま、待て!!」
人間の姿からの余りにも大きな変貌ぶりに固まっていた俺は慌てて追おうとした。
「やめろ!
追ってどうする? 貴様は空中では何もできんだろうが!!」
ランテスに止められた。
こいつの言うことは正しい。
違う魔法を同時に発動することはできない。この世界における厳然たる法則だ。
飛行魔法で飛んでいる間は他の魔法は使えず、攻撃も防御もできないのだ。
「くっ…………、しかしこのままみすみす取り逃がすなんて……」
せめて追撃だけでもと壊された壁から空を見上げ、飛び去って行く異形に対して、
(射程が最大なのは土甲弾で威力も申し分ない。しかしもし異形に当たるか弾かれるかして弾体が王都に落ちたら大惨事になってしまう。ここは土槍(回転)を選択するのが妥当か)
土槍(回転)を発射しようとしたその時だった。
異形が振り返えり、こちらに向けて魔法を撃って来た!
(魔法攻撃?! 火…………ファイヤーボールか!!)
慌てて魔盾で防御する。
念の為に3枚並べて慎重にファイヤーボールを受け止める。
ゴォォォォォォン!!
ファイヤーボールが魔盾と接触し煙が発生する中、異形は悠々と南の空へと消えて行った。
「申し訳ありません。魔物を取り逃がしてしまいました」
レイシス姫の元へと戻り、経過を報告して素直に謝罪する。
「こちらでも飛び立つ魔物の姿は確認できました。
ツムリーソ、そなたの申したことが事実だと証明されたのです。
もっと胸を張って喜びなさい」
「はっ…………」
さすがに言葉通りに受け取ることはできない。
レイシス姫を現場にお連れする(本人の意思ではあるものの)ことまでして成果なしは痛過ぎる。
飛んで逃げるなんて完全に想定外だったのだ。
もっと言うなら、初手から逃亡を選択したのも想定外だった。
自分に加えてランテスまでいるのだから確実に捕縛できると楽観視し過ぎていた。
それにあの異形……
戦闘態勢で対峙しなかったせいか、強者相手に感じる威圧感というかプレッシャーを全然感じなかった。
人類の勢力下に単独で潜入して来た以上、戦闘力が雑魚並なんてことはないと思うが……
最後の魔法攻撃も飛行しながら行ったということは、飛行魔法ではなくあの翼で物理的に飛んでいたということになる。
あんなのが複数いて空から縦横無尽に魔法攻撃されたら人類側は対抗できないぞ。
その後宿屋の一室で事情聴取が行われた。
どうして魔物の存在に気付いたのかは執拗に聞かれたが、『強い魔物と対峙した時のような強烈な気配を感じた』で押し通した。
そして魔物が人に化けていたこと、魔物が言葉を発したことが大変な衝撃をもって受け止められた。
「なんか面倒なことに巻き込んでしまって悪かったな」
「まったくだ。もっともあんなのが街中にいるかもってことを自分の目で見れたのは良かったかもしれんが……」
「詫び代わりに今度飯でも奢るよ」
「ダメだ、そんなんじゃ割に合わん! 貸し一つだ」
「わかったよ。
あとこれは他言無用なんだが……」
俺はランテスに回復魔法で斬られた手足を繋げられること、切断された手足は収納魔法で保管することを教えた。
「それじゃあ明日闘技場でな」
ランテスはレイシス姫に丁寧にあいさつをして立ち去った。
王城からレイシス姫の補佐官がやって来て宿屋と壊された部屋やその他諸々の折衝を行っている。
「さて、ツムリーソ」
「は、はい」
「私はこれから王城へ戻りこのことを陛下にご報告しなければなりません」
まぁことが事だしな。
当然アルタナ王国から他3国(=ベルガーナ王国・コートダール・グラバラス帝国)へと即伝達されるのだろう。
「そなたの奴隷達との会合を設定するのを忘れないように」
そのことがあったか!
ヤバい案件なので忘れ去りたかった!
現実逃避とも言うけど……
「その会合の場には自分の同席は必要でしょうか?」
そんな席には一瞬たりとも居たくはない。
しかしどのようなことが話されたかは知らないと非常にマズイ。
もっと言えばその場で危険な方向に話題が行かないように修正しないといけないような……
「不要です。女性同士で話す場にしたいと思います」
やはり立ち入り禁止か。
事前にルルカ達に言い含めておく必要があるな。
「補佐官と日程を詰めておくように。わかりましたね?」
「かしこまりました」
レイシス姫は近衛隊と共に王城への帰路に着いた。
残った補佐官と日程の調整を行うが、本選終了後の明日の夜か明後日の二択しかなく、結局明後日の午前中ということになった。
「そんな気配も消せないような未熟さで俺達を騙せると思うなよ?」
思いっきりテキトーなことを言う。
「ワレノ"ギタイ"ハカンゼンノハズダ」
ギタイ? 擬態か? 魔法…………いや、語感からしてスキルっぽいな。
「まぁ詳しいことは署でじっくりと聞かせてもらおうか」
あっ!? ここは署ではなくて城にすべきだったか!
4人でジリジリと包囲しながらくだらないことを気にしていると、
ブワァァァァァァァァ!!
一瞬で部屋の中が蒸気に包まれた。
「な、なんだ?」「視界が!?」
とっさに4人の前に魔盾を展開させると、
ドッゴォォォォォォォォォォン!!
窓側の壁が壊されて、室内から蒸気が一気に引いて行く。
!!!!
そこには背に翼を生やした異形がいた。
その異形の背丈は2メートルを優に超えており、オークのような巨漢型ではなく体型はオーガに近い。
肩や膝からは骨のようなものが突き出ており、背には大きな翼が生えている。
そして眉間の上には第3の目が開いていた。
異形は壊された壁から外へと飛び立った。
「あっ!? ま、待て!!」
人間の姿からの余りにも大きな変貌ぶりに固まっていた俺は慌てて追おうとした。
「やめろ!
追ってどうする? 貴様は空中では何もできんだろうが!!」
ランテスに止められた。
こいつの言うことは正しい。
違う魔法を同時に発動することはできない。この世界における厳然たる法則だ。
飛行魔法で飛んでいる間は他の魔法は使えず、攻撃も防御もできないのだ。
「くっ…………、しかしこのままみすみす取り逃がすなんて……」
せめて追撃だけでもと壊された壁から空を見上げ、飛び去って行く異形に対して、
(射程が最大なのは土甲弾で威力も申し分ない。しかしもし異形に当たるか弾かれるかして弾体が王都に落ちたら大惨事になってしまう。ここは土槍(回転)を選択するのが妥当か)
土槍(回転)を発射しようとしたその時だった。
異形が振り返えり、こちらに向けて魔法を撃って来た!
(魔法攻撃?! 火…………ファイヤーボールか!!)
慌てて魔盾で防御する。
念の為に3枚並べて慎重にファイヤーボールを受け止める。
ゴォォォォォォン!!
ファイヤーボールが魔盾と接触し煙が発生する中、異形は悠々と南の空へと消えて行った。
「申し訳ありません。魔物を取り逃がしてしまいました」
レイシス姫の元へと戻り、経過を報告して素直に謝罪する。
「こちらでも飛び立つ魔物の姿は確認できました。
ツムリーソ、そなたの申したことが事実だと証明されたのです。
もっと胸を張って喜びなさい」
「はっ…………」
さすがに言葉通りに受け取ることはできない。
レイシス姫を現場にお連れする(本人の意思ではあるものの)ことまでして成果なしは痛過ぎる。
飛んで逃げるなんて完全に想定外だったのだ。
もっと言うなら、初手から逃亡を選択したのも想定外だった。
自分に加えてランテスまでいるのだから確実に捕縛できると楽観視し過ぎていた。
それにあの異形……
戦闘態勢で対峙しなかったせいか、強者相手に感じる威圧感というかプレッシャーを全然感じなかった。
人類の勢力下に単独で潜入して来た以上、戦闘力が雑魚並なんてことはないと思うが……
最後の魔法攻撃も飛行しながら行ったということは、飛行魔法ではなくあの翼で物理的に飛んでいたということになる。
あんなのが複数いて空から縦横無尽に魔法攻撃されたら人類側は対抗できないぞ。
その後宿屋の一室で事情聴取が行われた。
どうして魔物の存在に気付いたのかは執拗に聞かれたが、『強い魔物と対峙した時のような強烈な気配を感じた』で押し通した。
そして魔物が人に化けていたこと、魔物が言葉を発したことが大変な衝撃をもって受け止められた。
「なんか面倒なことに巻き込んでしまって悪かったな」
「まったくだ。もっともあんなのが街中にいるかもってことを自分の目で見れたのは良かったかもしれんが……」
「詫び代わりに今度飯でも奢るよ」
「ダメだ、そんなんじゃ割に合わん! 貸し一つだ」
「わかったよ。
あとこれは他言無用なんだが……」
俺はランテスに回復魔法で斬られた手足を繋げられること、切断された手足は収納魔法で保管することを教えた。
「それじゃあ明日闘技場でな」
ランテスはレイシス姫に丁寧にあいさつをして立ち去った。
王城からレイシス姫の補佐官がやって来て宿屋と壊された部屋やその他諸々の折衝を行っている。
「さて、ツムリーソ」
「は、はい」
「私はこれから王城へ戻りこのことを陛下にご報告しなければなりません」
まぁことが事だしな。
当然アルタナ王国から他3国(=ベルガーナ王国・コートダール・グラバラス帝国)へと即伝達されるのだろう。
「そなたの奴隷達との会合を設定するのを忘れないように」
そのことがあったか!
ヤバい案件なので忘れ去りたかった!
現実逃避とも言うけど……
「その会合の場には自分の同席は必要でしょうか?」
そんな席には一瞬たりとも居たくはない。
しかしどのようなことが話されたかは知らないと非常にマズイ。
もっと言えばその場で危険な方向に話題が行かないように修正しないといけないような……
「不要です。女性同士で話す場にしたいと思います」
やはり立ち入り禁止か。
事前にルルカ達に言い含めておく必要があるな。
「補佐官と日程を詰めておくように。わかりましたね?」
「かしこまりました」
レイシス姫は近衛隊と共に王城への帰路に着いた。
残った補佐官と日程の調整を行うが、本選終了後の明日の夜か明後日の二択しかなく、結局明後日の午前中ということになった。
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