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第二章
20話 ふだんどおりで
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続いて行なわれる試合は、D1。
柳葉高校のD1選手が先にコートへ入る。がんばれよと倉持から激励を受けた、才徳が誇るD1──杉山と明前は、互いに拳を突き合わせ、胸を張ってコート入りした。
そのあとに、ベンチコーチとして大神が入る。
柳葉高校のベンチコーチには、変わらず立木顧問が座っている。大神は立木のもとへ赴くと、深く一礼した。一言二言ことばを交わし、立木が愉快そうに笑ったところで大神がベンチに戻る。
いまのところ、杉山と明前に緊張したようすは見受けられない。もっとも、テニスの試合における明前の辞書には『緊張』という言葉はないのだけれど。
とはいえ、大神の前に並ぶとわずかに空気もひきしまる。ベンチに座ってふたりを見上げた大神は、口角あげてささやいた。
「ふだんどおりで十分だ。お前らの実力はこの俺がよく知ってる──明前、今日はポーチ多めでいけ」
「はい」
「杉山」
「おん」
「ダブルスだ。楽しめ」
「──おう!」
行ってこい、と。
大神の一言でふたりはすっかり笑顔になった。柳葉高校のD1選手はすでにラケットを地面に突き立て、サーブ権を決める準備を整えている。
杉山は「ラフ!」といった。
ラケットエンブレムは裏を向く。どっちがいいかと明前に目配せする。明前は「サーブ」と言った。
審判は、先ほどの試合で負けた選手というルールになっている。つまり今回の主審は宮向であり、足りない副審は才徳控え選手から出すことになっている。今回は天城が手を上げたようだ。
サービス練習ののち、ふたりはサービスライン付近で顔を寄せあった。
「ま、大神さんの言うようにふだん通りで」
「ああ」
「はやく終わらせて、慎也さんに渡しましょう」
「はよ戦いとうてソワソワしよったもんな、アイツ」
ハハッ、とわらって杉山はレフトサービスコートへ入る。その背を見送ってから明前もベースラインまで下がる。
さあ、準備は整った。
「ワンセットマッチ、才徳トゥサーブプレイ」
宮向のコール。
これより、県大会予選才徳学園対柳葉高校第二試合のはじまりである。
────。
「柳葉高校D1、大谷与四郎と長束雅巳。どちらも安定したストロークが強みで、とくに長束のドライブは回転が強いんでよく跳ねる」
蜂谷はノートをめくった。
曰く、昨年はD2での出場だったという。才徳で対戦したのは当時二年生の先輩だったが、当時一年だった彼らのドライブショットには、ずいぶん苦しめられていたとか。
伊織が、フェンスの外から試合を眺める。
「うちの杉山はなんでこうもダブルスんなると、生き生きしだすんやろな」
「心の底から楽しいんだとよ。ま、気持ちは分かるけどな」
姫川がわらう。
杉山は一言で言うと絶好調だった。先日の犬塚との試合は見る影もなく、積極的なプレーが目立つ。
ポーチ率高ェなァ、と星丸が目を見開いた。
ポーチとは後衛同士のラリー中、前衛がセンターラインに飛び出してボレーするというものである。
ポーチを多めに、とは大神が明前に託したアドバイスだが、これは明前に限らず杉山も聞き入れたようで、先ほどから軽やかに飛び出している。
「なんでポーチ多めなん?」
「ストロークの安定感でいうと、正直向こうに分がある。長々とラリーさせたらこちらがミスを誘発されかねないからね。さっさと断ち切るのが手だと、大神も思ったんじゃないかな」
と、蜂谷。
「ダブルスやってんのに、ちんたらラリーされたらたまんねえぜ。おれはさっさとケリつけたいタイプだし」
「オレもォ。やっぱ前出てなんぼっすよね」
D2の姫川と星丸は、顔を見合わせてうなずいた。
ダブルスかぁ、と伊織がつぶやく。
「昔はよう愛織と組ましてもろたな。モノクロペアなんちゅーてな、向かうとこ敵なし。もう面白うて面白うて、うちもシングルスより断然ダブルスのが好きやった」
「モノクロペアって?」
「昔からな、うちが黒いジャージで愛織が白いジャージ好んで着ててんやんか。ダブルスのときいつも白黒で組んどったから、いつしかそんなのがついてん」
「でも──公式戦出たことねえんだろ。そのダブルスってどこで戦ってたんだよ」
姫川が伊織の肩に顎をのせる。
いやいや、と伊織は苦笑した。
「中高と帰宅部やったとは言うたけど、公式戦一度も出たことないとは言うてへんで。学校関係なく、ジュニア選手権には愛織とのダブルスで出たことあるもん」
「マジか!」
「モノクロペアって名前ついたんはアメリカおった頃やけどな。ほんでも小学校にいてる間は、試合も出てたんよ。ダブルスだけな」
「なんで出なくなったんだ」
と、次の試合にむけてアップをしていた倉持が寄ってきた。
「愛織が──えっと。中学校の名前背負って中体連の試合出るようになったんで、そっち集中してもらいたかってん。あんまり無理させとうなかったし」
「勿体ねえなぁ。お前テニスうまいのによ」
倉持はふっとため息をついた。
D1の試合は才徳ペアが優勢のまま八ゲーム目に突入。才徳リードでゲームカウント5-2。相手の実力はもちろん申し分ないのだが、杉山と明前の動きが段違いなのである。
ポーチに出た前衛と、それに合わせてサイドチェンジをおこなう後衛の息が合い、ポーチに返されたストレートのボールにもなんなくカバーが入る。
もはや死角のないペアと言ってもいいだろう。
「ダブルスはさ」
試合を見つめる伊織がつぶやく。
「個人が強いだけじゃあかんやろ」
「まあな。ふたりでやってこその醍醐味があるし──そういや、お前の姉貴は桜爛の女テニで都大会出んだろ。応援行くのか?」
「出られないだろうな」
と、答えたのは蜂谷である。
彼は手元のノートにスコアを書き入れながら続けた。
「転入生は転入後半年間、原則として大会出場しちゃいけないことになってるから」
「エッ、そんなルールあんのか」
「そうみたいやな。それに愛織はあんまし、センバツ大会には執着ないみたいやけど。出るとしたら来年八月のジュニア選手権やろ」
「伊織は──」
出ねーの、と姫川がいいかけた。
そのときコートから宮向の声がした。
「ゲームセット ウォンバイ才徳。6-2」
ワッ、と星丸と姫川が立ち上がる。
つられて伊織と倉持もおもわずハイタッチ。背後からは顧問の天谷がきゃあと飛び上がる声も聞こえた。直後に聞こえてきたのは「落ち着いて」という蜂谷の声。
これで柳葉高校戦は勝ち上がったも同然である。が、まだ試合は残っている。
倉持がいきおいよく立ち上がった。
「おし、出番だ!」
「勝ってや」
「言われなくてもそのつもりだぜ」
と、倉持と伊織は拳を突き合わせる。
コートから出てきたD1のふたりが倉持の肩を叩く。倉持は健闘を讃えるかのようにふたりの頭をぐしゃりとかき混ぜた。
「じゃ、行ってくらァ」
「信じてるで」
コートにはベンチコーチとして大神の姿がある。ラケットバッグを肩にかけ、勇ましくコート上にやってきた才徳屈指の努力家、倉持慎也。
対する相手は、柳葉高校部長の田中篤志。倉持の顔を見るや、ラケットバッグを下ろす間もなく突っかかった。
「この試合だけでも一矢報いてやる」
「そうさせてやりたいとこだけど、うちも今大会一試合でも負けることは許されてねえんだよ。この試合、勝ちはもらうぜ」
「望むところだ」
田中はつんと自陣のベンチへ向かう。
倉持はバッグをおろしてラケットを取り出し、大神のとなりに腰かけて靴ヒモの調整をする。大神を見向きもせずに倉持は口角をあげた。
「よお、大神部長。アドバイスは?」
「テメーにくれてやるアドバイスなんざねーよ」
「は? てめ、なんのためのベンチコーチだよ」
「んなもんなくても、テメーは勝つだろ」
「……そ、れはそうだけど」
「そうだな。ひとつ言うことがあるとすりゃあ」
大神は閉口し、空をあおぐ。
「ふだんどおり楽しめ、ってとこか」
「言われなくても」
と、倉持がわらって拳を突き出す。
それに応えるように、大神もその拳に拳をコツンと突き合わせた。
「行ってこい」
「応!」
ここから、県大会予選才徳学園対柳葉高校第三試合がはじまる。
柳葉高校のD1選手が先にコートへ入る。がんばれよと倉持から激励を受けた、才徳が誇るD1──杉山と明前は、互いに拳を突き合わせ、胸を張ってコート入りした。
そのあとに、ベンチコーチとして大神が入る。
柳葉高校のベンチコーチには、変わらず立木顧問が座っている。大神は立木のもとへ赴くと、深く一礼した。一言二言ことばを交わし、立木が愉快そうに笑ったところで大神がベンチに戻る。
いまのところ、杉山と明前に緊張したようすは見受けられない。もっとも、テニスの試合における明前の辞書には『緊張』という言葉はないのだけれど。
とはいえ、大神の前に並ぶとわずかに空気もひきしまる。ベンチに座ってふたりを見上げた大神は、口角あげてささやいた。
「ふだんどおりで十分だ。お前らの実力はこの俺がよく知ってる──明前、今日はポーチ多めでいけ」
「はい」
「杉山」
「おん」
「ダブルスだ。楽しめ」
「──おう!」
行ってこい、と。
大神の一言でふたりはすっかり笑顔になった。柳葉高校のD1選手はすでにラケットを地面に突き立て、サーブ権を決める準備を整えている。
杉山は「ラフ!」といった。
ラケットエンブレムは裏を向く。どっちがいいかと明前に目配せする。明前は「サーブ」と言った。
審判は、先ほどの試合で負けた選手というルールになっている。つまり今回の主審は宮向であり、足りない副審は才徳控え選手から出すことになっている。今回は天城が手を上げたようだ。
サービス練習ののち、ふたりはサービスライン付近で顔を寄せあった。
「ま、大神さんの言うようにふだん通りで」
「ああ」
「はやく終わらせて、慎也さんに渡しましょう」
「はよ戦いとうてソワソワしよったもんな、アイツ」
ハハッ、とわらって杉山はレフトサービスコートへ入る。その背を見送ってから明前もベースラインまで下がる。
さあ、準備は整った。
「ワンセットマッチ、才徳トゥサーブプレイ」
宮向のコール。
これより、県大会予選才徳学園対柳葉高校第二試合のはじまりである。
────。
「柳葉高校D1、大谷与四郎と長束雅巳。どちらも安定したストロークが強みで、とくに長束のドライブは回転が強いんでよく跳ねる」
蜂谷はノートをめくった。
曰く、昨年はD2での出場だったという。才徳で対戦したのは当時二年生の先輩だったが、当時一年だった彼らのドライブショットには、ずいぶん苦しめられていたとか。
伊織が、フェンスの外から試合を眺める。
「うちの杉山はなんでこうもダブルスんなると、生き生きしだすんやろな」
「心の底から楽しいんだとよ。ま、気持ちは分かるけどな」
姫川がわらう。
杉山は一言で言うと絶好調だった。先日の犬塚との試合は見る影もなく、積極的なプレーが目立つ。
ポーチ率高ェなァ、と星丸が目を見開いた。
ポーチとは後衛同士のラリー中、前衛がセンターラインに飛び出してボレーするというものである。
ポーチを多めに、とは大神が明前に託したアドバイスだが、これは明前に限らず杉山も聞き入れたようで、先ほどから軽やかに飛び出している。
「なんでポーチ多めなん?」
「ストロークの安定感でいうと、正直向こうに分がある。長々とラリーさせたらこちらがミスを誘発されかねないからね。さっさと断ち切るのが手だと、大神も思ったんじゃないかな」
と、蜂谷。
「ダブルスやってんのに、ちんたらラリーされたらたまんねえぜ。おれはさっさとケリつけたいタイプだし」
「オレもォ。やっぱ前出てなんぼっすよね」
D2の姫川と星丸は、顔を見合わせてうなずいた。
ダブルスかぁ、と伊織がつぶやく。
「昔はよう愛織と組ましてもろたな。モノクロペアなんちゅーてな、向かうとこ敵なし。もう面白うて面白うて、うちもシングルスより断然ダブルスのが好きやった」
「モノクロペアって?」
「昔からな、うちが黒いジャージで愛織が白いジャージ好んで着ててんやんか。ダブルスのときいつも白黒で組んどったから、いつしかそんなのがついてん」
「でも──公式戦出たことねえんだろ。そのダブルスってどこで戦ってたんだよ」
姫川が伊織の肩に顎をのせる。
いやいや、と伊織は苦笑した。
「中高と帰宅部やったとは言うたけど、公式戦一度も出たことないとは言うてへんで。学校関係なく、ジュニア選手権には愛織とのダブルスで出たことあるもん」
「マジか!」
「モノクロペアって名前ついたんはアメリカおった頃やけどな。ほんでも小学校にいてる間は、試合も出てたんよ。ダブルスだけな」
「なんで出なくなったんだ」
と、次の試合にむけてアップをしていた倉持が寄ってきた。
「愛織が──えっと。中学校の名前背負って中体連の試合出るようになったんで、そっち集中してもらいたかってん。あんまり無理させとうなかったし」
「勿体ねえなぁ。お前テニスうまいのによ」
倉持はふっとため息をついた。
D1の試合は才徳ペアが優勢のまま八ゲーム目に突入。才徳リードでゲームカウント5-2。相手の実力はもちろん申し分ないのだが、杉山と明前の動きが段違いなのである。
ポーチに出た前衛と、それに合わせてサイドチェンジをおこなう後衛の息が合い、ポーチに返されたストレートのボールにもなんなくカバーが入る。
もはや死角のないペアと言ってもいいだろう。
「ダブルスはさ」
試合を見つめる伊織がつぶやく。
「個人が強いだけじゃあかんやろ」
「まあな。ふたりでやってこその醍醐味があるし──そういや、お前の姉貴は桜爛の女テニで都大会出んだろ。応援行くのか?」
「出られないだろうな」
と、答えたのは蜂谷である。
彼は手元のノートにスコアを書き入れながら続けた。
「転入生は転入後半年間、原則として大会出場しちゃいけないことになってるから」
「エッ、そんなルールあんのか」
「そうみたいやな。それに愛織はあんまし、センバツ大会には執着ないみたいやけど。出るとしたら来年八月のジュニア選手権やろ」
「伊織は──」
出ねーの、と姫川がいいかけた。
そのときコートから宮向の声がした。
「ゲームセット ウォンバイ才徳。6-2」
ワッ、と星丸と姫川が立ち上がる。
つられて伊織と倉持もおもわずハイタッチ。背後からは顧問の天谷がきゃあと飛び上がる声も聞こえた。直後に聞こえてきたのは「落ち着いて」という蜂谷の声。
これで柳葉高校戦は勝ち上がったも同然である。が、まだ試合は残っている。
倉持がいきおいよく立ち上がった。
「おし、出番だ!」
「勝ってや」
「言われなくてもそのつもりだぜ」
と、倉持と伊織は拳を突き合わせる。
コートから出てきたD1のふたりが倉持の肩を叩く。倉持は健闘を讃えるかのようにふたりの頭をぐしゃりとかき混ぜた。
「じゃ、行ってくらァ」
「信じてるで」
コートにはベンチコーチとして大神の姿がある。ラケットバッグを肩にかけ、勇ましくコート上にやってきた才徳屈指の努力家、倉持慎也。
対する相手は、柳葉高校部長の田中篤志。倉持の顔を見るや、ラケットバッグを下ろす間もなく突っかかった。
「この試合だけでも一矢報いてやる」
「そうさせてやりたいとこだけど、うちも今大会一試合でも負けることは許されてねえんだよ。この試合、勝ちはもらうぜ」
「望むところだ」
田中はつんと自陣のベンチへ向かう。
倉持はバッグをおろしてラケットを取り出し、大神のとなりに腰かけて靴ヒモの調整をする。大神を見向きもせずに倉持は口角をあげた。
「よお、大神部長。アドバイスは?」
「テメーにくれてやるアドバイスなんざねーよ」
「は? てめ、なんのためのベンチコーチだよ」
「んなもんなくても、テメーは勝つだろ」
「……そ、れはそうだけど」
「そうだな。ひとつ言うことがあるとすりゃあ」
大神は閉口し、空をあおぐ。
「ふだんどおり楽しめ、ってとこか」
「言われなくても」
と、倉持がわらって拳を突き出す。
それに応えるように、大神もその拳に拳をコツンと突き合わせた。
「行ってこい」
「応!」
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