31 / 104
第二章
30話 才徳の坊や
しおりを挟む
熊澤と鯉淵が互いの背を叩いてよろこぶすがたがあった。対する姫川の足もとには、ネットにかかったボールが転がっている。
膝があがってんねんもん、と。
伊織がBコートを睨み付けてつぶやいた。息を乱した姫川がラケットと足を使ってボールを拾い上げる。
才徳リードのゲームカウント5-4、ポイントは青峰リードの15-30。
星丸と姫川のあいだにわずかな焦燥が見てとれる。先ほどまで一球決まるごとによろこんでいたふたりも、いまではポイント間でハイタッチをする程度におさまった。テクニックもメンタルもパワーすら負けてはいない。なんならフットワークは才徳の方が上である。が──。
ちくしょう、と倉持が眉をしかめる。
「スタミナの差がでたか」
「あの筋肉ダルマのストロークが重いんや。いくら姫ちゃんがパワープレイヤーといっても、あんだけ身体の大きさが違うたらそら不利やで」
「一見すると、子どもとゴリラの試合ッスからね」明前がうなだれた。
「んはっ」杉山は吹き出す。
「アホ」伊織が声を尖らせた。
「ゴリラはめっちゃ優しい動物やねんで。握力強うて小動物握りつぶしたあかつきには、メシも喉を通らんほど落ち込むねん。あれはもうゴリラというよりキングコングや」
「どっちにしろゴリラじゃねースか!」
「んははっ」
と、杉山が笑い転げたところで星丸のショットがアウトとなり、ポイントは15-40。ゲームカウントはいまだ才徳優勢だが、つぎのポイントでブレイクされた場合、スタミナが残り少ない才徳陣が一気に不利である。
メンタルは強いふたりだが、さすがにスタミナも削られて元気がない。一方の青峰は、いまだスタミナに余裕があるのか、顔を寄せあって冷静に次ポイントの攻め方を話し合っている。
倉持が伊織の手元にあるノートを覗いた。
「青峰D2、熊澤剛と鯉淵寛太──あのパワーがすげえのは熊澤の方か」
「やははっ。ゴリラやのうて熊やったな」
「わろとる場合ちゃうで。ここで踏んばってくれんと、5-5に追いつかれたらあと2ゲーム戦うスタミナないかもわからん!」
「廉也のテンションがもどったら、ワンチャン踏ん張れそうなんスけどね──」
明前がつぶやく。
一同の視線は自然と大神に注がれた。が、コート外にいる以上彼らにアドバイスを授けることはルール違反となる。大神はフェンスに顔を近づけてBコートをぎろりとにらみつけた。いや、その視線に捉えられているのは星丸である。
視線を感じたか、星丸がびくりと肩を揺らしてこちらを見た。
「…………」
目があうふたり。
大神は、なにも言わぬままフェンス越しに拳を突き出した。
「!」
ふたたび星丸の肩が揺れる。
まもなく彼は、二度ほどおのれの太ももを叩いた。ぐるんと肩をひと回し。ラケットもくるりと回してグリップを持ち直すと、彼は唐突に人差し指を空に突き上げた。
なんだよ、と姫川がおどろいて目を見ひらく。
「姫ちゃんセンパイッ」
「だっ、だれが姫ちゃんだ」
「つぎ一本オレぜったいとるんで、とったら帰りにご褒美の肉まんねだっていいすか?」
「あァ?」
「ネッ、おねがい。肉まん一個!」
「しょーがねえな分かったよ。その代わり、おれが決めたらチャラだからな」
「よっしゃッ」
星丸はピョンと跳びはねて、ボールを熊澤のほうへ投げ渡す。
とたん空気が変わった。星丸の顔に翳りはなく、姫川とタッチを交わしてベースラインへ下がる。星丸のリターンである。
サービスは熊澤。
ぐっと膝を落とした星丸は手元でグリップを遊ばせる。相手の巨体から繰り出される力強いサーブを返す際、その握りはウェスタンではなくコンチネンタル──包丁握りでスライスをかける。ボールは低い弾道を描きクロスのサービスラインへ。むこうの前衛、鯉淵はそれほどポーチが得意でないのか球を見送る。瞬間、星丸は前に出た。
姫川との並行陣である。
熊澤はかまわず強烈なストロークをかましてきた。が、星丸はひるまずにボールへ飛びつき、ショートクロスへ決めた。
「30-40」
いっしゃァ、と星丸が姫川に駆け寄る。
肉まんっすよ肉まん、と繰り返す星丸をなだめる姫川は苦笑して「わかったよ」とうなずく。が、その顔はすぐにいたずらっ子のような表情に変わった。
「じゃあつぎ、おれが決めたらハーゲンダッツな」
「えっ。肉まんの倍以上じゃないスかァ! 勘弁してくださいよ──」
才徳の坊や、星丸廉也。
彼の持ち味である底抜けの明るさは、逆境のときにこそ役に立つ。つづく姫川のリターンも外に跳ねた球を見事にストレート抜き。試合はデュースへもつれこんだ。
ホッと明前が肩の力を抜く。
「あのダブルスは、やっぱなんだかんだ廉也の機嫌で左右されるッスね」
「ああ。最高潮を維持してたらだいたいいけるからな……ほらいくぞ」
倉持は腰をあげて明前の背中を叩いた。
「あ、ウォーミングアップですか」
「ああ。次の試合俺たちも、負けるわけにはいかねーからな」
「うぃッス」
ふたりは靴紐をしめなおし、ゆっくりと走り出す。
その背を見送ってから大神が「よお」とつぶやく。
「テメーもそろそろだぜ。杉山」
Aコートでおこなわれる蜂谷の試合が、5-5と拮抗する。そのようすを一瞥した杉山は「よっこいせ」と大儀そうに立ち上がった。
「オレも、とくにつぎのゲームは負けられへんなぁ──」
「しっかりエンジンかけてこい」
「おう」
杉山は駆けだした。
内角へ入ったサーブを星丸がクロスへリターン。瞬間、前衛にて姿勢を低く構えていた姫川がぐっと一歩前にでた。ふたたび熊澤のストロークは極端にクロスへ。しかしボールが浅かった。星丸はぐっと肩を入れてテイクバックをし、強烈なトップスピンをかけた球を相手前衛へとぶつける。
球は相手のラケットフレームに当たり、ラケットは弾かれた。
幸か不幸かボールは姫川の眼前へ返る。彼の前にロブをあげてはならない。なぜならそれは、百発百中、ベースライン際まで伸びるスマッシュとなって返ってくるのだから。
「ゲームセット ウォンバイ才徳 6-4」
星丸が雄叫びをあげる。
それと時を同じくして、S3試合も才徳マッチポイントをむかえていた。蜂谷のサーブ。力強いサーブを外角へ叩き込む。和泉はわずかに体勢を崩したがラケットの面に当ててリターンする。返球は高い。めずらしく前に詰めた蜂谷が、スマッシュを叩き込んだ。しかしそれはふたたび返される。蜂谷はからだをわずかにずらし、バックハンドでショートクロスへ。
スマッシュを警戒してベースラインに下がっていた和泉は、予測して駆けあがるも一歩及ばず。
「ゲームセット ウォンバイ才徳 7-5」
審判コールによって、蜂谷司郎と和泉小太郎のS3試合は終了した。
「やったーッ!」
伊織が飛び跳ねた。
コートから出てきた才徳選手たちに、出入口を陣取っていた彼女が一番に声をかける。蜂谷の両肩に手を置いてぴょんぴょん跳ねたあと、後続の姫川を力いっぱいに抱きしめて、星丸の頭に飛びつく。
勝利の余韻に浸る一方、ウォーミングアップからもどった杉山が「大神」と手を振った。
これからS2として試合に入るためのアドバイスはあるかと聞くためだ。
しかし大神は、
「楽しめ」
とだけ言った。
杉山はニッコリとわらってサムズアップ。まもなく蜂谷が試合していたコートへと足を踏み入れた。
そのうしろから大神を見つめるふたりがいる。D1として出場する倉持と明前である。こちらも大神からのアドバイスを期待しているらしい。が、大神は早く入れ、と言いたげに手をヒラヒラと振った。曰く、アドバイスはないということである。
倉持はまたかよ、と地団駄を踏んだが、大神はクックッと肩を揺らすばかりでなにを言うこともなかった。
ええの、と伊織が眉を下げる。
「なんもアドバイスせんと」
「いらねえ。戦術的なことは今日までにさんざ蜂谷に聞いただろうし、いまのアイツらは青峰ごときに負ける実力じゃねえ。俺から言うことはなにもねーよ」
ふーん、と伊織はわらった。
「信じとんねや」
「さむい言い方すんな。バカ」
「関西人に馬鹿いうなアホ」
ムッと口をとがらせる伊織に、どうだった、と蜂谷がその肩を叩く。
膝があがってんねんもん、と。
伊織がBコートを睨み付けてつぶやいた。息を乱した姫川がラケットと足を使ってボールを拾い上げる。
才徳リードのゲームカウント5-4、ポイントは青峰リードの15-30。
星丸と姫川のあいだにわずかな焦燥が見てとれる。先ほどまで一球決まるごとによろこんでいたふたりも、いまではポイント間でハイタッチをする程度におさまった。テクニックもメンタルもパワーすら負けてはいない。なんならフットワークは才徳の方が上である。が──。
ちくしょう、と倉持が眉をしかめる。
「スタミナの差がでたか」
「あの筋肉ダルマのストロークが重いんや。いくら姫ちゃんがパワープレイヤーといっても、あんだけ身体の大きさが違うたらそら不利やで」
「一見すると、子どもとゴリラの試合ッスからね」明前がうなだれた。
「んはっ」杉山は吹き出す。
「アホ」伊織が声を尖らせた。
「ゴリラはめっちゃ優しい動物やねんで。握力強うて小動物握りつぶしたあかつきには、メシも喉を通らんほど落ち込むねん。あれはもうゴリラというよりキングコングや」
「どっちにしろゴリラじゃねースか!」
「んははっ」
と、杉山が笑い転げたところで星丸のショットがアウトとなり、ポイントは15-40。ゲームカウントはいまだ才徳優勢だが、つぎのポイントでブレイクされた場合、スタミナが残り少ない才徳陣が一気に不利である。
メンタルは強いふたりだが、さすがにスタミナも削られて元気がない。一方の青峰は、いまだスタミナに余裕があるのか、顔を寄せあって冷静に次ポイントの攻め方を話し合っている。
倉持が伊織の手元にあるノートを覗いた。
「青峰D2、熊澤剛と鯉淵寛太──あのパワーがすげえのは熊澤の方か」
「やははっ。ゴリラやのうて熊やったな」
「わろとる場合ちゃうで。ここで踏んばってくれんと、5-5に追いつかれたらあと2ゲーム戦うスタミナないかもわからん!」
「廉也のテンションがもどったら、ワンチャン踏ん張れそうなんスけどね──」
明前がつぶやく。
一同の視線は自然と大神に注がれた。が、コート外にいる以上彼らにアドバイスを授けることはルール違反となる。大神はフェンスに顔を近づけてBコートをぎろりとにらみつけた。いや、その視線に捉えられているのは星丸である。
視線を感じたか、星丸がびくりと肩を揺らしてこちらを見た。
「…………」
目があうふたり。
大神は、なにも言わぬままフェンス越しに拳を突き出した。
「!」
ふたたび星丸の肩が揺れる。
まもなく彼は、二度ほどおのれの太ももを叩いた。ぐるんと肩をひと回し。ラケットもくるりと回してグリップを持ち直すと、彼は唐突に人差し指を空に突き上げた。
なんだよ、と姫川がおどろいて目を見ひらく。
「姫ちゃんセンパイッ」
「だっ、だれが姫ちゃんだ」
「つぎ一本オレぜったいとるんで、とったら帰りにご褒美の肉まんねだっていいすか?」
「あァ?」
「ネッ、おねがい。肉まん一個!」
「しょーがねえな分かったよ。その代わり、おれが決めたらチャラだからな」
「よっしゃッ」
星丸はピョンと跳びはねて、ボールを熊澤のほうへ投げ渡す。
とたん空気が変わった。星丸の顔に翳りはなく、姫川とタッチを交わしてベースラインへ下がる。星丸のリターンである。
サービスは熊澤。
ぐっと膝を落とした星丸は手元でグリップを遊ばせる。相手の巨体から繰り出される力強いサーブを返す際、その握りはウェスタンではなくコンチネンタル──包丁握りでスライスをかける。ボールは低い弾道を描きクロスのサービスラインへ。むこうの前衛、鯉淵はそれほどポーチが得意でないのか球を見送る。瞬間、星丸は前に出た。
姫川との並行陣である。
熊澤はかまわず強烈なストロークをかましてきた。が、星丸はひるまずにボールへ飛びつき、ショートクロスへ決めた。
「30-40」
いっしゃァ、と星丸が姫川に駆け寄る。
肉まんっすよ肉まん、と繰り返す星丸をなだめる姫川は苦笑して「わかったよ」とうなずく。が、その顔はすぐにいたずらっ子のような表情に変わった。
「じゃあつぎ、おれが決めたらハーゲンダッツな」
「えっ。肉まんの倍以上じゃないスかァ! 勘弁してくださいよ──」
才徳の坊や、星丸廉也。
彼の持ち味である底抜けの明るさは、逆境のときにこそ役に立つ。つづく姫川のリターンも外に跳ねた球を見事にストレート抜き。試合はデュースへもつれこんだ。
ホッと明前が肩の力を抜く。
「あのダブルスは、やっぱなんだかんだ廉也の機嫌で左右されるッスね」
「ああ。最高潮を維持してたらだいたいいけるからな……ほらいくぞ」
倉持は腰をあげて明前の背中を叩いた。
「あ、ウォーミングアップですか」
「ああ。次の試合俺たちも、負けるわけにはいかねーからな」
「うぃッス」
ふたりは靴紐をしめなおし、ゆっくりと走り出す。
その背を見送ってから大神が「よお」とつぶやく。
「テメーもそろそろだぜ。杉山」
Aコートでおこなわれる蜂谷の試合が、5-5と拮抗する。そのようすを一瞥した杉山は「よっこいせ」と大儀そうに立ち上がった。
「オレも、とくにつぎのゲームは負けられへんなぁ──」
「しっかりエンジンかけてこい」
「おう」
杉山は駆けだした。
内角へ入ったサーブを星丸がクロスへリターン。瞬間、前衛にて姿勢を低く構えていた姫川がぐっと一歩前にでた。ふたたび熊澤のストロークは極端にクロスへ。しかしボールが浅かった。星丸はぐっと肩を入れてテイクバックをし、強烈なトップスピンをかけた球を相手前衛へとぶつける。
球は相手のラケットフレームに当たり、ラケットは弾かれた。
幸か不幸かボールは姫川の眼前へ返る。彼の前にロブをあげてはならない。なぜならそれは、百発百中、ベースライン際まで伸びるスマッシュとなって返ってくるのだから。
「ゲームセット ウォンバイ才徳 6-4」
星丸が雄叫びをあげる。
それと時を同じくして、S3試合も才徳マッチポイントをむかえていた。蜂谷のサーブ。力強いサーブを外角へ叩き込む。和泉はわずかに体勢を崩したがラケットの面に当ててリターンする。返球は高い。めずらしく前に詰めた蜂谷が、スマッシュを叩き込んだ。しかしそれはふたたび返される。蜂谷はからだをわずかにずらし、バックハンドでショートクロスへ。
スマッシュを警戒してベースラインに下がっていた和泉は、予測して駆けあがるも一歩及ばず。
「ゲームセット ウォンバイ才徳 7-5」
審判コールによって、蜂谷司郎と和泉小太郎のS3試合は終了した。
「やったーッ!」
伊織が飛び跳ねた。
コートから出てきた才徳選手たちに、出入口を陣取っていた彼女が一番に声をかける。蜂谷の両肩に手を置いてぴょんぴょん跳ねたあと、後続の姫川を力いっぱいに抱きしめて、星丸の頭に飛びつく。
勝利の余韻に浸る一方、ウォーミングアップからもどった杉山が「大神」と手を振った。
これからS2として試合に入るためのアドバイスはあるかと聞くためだ。
しかし大神は、
「楽しめ」
とだけ言った。
杉山はニッコリとわらってサムズアップ。まもなく蜂谷が試合していたコートへと足を踏み入れた。
そのうしろから大神を見つめるふたりがいる。D1として出場する倉持と明前である。こちらも大神からのアドバイスを期待しているらしい。が、大神は早く入れ、と言いたげに手をヒラヒラと振った。曰く、アドバイスはないということである。
倉持はまたかよ、と地団駄を踏んだが、大神はクックッと肩を揺らすばかりでなにを言うこともなかった。
ええの、と伊織が眉を下げる。
「なんもアドバイスせんと」
「いらねえ。戦術的なことは今日までにさんざ蜂谷に聞いただろうし、いまのアイツらは青峰ごときに負ける実力じゃねえ。俺から言うことはなにもねーよ」
ふーん、と伊織はわらった。
「信じとんねや」
「さむい言い方すんな。バカ」
「関西人に馬鹿いうなアホ」
ムッと口をとがらせる伊織に、どうだった、と蜂谷がその肩を叩く。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる