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エピローグ
エピローグという名のおまけ
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プロテニス選手のオフシーズンは短い。
例年一月から始まるシーズンから、十一月末のツアーファイナルを迎えるまでとにかく大会、移動、大会、移動──。世捨て人のごとく各地を転々と移り、二十以上もの大会に出場するのが運命である。
大神謙吾がスタンフォード大学を卒業後プロ入りしてから、およそ五年。
クリスマスを目前に控えたこの日、今年もまた東京某所の個室居酒屋にて、才徳テニス部同期生が集まる大神慰労会がおこなわれる。
「主役はすこし遅れるとよ」
携帯の画面をにらみつけて倉持が言った。
忙しいだろうからな、と蜂谷がわらう。ふたりとも仕事終わりのためスーツ姿である。一方、店員へ酒と料理の手配をおこなうのは姫川朝陽。彼は休日だったためラフな私服で参加している。
「杉山は?」
「十五時の新幹線って言ってたからもう来るだろ」
「あ、うわさをすれば──おーい」
倉持が座敷から手を振ると、店の入口から早足で杉山譲が来た。むかしは明るかった髪色が、いまではすっかり落ち着いている。
「スマンスマン。遅れた?」
「いや主役もまだだしセーフだろ。迷った?」
「んにゃ、途中仕事の電話がきよったんよ。電源切ったったわ」
ギャハハ、とわらう杉山はいま大阪を拠点にしている。
──高校卒業から約九年。
彼らはそれぞれがそれぞれの夢に向かって進学し、就職した。
倉持慎也は高校の体育教師になるため大学で教職課程をとり、現在は神奈川県下の高校に。蜂谷司郎は京都大学へ進学後、大手外資系の金融マンとして手堅い人生を歩んでいる。
姫川朝陽はデザインを学ぶため専門学校へ進学後、デザイナーの卵としてデザイン事務所に所属。杉山譲は高校卒業後に大阪へ戻り、そちらの大学へ進学後、IT企業のSEとして勤めている。
みな活動拠点がバラバラなため、頻度は少ないものの、こうしてなにかと理由をつけて集まるくらいには彼らの仲は深い。
さて、と倉持はわらった。
「あとは主役の到着を待つばかりか」
「そういやこの前、スマホのデータ整理してたら出てきた。全国大会後の大神と如月さんの試合動画」
「マジ? その試合って──おれらに内緒でやってたやつだろ。7-5で大神が勝ったって聞いたけど。なんでハチ撮ってんの?」
「撮ったのは俺じゃないよ。もらったんだ」
「もらったって、……あー」
「そうだおい杉山。──報告は?」
姫川が眉を下げる。
話を振られた杉山は、ふるりと首を横に振った。
「いろんな人に聞いてみてんけどな、やっぱ大阪ちゃうんちゃうかなあ。もうオレこの聞き込みのおかげで大阪中友だちだらけになってもーたで」
「だーッ、クソ。今年もかよ!」
「ったく、もとはといえばアイツの粗相がすべての元凶なのに。こりゃまた今日もお通夜かな──」
姫川と倉持がガクッと机に身を伏せたときである。座敷の奥から「こちらです」と店員のうわずる声が聞こえた。その後まもなく開いた座敷の襖。
「よお、待たせたな」
本日の主役──大神謙吾の登場である。
────。
「このあいだの試合テレビで観てたぜ。惜しかったな──バックハンドのフォーム変えたよな?」
「ああ。倉持おまえ、よく見てんな」
「いま世界ランク何位になったんだ」
「おれこの前見た。たしか二十何位とかだったろ、去年と今年でだいぶあげたんだよな!」
「ああ。つっても、調子がいいときに限って怪我が増えるから油断できねー」
「ヒェーッ。怪我で大会棄権とかやめてや、もうオレ大神のためだけにWOWOW契約してんで」
と、大神を中心に酒が進む四人であったが、大神の顔はいま、再会のよろこびと何事かの不安因子のためか妙に複雑な表情で固まっている。そのようすに気付いた蜂谷が、首をかしげた。
「どうした、大神。体調わるい?」
「いや。……おい倉持、おまえ諸星とヨリは戻ったのか」
「ブッ──ゲホッ、ゲホ!」
「ギャハハハハッ。いつの話してんだよ大神ッ。アイツもう結婚してガキいるぜ!」
「ガキ? マジかよ」
「だれと結婚したとおもう? 馬場園だぜ、松工の! 青天の霹靂!」
姫川が腹を抱えてわらう。
誕生日席に座る大神は、動揺のあまり手に持った猪口を落としそうになり、あわてて両手で持ち直す。
「ば、馬場園? おい倉持──おまえそれでいいのか」
「だ、だから別れたのはもう大学卒業してすぐくらいでっ。その後は全然知らねえしっ」
「テニスばっかしとるからやで。あれじゃあフラれてもしゃーないわ」
「そういう杉山は、アプリで結婚相手探してるって言ってたろ。見つかったのかよ」
「ゴフッ」
杉山がビールにむせた。
ヒャハハハハッ、と姫川がとうとう座敷にころがって笑いだす。
「それがさそれがさ、聞いてくれよ大神。こいつふたりくらいと婚活アプリで出会ったらしいんだけど、写真加工が酷すぎて本人に会ったらもう別人だったらしいぜ!」
「それは……詐欺じゃねーの」
「もうな、乳のでかさで判断したらあかんわ。あれ乳はそのままに、ほかの部分を加工で細くしとんねん。せやから写真で見ると細身のFカップくらいあるように見えて、実際はKONISHIKIや。もうあかん、あれ以来トラウマで女の乳もよう見られへん」
「バーカ。身体だけで選ぶからそんなことになる」
「馬鹿だよなー」
とお新香をつまむ姫川に、大神は射るような目を向けた。
「そういうテメーはどうだよ、え?」
「…………」
「おい」
「…………」
「コイツ秘密主義やねんなー! 聞いてもぜったいなんも言わへんもん」
「よほど知られたくねー相手と見える」
クックッと肩を揺らす大神にホッとした蜂谷がつまみを口に運ぶ。するとそれに気付いたらしい大神の矛先が蜂谷へ向いた。
「で、エリート金融マンの蜂谷は?」
「んぐっ、……お、大神──おまえ学生時代は人の恋愛事情とかまったく興味なかったくせに、なんでアメリカ入りしてからそんな親戚のジジイみたいな世話焼きになったんだよ」
「んなことねーよ、修旅の諸星と倉持のときだって気ィ利かせてやったろ」
「ああ──そうだけど」
「うわーっまじやめろそういう俺の知らないとこで俺が絡む恋愛系の話っ」
「はぐらかすんじゃねーよ蜂谷」
「な、なんにもないって。俺はいま仕事でいっぱいいっぱいだから。それより大神はどうなのさ、人のこと聞くからには話せよ」
と。
いう蜂谷の言葉を聞くや、大神の顔がふたたび珍妙な表情にもどった。なにか地雷を踏んだのか──と蜂谷と杉山が顔を見合わせる。
大神、と倉持が話しかけたのとおなじタイミングで、大神は重い口をひらいた。
「ヤツの居所をつかんだ」
その一言で、座敷は一気に騒然とする。
「ま、マジかよ!」
「オレが散々聞き込んでもなんも情報出えへんかったのにっ。どこや、どこにおったん!」
「話に聞いた限りで、確かめたわけじゃねえ。が、……」
「が、?」
「焦らすなよ大神。アイツは──七浦伊織はいまどこにいんだよッ」
ごくりと一同が唾を呑む。
一心に注がれる視線を受けて、大神はゆっくりと顔を上げた。
「広島尾道──向島」
ひ。
広島ァ。
しかし一同を驚愕させたのはさらにその先。大神が続けたこの一言であった。
「噂によるとヤツは向島で、婚約した──らしい」
(完)
例年一月から始まるシーズンから、十一月末のツアーファイナルを迎えるまでとにかく大会、移動、大会、移動──。世捨て人のごとく各地を転々と移り、二十以上もの大会に出場するのが運命である。
大神謙吾がスタンフォード大学を卒業後プロ入りしてから、およそ五年。
クリスマスを目前に控えたこの日、今年もまた東京某所の個室居酒屋にて、才徳テニス部同期生が集まる大神慰労会がおこなわれる。
「主役はすこし遅れるとよ」
携帯の画面をにらみつけて倉持が言った。
忙しいだろうからな、と蜂谷がわらう。ふたりとも仕事終わりのためスーツ姿である。一方、店員へ酒と料理の手配をおこなうのは姫川朝陽。彼は休日だったためラフな私服で参加している。
「杉山は?」
「十五時の新幹線って言ってたからもう来るだろ」
「あ、うわさをすれば──おーい」
倉持が座敷から手を振ると、店の入口から早足で杉山譲が来た。むかしは明るかった髪色が、いまではすっかり落ち着いている。
「スマンスマン。遅れた?」
「いや主役もまだだしセーフだろ。迷った?」
「んにゃ、途中仕事の電話がきよったんよ。電源切ったったわ」
ギャハハ、とわらう杉山はいま大阪を拠点にしている。
──高校卒業から約九年。
彼らはそれぞれがそれぞれの夢に向かって進学し、就職した。
倉持慎也は高校の体育教師になるため大学で教職課程をとり、現在は神奈川県下の高校に。蜂谷司郎は京都大学へ進学後、大手外資系の金融マンとして手堅い人生を歩んでいる。
姫川朝陽はデザインを学ぶため専門学校へ進学後、デザイナーの卵としてデザイン事務所に所属。杉山譲は高校卒業後に大阪へ戻り、そちらの大学へ進学後、IT企業のSEとして勤めている。
みな活動拠点がバラバラなため、頻度は少ないものの、こうしてなにかと理由をつけて集まるくらいには彼らの仲は深い。
さて、と倉持はわらった。
「あとは主役の到着を待つばかりか」
「そういやこの前、スマホのデータ整理してたら出てきた。全国大会後の大神と如月さんの試合動画」
「マジ? その試合って──おれらに内緒でやってたやつだろ。7-5で大神が勝ったって聞いたけど。なんでハチ撮ってんの?」
「撮ったのは俺じゃないよ。もらったんだ」
「もらったって、……あー」
「そうだおい杉山。──報告は?」
姫川が眉を下げる。
話を振られた杉山は、ふるりと首を横に振った。
「いろんな人に聞いてみてんけどな、やっぱ大阪ちゃうんちゃうかなあ。もうオレこの聞き込みのおかげで大阪中友だちだらけになってもーたで」
「だーッ、クソ。今年もかよ!」
「ったく、もとはといえばアイツの粗相がすべての元凶なのに。こりゃまた今日もお通夜かな──」
姫川と倉持がガクッと机に身を伏せたときである。座敷の奥から「こちらです」と店員のうわずる声が聞こえた。その後まもなく開いた座敷の襖。
「よお、待たせたな」
本日の主役──大神謙吾の登場である。
────。
「このあいだの試合テレビで観てたぜ。惜しかったな──バックハンドのフォーム変えたよな?」
「ああ。倉持おまえ、よく見てんな」
「いま世界ランク何位になったんだ」
「おれこの前見た。たしか二十何位とかだったろ、去年と今年でだいぶあげたんだよな!」
「ああ。つっても、調子がいいときに限って怪我が増えるから油断できねー」
「ヒェーッ。怪我で大会棄権とかやめてや、もうオレ大神のためだけにWOWOW契約してんで」
と、大神を中心に酒が進む四人であったが、大神の顔はいま、再会のよろこびと何事かの不安因子のためか妙に複雑な表情で固まっている。そのようすに気付いた蜂谷が、首をかしげた。
「どうした、大神。体調わるい?」
「いや。……おい倉持、おまえ諸星とヨリは戻ったのか」
「ブッ──ゲホッ、ゲホ!」
「ギャハハハハッ。いつの話してんだよ大神ッ。アイツもう結婚してガキいるぜ!」
「ガキ? マジかよ」
「だれと結婚したとおもう? 馬場園だぜ、松工の! 青天の霹靂!」
姫川が腹を抱えてわらう。
誕生日席に座る大神は、動揺のあまり手に持った猪口を落としそうになり、あわてて両手で持ち直す。
「ば、馬場園? おい倉持──おまえそれでいいのか」
「だ、だから別れたのはもう大学卒業してすぐくらいでっ。その後は全然知らねえしっ」
「テニスばっかしとるからやで。あれじゃあフラれてもしゃーないわ」
「そういう杉山は、アプリで結婚相手探してるって言ってたろ。見つかったのかよ」
「ゴフッ」
杉山がビールにむせた。
ヒャハハハハッ、と姫川がとうとう座敷にころがって笑いだす。
「それがさそれがさ、聞いてくれよ大神。こいつふたりくらいと婚活アプリで出会ったらしいんだけど、写真加工が酷すぎて本人に会ったらもう別人だったらしいぜ!」
「それは……詐欺じゃねーの」
「もうな、乳のでかさで判断したらあかんわ。あれ乳はそのままに、ほかの部分を加工で細くしとんねん。せやから写真で見ると細身のFカップくらいあるように見えて、実際はKONISHIKIや。もうあかん、あれ以来トラウマで女の乳もよう見られへん」
「バーカ。身体だけで選ぶからそんなことになる」
「馬鹿だよなー」
とお新香をつまむ姫川に、大神は射るような目を向けた。
「そういうテメーはどうだよ、え?」
「…………」
「おい」
「…………」
「コイツ秘密主義やねんなー! 聞いてもぜったいなんも言わへんもん」
「よほど知られたくねー相手と見える」
クックッと肩を揺らす大神にホッとした蜂谷がつまみを口に運ぶ。するとそれに気付いたらしい大神の矛先が蜂谷へ向いた。
「で、エリート金融マンの蜂谷は?」
「んぐっ、……お、大神──おまえ学生時代は人の恋愛事情とかまったく興味なかったくせに、なんでアメリカ入りしてからそんな親戚のジジイみたいな世話焼きになったんだよ」
「んなことねーよ、修旅の諸星と倉持のときだって気ィ利かせてやったろ」
「ああ──そうだけど」
「うわーっまじやめろそういう俺の知らないとこで俺が絡む恋愛系の話っ」
「はぐらかすんじゃねーよ蜂谷」
「な、なんにもないって。俺はいま仕事でいっぱいいっぱいだから。それより大神はどうなのさ、人のこと聞くからには話せよ」
と。
いう蜂谷の言葉を聞くや、大神の顔がふたたび珍妙な表情にもどった。なにか地雷を踏んだのか──と蜂谷と杉山が顔を見合わせる。
大神、と倉持が話しかけたのとおなじタイミングで、大神は重い口をひらいた。
「ヤツの居所をつかんだ」
その一言で、座敷は一気に騒然とする。
「ま、マジかよ!」
「オレが散々聞き込んでもなんも情報出えへんかったのにっ。どこや、どこにおったん!」
「話に聞いた限りで、確かめたわけじゃねえ。が、……」
「が、?」
「焦らすなよ大神。アイツは──七浦伊織はいまどこにいんだよッ」
ごくりと一同が唾を呑む。
一心に注がれる視線を受けて、大神はゆっくりと顔を上げた。
「広島尾道──向島」
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