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新人魔導師、発掘調査に参加する
同日、遺跡上空
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地上は色の洪水だった。あちこちで誰かの魔力の色が光っている。天音は目がおかしくなりそうだった。
「よっ!」
「せいっ!」
襲い掛かってきた敵を恭平たちが蹴散らしてくれる。天音は振り返らずにスピードを上げて飛んだ。
ぐちゃぐちゃに混ざった色の中、ひときわ目立つ眩い白の光を追う。そこには、同時にいくつもの術を展開している夏希が空を泳いでいた。相変わらず、彼女の空を飛ぶ姿は美しい。
彼女のもとに飛ぼうとする天音に向かって、いくつもの術が襲い掛かってきた。恭平たちから離れてしまったせいで防御の術の膜から出てしまったようだ。出来るだけ回避するが、その内の1つがどうしても避けきれず、天音の胸を直撃した。
「っ!?」
墜落、もしくは怪我を覚悟していた天音だが、何故か何も起きなかった。その代わり、再び胸元から銀色の魔力が光る。どうやらこれはあらゆる運気をアップさせてくれるお守りらしい。「運よく」、相手の魔導師は術を失敗したようだ。
しかし、2度も命を救ったペンダントの効果もここまでのようだった。光はすぐに弱くなり、消えていく。
(ありがとうございます、高木さん……貴女は命の恩人です)
心の中で感謝する。会ったこともない人間のために、美織はこんなにも貴重で有用なものを作ってくれたのだ。作ってくれた美織にも、それを頼んでくれた夏希にも感謝しかない。
体勢を直して夏希のもとへと飛ぶ。天音が着いた瞬間、夏希が張っていた防御の術をさらに強化して天音ごと包み込むようにしてくれた。
「天音! 無事か!」
「副所長! 下も襲撃を受けました! 今のところ遺跡に被害はありません!」
「バッカお前、遺跡より自分の報告しろ! ケガはねぇか!?」
「皆ないです!」
「よし! よくやった! 偉いぞ!」
夏希は手を伸ばすと、天音の帽子を外して頭を撫でた。あまりにも力強くやられるので、髪はぼさぼさになったし、危うく落ちかけた。
「お前はあたしの傍にいろ。大丈夫だ、何があっても守ってやる」
本当に何があっても守れる人が言うと、説得力が違う。
天音は頷いて、せめて邪魔にならないようにしっかりと箒の柄を掴んだ。
「何の術ならイケる?」
「炎や氷なら」
「いいね、ぶちかませ」
周囲には地下に来たのと同じ格好をした人物が10人ほどいた。魔導を使ってくる者もいるが、手榴弾や銃などの武器を使ってくる者の方が多い。
葵や透は雅を守るように防御の術を展開している。雅は忙しなく地上や上空に目を光らせ、怪我人がいないかを見ていた。
「国のプロジェクトである遺跡発掘の邪魔をしている以上、例え非魔導師相手でも術の使用は認められる。魔導師相手ならなおさらだ。盛大に氷漬けにしてやれよ」
「はい!」
「悪いな、でもあとでちゃーんと治してやるよ……雅が」
最早夏希の方が悪役のようだ。にやりと笑みを浮かべて、天音にGOサインを出す。瞬間、1枚の紙が舞い、青紫が光った。
「なっ!?」
「よくも!」
「白の十一天」のメンバーが慌てた声で叫んでいる。手を凍らされてしまえば、魔導文字は書けない。すなわち、攻撃手段を失ったと同じ。例え魔導師でなくとも、武器ごと凍らされてしまえば無力化できる。
「やるじゃねぇか」
夏希が口笛を吹いた。それでも魔導文字を書く手を止めていないあたり、プロである。書いているのは彼女の得意の身体強化の文字。
「あたしはアイツの相手の最中なんだ、ちょっと荒っぽくなるけど許せよ」
天音が返事をする間もなく、白の魔力が光った。恐らく今回の襲撃のリーダー格であろう、派手な仮面とローブの人物が襲い掛かってくるが、魔導で強化された夏希の回し蹴りが腹部にクリティカルヒットした。休む間もなく、今度は背後から闇より黒い魔力の光線が突き刺さる。失神し、上空から落ちていく姿を見て、夏希は地上にいる零に叫んだ。
「ナイス零! ソイツ捕縛!」
「仰せのままに!」
リーダーは地上に叩きつけられることなくふわりと浮いたかと思うと、何もない空間から現れた真っ黒なロープにグルグルと縛られていく。魔力を使って拘束されているので、例えどんなに器用でも縄抜けは不可能だ。
天音の氷のおかげで(相手にとっては天音のせいで)敵の多くが身動きが取れなくなっている。そこへさらに双子の魔導銃で眠りの術を打ち込まれる。襲撃に備え、魔導師は魔力を込めることにより使うことのできる武器の携帯が許されているのだ。はるかはライフルで遠距離から、かなたは二丁の拳銃で近距離から次々に敵を打ち抜いていく。灰色の魔力が躍った。
氷の術から運よく逃れた敵は、恭平の魔導刀で斬りつけられ、倒れていった。和馬は肉弾戦派らしく、夏希と同じ身体強化の術で相手を殴り倒していた。穏やかそうに見えて、意外と脳筋である。
もう敵はほとんどいなくなっていた。
最期の1人、地下へ手榴弾を投げ込んできた仮面の人物へ、はるかのライフルが狙いを定めた。
「よせ! やめろ!」
「え?」
何故か夏希が何かを恐れるように叫ぶ。しかし、時すでに遅し。はるかは狙いを外すことなくその人物を打ち抜いた。ちょうど顔に当たり、仮面が砕け落ちる。
「え、なんで……」
現れた顔は、天音もよく知る人物のものだった。
「よっ!」
「せいっ!」
襲い掛かってきた敵を恭平たちが蹴散らしてくれる。天音は振り返らずにスピードを上げて飛んだ。
ぐちゃぐちゃに混ざった色の中、ひときわ目立つ眩い白の光を追う。そこには、同時にいくつもの術を展開している夏希が空を泳いでいた。相変わらず、彼女の空を飛ぶ姿は美しい。
彼女のもとに飛ぼうとする天音に向かって、いくつもの術が襲い掛かってきた。恭平たちから離れてしまったせいで防御の術の膜から出てしまったようだ。出来るだけ回避するが、その内の1つがどうしても避けきれず、天音の胸を直撃した。
「っ!?」
墜落、もしくは怪我を覚悟していた天音だが、何故か何も起きなかった。その代わり、再び胸元から銀色の魔力が光る。どうやらこれはあらゆる運気をアップさせてくれるお守りらしい。「運よく」、相手の魔導師は術を失敗したようだ。
しかし、2度も命を救ったペンダントの効果もここまでのようだった。光はすぐに弱くなり、消えていく。
(ありがとうございます、高木さん……貴女は命の恩人です)
心の中で感謝する。会ったこともない人間のために、美織はこんなにも貴重で有用なものを作ってくれたのだ。作ってくれた美織にも、それを頼んでくれた夏希にも感謝しかない。
体勢を直して夏希のもとへと飛ぶ。天音が着いた瞬間、夏希が張っていた防御の術をさらに強化して天音ごと包み込むようにしてくれた。
「天音! 無事か!」
「副所長! 下も襲撃を受けました! 今のところ遺跡に被害はありません!」
「バッカお前、遺跡より自分の報告しろ! ケガはねぇか!?」
「皆ないです!」
「よし! よくやった! 偉いぞ!」
夏希は手を伸ばすと、天音の帽子を外して頭を撫でた。あまりにも力強くやられるので、髪はぼさぼさになったし、危うく落ちかけた。
「お前はあたしの傍にいろ。大丈夫だ、何があっても守ってやる」
本当に何があっても守れる人が言うと、説得力が違う。
天音は頷いて、せめて邪魔にならないようにしっかりと箒の柄を掴んだ。
「何の術ならイケる?」
「炎や氷なら」
「いいね、ぶちかませ」
周囲には地下に来たのと同じ格好をした人物が10人ほどいた。魔導を使ってくる者もいるが、手榴弾や銃などの武器を使ってくる者の方が多い。
葵や透は雅を守るように防御の術を展開している。雅は忙しなく地上や上空に目を光らせ、怪我人がいないかを見ていた。
「国のプロジェクトである遺跡発掘の邪魔をしている以上、例え非魔導師相手でも術の使用は認められる。魔導師相手ならなおさらだ。盛大に氷漬けにしてやれよ」
「はい!」
「悪いな、でもあとでちゃーんと治してやるよ……雅が」
最早夏希の方が悪役のようだ。にやりと笑みを浮かべて、天音にGOサインを出す。瞬間、1枚の紙が舞い、青紫が光った。
「なっ!?」
「よくも!」
「白の十一天」のメンバーが慌てた声で叫んでいる。手を凍らされてしまえば、魔導文字は書けない。すなわち、攻撃手段を失ったと同じ。例え魔導師でなくとも、武器ごと凍らされてしまえば無力化できる。
「やるじゃねぇか」
夏希が口笛を吹いた。それでも魔導文字を書く手を止めていないあたり、プロである。書いているのは彼女の得意の身体強化の文字。
「あたしはアイツの相手の最中なんだ、ちょっと荒っぽくなるけど許せよ」
天音が返事をする間もなく、白の魔力が光った。恐らく今回の襲撃のリーダー格であろう、派手な仮面とローブの人物が襲い掛かってくるが、魔導で強化された夏希の回し蹴りが腹部にクリティカルヒットした。休む間もなく、今度は背後から闇より黒い魔力の光線が突き刺さる。失神し、上空から落ちていく姿を見て、夏希は地上にいる零に叫んだ。
「ナイス零! ソイツ捕縛!」
「仰せのままに!」
リーダーは地上に叩きつけられることなくふわりと浮いたかと思うと、何もない空間から現れた真っ黒なロープにグルグルと縛られていく。魔力を使って拘束されているので、例えどんなに器用でも縄抜けは不可能だ。
天音の氷のおかげで(相手にとっては天音のせいで)敵の多くが身動きが取れなくなっている。そこへさらに双子の魔導銃で眠りの術を打ち込まれる。襲撃に備え、魔導師は魔力を込めることにより使うことのできる武器の携帯が許されているのだ。はるかはライフルで遠距離から、かなたは二丁の拳銃で近距離から次々に敵を打ち抜いていく。灰色の魔力が躍った。
氷の術から運よく逃れた敵は、恭平の魔導刀で斬りつけられ、倒れていった。和馬は肉弾戦派らしく、夏希と同じ身体強化の術で相手を殴り倒していた。穏やかそうに見えて、意外と脳筋である。
もう敵はほとんどいなくなっていた。
最期の1人、地下へ手榴弾を投げ込んできた仮面の人物へ、はるかのライフルが狙いを定めた。
「よせ! やめろ!」
「え?」
何故か夏希が何かを恐れるように叫ぶ。しかし、時すでに遅し。はるかは狙いを外すことなくその人物を打ち抜いた。ちょうど顔に当たり、仮面が砕け落ちる。
「え、なんで……」
現れた顔は、天音もよく知る人物のものだった。
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