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新人魔導師、2回目の発掘調査に参加する
同日、調査班作戦変更
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由紀奈たちが戦闘を開始し、少し経った頃。天音たちの作戦会議が終了した。双子たちと伝言の術を使いながら行った会議は、ものの数分で終わった。
まず、零が囮として飛び出す。そこへ夏希率いる調査班がそれぞれ異なる場所から攻撃する、という非常にシンプルなものだった。飛行の得意な夏希、恭平、それと箒で飛行能力が上昇している天音は上空から、その他は地上から。それに全員が同意した。
「では、そのとおりに……ん?」
作戦を開始しようとした途端、零が何かに気づいたようだ。不自然に言葉が止まる。夏希も同じようで、自身のやってきた方向を睨みつけている。
「作戦変更。恭平が囮、天音が上空、それ以外が地上。あたしと零には客が来た」
「客……?」
「気にすんな、行け」
夏希たちを信じている研究員は、特に疑問を持たずに頷いて、それぞれ飛び出していった。天音もその1人だ。だが、どうしても不安が拭えなかった。あの2人は天音とは比べものにならないくらい強い。けれど、その2人を狙うくらいなのだから、よほど強い敵なのではないだろうか。心配しても仕方のないことだが、それでもやはり不安だった。
「お気をつけて!」
そう叫ぶように言うと、天音は箒に跨って飛び出していった。
「お気をつけて、だってさ」
「ふふ、久しぶりに聞いた気がします」
「ったく、言うようになりやがって」
悪態をつくようだが、夏希の表情は柔らかい。純粋に、心配されたことが嬉しかったのだろう。雅もそうだが、夏希もまた、ツンデレの気がある。
「お前はそっち、あたしはこっちな」
「ええ」
夏希がお互いがやってきた方向を指し示すと、零は頷いて彼女とは正反対の方角へ歩き始めた。自身を狙う、敵に向かって。
天音は高く飛び、杖に魔力を流し込んでは得意の炎や氷の術を発動した。石などを呼び寄せては落とす地味な方法での攻撃も試した。
そうしていると、ふいに視界に白が入った。夏希か、そう思って下を見ると、真っ白な衣装に身を包んだ女性が、木の上に1人、立っていた。
「ひっ……」
思わず恐怖の声が出る。それもそのはず、女性は目の前の戦闘を、とにかく楽しそうに見つめていた。傷つく第5研究所の職員や、「白の十一天」、双方の怪我人を見て、これより楽しいものはない、という風に笑っていた。
ともあれ、彼女が「白の十一天」なのは間違いない。真っ白な衣装がそれを物語っている。だが、他の者とは異なるワンピースのような白の衣装からして、かなり高位の人物だろう。天音では勝てない相手かもしれない。増援を呼ぼうとしたとき、女性が何かを呟いた。高度差もあって、何を言っているのか正確にはわからない。だが、口の動きからして、
「み、つ、け、た……?」
何を見つけたのだろう。まさか自分?
いや、零と夏希を差し置いて自分が狙われるなんてあり得るだろうか。
考えていると、女性が何か合図をした。
「なっ!?」
合図と同時に、「白の十一天」の攻撃が天音に集中する。箒から落ちそうになった天音を救ったのは、初めてできた友人と、気だるげな先輩だった。
「天音ちゃんに、手出しはさせないんだから!」
「よっと。はい、行けます?」
天音を支えて箒から落ちないようにしてくれたのは恭平、敵に何らかの術をかけてくれたのは由紀奈だ。一体何の術だろう、そう思っていると、恭平が笑って答えた。
「体力を奪う固有魔導らしいです」
「由紀奈ちゃん、もう固有魔導が……?」
「ね、早い」
さらりと言われた言葉に、祝いたい気持ちと焦る気持ち、両方が生まれる。しかし、今はそんな場合ではない。気持ちを切り替えて、先ほどの女性について報告する。
「白い服の女……か。今はもう完全に逃げられてますね」
「そんな……」
「まあでも、リーダーとかかもしれませんし。後で報告しときましょ」
「はい」
体勢を立て直して、天音は再び杖を構えた。残る敵はあと20人ほどである。ここまで残っている相手なので、なかなかの手練れのようだ。
「んじゃ、オレも本気出しますかね」
恭平がそう言って、手元に刀を出した。研究所から呼び寄せたのだろう。遠距離であってもすぐさま呼び寄せられる彼の腕に驚く。
「オレの固有魔導はバーサーカー、まあようするに理性のリミッターを外して、100パーセントの力で戦い続ける術です。味方は攻撃しないんで安心してください。ただ、魔力が尽きるくらいまで暴れるんで、必要だったら止めて欲しいです。一応、由紀奈サンには伝えてるんですけど、それでも止まらなかったらお願いします」
水色が光る。次の瞬間には、恭平は地上で刀を振るっていた。倒されていく敵。普段の彼からは想像できない程の荒々しい様子に、天音は目を丸くした。
魔力が尽きかける。魔導師にとっては危険な状態だ。だが、それすら気にせずに戦い続けてしまうという彼の固有魔導は、強力だが恐ろしいものだった。みるみるうちに敵は倒され、地に伏していく。何人かは雅によって治療が施され、襲撃についての尋問を受けていた。だが、大多数が気絶し、碌に会話もできないような状態だ。
ついに最後の1人が倒され、同時に由紀奈が恭平に術を放った。体力が奪われた恭平は暴れることができなくなり、そのまま倒れ込む。疲れ果てて眠ったようで、和馬が担いで運んでいる。
天音は降下し、由紀奈のもとへ向かった。
「天音ちゃん! 怪我してない?」
「私は大丈夫。それより恭平さんは?」
「ちょっと切り傷があるくらい。他の皆も軽傷だって、先生が言ってた」
「そっか。よかった……あ、固有魔導、使えるようになったんだってね。おめでとう。あのときは助かったよ、ありがとう」
悔しい気持ちもあるが、助かったのは本当のことだ。天音は由紀奈の手をとって、礼を言った。
「追い込まれたせいかな、使えるようになったの! 役に立ててよかった!」
心の底から役に立てたことを喜んでいる由紀奈を見ていると、嫉妬している自分が恥ずかしくなってきて、天音は思わず俯いた。
「疲れたよね、こっちで休もう」
テントへ手を引いてくれる由紀奈に、天音は何も言えなかった。
まず、零が囮として飛び出す。そこへ夏希率いる調査班がそれぞれ異なる場所から攻撃する、という非常にシンプルなものだった。飛行の得意な夏希、恭平、それと箒で飛行能力が上昇している天音は上空から、その他は地上から。それに全員が同意した。
「では、そのとおりに……ん?」
作戦を開始しようとした途端、零が何かに気づいたようだ。不自然に言葉が止まる。夏希も同じようで、自身のやってきた方向を睨みつけている。
「作戦変更。恭平が囮、天音が上空、それ以外が地上。あたしと零には客が来た」
「客……?」
「気にすんな、行け」
夏希たちを信じている研究員は、特に疑問を持たずに頷いて、それぞれ飛び出していった。天音もその1人だ。だが、どうしても不安が拭えなかった。あの2人は天音とは比べものにならないくらい強い。けれど、その2人を狙うくらいなのだから、よほど強い敵なのではないだろうか。心配しても仕方のないことだが、それでもやはり不安だった。
「お気をつけて!」
そう叫ぶように言うと、天音は箒に跨って飛び出していった。
「お気をつけて、だってさ」
「ふふ、久しぶりに聞いた気がします」
「ったく、言うようになりやがって」
悪態をつくようだが、夏希の表情は柔らかい。純粋に、心配されたことが嬉しかったのだろう。雅もそうだが、夏希もまた、ツンデレの気がある。
「お前はそっち、あたしはこっちな」
「ええ」
夏希がお互いがやってきた方向を指し示すと、零は頷いて彼女とは正反対の方角へ歩き始めた。自身を狙う、敵に向かって。
天音は高く飛び、杖に魔力を流し込んでは得意の炎や氷の術を発動した。石などを呼び寄せては落とす地味な方法での攻撃も試した。
そうしていると、ふいに視界に白が入った。夏希か、そう思って下を見ると、真っ白な衣装に身を包んだ女性が、木の上に1人、立っていた。
「ひっ……」
思わず恐怖の声が出る。それもそのはず、女性は目の前の戦闘を、とにかく楽しそうに見つめていた。傷つく第5研究所の職員や、「白の十一天」、双方の怪我人を見て、これより楽しいものはない、という風に笑っていた。
ともあれ、彼女が「白の十一天」なのは間違いない。真っ白な衣装がそれを物語っている。だが、他の者とは異なるワンピースのような白の衣装からして、かなり高位の人物だろう。天音では勝てない相手かもしれない。増援を呼ぼうとしたとき、女性が何かを呟いた。高度差もあって、何を言っているのか正確にはわからない。だが、口の動きからして、
「み、つ、け、た……?」
何を見つけたのだろう。まさか自分?
いや、零と夏希を差し置いて自分が狙われるなんてあり得るだろうか。
考えていると、女性が何か合図をした。
「なっ!?」
合図と同時に、「白の十一天」の攻撃が天音に集中する。箒から落ちそうになった天音を救ったのは、初めてできた友人と、気だるげな先輩だった。
「天音ちゃんに、手出しはさせないんだから!」
「よっと。はい、行けます?」
天音を支えて箒から落ちないようにしてくれたのは恭平、敵に何らかの術をかけてくれたのは由紀奈だ。一体何の術だろう、そう思っていると、恭平が笑って答えた。
「体力を奪う固有魔導らしいです」
「由紀奈ちゃん、もう固有魔導が……?」
「ね、早い」
さらりと言われた言葉に、祝いたい気持ちと焦る気持ち、両方が生まれる。しかし、今はそんな場合ではない。気持ちを切り替えて、先ほどの女性について報告する。
「白い服の女……か。今はもう完全に逃げられてますね」
「そんな……」
「まあでも、リーダーとかかもしれませんし。後で報告しときましょ」
「はい」
体勢を立て直して、天音は再び杖を構えた。残る敵はあと20人ほどである。ここまで残っている相手なので、なかなかの手練れのようだ。
「んじゃ、オレも本気出しますかね」
恭平がそう言って、手元に刀を出した。研究所から呼び寄せたのだろう。遠距離であってもすぐさま呼び寄せられる彼の腕に驚く。
「オレの固有魔導はバーサーカー、まあようするに理性のリミッターを外して、100パーセントの力で戦い続ける術です。味方は攻撃しないんで安心してください。ただ、魔力が尽きるくらいまで暴れるんで、必要だったら止めて欲しいです。一応、由紀奈サンには伝えてるんですけど、それでも止まらなかったらお願いします」
水色が光る。次の瞬間には、恭平は地上で刀を振るっていた。倒されていく敵。普段の彼からは想像できない程の荒々しい様子に、天音は目を丸くした。
魔力が尽きかける。魔導師にとっては危険な状態だ。だが、それすら気にせずに戦い続けてしまうという彼の固有魔導は、強力だが恐ろしいものだった。みるみるうちに敵は倒され、地に伏していく。何人かは雅によって治療が施され、襲撃についての尋問を受けていた。だが、大多数が気絶し、碌に会話もできないような状態だ。
ついに最後の1人が倒され、同時に由紀奈が恭平に術を放った。体力が奪われた恭平は暴れることができなくなり、そのまま倒れ込む。疲れ果てて眠ったようで、和馬が担いで運んでいる。
天音は降下し、由紀奈のもとへ向かった。
「天音ちゃん! 怪我してない?」
「私は大丈夫。それより恭平さんは?」
「ちょっと切り傷があるくらい。他の皆も軽傷だって、先生が言ってた」
「そっか。よかった……あ、固有魔導、使えるようになったんだってね。おめでとう。あのときは助かったよ、ありがとう」
悔しい気持ちもあるが、助かったのは本当のことだ。天音は由紀奈の手をとって、礼を言った。
「追い込まれたせいかな、使えるようになったの! 役に立ててよかった!」
心の底から役に立てたことを喜んでいる由紀奈を見ていると、嫉妬している自分が恥ずかしくなってきて、天音は思わず俯いた。
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