魔法と魔術の二重奏

マーリン

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日常

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フワン、フワンと浮かぶ魔法陣に手を伸ばし唱える。
「ブラックスモーク」
ボワンッ、と音を立て、部屋中に黒煙が発生し、光を遮っていく。
あーやっちゃったな、こりゃ。


「コケ、コケ、コッコー!コッコー!コッケッコッコー!」
「俺の耳元で鳴くんじゃねぇ!!お前は主人の鼓膜を破壊する気か!?」
そう言いながらベッドから飛び起きる。
「クルル…」
怒られ反省しているのか、下を向く。
「でも、いつもありがとな。チキン」
「クル、クルルル~」
愛鳥を撫でながら起き上がり、朝の支度をする。
「アレクー起きたわよね。朝ごはん出来てるからねー」
「はーい。母さん」
ベッドを整え、リュックの中身を確認し、部屋を出る。
「おはよう」
「おはよう、そして、いただきます」
テーブルに着いた俺はベーコンや野菜などを口に運び、頬張っていく。
「アレク昨日も夜更かししてたでしょう。ダメよ体に良くないんだから」
「いや~集中しててさ。ごめんごめん」
「ほどほどにね」
「わかってるって」


「ご馳走さまでした」
 食器を片付け、洗面所で歯を磨き、髪を直していく。そしてリュックを背負い玄関に立つ。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい。忘れ物ない?」
「無いよ。母さん俺もう14だよ。子供じゃないんだから…それじゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
 いつものように通学路を小走りで駆けていく。そして学校の前に着きペースを下げ、年季の入った校舎の中へと入っていく。
 俺の教室は1ー2なので階段から割と近い。教室に入り、誰にも挨拶せず、挨拶されず、ひっそりと窓側の1番後ろの席に着く。
「割と早くついたな」
 まだホームルームまで30分ほどある。寝る、という選択肢もなくないが…
「あれやるか」
リュックから紙を取り出し、机に置いていく。
これは俺の唯一の楽しみであり、得意なものである。それが…
「見て見て、また魔術の勉強してる」
「本当だ自慢?勉強できますアピールじゃない?」
「魔法ができなきゃ意味ないのにねー」
「やめなよ~聞こえちゃうよ~」
そう、イマイチ人気の無い魔術だ。
「誰が魔法の方が上だと言ったんだか…」
聞かれないよう、口の中で呟く。

この世界には魔法と魔術の2種類が存在する。
「魔法」 詠唱し、体内の魔力を炎や水、雷などに変換しすることによって産み出すことによってできるものだ。一般的には魔法ごとの呪文が存在し、その度に詠唱が必要なのだが、ごく稀に詠唱せずに魔法を使うことができる人間が存在する。そして無詠唱ができる者は天才として重宝される。
「魔術」 紙や石に魔法陣を刻み、そこに魔力を込めることによって術が発動するというものだ。魔法陣というのは「魔導共通言語」
の中のセフィナス文字というもので書かれている。セフィナスという女性の人物名で魔術研究の第一人者であり、それに因んで名前をつけられたと言われている。魔法陣を魔術陣とも言うらしいが、基本的には魔法陣と呼んでいる人々が世の大半だ。
 魔法、魔術共に初級、中級、上級、鬼級、龍級、神級の6段階で構成されている。初級から上級までは努力次第で扱えるようになるが、鬼級から神級までは特別な才能や異能力を持つ者しか辿りつけないと言われている。現に今まで普通の人間が鬼級さえも辿り着いた話は聞いたことがない。
 今現在魔術はあまり必要とされなくなっている。理由は二つあった。
 一つ目は便利じゃ無いことだ。例えば、薪に火をつけるために魔法を使えば詠唱し、魔力を込め放つだけなので5秒で終わる。しかし、魔術の場合はそうはいかない。魔法陣の書かれたスクロールを取り出し、魔力を込め発動する。ここまで30秒かかるとするならば、人は魔法を使うだろう。
 二つ目は研究員の減少だ。年々、我が国のカトールでは年間で200人くらいしか魔術研究員にはならないという。仮になったとしても途中で挫折し、辞めていく輩が大半だ。だが、魔術を必要としている人間も勿論いる。それは俺のように魔法の才能が出なかった者たちだ。才能が無いといっても初級魔法程度なら扱うことができる。逆を言えばそれしか扱えないのだ。中級魔法以上をやろうとしても何故かできないのだ。理由はわかっておらず、才能が無いとしか言われていない。
「まあ、俺は気にしてないけど…」
 俺が魔術にハマったのは、魔法ができなかったというのもあるが、1番の理由は単純に楽しいからだ。
 0からオリジナルの魔術を作っていくという作業はとても手間がかかる。だが、魔法陣を起動して、失敗して、何処がいけないのかを考えて、そんな研究をすることが俺はたまらなく楽しいのだ。
 小さい頃、初めて自分の魔術を完成させたことがあった。あの時の達成感は今でも思い出せる。


 俺はこちらに毒を吐く彼女たちを無視し、魔術研究を始める。
今は「ブラックスモーク」を作ってたんだっけか。ブラックスモークは周囲に黒煙を発生させる中級魔術だ。
 今日はどこまでやろうかと考えていると、教室が急に静かになっていく。
「来たよ、ホラ」
「うわっ来たー」
俺には見なくてもわかった。アイツか。
俺の前の席にソイツは静かに座った。その瞬間、また教室は騒がしさを取り戻していく。
 俺と同じくこの学校に馴染めなかった人の一人だ。
 レイナ・ニルフォード。綺麗な白色の髪を持つ彼女はこの学校の理事長の娘らしい。入試試験で過去最高得点でこの学校に入ったと言われている、超エリートなのだ。オマケに可愛い。しかし、性格に難ありで、誰が話しかけても無視。顔すらも見ずにガン無視を突き通すという鋼の心の持ち主だ。そのせいか一部の女子生徒からは良く思われていない。
「ハァ、ハァ、レイナ様はいつ見てもお美しい」
「踏みつけて欲しいなぁ」
「ガン無視されるとゾクッてするんだよなぁ」
 一部の男子からはなかなかの人気があるようだ。因みに俺にそういう性癖はない。
 彼女の声を聞いた者はほとんど居ないという。
「まぁ、人のこと言えないんですけどね」
彼女と同じくクラスで浮いている俺、アレク・ギルバートは入学してから2ヶ月未だに友達ができずに困っている。俺のコミュニケーション能力不足というのもあるだろが、俺と同じ、魔術が趣味という人が一人もいないのだ。
最初こそ絶望し、研究にも手がつかなくなっていたが、もうすっかりボッチが板に付いてしまっていた。
きっとこの学校の生徒の8割が魔法師希望だろう、だから友達ができないのだ。でなければ、クラス分けの運がなさすぎるとしか考えられない。

 俺の通うこの学校、魔導師育成高等学校は誰でも簡単に入ることができるが、その代わりに授業や試験のレベルが高い。そのため留年するものや、諦めて辞めていく者たちが後を絶たない。
幸い俺は勉強ができる方なのでこの学校でも生きていける気がしたので入学を決めた。
 魔導師というのは魔法師や魔術師の総称であり、俺やこの学校の生徒が目指しているものだ。
 俺は魔術師希望なのだが、どうやら魔法と魔術で別れて勉強するという制度ではないらしい。
「はぁ、誰かと会話したい…」
そうこうしているうちに担任のクリス先生が前の扉から入ってくる。歳は24と言っていたのでかなり若い方の先生だ。
「はーいホームルーム始めるよー」
 立ち話していた生徒が自席へ戻っていく。クリス先生は全員が席に座るのを確認し、話始めた。
「おはようみんな。今日は大事な話があるのでよく聞いてくださいね。もうすぐ6の月に魔導競技祭があるのは知っていますね、この学校で行われる大きなイベントの一つです。そこで…」
「あのっ」
一人の男子生徒がおもむろに挙手をした。
「どうしたの?」
「自分田舎出身なんです。聞いたことはあるんですけど、具体的に何をするのかあんまりわかんなくて…」
「あら、ごめんなさいね。魔導競技祭というのはね、二人一組になってトーナメント式に競っていく競技祭なの。自分の得意な魔法や魔術を使って相手のペアたちと戦っていくのよ。大体こんな感じなゆだけど、あとでみんなにルールブックを配るからそれを見てね」
「ありがとうございます」
男子生徒は安心した様子で息を吐いた。
「こっからが本題で、二人一組って言ったけどこのクラス内でペアを組んでもらいます。この競技祭は成績にも大きく関わるから、選ぶ相手は慎重にね。来週までにペアを組む相手を決めておいてね。40人だから、あまることはないけど、決まらないならこっちで余った者同士で勝手に組むから気おつけて。はい、ホームルーム終わり~」
先生が教室から去って暫く経ち、教室がいっきにどよめき出す。
「なあ、俺と組まないか?炎が得意なんだろお前」
「私、雷系が得意でーす。誰か水系の方居ませんかー」
「俺は風系だ。相性いい奴いないか?」
各々が良いペアを組もうと躍起になっている。
「レイナさん。アタシと組まない?良かったらでいいんだけと…」
オイオイ、とんだチャレンジャーがいたもんだ。後悔するだけだぞ少女よ。
案の定、レイナは無視してクラスを出てった。
「なんなのよアイツ、高嶺の花気取りやがって。このクソ女がッ」
 近くの机を蹴り、去っていく。
 怖っ、女ってやつはみんなこうなのか?しかし、今回ばっかりは自業自得だな。
 さて、俺は余ったやつと組もうかな。こういう時にあまっている奴は大体やる気がなく、どうでもいいと思っている奴だ。勿論、俺も競技祭なんてどうでもいいと思っている。俺は魔術の研究さえできればそれでいいのだ。



数日経ち、いつものように授業を受けていたある日のこと。突然それは起こった。
「アレク。勉強熱心なのか知らんがそういうのは家に帰ってやってくれ」
先生の指が頭の上を指す。
ホワン、ホワン。そこには今やっている授業の内容を書き写したノートと全く同じように光の文字で空中に描かれていた。
「なんでペイントが起動してるんだ?」
クラス全員の視線を感じながら光の文字を消しながら呟く。

 ペイント、それは俺だけが扱えるオリジナルの魔法だ。
オリジナルの魔法には詠唱が要らない物が多く、割と実用性のある魔法が多い。しかし、それを持っている者は少なく。この国の3割以下も持つ者はいないだろう。
 俺が初級魔法以外で唯一扱うことのできるこの魔法は、空中から水のなかまでどこにでも描くことができる魔法だ。魔力を光の線に変え、自由に操ることができる。因みにこの魔法は若くして死んでしまった父の芸術家としての才能が魔法となって現れたのではないかと母に言われた。
「だけど使い道がないんだよな、父さん」
 描いたものが具現化できるわけでもなく、文字自体に実体はないので攻撃にも防御にも使えないのだ。
 しかし、なぜ急に出てきたんだろうか?右手にペンを握っていたので描けないはずだ、まさか無意識に左手で描いていたのか…?全く分からん。とりあえず授業に集中しないとな。不思議に思うまま、その日は過ごした。


家に帰り、日課のチキンと散歩も兼ねて遊んでやる。いつもの散歩コースを歩いていると、何やら木を倒す音がする。ここは人気のない森なので、あまりみんな近寄らない筈なんだが。
バキバキ、バタン。
森がどんどん開拓されていく。誰だこんな危ないことしてる奴は。
俺は音の鳴る方へ身を隠しながら進んだ。
「ここら辺のはずだが…どこだ?」
ギ、ギ、ギ、木の折れていく音が横から聞こえた。
「そっちか」
茂みに潜みながら進み、目的の人物を視界に捉える。
「ん?あれって?確か…」
「コケ、コケ、コケ」
チキンが人物を指しながら鳴く。
「くっ、バカやろこのアホ鳥が」
その瞬間、俺の隠れていた茂みが綺麗に斬られた。
「誰?」
 透き通るような声でソイツは言った。
 どうする?面倒くさいことになりそうな予感がする。こういう時は頭のおかしい奴のフリでもして、早くこの場を離れるる方がいいか。
 息を吸い、思いついたことを言っていく。
「あー通りすがりのチキンマンです。ここで餌を食べてました。コケ、コケ。」
「………」
「いつ食べても美味しいな~。ここの木の実は」
 どうだ?騙せたか?
 チキンで顔を見られないように覆いながら言い、反応を伺った。暫く彼女は考え込み、結論を出したようだ。
「アレク・ギルバートではないの?もしかしてチキンマン・ギルバートに改名した?」
「な訳あるかい!どうしたらそんなアホみたいな名前に改名しようと思うんだよ」
まあ、バレるよな。一応クラスメイトだもんな。
「ふふ、チキンマン。いい名前ね」
「そりゃどうも」
「…………」
「…………」
気まずい。非常に。俺は何でここに…そうだ森林伐採してたから来たんだったそれを聞こう。
「えーと、何でここで森林伐採してたのか聞いてもいいか?レイナさん?」
ここで自然破壊活動を行なっていたのは本日もクラスで浮きまくっていたレイナだった。
「競技祭の為の特訓」
「ここって公共の場だよな一応。ここで特訓するのはマズイんじゃないか?」
「だから、人通りの少ない時間帯を選んだの。ダメだったかしら」
「ダメではないが、来おつけたほうがいいぞ。たまーに人が来るから」
チキンとの散歩コースを荒らして欲しくないが、相手が相手なので諦めて帰ることにする。
「忠告ありがとう」
「じゃあ、帰るからさよなら」
「あ、待って」
逃げるようにその場を離れようとするが、服を掴まれ呼び止められる。
「何?」
「帰り道がわからないわ」
「は?」


「はぁ~」
「ねぇ、あれは何?」
「鶏肉を焼いて塩で味付けしたものだ。鳥串と言う」
「そうなの、美味しそうね」
 何で俺が街案内なんてしなきゃいけないんだ。よりにもよってコイツを案内することになるなんて運が悪過ぎる。
 聞けば、特訓する場所を探し歩いていたレイナは森が見えたのでそこまで飛行魔法で飛んで行ったらしい。そこで特訓していたらバッタリ俺に会ったらしい。

「飛んで帰ればいいんじゃないか?」
「練習し過ぎてそんな魔力は無いわ。走るのがやっとなの」
「馬鹿なのか…お前…?」
 こんな具合に俺はレイナに家までのナビゲーションするだけの筈だったのだが…。
「おじさん、鳥串を二つ下さい」
「アイヨッ、240ペルだよ」
金を払いレイナが鳥串を食べながら戻って来る。
「美味しいわね、塩加減が絶妙で何本でもたべれるわ。そうだ惜しいけどあなたに一本あげるわ」
「いや、惜しいならいらないし、別に腹減ってな…」
グサッ!レイナが俺に鳥串を食べさせようとしたのか口に突っ込んできた。右頬に痛みが走る。
「痛え…」
「ごめんなさい、この美味しさがわかって欲しくてつい…」
「いいよ。別に。それよりそんなに美味しいか鳥串」
「えぇ、美味しいわ。あら?貴方も食べたいの?チキン」
チキンがレイナの足にすがっている。
レイナはチキンが気に入ったらしく、よく撫でている。
「クルル、クルル」
「チキン、見っともないぞ」
「ふふ、くすぐったいわ。しょうがないわね少しだけよ、ほら、美味しい?」
手に乗っけた肉をチキンに食べさせるレイナ。その表情は学校の中でとは全く違い、穏やかで優しい女の子だった。
「クルル!クルル!クルルー!」
 チキンは飛び回り嬉しそうにしている。一見幸せそうに見えるがなかなかに残酷なことだな。
 ていうか、コイツこんなことしてて大丈夫なのか?世間知らずっぽいし、さぞお金持ちなんじゃないのか?だとしたら早く家におくらないと…。
すると突然、後ろから声を掛けられた。
「あら?レイナ、お友達と一緒なの?」
「あ、お母さん」
マジか、不幸中の幸いだな。
やっぱヒーローは困ってる人の元にくるもんだなあ。これでようやくコイツから解放される。
「レイナさんのお母様でしたか、いや~良かった良かった。どうやら迷子みたいだったので家まで送ってと言われたので。ですがもう心配ないみたいですね、それじゃ、俺はこれで失礼して…」
「そんな、うちの子が誠に申し訳ないことを…そうだ!もしよろしければ、家に寄って行きませんか?お詫びをしたいのです。今からだと都合が悪いでしょうか…?」
訂正、ヒーローではないようだ。
「来なよ、アレク。お母さんのお菓子美味しいよ」
「では少しの間だけ…」
決して菓子に釣られた訳じゃない。断ると更に面倒なことになりそうなので行くことにする。
ああ、本当になんでこんな事に…。


「私はレイナの母、セレナと申します。この子に友達が出来て嬉しい限りです」
「自分はアレク・ギルバートと申します」
「それは偽名で本名はチキンマン・ギルバートって言うらしいの騙されないでお母さん」
「違います」
即答する。
「いい名前ですねぇ、チキンマン」
「アレクです…」
セレナさんに事の経緯を詳しく説明していく。
「そうだったの、迷惑かけてごめんなさいね」
「いえ、別に大したことないですよ」
本当はめっちゃ大変だったけど。
「でも、こうしてこの子に友達が出来たことが嬉しいわ~。この子、いつも一人だったから…」
セレナさんは隣に座るレイナを肩に寄せ、そう言った。
「そうなんですか…」
昔からああいう風にしてきたのか。
「極度の人見知りでね、気にいった人としか喋らないのよ」
「でもお母さん、アイコンタクトはしてるよ、私」
「レイナ。いつも言ってるでしょう、人は目だけじゃ会話できないの」
「でもアレクはもうできるよアイコンタクト」
「いや、ごめん無理だから」
なんで急に俺に振るんだコイツは。すると突然、レイナがじっと俺の目を見てくる。
なんだ、なんだ本当に見てきたぞ。
俺はセレナさんにに助けを求めるが、何も言わずにただ微笑んでいた。
 見ろってことなのか?まあ、見るくらいならなんともないけど。
こちらを見るレイナの目を見つめる。一呼吸置いたとき頭の中に何かが入ってくるような感覚がする。
(…………………38)
38?なんだ?
(お………さ…38)
段々と声がはっきりし、聞こえるようになる。
(お母さん………38)
(お母さんの歳は38)
「38歳?!」
思わずセレナさんに目を向ける。とてもそうは見えないくらいセレナさんは綺麗だ。
いや、そうじゃなくて、なんだこれは?!
「レイナ…私は41歳よ…」
いや、その事実にも驚きだけど?!
「そうだっけ?」
なんだこれ、頭にレイナの声が聞こえてきたぞ?!
「テレパシーよ」
俺が戸惑いを隠せないでいるとセレナさんがそう言った。
「テレパシーってあの?」
「レイナにはオリジナルの魔法があるの。それがテレパシーなんだけど、人見知り過ぎてまともに相手の目が見れないのよこの子は」
「もしかして、目を見なければ伝わらないんですか?」
「最初はね。一度聞こえることが出来れば目を見なくてもずっと聞こえるんだけど…。この子は自分が認めた相手としかテレパシーは使わないのよ」
ということは俺は認められたのか?コイツに?なんで?
「アレク。これから宜しく」
「こ、こちらこそよろしく?」
その後、学校生活のことや、俺のことなどを話し、俺はレイナの家を後にした。レイナの学校生活振りを話した時、セレナさんはただ、
「そう…やっぱり…。でも、これからはアレクくんがいるから安心だわ」
と言っていた。
クラスで話しかけたりした方がいいんだろか?
因みにレイナの家はどこにでもある普通の家で、見た目ではお金持ちだと判断できなかった。


「はぁ、今日は普段の5倍は疲れたなぁ」
家に帰り、風呂に入った後自分の机の前に座り、研究を始める前にそう呟いた。
レイナは極度の人見知りでクラスでの態度は恥ずかしさや気まずさからくると言っていた。
力になれればいいが、こればっかりは性格の問題なので自分でなんとかしてもらうしかない。
「気持ちはわからんでもないけどな…」
俺が入学したての頃、友達を作ろうとして空回りしていた時期があった。主に魔術の話を強引に話し回っていたら、不快そうな目でよく見られていた。
「めっちゃ、気まずかったなぁ~あの時は」
強がりではなく、今となってはボッチも気楽でいいもんだと思うようになってきた。
「今日も研究でもしよう」
紙に書かれた魔法陣と見つめあい、徐々に集中力が増していった。



一時間程経過し、トビラをノックする音が聞こえた。
「アレクーご飯出来たよー食べるー?」
「わかった。今いくー」
作業を中断し、立ち上がった時、俺は空中の光の文字に気付く。
「またペイントか。早く消して行かなきゃ」
どうやらまた発動していたらしい。
「ちゃんと扱えるようになったと思ったんだけどな」
今回は今研究している「ブラックスモーク」の魔法陣が描かれていた。
「一語一句間違えていないとは流石俺だな」
きっとまた、無意識に指で描いてしまったのだろう。
 あれ?でも俺、左手に紙を持って、右手でペン持ってたよな…?どうやって描いたんだ?
 少し考え、結論に至る。
「まぁ、どうでもいっか」
今はお腹が空いているので、そんなことに気は使ってられなかった。


 夕飯を食べている時、ペイントのことからなのか疑問に思ったことを母に尋ねた。
「父さんてどんな人だったの?」
「どうって?」
「なんか性格とか、色々?有名な芸術家だったって言ってたけど」
母は思い出に浸るように語っていく。
「お父さんはね、描くことがあまり好きじゃなかったの」
「そうなの?芸術家なのに?」
「正確には、指を使って描くことがめんどくさいと思っていたの。頭の中で描いたものを一瞬で絵にしたいっていっつも言ってたわ」
「頭の中で描く…?」
「そうね、例えばリンゴを思い浮かべてみてごらん」
頭の中でリンゴを想像する。
赤くて、丸い。そんなリンゴを想像する。
「あなたが今想像しているのを絵にするには時間がかかるでしょう?お父さんはね、面倒くさがりだったのよ。魔術を研究するあなたとは正反対の性格だったのよ」
「へぇ~。そうだったんだ」
そのあとは父のことを聞きながらご飯平らげていった。

「ご馳走さまでした」
「はーい」
いつものように皿を片付け、歯を磨き、寝る準備を整える。
「今日も魔術の研究?」
「そうだけど?」
「あんまり、無理しちゃダメよ」
「ほどほどににするよ。お休み」
「お休みなさい」
自分の部屋に入り、すぐに席に着いて研究を再開する。
数時間後。
カッ、カッ、カッ。
ペンが紙を介して机と当たる音が響く。
「ここが原因で上手く作動しないのか?だったらここの文字の位置を直せば…」
上手く作動しなかった原因がわかり、「ブラックスモーク」もそろそろ最終段階へと近づいていた。
「……これで、完成。のはず…」
後は魔力を込め、テストするだけだ。
「上手くいってくれよ、俺のベイビーよ」
魔法陣の書かれている紙に手を置き、魔力を込める。
スー、スー、スー。
少しずつ吸い取られていくのがわかる。そして、10秒ほど注ぎ込むと、徐々に魔法陣が青く輝いていく。
これは魔術回路を通して、魔力が正常に流れている証だ。この反応が出るということは…
「完っ成っだー!!!」
両手を掲げ、ガッツポーズをとる。
制作期間約1カ月。この速さでこの出来は俺の研究者としての技量が上がっていることを意味する。
まあ、5年前からずっとやってるもんなあ、当然か。
自分の技量に、術の完成に、俺は興奮が抑えきれなかった。
後はもう一度この紙に触れるか、術名を唱えれば魔術が発動するしくみになっている。
「早速、試すか」
ここに書かれている「ブラックスモーク」は周囲に黒煙を発生させる魔術だが、今回はその範囲を極端に小さくしてあるので、仮に失敗しても大丈夫な設計にしてある。
「スゥ~ハァ~」
一呼吸置き。唱える。
「ブラックスモーク!」
モワ、モワ、ボワン!
 勢いよく煙が出てくる。
 意外と量があると判断し、俺は窓を開け換気する。暫くし、煙の出る量が少なくなっていく。隙間風によって外へと煙が流されていき、最後には月の光る方へと昇っていった。
「良かった、ちゃんと作動して…」
 この心に抑えきれないほどの感動と達成感は俺の生きがいだ。
 魔術を研究するのは生きがいでもあるが、この魔術にはかなりの実用性がある。
 例えば、魔物や敵に襲われた時、このスクロールをポケットにでも入れておけば、術名を唱えるだけで、相手の目から逃れることができるのだ。しかもこの煙には焦げたような臭いがあるため、臭いに敏感な魔物にも対応できるようになっている。
 え?自分も前が見えないんじゃないかって?煙の範囲さえわかれば誰だって使いこなせるさ。まぁ、そんなのわかるのは俺くらいだけどな。試されるのは己の力さ。
「そうだ魔法陣を書き写しとかないと…」
 紙に書かれた魔法陣を違う紙に書き写していく。
 一度使った魔法陣にはいくら魔力を込めても発動しない。理由は研究員の人でもわからないらしい。しかし魔法陣自体は残っているので他の紙に書き写すことができるのだ。
「さて、書き終わったし、そろそろ寝ようかなぁ」
 興奮で寝付ける気がしないが、明日も学校なので眠らなければ。そう思い、明かりを消した時、頭の上で何かが光っているのがわかった。
「まーたペイントか」
そこには、先程仕上げた「ブラックスモーク」の魔法陣が空中に浮いていた。勿論、これも描いた覚えがない。
「一体なんなんだ…本当に」
手を挙げ消そうとした時、不意に母の言葉を思い出した。

「正確には、指を使って描くことがめんどくさいと思っていたの。頭の中で描いたものを一瞬で絵にしたいっていっつも言ってたわ」

「まさか、頭の中で描いたものが空中に現れたのか?」
もし、そうだとしたら今でのことに納得がいく。
しかし、それ以上に気になることがアレクにはあった。
「この魔法陣。起動するのか…?」
 唾を飲み、長考する。
 本来、魔術とは紙などに書いて発動させるものである。実体のないものに書いても意味がないと思っていた。
「やってみなきゃわかんないか…」
 魔法陣の大きさは紙に書いたのとほとんど変わらない。設計上、もし発動しても先程と同じくらいしか煙は出てこないはずだ。
手を伸ばし触れようとするがすり抜けてしまう。
「ん?待てよ?俺の魔法は魔力を光りに変えているのだから元々は魔力で出来ていることになるから、魔力を注ぐ必要があるのか?」
 もし、ペイントという魔法で出来た光の線が魔力でできているとするならば、術名を唱えるだけで発動できるかもしれない。
 俺はもう一度唾を飲んだ。そして少し小さな声で言った。
「ブラックスモーク…」
言い終わった次の瞬間、光りの文字が一層眩く光った。
「まぶし…」
反射的に目を閉じ、まぶたを少しずつ上げていく。そこには浮かんでいた魔法陣は既になく、ただただ暗い世界が広がっていた。
「暗すぎないか、いくらな⁈ゲホッ!ゲホッ!何だこれ⁈ゲホッ!」
息を吸い込んだ瞬間、身に覚えのある物が焦げたような臭いが鼻を刺激する。
「アレク⁈大丈夫なの⁈なんか凄い焦げ臭いけど⁈」
「母さん、ゲホッ!ドアを開けて、開けてくれ」
 母がドアを開ける音と同時に微かな光が差し込む。その光を頼りにドアの場所を認識し、勢いよく部屋を出た。
「アレク、アンタ何してたのこんな暗くして…って暗すぎない?何も見えないんだけど、それに焦げ臭いし…」
「ちょっと失敗しちゃってさ、あはは…」
「……」


 母はそろそろ寝ようと廊下歩いてた時、突然、俺の部屋が光り出して、それと直後に焦げたよな臭いがしてたので心配になって見にきたのだと言う。
「何をしてたの。説明しなさい」
 母は命令口調になり、声を強める。
 怒ってる時は大体こんな感じで、魔術で失敗して、怒られた事は過去に何度もある。こういうときは正直に言うのが一番だ。
 俺は隠さずことの発端を説明していく。

「なるほどね。大体は把握したわ。つまりは好奇心に負けて、安全かどうかも確認せずにやったと?」
「はい…」
「アレク。研究熱心なのは良いことだけどねぇ、いくら失敗が付き物といってもあの状況は下手したら死ぬとこだったのよ」
「確かに臭いはキツイけど、あの煙の成分はほとんど害は無いんだ…」
キッと母が睨みつけてくる。
「そーなの、良かったわねー害がほとんどなくて」
 やばい、更に怒らせてしまった。なんとか機嫌を直さねば。いや、今回悪かったのは俺だ。全面的に見ても俺が悪い。母の求めるものは言い訳ではなく、謝罪と感謝と反省だ。
「母さん、ごめんなさい。危ないところを助けてくれて。今回は害の無い魔術だったけど、もしこれが攻撃系の魔術だったら多分俺は死んでたと思う。これからは安全第一にしてやるから、研究だけは続けさして下さい。」
俺は頭を下げ、誠意を示す。
「……」
「……」
「わかったわ。今回は許します。でも、今度こんなことがあったら研究は家の外でやってもらいます」
「研究は続けてもいいんだ…?」
「当たり前でしょ、どうせやめろって言ってもやり続けるのが目に見えてるもの。それに、子供の楽しみをいちいち奪ったりしないわよ、私は」
「母さん…ありがとう」
 正直に謝って正解だった。きっと、言い訳していたらもっと酷い事態になっていただろう。
 母さんは普段は優しいが、本気で怒ると本当に怖い。どこぞの魔法師よりも強いんじゃないかと思うくらいだ。
 それよりも、今回のことで俺はようやくとある決心がついた。
「母さん、俺の魔法について知っていることを教えて欲しい」


机を挟み、母が作ってくれた紅茶を飲みながら話しに耳を傾ける。
「あなたの魔法、ペイントはね。魔力によって空中や水の中に描くことができるの。そこまでは知ってるはね?」
「知ってる」
「あなたが言っていた無意識に空中に何かを描いてしまうというのもペイントという魔法の中に含まれているわ」
「どうして、俺に言わなかったの?」
「できるとわかったら、日常生活の邪魔になると思って言わなかったのよ。でも、もし尋ねてくることがあったら、言うって決めてたのよ?」
 なるほど、確かに。今現在俺はペイントが勝ってに発動している。もし、これがずっと起こるようだったらその度にいちいち文字や魔法陣を消さなければいけない。確かにそれは大変面倒くさいことだな。
 だがそれだけじゃないだろう。おそらく母は日常生活のこともあるだろが、俺の魔法の才能を見て言わなかったのだろう。制御出来なければ、ただの足枷にしかならないからだ。
「どうすればコントロールできるようになるかわかる?」
「そこまではわからないの、ごめんなさいね。制御の仕方はあなたにしかわからないと思うわ」
母は小さく首を横に振りながらそう答えた。
「そっか…でも使いこなしてみせるよ、このままって訳にもいかないし。それに…」
「それに…?」
「なんだか面白くなりそうな気がするんだ。これからの生活が」
「そう、無理はしないようにね」
母は小さく微笑んで言った。
「わかった。それじゃあお休み」
「ええ、お休み」
俺はまだ少し臭いのする自分の部屋へ戻り、ベッドで寝ようとするが、今日のペイントによって描かれた魔法陣が発動出来たこと、そしてこれからの魔術のことについて考えているうちに、窓から朝日が差し込んでくるのを見届けてしまった。



あとがき
 初めて小説を書いてみました。なかなか難しい。
そして一章なのにかなり長くなってしまいました。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
 添削できる部分がありましたら、是非教えて下さい。
 まだまだ言葉や文章がおかしな部分が多いと思いますが、これからよろしくお願いします。
             byマーリン










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