自然と世界は廻る

已己已巳己

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第四十三話 城下町到着

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坂又 チッ…結局誰もいなかったか。結界もほどけてたし、また新しく作らないとかぁ…まあ新しく作るには絶好の機会か…さて、兵器ちゃんたちは何体ゲットできるかな~?

~増田仮拠点~
小路 おい、いい情報が入ってきたぜ。
 小路は岩陰から姿を現し、不意にそう言った。
増田 ?
小路 俺の内通者からだ。
白上 は!?いつの間にそんな奴いたのかよ!?
小路 まあまあ聞けよ。腰抜かすんじゃねーぞ?
若間 藤原がなんかやらかしたのー?
小路 ああ、今回はほんとにやってくれたぞ。下手したらこの戦争が終わるかもしれねえ。
増田 は!?もうそんな進んでたの!?
 小路の唐突な発言に増田は焦りすら感じていた。
小路 藤原軍二番手の息子のお前がどこまで知ってるかは知らんが、知らん奴も多いから説明する。
星月 …(なんだろう…)
小路 なんと、融合事件の失敗作を元にした成功体が徐々に作られ始めているんだとさ。
白上 マジか!!じゃあつまり、とんでもねえ能力者が一気に藤原軍に加勢するってことじゃねーか!!
小路 まあ簡単に言えばそうなるな。だが安心しろ。うち制御できている個体は24、そしてこれからの予測成功数を含め藤原軍の報告では想定40体以上の個体が見込めるらしい。
白上 それの何が安心できるんだよ!?
 白上の興奮は一層強まっていく。
小路 現時点での公に制御できている個体が、24体だとするだろ?ランクは向こうが自在に操れると踏んでいい。ここで考えて見ろ。天下の藤原軍にそんな少人数の実験体で研究ができると思うか?あいつらは犠牲を軽んじて考える集団だ。その失敗作の被検体は数百や数千を超える可能性だってある。
星月 つまり言いたいことは、その失敗作をどうにか私たちの軍に引き入れると。
小路 付け加えると、さらに成功体も何体かもってけたら最高!って感じだな。
実久 じゃあさっそく行きましょうよ!
 実久は、いつになく乗り気でその場を起立した。
増田 そうなんだけど、おそらく、その情報が伝わってきたってことは早めに今後も考えておかないと、最終戦争が始まっちゃうと思う。
 増田は冷静を取り戻し、落ち着いて分析を始めていた。
星月 藤原家に潜入したとして、現段階では私たちが全員生き残って帰れるかも怪しいと思います。
増田 うん、勿論争滅隊全員で行くのはよすよ。だから人数を絞って他は待機で行く。編成は、そうだな…俺と小路と実久と星月で行くか。
白上 いや、俺も行きたい。行かせてくれ。
増田 …わかった。じゃあこの五人で 藤原家に潜入する。
若間 それにしても、どうやって連れてくるのよ。洗脳の施し程度されててもおかしくないわよ?
増田 まあ、それに関しては行ってみないとわからないからな。ただ、洗脳を受けていたとした場合は、俺が実久の能力維持で引っ張ってくるわ。
若間 随分と脳筋な戦法ね…
 若間は少しひきつった顔をした。
飛野 俺はいかなくていいのか?
増田 今回は守り要因としていてくれ。もしここで何かあったら飛んできて連絡してほしい。
飛野 分かった。
若間 じゃあ。行ってらっしゃい。
小路 行くかー。
白上 案内は任せたわー。

??? 剣城、間もなく始まるぞ。剣技の腕を確かめられるいい機会になるとよいな。
?? はい。全力を尽くします。
??? 総員、舞台は御三家城下町。剣城を頼んだぞ。
部下 承知!
?? 初めての任務か。僕でも少しは緊張するな…

~3日後~

葉月 え!向こう側の建物ヤバ!?
錫谷 めっちゃ栄えてるな。有名なところなのか?戦場になっていないんだったら不思議だな。
百鬼 あれは城下町だよー!私は昔何度かこの町に来たことがあるんだけど、ここはこの世で一番栄えてる都市って言われてるんだよー!!
灰白 へー!早速行ってみよー!
相馬 うおおおおお!
 相馬は新たなロケーションを前に興奮していた。
萩原 あんただけ先に行くなぁ!
桜木 こら!待ちなさーい!
岩田 …変わらずで何よりだ。
錫谷 まあな。
葉月 自分たちもいこ!
百鬼 ふー!!

~城下町~
相馬 うえ、すっげえ…!!
 一同は、今まで見たことのないほどの建物の景色に圧倒されていた。
萩原 建物が、めっちゃ高い!!?
相馬 これ倒れたりしないのかな…?
百鬼 やっと追いついたー!
岩田 それにしても、すごい街並みだな。
錫谷 なるほど、分かった。
 勇紀は何か思い出したようにそういった。
桜木 ?
錫谷 俺たちの村で栽培される農作物は結構評判が良くてな。いろんなところに輸出されるんだ。んでその輸入先の1つにすごいところがあるって話を聞いたことがあったんだ。それが多分、ここのことを言ってたんだろうなと思ったんだ。
相馬 じゃあ俺たちこんなすごいところに食糧あげてたってこと!?
錫谷 まあかなり一部には過ぎないだろうけど、大体そんな感じ。
桜木 ねえ、その食料の話でちょっと思ったんだけどさ…食料がもうだいぶ少なくなってきたのよ。
 ハッとした鈴音はひっ迫した様子でそう言った。
葉月 うえっマジか!
灰白 今まではなんかうまいこと行ってたけど、さすがに今回は厳しいと思うな。この町、相当広いし。
錫谷 1つ思いだしたことがある。
岩田 なんだ?
錫谷 昔その食料関連でお世話になった行商人がこの町にいるかもしれない。行商人は基本居場所を常に転々とするが、その中でも今回みたいな都市には特に輸出入が活発になっているはず。なら商売上近くにいる確率は他の町にいる確率よりはるかに高いと考えた。
桜木 なるほど、その人にもし会えたとして、その後はどうするの?
錫谷 事情を説明してくれれば、もしかしたら、宿はとれるかもしれない。
相馬 おー!!
葉月 でもちょっと考えた。
 相馬が関心する中、彩里は少し気になっていたことがあった。
錫谷 ?
葉月 自分達、少し他人を頼りすぎな気がしてるんだ。てがあるのはもちろんいいことだけどさ、自分たちの力だけで何とかする術を見つけることも大事だと思うんだ。実際、この街で本当にその人を見つけられる可能性が百じゃない以上はね。
百鬼 自分達だけの力で、か。何か方法はあるの?
葉月 それは、この街をある程度探索してから考える!
相馬 おおお!
岩田 (彩里は何をするつもりだ…?)
 そうして一同は街の中へと足を進めていった。
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