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第三章 ワールドウォー・トゥモロー

ごにんはプリ◯ュア的な

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「七海、慎一郎、ミミ、ナオ、そして私。…この五人が超能力者で、この作戦での鍵となる者達だ。」

「…超能力?」

「そうだ、それぞれが持つ超能力を駆使して、王国に乗り込むのだ。」

 超能力を操る美少女五人に、対する敵は強大な力を持つ王国!?でも、私達の力が合わされば倒せない悪なんていないんだからっ!!そんな、ごにんはプリ◯ュア的な?そんな展開になるのか?まあ、プ◯キュア知らないけど。

「それで、これから王国の王城に侵入するのだが、目的は至って簡単。王国の持つ秘密兵器を壊すのだ。」

「いや、王国の秘密兵器を壊すって、そんなに簡単な事じゃ無いだろ。確かにエドがいるかも知れないけど、王国の警備ってそんなにザルなの?」

 ゲームでの知識が正しければ、王国の国力は、東西南北中央すべての国力を合わせても勝てるか分からない程に強大で、超能力者といえどたった五人で打ち崩せるほどヤワなものでは無い筈だ。

 しかしエドは俺の不安を鼻で笑い言った。

「そんなものは、君の力があれば余裕だろう。レイさんから聞いているはずだろう?」

「いや、聞いてない。ミミからは聞いたけど、そもそもよく分からなかった。」

 俺の能力、ミミ曰く探し物を見つけてはまた無くす能力らしい。だが使い方によってはエドさえも倒せる能力。…本当によく分からない。

「あー、確かに分かりづらい能力かも知れないな、君のは。まあ、そうだな、大雑把に説明すれば何かを対価にすれば願いを叶える事が出来る能力と言った所か?」

「え?チートやん、それ。」

「ああ、そうだろう?私の作戦では君には前衛を任せて、堂々と正門から侵入してもらう。御兵に捕まったら君の能力の概要について説明する。信じてもらえなかったら君が致命傷を喰らうのと引き換えに王城を爆発させればいい。」

「うん、絶対やだ。」

 エドの提案は爆弾を持って正面突破するのと何ら変わらない、ただの自爆テロだ。断固拒否する。

「そうか、まあ、そうだろうな。ただ何度も試したがこれが一番効率がいいってだけの話だ。別に無理強いするつもりは無い。」

 エドは物悲しそうな声でそう言う。…そんな手には乗らないからな。て言うか今だいぶ気になること言ったよな?

「…何度も試したって言うのはどういう事だ?」

「鋭いっ!さすが神林慎一郎!鋭い!」

 俺の質問に、茶々を入れてきたのはミミだ。俺は彼女を一瞥するが、返ってくるのは笑みばかり。埒が明かないためエドの方に向き直ると彼女は感心したような溜息を吐いた。

「ミミから聞いていたがその通りだったな、君は本当に勘が鋭い。能力を抜きにしても中々の人材だ。」

「あ、ありがとうございます。」

 俺はエドに誉められたことが思いの外嬉しく、恥ずかしかった。その最強の戦士、人間としても、生物としても格上の存在。そんな彼女に誉められたことが堪らなく嬉しかった。

「それで、慎一郎から貰った質問に答えるが、それは私の超能力である時間逆行によるものだ。私は何度もこの世界をやり直してきた。」

「時間逆行…?」

「そうだ、それが私の超能力。…そうだな、ここでミミとナオの超能力についても説明しよう。」

「ああ、そうですね。」

 エドの提案に、眠そうにしていたナオは目を覚まし返答する。そしてミミは腕を組み、笑みを浮かべている。

「エドが世界をやり直した回数11回、その内、神林慎一郎がやって来てからのやり直しは1回。」

「?」

 ミミの発言に、俺は首を傾げる。するとすぐにナオが補足を入れてくれた。

「エドさんが時を戻せば、エドさん以外の人の記憶はもとに戻る。しかし、一部例外がいる。私とミミ様、さらにその妹のハナさんだ。ハナさんは記憶の一部しか引き継げない様だが。」

「何それ、強くない?」

「まあ、そんなところだ。これで全員の超能力の概要は話したな。ではもう時間も無い。細かい所は後にして…」

「…王国潜入操作の作戦を話そう。」



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