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69話 森の奥地へ⑥
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「転移門が完成したのであれば、もう少しここらを探索しても大丈夫かもしれんな。それに、上質な石を見つけられれば炉を作れるかもしれん。そうなれば鍛冶を覚えて特殊スキルの付いた武器とかも作れるようになるかもな」
〖鍛冶できるのか?〗
「いいや?やったこともなければ見たこともない。ただ、スキルを獲得するとスキル相応の知識が頭に入ってくるんだ。料理スキルなら料理、鍛冶なら鍛造、剣術とかだった剣の振り方とかな。だから、それを元にやってみようと思う。さて、それじゃあここら辺の探索を…といっても、見渡す限り何も無いし、やっぱこの中に入るしかなさそうだな」
《気を付けろよ、洞窟は奇襲されやすいぞ》
「わかってるって。【結界魔法:自動防衛】」
彼は自信に害のある攻撃を対象に自動的に結界を張る魔法を構築、行使した後、光魔法で道先を照らしながら洞窟へと入っていった。
「ふぅむ…地図を見た感じ、一本道ではあるようだな。奇襲の心配はこれで大きく減らせたはいいが、逃げる時が厄介だな。それに、潜っても少しも魔物が見えないのが不気味で仕方がない」
《隠れてる、って訳でもなさそうだしな。考えられるとしたら、ここの魔力が薄くなっている、もしくは洞窟の奥により濃度の高い魔力が溜まっていること。あとは強い魔物が現れて捕食されたか…ともかく、わかることはこれより先に踏み込むのであれば
より一層警戒心を強めなければな》
彼はその言葉に心を引き締め、より一層慎重に奥へと進んで行った。しかし、その心配も裏腹に、無事に下層部へとたどり着いたようで、下に降った道の終わりが見えてきた。
「…なんだ、本当に魔物が出なかったな。さて、ここを曲がれば広場みたいだが…」
下り坂を曲がり、彼らは慎重に広場を覗き込んだ。
すると、その広場は幻想的な景色広がっていた。
広大な場所で、中央には巨大な泉があり、壁には水晶が埋め込まれている。
そして、天井には太陽が存在するかのように眩い光が差し込まれていた。
「こ、こんな幻想的な洞窟だったのか…」
《おいおい、こりゃまるで宝物庫だぞ!あれらの水晶は俺がさっき言っていたレアモブのドロップで獲得できる水晶だ。それも、ドロップ品よりもより純度の高い代物だ。
それに天井のあの光、あれは擬似太陽、地下太陽とも呼ばれる代物で、ポーションから鍛造素材、燃料、武器、あらゆるものに適合できる素材だ。そんでもってあの泉…管理する者こそ違うが、ありゃあ霊泉だ。しかもこの感じ…聖獣か霊獣がここの管理者だな。こんだけ神聖な場所なら、魔物もこぞって逃げるだろうな…だが、だとしたらあのアルマジロ達は洞窟に入った後、どこに行ったんだ?暫くして戻ってきたが、ここ以外に魔物が入る住処等はなかった筈だが…》
「…幻術、お前が魔物を隠した霊獣だな?麒麟」
«ほぉ、我を知るものが居るとは。長生きもするものだな»
《なっ…ど、どこから!?》
「初めから居たな?いや、正確に言えば…千里眼、そのスキルか?洞窟に入ったあたりから気配の感じ方がおかしいものが一匹混じっていたが…洞窟全域にその気配は1匹として広がっていたから気のせいと思ったが、やはり疑って正解だったな」
〖鍛冶できるのか?〗
「いいや?やったこともなければ見たこともない。ただ、スキルを獲得するとスキル相応の知識が頭に入ってくるんだ。料理スキルなら料理、鍛冶なら鍛造、剣術とかだった剣の振り方とかな。だから、それを元にやってみようと思う。さて、それじゃあここら辺の探索を…といっても、見渡す限り何も無いし、やっぱこの中に入るしかなさそうだな」
《気を付けろよ、洞窟は奇襲されやすいぞ》
「わかってるって。【結界魔法:自動防衛】」
彼は自信に害のある攻撃を対象に自動的に結界を張る魔法を構築、行使した後、光魔法で道先を照らしながら洞窟へと入っていった。
「ふぅむ…地図を見た感じ、一本道ではあるようだな。奇襲の心配はこれで大きく減らせたはいいが、逃げる時が厄介だな。それに、潜っても少しも魔物が見えないのが不気味で仕方がない」
《隠れてる、って訳でもなさそうだしな。考えられるとしたら、ここの魔力が薄くなっている、もしくは洞窟の奥により濃度の高い魔力が溜まっていること。あとは強い魔物が現れて捕食されたか…ともかく、わかることはこれより先に踏み込むのであれば
より一層警戒心を強めなければな》
彼はその言葉に心を引き締め、より一層慎重に奥へと進んで行った。しかし、その心配も裏腹に、無事に下層部へとたどり着いたようで、下に降った道の終わりが見えてきた。
「…なんだ、本当に魔物が出なかったな。さて、ここを曲がれば広場みたいだが…」
下り坂を曲がり、彼らは慎重に広場を覗き込んだ。
すると、その広場は幻想的な景色広がっていた。
広大な場所で、中央には巨大な泉があり、壁には水晶が埋め込まれている。
そして、天井には太陽が存在するかのように眩い光が差し込まれていた。
「こ、こんな幻想的な洞窟だったのか…」
《おいおい、こりゃまるで宝物庫だぞ!あれらの水晶は俺がさっき言っていたレアモブのドロップで獲得できる水晶だ。それも、ドロップ品よりもより純度の高い代物だ。
それに天井のあの光、あれは擬似太陽、地下太陽とも呼ばれる代物で、ポーションから鍛造素材、燃料、武器、あらゆるものに適合できる素材だ。そんでもってあの泉…管理する者こそ違うが、ありゃあ霊泉だ。しかもこの感じ…聖獣か霊獣がここの管理者だな。こんだけ神聖な場所なら、魔物もこぞって逃げるだろうな…だが、だとしたらあのアルマジロ達は洞窟に入った後、どこに行ったんだ?暫くして戻ってきたが、ここ以外に魔物が入る住処等はなかった筈だが…》
「…幻術、お前が魔物を隠した霊獣だな?麒麟」
«ほぉ、我を知るものが居るとは。長生きもするものだな»
《なっ…ど、どこから!?》
「初めから居たな?いや、正確に言えば…千里眼、そのスキルか?洞窟に入ったあたりから気配の感じ方がおかしいものが一匹混じっていたが…洞窟全域にその気配は1匹として広がっていたから気のせいと思ったが、やはり疑って正解だったな」
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