学校転移﹣ひとりぼっちの挑戦者﹣

空碧

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83話 接触⑤

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「おーい、とりあえず許可とってきたぞ…って、あれ?健太は?」
〖ああ、俺なら…っと、この状態だと見えないか〗
「うおっ!?ど、どっから出てきた?」
「健太の固有スキルの共鳴だ。俺に肉体を共鳴させてた」
「そ、そんなことも出来んのか…っと、そうだ。とりあえずこのまま会いに行けるらしいから、早速行こう。ただ、俺の同席も頼みたいって話なんだが、それでもいいか?」
「ああ。んじゃ、姿を変えるからちょっと離れてくれ」
「?、おう」
「【変幻自在の影】」

彼は自身の肉体を狼の姿へと変化させると、それを合図に体育館へ向かった。

「あ、相川…だよな?」
「ああ」
「狼にもなれるのか」
「まぁ、スキルで見た目を変えてるだけだけどな。とりあえずこれで誰かは分からないだろうし、早速向かおうか」

…っと、そうだ。念の為に声も変化させておくか…声は音の振動、音は派生でいえば…風だな。

「【風魔法:変化する声】さぁ、準備万端だ」
「こ、声も変わった…」

守谷は驚きながらも体育館へと案内し、3人で中に入る。

「…守谷くん、紹介したい人って言ってたけど…こ、この狼、さん?」
「さん付けは要らないよ、お嬢さん」
「しゃ、喋った!?」
「まずはそうだな自己紹介といこう。と言っても、訳あって真名…ああ、こちらの世界じゃ本名か。本名は晒せないが、そうだな…ノワール、とでも呼んでくれ」
「は、はぁ…守谷くん、このノワールさんが紹介したい人で間違いないんだよね?」
「ああ」
「え、えーっと…じゃあ先に、足を拭いてもらっても良いですか」
「ああ、これはすまんな。【生活魔法:洗浄】
これで大丈夫だ」
「ま、魔法!?魔法が使えるんですか!?」
「うん!?あ、ああ。使えるとも。この世界ならば子供から老人まで、誰でも使えるものだ」
「あ、あの…不躾なお願いですが、魔法を教えて頂けないでしょうか!」
「あ、日比谷さん魔法は…」
「構わないよ。ただ、不特定多数の人に教えるのは手間だから、何人か絞ってもらえるとありがたい」
「あ、ありがとうございます!」
「【意識共鳴】(…おい、良いのか?)」
「(安心しろ、方法はある。先程の方法で肉体を広げれば上手くできる)」
「(なら大丈夫か)」
「本題に入ろう」
「あ、その前に話せる場所に移りますね。玄関だと安心出来ないかと思いますので」
「ああ、それはありがたい。すまないね」

彼らは体育館の中へと入っていくと、壁こそないものの、パーテーションによってきちんと具魏られた部屋が1箇所あるのを見つけた。

「こちらでお待ちください。すみません、お茶はないので水でもよろしいでしょうか?」
「ああ、それならばこちらの物を出そう。そうだな、リンゴジュースでよろしいか?」
「え…り、リンゴがあるんですか!?」
「ああ、私の農園で栽培していてね」
「あ、俺炭酸が良い」
「炭酸は流石にないよ。作ろうと思えば作れるだろうけど、それはまた今度」
「じゃ、オレンジジュースで」
「ああ、それならば大丈夫だね。ほれ、オレンジジュースだ」
「あ、あの…3人は知り合い、なのですか?」
「ああ、森を散策している時に知り合ってね。話し相手が狼だけではつまらないものだから、定期的に会っているんだ。さて、お茶菓子もあるからどうぞお食べ」
「あ、ありがとうございます!」
「さて、時間も過ぎていっていることだし、早速で悪いが本題に入ろうか。守谷くんから先日、回復のことを効かれてね。魔法にも治癒魔法や聖魔法等という手段はあるが、どちらも希少なもので伝授できるようなものでもないから、方法を考えていてね。結局、私が彼らの拠点に行き薬を作る手立てを教えることになってね」
「く、薬…ですか?」
「ああ、安心したまえ。薬と言っても、禁止薬物などではなく、ごく一般的なポーションの類だよ」
「え…ぽ、ポーションって作れるんですか!?」
「もちろんだよ。そもそも、作れなければこの世に生まれていないだろう?
それで、せっかくだから彼の言っていた大所帯の男の子と女の子のグループにも教えてほしいと頼まれたものだから、ここに来た次第なんだ」
「え…お、教えて頂けるのですか!?」
「ああ、勿論だとも。ああ、だけど先に彼女らの治療を先にしようか。血の匂いが増えてきている」
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