学校転移﹣ひとりぼっちの挑戦者﹣

空碧

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104話 転職1

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「…あ、Lv.10なった」
「え!?早くないか?」
「そうか?結構倒した気がするが…」
「いや、俺の時はもっと時間が掛かったからさ」
《強敵ボーナスで追加経験値を獲得しているからだろうな。お前の時は、ゴブリンの群れを先に討伐したから、レベル差が縮まってそのボーナスがなかったんだ》
「経験値ボーナスなんてのもあるのか?」
《Lv.5以上の差がある時に発生するんだ。ここら辺の魔物の平均レベルはLv.10~15帯、補正が掛かるのは当然のことだ》
「なるほど…あ、そうだ。健太、武闘家は解放されたか?」
「ああ。これを取れば良いのか?」
「武闘家を取れば物理寄りになる。あくまで寄るだけで魔法も使えるが…」
「んじゃ、これでいいや。魔法は健太が使うだろうしな。それに、俺はああいう細かいのは苦手だ」
「まぁじゃあ、次は健太の番だな」
「おう!…とはいっても、守谷のレベル上げで殆ど魔物は居なくなったが…」
「お前の場合は例外的なレベル上げが出来るから、もっと強い奴を倒せばいい。丁度森の奥の方に強そうな気配が居るからな。あれを倒しに行こう」

時間は丁度正午、守谷の転職も終わり、次は健太のレベル上げとして、相川が見つけた気配のもとへと移動をする。
健太はそのまま飛翔魔法で、守谷は相川と共に、重力魔法で飛んでいった。

「これどっちの方が効率良いんだ?」
「五分五分ってところだな。
【飛翔魔法】は操作が難しい代わりに消費魔力が少なく、
【重力魔法】は操作が簡単な代わりに消費魔力が多い」
「重力魔法で浮いて飛翔魔法で飛ぶってのは?」
「ああ、それならいけるかもな。まぁ、それは着いてから試せば良いだろ」
《異端者よ、そなたは魔法型の武者なのか?》
「両方だな。状況に応じて使っている」
《ふむ…魔法はこれ以外にも特殊属性はあるのか?》
「なんか探られてる?あるにはあるが…」
《興味があるだけだ。我は武術は極めたが、魔法は既存知識しか持っておらぬ。その為、この世界に存在しない魔法に興味を持った》
「そうか。…お、見えてきた。あれだな」
「…イノシシ、いやサイか?」

【マルチノセロス】
Aランクの防御型の魔物で、相手の攻撃に合わせて鱗が変化し、対魔法、対物理の鱗へと変化する。
しかし、耐性があるだけな為、特化で討伐された例も存在する。

《ついでにこの資料も見ておくがよい》
「え?」

【アンチテーゼノセロス】
Sランクの防御型の魔物で、マルチノセロスが進化した魔物。
対魔法、対物理の鱗には完全免疫が付与されており、また、自身も魔法を使う。
過去の人間が行った討伐例は存在していない。

「…なるほど、今のうちに倒さないと次はないってことか。ま、進化しても方法はあるけどな。健太、あれを討伐するぞ」
「おう」
「ひとまず魔法と物理で攻撃していって鱗の特徴覚えよう。そんで、途中から魔闘術に変更だ」
「んじゃ、魔法は俺がすればいいか?」
「ああ、物理は俺がする。守谷は、上で待機しておいてくれ。槍を渡しておくから、俺が合図したらそれをあの魔物に向かって投げてくれ」
「おう!」
「よし、それじゃあ…作戦開始だ!」
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