117 / 125
115 麒麟の恩恵1
しおりを挟む
「うーん、あと必要なものは…結局魔道具か」
「拠点は完成させないのか?」
「させる。が、キッチンとかは特に全部魔道具だろ?だから、そこら辺も作っていかないとなんだが…如何せん、素材が足りない」
「ああ…結局そこになるのか」
「鉱石も足りないし、水晶も足りない。両方とも取りに行けば手に入りはするんだが…」
「珍しいな、お前が躊躇うの」
「いや、躊躇うというか…遠い」
「【転移魔法】は?」
「さっきから魔力使いまくってるせいで魔力が足りないんだ。無属性の派生だから、空気中の魔力でもできるんだが、相当圧縮しないと位置がブレる…から、うーん…まぁ、やってみるか。
【魔力支配】【転移門】」
空気中の魔力を自身の中へ流し込み、その都度圧縮して自身の魔力と同程度にしながら洞窟の方へと魔力を繋げていく。
「…うーん、やっぱちょっと不安定だよなぁ…飛べはするが、早く入らないと直ぐに閉じる。開いた瞬間に全員飛び込んでくれ」
「「ああ」」
「【転移門】」
想良が手振りで合図を送ると、2人同時に走り出し、想良の傍に開いた転移門へと入る。想良は2人を追うように、慎重に転移門へ入ると何とか潜ることができた。
「はぁ…やっぱ魔力の質の問題だな」
「想良でも魔力制御を誤ることがあるんだな」
「誤るっていうか…元々こういう微調整が苦手なんだ。まぁ、練習しろって話なんだが…外部魔力を使った転移で地球に帰ることになると思うから、それまでに練習をしておかないとなぁ…」
「「…うん?今なんて?」」
「え?外部魔力を使った転移?」
「のあと」
「…ああ、転移魔法で地球に帰る?」
「か、帰れるのか!?」
「うおっ!?な、なんだいきなり」
2人はその言葉に驚き、想良を押し倒す。
「ほ、本当に地球に帰れるのか!?」
「ああ。帰れるのは確かな筈だ。だが、帰るには幾つか条件が必要でな。
まず、使用するのは【座標転移】
これは、自身の位置と転移先の位置を登録して転移する魔法だな。
次に必要なのが、転移魔法に必要な【座標】
これは、人間の国に行かないと多分見つからない。神に任せても良いかもしれんが、時間の流れが違う以上、どれくらい時間を費やすか分からない。
最後に、【魔力】
当然のことだが、ただでさえ消費魔力が桁違いに多い転移魔法だ。次元ごと飛び越えるなんて、想像もつかないほどの魔力が必要となる」
「予想ではどれくらいなんだ?」
「そうだなぁ…万は必要なんじゃないか?」
「…え?」
「多分、上手くいっても軽く数万は飛ぶ。今の俺の魔力が75のBランク上限だから、とりあえずこれをランク上限のS…じゃねぇな、も1個上のランクまで上げる必要がある。まぁ、それでも足りないから、そこら辺はどうにかする」
《上限解放には当然、強化玉が必要な訳だが、結局のところそれまで鍛錬をしないといけないけどな。それが何年かかるかは分からんが、少なくとも正攻法では無理だ》
「正攻法?」
《うむ。この世界にはダンジョンと呼ばれる物が存在している。
ダンジョンは一種の魔物ではあるのだが、それを創り出したのは魔力…そして、この世界の物はあらゆるものが魔力でできている。それ故に、ダンジョンの核であるダンジョンコアは
別名〔叶い石〕
と呼ばれている。これは、願いがそのコアのランクに見合ったものならば、大抵は実現する代物だ。
これを使い、魔力総量を上げれば成長させずとも膨大な量の魔力が獲得できる。しかし、上限はあるので、その上限を超えることはできない》
「だろうな。でも、ダンジョンコアか…良いことを聞いた。ここら辺にダンジョンコアはあるのか?」
《ない。ここらは魔力が元々濃く、この森自体がコアのないダンジョンのようなものなのだ》
「なら、旅に出たらダンジョンを探そう」
「拠点は完成させないのか?」
「させる。が、キッチンとかは特に全部魔道具だろ?だから、そこら辺も作っていかないとなんだが…如何せん、素材が足りない」
「ああ…結局そこになるのか」
「鉱石も足りないし、水晶も足りない。両方とも取りに行けば手に入りはするんだが…」
「珍しいな、お前が躊躇うの」
「いや、躊躇うというか…遠い」
「【転移魔法】は?」
「さっきから魔力使いまくってるせいで魔力が足りないんだ。無属性の派生だから、空気中の魔力でもできるんだが、相当圧縮しないと位置がブレる…から、うーん…まぁ、やってみるか。
【魔力支配】【転移門】」
空気中の魔力を自身の中へ流し込み、その都度圧縮して自身の魔力と同程度にしながら洞窟の方へと魔力を繋げていく。
「…うーん、やっぱちょっと不安定だよなぁ…飛べはするが、早く入らないと直ぐに閉じる。開いた瞬間に全員飛び込んでくれ」
「「ああ」」
「【転移門】」
想良が手振りで合図を送ると、2人同時に走り出し、想良の傍に開いた転移門へと入る。想良は2人を追うように、慎重に転移門へ入ると何とか潜ることができた。
「はぁ…やっぱ魔力の質の問題だな」
「想良でも魔力制御を誤ることがあるんだな」
「誤るっていうか…元々こういう微調整が苦手なんだ。まぁ、練習しろって話なんだが…外部魔力を使った転移で地球に帰ることになると思うから、それまでに練習をしておかないとなぁ…」
「「…うん?今なんて?」」
「え?外部魔力を使った転移?」
「のあと」
「…ああ、転移魔法で地球に帰る?」
「か、帰れるのか!?」
「うおっ!?な、なんだいきなり」
2人はその言葉に驚き、想良を押し倒す。
「ほ、本当に地球に帰れるのか!?」
「ああ。帰れるのは確かな筈だ。だが、帰るには幾つか条件が必要でな。
まず、使用するのは【座標転移】
これは、自身の位置と転移先の位置を登録して転移する魔法だな。
次に必要なのが、転移魔法に必要な【座標】
これは、人間の国に行かないと多分見つからない。神に任せても良いかもしれんが、時間の流れが違う以上、どれくらい時間を費やすか分からない。
最後に、【魔力】
当然のことだが、ただでさえ消費魔力が桁違いに多い転移魔法だ。次元ごと飛び越えるなんて、想像もつかないほどの魔力が必要となる」
「予想ではどれくらいなんだ?」
「そうだなぁ…万は必要なんじゃないか?」
「…え?」
「多分、上手くいっても軽く数万は飛ぶ。今の俺の魔力が75のBランク上限だから、とりあえずこれをランク上限のS…じゃねぇな、も1個上のランクまで上げる必要がある。まぁ、それでも足りないから、そこら辺はどうにかする」
《上限解放には当然、強化玉が必要な訳だが、結局のところそれまで鍛錬をしないといけないけどな。それが何年かかるかは分からんが、少なくとも正攻法では無理だ》
「正攻法?」
《うむ。この世界にはダンジョンと呼ばれる物が存在している。
ダンジョンは一種の魔物ではあるのだが、それを創り出したのは魔力…そして、この世界の物はあらゆるものが魔力でできている。それ故に、ダンジョンの核であるダンジョンコアは
別名〔叶い石〕
と呼ばれている。これは、願いがそのコアのランクに見合ったものならば、大抵は実現する代物だ。
これを使い、魔力総量を上げれば成長させずとも膨大な量の魔力が獲得できる。しかし、上限はあるので、その上限を超えることはできない》
「だろうな。でも、ダンジョンコアか…良いことを聞いた。ここら辺にダンジョンコアはあるのか?」
《ない。ここらは魔力が元々濃く、この森自体がコアのないダンジョンのようなものなのだ》
「なら、旅に出たらダンジョンを探そう」
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる