3 / 66
あなたに出逢った日
しおりを挟む
貴方と初めて出逢ったのは
僕が小学一年の夏休み
8月の暑い夏の日だった
蝉の鳴き声が響き渡り
雲ひとつない青空が広がり
みんな汗を拭いたり、日傘をさしたりして
少しでも暑さをしのごうとしていた
僕と弟の祐介は近所の公園で
水遊びをしながら暑い夏を楽しんでいた
水道から流れる水は冷たくて気持ちよくて
両手の手のひらに、ありったけの水を流し込むと
思いきり祐介の顔をめがけてその水をかけた
祐介は、キャッ、キャッ、と喜んでいる
あまりに楽しそうなので僕は何度もそれを
繰り返していた
何度も繰り返しているうちに
弟は飽きて来たのか
「お兄ちゃん~お母さんの所に行こう~」
そう言って小さなおもちゃのバケツと
スコップを手に握りしめ
足早に母のいる公園のベンチに
向かって走って行った
木でできたベンチは4人位が座れる長さで
2つ並んでいる
一つのベンチにはさっきまでは母が
1人で座っていたのに
見知らぬ女の人が横に座っていた
あまり笑わない母が楽しそうに笑っている姿に
不思議に思いながら
僕はその女の人を見つめた
「お母さん~水道の所に来て~
一緒に水遊びしょうよ~」
そう言って祐介は手を引っ張って
嫌がる母を水道がある方に
連れて行った
「もう、祐ちゃん、、
お母さんお友達とお話してるのに
少しだけだからね~」
お母さんは面倒くさそうに
盛り上がっていた話を
続けたかったような様子で
祐介の方について行った
2人が向こうに行くと
僕は、お母さんの友達という女の人と
二人きりになった
「こんにちは!
翔君!水遊び楽しかった?」
その人はベンチに座り
僕に優しく話かけてくれた
僕はその女の人の隣にくっつく様に座ると
「いつも弟わがままばかり言うから
仕返しに水いっぱいかけちゃった~
いつもお母さんに甘えてばかりで
喧嘩してもいつも僕ばかり怒られて
お兄ちゃんなんだからって、、
僕、弟に生まれたかったな~」
しょぼくれた顔で僕がそう言うと
「そうなんだ~おばちゃんも妹いたから
その気持ち分かるよ~
いつも損ばかりしてたよ~
お姉ちゃんなんだからって~」
そんな話をしながら僕とその女の人は
手を握りながらぶらぶらと
前後に腕を揺らしていた
僕はどちらかと言うと人見知りなのに
初対面の人とこんなにも打ち解けている事が
不思議で、なぜだか僕はずっと
その人の目に釘付けになっていた
とても優しそうな目、丸顔でさっき
おばさんと言っていたけど
僕はおばさんとは思えなかった
どちらかと言うとお姉さん
まん丸の大きい目、笑った顔が
とっても可愛い
「ねぇ~おばちゃんの膝に座っていい~」
僕は思いついたままそう言うと
返事を待つ事なく勝手に膝の上に座っていた
その人はぎゅ~って僕の後ろから
手をまわして抱き寄せてくれた
なぜだか優しくて温かい気持ちになり
このままお母さん戻ってこなければいいのに
とも思う程居心地が良かった
そして、また公園に来れば
この人に会えるかも
そんな思いが頭をよぎった
そんなあの人との思い出、、
沢山の色々な思い出たちは流れるように
消え去って行ったけれど
この夏の日の出来事は
高校生になった今でも鮮明に覚えている
あの日出逢ったのは運命だった
僕はそう思えたんだ…
あの時の繋いだ手の温もりと
抱き寄せてくれたホットする気持ちは
ずっと忘れられない
忘れられないんだ
僕が小学一年の夏休み
8月の暑い夏の日だった
蝉の鳴き声が響き渡り
雲ひとつない青空が広がり
みんな汗を拭いたり、日傘をさしたりして
少しでも暑さをしのごうとしていた
僕と弟の祐介は近所の公園で
水遊びをしながら暑い夏を楽しんでいた
水道から流れる水は冷たくて気持ちよくて
両手の手のひらに、ありったけの水を流し込むと
思いきり祐介の顔をめがけてその水をかけた
祐介は、キャッ、キャッ、と喜んでいる
あまりに楽しそうなので僕は何度もそれを
繰り返していた
何度も繰り返しているうちに
弟は飽きて来たのか
「お兄ちゃん~お母さんの所に行こう~」
そう言って小さなおもちゃのバケツと
スコップを手に握りしめ
足早に母のいる公園のベンチに
向かって走って行った
木でできたベンチは4人位が座れる長さで
2つ並んでいる
一つのベンチにはさっきまでは母が
1人で座っていたのに
見知らぬ女の人が横に座っていた
あまり笑わない母が楽しそうに笑っている姿に
不思議に思いながら
僕はその女の人を見つめた
「お母さん~水道の所に来て~
一緒に水遊びしょうよ~」
そう言って祐介は手を引っ張って
嫌がる母を水道がある方に
連れて行った
「もう、祐ちゃん、、
お母さんお友達とお話してるのに
少しだけだからね~」
お母さんは面倒くさそうに
盛り上がっていた話を
続けたかったような様子で
祐介の方について行った
2人が向こうに行くと
僕は、お母さんの友達という女の人と
二人きりになった
「こんにちは!
翔君!水遊び楽しかった?」
その人はベンチに座り
僕に優しく話かけてくれた
僕はその女の人の隣にくっつく様に座ると
「いつも弟わがままばかり言うから
仕返しに水いっぱいかけちゃった~
いつもお母さんに甘えてばかりで
喧嘩してもいつも僕ばかり怒られて
お兄ちゃんなんだからって、、
僕、弟に生まれたかったな~」
しょぼくれた顔で僕がそう言うと
「そうなんだ~おばちゃんも妹いたから
その気持ち分かるよ~
いつも損ばかりしてたよ~
お姉ちゃんなんだからって~」
そんな話をしながら僕とその女の人は
手を握りながらぶらぶらと
前後に腕を揺らしていた
僕はどちらかと言うと人見知りなのに
初対面の人とこんなにも打ち解けている事が
不思議で、なぜだか僕はずっと
その人の目に釘付けになっていた
とても優しそうな目、丸顔でさっき
おばさんと言っていたけど
僕はおばさんとは思えなかった
どちらかと言うとお姉さん
まん丸の大きい目、笑った顔が
とっても可愛い
「ねぇ~おばちゃんの膝に座っていい~」
僕は思いついたままそう言うと
返事を待つ事なく勝手に膝の上に座っていた
その人はぎゅ~って僕の後ろから
手をまわして抱き寄せてくれた
なぜだか優しくて温かい気持ちになり
このままお母さん戻ってこなければいいのに
とも思う程居心地が良かった
そして、また公園に来れば
この人に会えるかも
そんな思いが頭をよぎった
そんなあの人との思い出、、
沢山の色々な思い出たちは流れるように
消え去って行ったけれど
この夏の日の出来事は
高校生になった今でも鮮明に覚えている
あの日出逢ったのは運命だった
僕はそう思えたんだ…
あの時の繋いだ手の温もりと
抱き寄せてくれたホットする気持ちは
ずっと忘れられない
忘れられないんだ
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
人生最後のときめきは貴方だった
中道舞夜
ライト文芸
初めての慣れない育児に奮闘する七海。しかし、夫・春樹から掛けられるのは「母親なんだから」「母親なのに」という心無い言葉。次第に追い詰められていくが、それでも「私は母親だから」と鼓舞する。
自分が母の役目を果たせれば幸せな家庭を築けるかもしれないと微かな希望を持っていたが、ある日、夫に県外へ異動の辞令。七海と子どもの意見を聞かずに単身赴任を選び旅立つ夫。
大好きな子どもたちのために「母」として生きることを決めた七海だが、ある男性の出会いが人生を大きく揺るがしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる