誰にも言えない初恋

山本未来

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嘘をつくしかなかった

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あれから僕は、お母さんのカバンの中に

入っているお金やタンスの引き出しに

入ってるお金をこっそり取って

学校に持って行ってた


毎月のお小遣いはもちろんすぐなくなり

お金がない時は部活を休み


時にグランドを何周も走らされたり

毎回2千円位は先輩のコンビニ代として

取られていた


ある日、タンスの中のお金が入った封筒が

なくなっていたので必死で探していると

扉を開ける音がして僕は慌てて

タンスの引き出しをもとに戻そうと

焦っていると


「翔君!何探してるの?

最近少しずつお金が減っている感じが

するけどもしかして翔君が取ってたの?」


以前より痩せたお母さんは疲れきった顔で

僕を睨んでそう言った


「僕じゃないよ!僕はそんな事しないし…」

僕は目をそらして逃げるように

自分の部屋に向かった

それを追いかけるようにお母さんは

泣きながら部屋に入って来ると


「正直に言いなさい!

いったい何に使ったの、、

どうして嘘をつくの?」

って僕の体をつかんで

すごい力で揺らすと肩や背中をおもいきり

叩いて来た


「やめろー!」

僕はお母さんをおもいきり

突き飛ばすとお母さんは

机にぶつかりどんと言う

音とともにお母さんはカーペットの上に

流れ込むように倒れ、大声で泣き叫んだ

まるで気が狂ったように…



僕は恐ろしくなり

走って玄関に行き自転車に乗り

あてもなく自転車をこいだ


コンビニに行ったり本屋さんに行ったり

時間を潰したけれど帰らない訳にも行かず

恐る恐る家に帰ると

お母さんは救急車で運ばれる所で

手がつけられない位興奮しているようで

弟もあっけにとられた様子で

玄関に立ちつくしお父さんは

僕を睨みつけると引きつった顔で

救急車に乗り込んだ


玄関に入りリビングに行くと

色々な物が散乱していて

お母さんが暴れた

様子が目に浮かんだ


だけど部屋は散乱していたけれど

やけに静まりかえっていて

困惑した気持ちとお母さんがいない

安心感とがまざり不思議な感覚に

なっていた


もう何も考えたくなくて

布団に倒れ込みやり切れない思いと

自分の運命を呪うような気持ちで

泣きながらいつの間にか眠っていた


朝、起きてリビングに行くと

昨日のまま部屋は散乱していたけれど

僕は学校に行く用意をした

弟も何もなかったように無言で学校に

行く準備をしていた


お父さんは病院からきっと帰って来た

はずだろうけど仕事に行ったのか

部屋にいるのかも分からず

大急ぎで僕は学校に向かった


きっと誰が見ても僕がこんなにも傷ついて

いる事は気づかれない程

僕は何もなかったように普通にしていた


もう全ての事を諦めているような

もうどうにもならない事を考えているのも

嫌なくらい心はとても冷めきっていたし

顔もきっと冷めきった感情のないような

そんな顔をしていたと思う


そして、この日からお母さんの病状は

どんどん悪くなって行く事

そしてその原因が僕のせいになる事


まだ僕はそこまでは気づかなかった


僕は自分の事で精一杯だったから…





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