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〖第一話〗
しおりを挟む案内された部屋を見渡し、ネロは感嘆のため息をもらした。
暖炉の上へ飾られているのは、豪華な調度品。靴越しに踏む緋色の絨毯はずっしりと重く、足裏で踏みつぶすことを躊躇われた。
「ネロ」
「はい!」
ネロが元気よく返事をする。この家のバトラー、セシルは、淡々と言葉を続けた。
「この部屋から勝手に出ないこと、ご主人の命に背かないこと、今一度約束していただきます」
「うん!」
「……」
眼鏡の奥の青い瞳が見開かれる。
セシルは、酷く怪訝そうに眉を潜めた。
「返事は『はい』です」
「あっ」
ネロは、間違ったと口を押さえてから、はい、と言い直す。
「今身につけている物は全て処分しますので、脱いでください」
「·····ここでですか?」
恥ずかしい、と呟き、裾をにぎりしめるネロ。
軽蔑の視線は、既に隠される風もなくネロを見下ろした。
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