神の力の使い方 【異世界編】

1章

7話 穏やかな風

食事を終えて、リーノアさんとお話をしていると、いつの間にかすごい時間が経っていた。

リーノア
「はッ！
そ、それでは、昨日の続きからやっていきます！
マナの楔の行使ですね！
ここへ来た理由は、マナが昨日の場所より澄んでいるから、というのもあります！
ここの方が良いマナが漂っているので、きっと成功しますよ！」

ほんと優しいすぎ。

リーノア
「前回のあの、見るからにヤバそうなものの発現ですが、何か心当たりとかはあったりしますか？」

「いや、特には無いです・・・。
でもここのマナが昨日のよりも良いものなのは分かりますよ。
こんな気持ちいいところならきっと上手くいきますよ。」

昨日もこんなこと言った気がするけど・・・。

リーノア
「うーん。
昨日も聞いた気がするんですけど・・・。
まぁ、昨日は昨日、今日は今日ですもんね！」

あーしっかり覚えられてたー。
まあいっかー別に止められてないしー。

リーノア
「じゃあ、風を起こしてみてください！」

「頑張ります！」


ふぅ。


集中


穏やかに
光を感じる


爽やかな、それでいてい暖かいような光


ここに風を作る



ふわぁっと優しいそよ風が流れた。


今のを俺がやったという確証はない。
でも、何故かすごい穏やかな気持ちになっている。

リーノア
「今の風はあなたがされたのですか？」

「はい・・・と言いたいところなのですが、確証が持てないというか、、、」

リーノア
「私は、あの風はあなたが作ったものだと思います。
あの優しい、暖かい風はとてもあなたらしい。

魔法って、作った人の心に反映するものなんですよ。」

「そうなんですね。
なんだか今は、とても僕だとは思えないほどに心が穏やかです。」

あぁ、ここに来てよかった
心の底からそう思えた。

「夕日がきれいですね。」

リーノア
「えぇ、とても。」

「ここへ連れて来て下さって、ありがとうございます。」

リーノア
「いえいえ、とんでもない。
私の方こそ、素晴らしい時間をありがとうございます。」

今日見た夕日は、この先いつになっても忘れることはないだろう。