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2章
15話 過去
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魔人の長
「まずはお前の過去についてだ。
お前は人を一人殺した。
そうだな?」
「・・・あぁ。本当だ。」
魔人の長
「俺はお前の過去を知っている。だから正直に話せ。
殺したことについてどう思っている?」
「本当に申し訳ないと思っている。
本当に、本当に。」
魔人の長
「その割には気の抜けた顔をしているな。」
「・・・。」
痛いところを突いてくる。
魔人の長
「もう一度聞こう。
お前は、ガレンとやらを殺したことを、どう思っているんだ?」
「・・・ほ、本当に、申し訳ないことをしたと思っている。」
魔人の長
「では当然、ガレンの苦しみは想像したよなぁ?
魔法でもなく、風に殺されるとは、つくづく不運なやつだ。
魔法の痛みなどでは比にならんものであったろう?」
「・・・」
返す言葉が無い。
魔人の長
「なんと。
お前は人を殺しておいて、人の未来を、人の時間を奪っておいて、それでそいつのことは忘れるのか。お前もなかなか非道なことをする。」
「い、いや、申し訳ないとは思って─」
魔人の長
「思っていないだろう?
仕方がないとか、どうしようもないとかいう御託を並べて自分を正当化している。
もしくは、それに触れないようにしている、といったところか。」
「い、、いや、そんなこと、は・・・」
魔人の長
「ないなら答えろ。
どんな感じにそいつは死んだ?
もし自分がそいつだったらどうだ?
ほら、お前が何をして殺したんだよ。」
「や、やめろ、俺は、悪いと思っている!
申し訳ないと思っている!」
魔人の長
「そうか。
あいつの親はどう思うだろうなぁ?
あいつの師は、どう思っただろうなあ?」
「あぁ、あぁァあァあぁアぁぁッ、、、」
「やめろ、やめてくれ、俺が悪かった、だから、もう黙ってくれ!」
魔人の長
「あぁ、確かあいつに親はいなかったはずだったな。
孤児の身でありながらよく努力する子だった。
その努力を認めない者や、その力を妬むものもいた。
しかしそれすらも、文字通り血の滲む努力と結果で黙らせた。
他にも沢山の苦労があったろうに、それを乗り切ってあの国で一番の英雄の弟子にまでなるなんて、大した餓鬼だ。
生きていたら、努力した分だけの幸福な人生が待っていただろうに。」
「あぁ、ああぁあぁぁあああぁあぁああああああぁあぁああぁ」
魔人の長
「あいつには少し尖ったところもあったが、あれぐらい尖っているからこそ、あそこまで上りつめられたのかもしれんな。
あいつは今年で16だったか?
若い奴は血気が盛んだからな。
その年ならお前もこんなもんだったんじゃないのか?」
「あぁあああぁ、、ぁ、ぁあぁ、、ぁ、ぁああ、」
魔人の長
「お前今何歳だ?
・・・ふむ、17か。
お前が16のころは、・・・ッぐッ・・・
あぁ、そうか。」
「ッ、、ッ、、ァ、、、、、、ぁぁ、、、、、ッ、、、、」
魔人の長
「お前が殺した動機も、勿論わかっているさ。
その愚かさもな。
たかが一言、それも宣戦布告ごときで自我を失うとは。
お前はおめでたい奴だな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
魔人の長
「そもそもお前にあの場で怒る資格があったか?
お前は強くはないぞ。むしろあの戦いで弱さが露呈したまである。」
「、、、い、いや、俺はあいつに勝ったぞ!!!
それなのに、俺が弱い訳がない!!!
俺は、、強い、んだ、、。」
魔人の長
「はぁ。
お前は本当に何もわかっていないな。
だがまぁ、お前の言い分もわかる。
勝った方が強い。それは間違っていない。
だが、お前の勝因は力のみだ。
つまりお前が勝った理由は、その力が単純に相手より強かっただけなんだよ。」
「、、、!
そ、そうだよ!
この力のお陰だよ!
でも、この力もすでに俺の実力のうちだろうが!
俺が得た力なんだ!俺が使って何が悪い!」
魔人の長
「それは違う。違うぞ。
あの試合で、お前は力を使ったんじゃない。
力に使われたんだ、お前が。
だからあの餓鬼が死んだ。」
「、、、、え?
ど、、どういう、こと、、だ?」
魔人の長
「はッ。
これも理解できないようじゃあ、まだまだ先は長いな。
今日は帰れ。
今のお前じゃ話にならん。
ハッキリ言って弱すぎだ。
今からガレンのことでも考えて、明日またここに来い。」
意識が戻った時、俺は死んだような世界の中で倒れていたことに気が付いた。
その後すぐに帰路についたが、あまりはっきりとした意識はない。
あと、なんとなく視界が暗かった気がする。
「まずはお前の過去についてだ。
お前は人を一人殺した。
そうだな?」
「・・・あぁ。本当だ。」
魔人の長
「俺はお前の過去を知っている。だから正直に話せ。
殺したことについてどう思っている?」
「本当に申し訳ないと思っている。
本当に、本当に。」
魔人の長
「その割には気の抜けた顔をしているな。」
「・・・。」
痛いところを突いてくる。
魔人の長
「もう一度聞こう。
お前は、ガレンとやらを殺したことを、どう思っているんだ?」
「・・・ほ、本当に、申し訳ないことをしたと思っている。」
魔人の長
「では当然、ガレンの苦しみは想像したよなぁ?
魔法でもなく、風に殺されるとは、つくづく不運なやつだ。
魔法の痛みなどでは比にならんものであったろう?」
「・・・」
返す言葉が無い。
魔人の長
「なんと。
お前は人を殺しておいて、人の未来を、人の時間を奪っておいて、それでそいつのことは忘れるのか。お前もなかなか非道なことをする。」
「い、いや、申し訳ないとは思って─」
魔人の長
「思っていないだろう?
仕方がないとか、どうしようもないとかいう御託を並べて自分を正当化している。
もしくは、それに触れないようにしている、といったところか。」
「い、、いや、そんなこと、は・・・」
魔人の長
「ないなら答えろ。
どんな感じにそいつは死んだ?
もし自分がそいつだったらどうだ?
ほら、お前が何をして殺したんだよ。」
「や、やめろ、俺は、悪いと思っている!
申し訳ないと思っている!」
魔人の長
「そうか。
あいつの親はどう思うだろうなぁ?
あいつの師は、どう思っただろうなあ?」
「あぁ、あぁァあァあぁアぁぁッ、、、」
「やめろ、やめてくれ、俺が悪かった、だから、もう黙ってくれ!」
魔人の長
「あぁ、確かあいつに親はいなかったはずだったな。
孤児の身でありながらよく努力する子だった。
その努力を認めない者や、その力を妬むものもいた。
しかしそれすらも、文字通り血の滲む努力と結果で黙らせた。
他にも沢山の苦労があったろうに、それを乗り切ってあの国で一番の英雄の弟子にまでなるなんて、大した餓鬼だ。
生きていたら、努力した分だけの幸福な人生が待っていただろうに。」
「あぁ、ああぁあぁぁあああぁあぁああああああぁあぁああぁ」
魔人の長
「あいつには少し尖ったところもあったが、あれぐらい尖っているからこそ、あそこまで上りつめられたのかもしれんな。
あいつは今年で16だったか?
若い奴は血気が盛んだからな。
その年ならお前もこんなもんだったんじゃないのか?」
「あぁあああぁ、、ぁ、ぁあぁ、、ぁ、ぁああ、」
魔人の長
「お前今何歳だ?
・・・ふむ、17か。
お前が16のころは、・・・ッぐッ・・・
あぁ、そうか。」
「ッ、、ッ、、ァ、、、、、、ぁぁ、、、、、ッ、、、、」
魔人の長
「お前が殺した動機も、勿論わかっているさ。
その愚かさもな。
たかが一言、それも宣戦布告ごときで自我を失うとは。
お前はおめでたい奴だな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
魔人の長
「そもそもお前にあの場で怒る資格があったか?
お前は強くはないぞ。むしろあの戦いで弱さが露呈したまである。」
「、、、い、いや、俺はあいつに勝ったぞ!!!
それなのに、俺が弱い訳がない!!!
俺は、、強い、んだ、、。」
魔人の長
「はぁ。
お前は本当に何もわかっていないな。
だがまぁ、お前の言い分もわかる。
勝った方が強い。それは間違っていない。
だが、お前の勝因は力のみだ。
つまりお前が勝った理由は、その力が単純に相手より強かっただけなんだよ。」
「、、、!
そ、そうだよ!
この力のお陰だよ!
でも、この力もすでに俺の実力のうちだろうが!
俺が得た力なんだ!俺が使って何が悪い!」
魔人の長
「それは違う。違うぞ。
あの試合で、お前は力を使ったんじゃない。
力に使われたんだ、お前が。
だからあの餓鬼が死んだ。」
「、、、、え?
ど、、どういう、こと、、だ?」
魔人の長
「はッ。
これも理解できないようじゃあ、まだまだ先は長いな。
今日は帰れ。
今のお前じゃ話にならん。
ハッキリ言って弱すぎだ。
今からガレンのことでも考えて、明日またここに来い。」
意識が戻った時、俺は死んだような世界の中で倒れていたことに気が付いた。
その後すぐに帰路についたが、あまりはっきりとした意識はない。
あと、なんとなく視界が暗かった気がする。
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