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2章
22話 未来
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「ん、朝か・・・」
魔女
「おや、おはよう。
思っていたより早いねぇ。
朝は強い方なのかい?」
「いや、普段はもっと寝てる。
やっぱ緊張とかその辺が関係あるのかもな。」
魔女
「まぁ、いずれにせよ眠れはしたし、ある程度体も回復しているだろう。」
「そういうお前は朝強いのか?」
魔女
「・・・君よりかは遥かにね。」
「そりゃあ凄いな。」
そんな何気ない会話をしているうちに時間は経つ
「それじゃあ、行ってくる。」
魔女
「あぁ。
彼によろしく伝えておいてくれよ。」
「わかったわかった。」
荷物は先に取りに行った。
村の人には魔女のことは明かさずに、やることができたからここを離れるとだけ伝えた。
いきなり押しかけたのに宿や食事まで用意してくれて、感謝しかない。
でも今から、今日のメインイベントが始まる。
行きたくない気持ちもある。
そのくせ足がすんなり運ぶものだからほんの少しだけ皮肉に思った。
すぐに霧を抜け、気が付いたころには地面は割れていた。
「・・・よし!」
奥に見える枯れた木を目指して進む。
きっとそこにあいつはいる。
魔人の長
「・・・なんだ。
もう来たのか。
たったの一日でそんなに変わると思っているのか?」
「・・・・・・・。
魔女が、お前に宜しくって。」
魔人の長
「・・・まあ良い。
・・・・あいつのお陰だろうな。
少しはマシな面になった。」
彼らは人の心が見えるのだろうか。
魔人の長
「良い。
それならこのまま話を続ける。
俺はあまり長話は好きでは無い。
故に詳しいことは魔女に聞け。
俺は手短に話す。」
魔人の長
「これからする話は、いつか起こる未来の話だ。
心して聞け。
何しろ、お前がこれから歩む未来だからな。
お前はこの先、多くの人と戦うことになる。
そこで再び、お前はその力を人に向けることになるだろう。
そこでまた、お前は人を殺すことになるだろうな。
それも一人じゃない、大勢だ。
大勢の命を奪うだろう。
大勢を殺すだろう。
その手で。
その力で。」
「・・・・・・・・・・。」
魔人の長
「・・・・・・話はこれだけだ。
どうだ、思ったよりも面白みがなかったか?」
「・・・は?」
魔人の長
「やはりそれぐらいの心持ちでないと大量殺人はできないか?」
「・・・お、お前、本気で言っているのか?」
魔人の長
「本気も何も、思ったことを言っているだけだが?」
「ッ、、!」
何言ってんだこいつ
魔人の長
「・・・なんだこの手は。」
次の瞬間には胸ぐらを掴んでいた。
「黙れ!
誰が、好き好んで人を殺すんだよ・・・!」
魔人の長
「・・・・・・。
それとこの手には何の関係がある。
どうして俺の胸ぐらを掴んだ?」
「そ、それは・・・。」
魔人の長
「わかっているだろうが一応言っておく。
お前が魔女に何を言われてどう思ったかは知らん。
だが、聞いただけでは人は変わらないぞ。
その手が証拠だ。
この程度の挑発で取り乱すとは・・・。
あの時と何ら変わらんではないか。」
魔人の長
「『知』は所詮、部品に過ぎない。
剣と同じだ。
如何に強力な剣であろうと、不熟な剣士にはそれは扱えん。
お前の『知』。
それを練り上げ、強力な武器としろ。
そのために俺達がいる。」
「・・・・練り上げて、それで人を殺すのか?」
魔人の長
「結果的にはそうなるだろうな。」
「なら、俺にやる義理はあるのかよ・・・。」
やりたくない。
俺でなくても、誰もがそう思うだろう。
大量殺人をするために力を鍛えるなんて。
魔人の長
「義理か。
この戦いは、お前の大切なもののための戦だ。
お前は、お前が守りたいもののために戦う。
その為に多くの人を殺す。
しかし、鍛えなければ守るものも守れずに全て失って死ぬことになるぞ。
それでも良いと思えるお前ではあるまい。」
「・・・・守るものなんてねーよ。」
魔人の長
「これから見つかる。
逆に言えば、お前が必要なものを見つけない限り脅威はやってこないという事だ。」
なんで俺なんだよ。
どうして俺が人を殺し続けなけりゃいけないんだ!
あぁ、いっそ・・・
「あぁッ、あァあああぁあああぁアッ」
魔人の長
「・・・何をしている。」
日数にすればさほどでもないが、体感ではとても久しいこの頭痛。
頭が勝ち割れそうになる。
「ず、頭痛が・・・。」
魔人の長
「頭痛・・・あぁ、そうか。」
「・・・・・何だお前。
この頭痛のこと何か知ってるみたいな言い方しやがって。」
魔人の長
「あぁ、知っているがそれがどうした?
知っていても伝えるとは言ってないがな。」
「何で知ってるんだよ。」
魔人の長
「どうして言わなければいけない?」
「・・・・・何なんだよ、本当に。」
魔人の長
「・・・話はこれだけだが、まだそこで屯するのか?」
「出て行けってか?」
魔人の長
「そう聞こえないのか?
お前に戦う意思がないのなら、ここにいる必要はもうないぞ。」
・・・・・・・・いつから俺は、周りに自分を支配されだしたのだろう。
断るなんて、できない。
「・・・・・どうすれば強くなれる?」
魔人の長
「・・・フン。
その理解の速さだけは褒めてやるよ。」
魔女
「おや、おはよう。
思っていたより早いねぇ。
朝は強い方なのかい?」
「いや、普段はもっと寝てる。
やっぱ緊張とかその辺が関係あるのかもな。」
魔女
「まぁ、いずれにせよ眠れはしたし、ある程度体も回復しているだろう。」
「そういうお前は朝強いのか?」
魔女
「・・・君よりかは遥かにね。」
「そりゃあ凄いな。」
そんな何気ない会話をしているうちに時間は経つ
「それじゃあ、行ってくる。」
魔女
「あぁ。
彼によろしく伝えておいてくれよ。」
「わかったわかった。」
荷物は先に取りに行った。
村の人には魔女のことは明かさずに、やることができたからここを離れるとだけ伝えた。
いきなり押しかけたのに宿や食事まで用意してくれて、感謝しかない。
でも今から、今日のメインイベントが始まる。
行きたくない気持ちもある。
そのくせ足がすんなり運ぶものだからほんの少しだけ皮肉に思った。
すぐに霧を抜け、気が付いたころには地面は割れていた。
「・・・よし!」
奥に見える枯れた木を目指して進む。
きっとそこにあいつはいる。
魔人の長
「・・・なんだ。
もう来たのか。
たったの一日でそんなに変わると思っているのか?」
「・・・・・・・。
魔女が、お前に宜しくって。」
魔人の長
「・・・まあ良い。
・・・・あいつのお陰だろうな。
少しはマシな面になった。」
彼らは人の心が見えるのだろうか。
魔人の長
「良い。
それならこのまま話を続ける。
俺はあまり長話は好きでは無い。
故に詳しいことは魔女に聞け。
俺は手短に話す。」
魔人の長
「これからする話は、いつか起こる未来の話だ。
心して聞け。
何しろ、お前がこれから歩む未来だからな。
お前はこの先、多くの人と戦うことになる。
そこで再び、お前はその力を人に向けることになるだろう。
そこでまた、お前は人を殺すことになるだろうな。
それも一人じゃない、大勢だ。
大勢の命を奪うだろう。
大勢を殺すだろう。
その手で。
その力で。」
「・・・・・・・・・・。」
魔人の長
「・・・・・・話はこれだけだ。
どうだ、思ったよりも面白みがなかったか?」
「・・・は?」
魔人の長
「やはりそれぐらいの心持ちでないと大量殺人はできないか?」
「・・・お、お前、本気で言っているのか?」
魔人の長
「本気も何も、思ったことを言っているだけだが?」
「ッ、、!」
何言ってんだこいつ
魔人の長
「・・・なんだこの手は。」
次の瞬間には胸ぐらを掴んでいた。
「黙れ!
誰が、好き好んで人を殺すんだよ・・・!」
魔人の長
「・・・・・・。
それとこの手には何の関係がある。
どうして俺の胸ぐらを掴んだ?」
「そ、それは・・・。」
魔人の長
「わかっているだろうが一応言っておく。
お前が魔女に何を言われてどう思ったかは知らん。
だが、聞いただけでは人は変わらないぞ。
その手が証拠だ。
この程度の挑発で取り乱すとは・・・。
あの時と何ら変わらんではないか。」
魔人の長
「『知』は所詮、部品に過ぎない。
剣と同じだ。
如何に強力な剣であろうと、不熟な剣士にはそれは扱えん。
お前の『知』。
それを練り上げ、強力な武器としろ。
そのために俺達がいる。」
「・・・・練り上げて、それで人を殺すのか?」
魔人の長
「結果的にはそうなるだろうな。」
「なら、俺にやる義理はあるのかよ・・・。」
やりたくない。
俺でなくても、誰もがそう思うだろう。
大量殺人をするために力を鍛えるなんて。
魔人の長
「義理か。
この戦いは、お前の大切なもののための戦だ。
お前は、お前が守りたいもののために戦う。
その為に多くの人を殺す。
しかし、鍛えなければ守るものも守れずに全て失って死ぬことになるぞ。
それでも良いと思えるお前ではあるまい。」
「・・・・守るものなんてねーよ。」
魔人の長
「これから見つかる。
逆に言えば、お前が必要なものを見つけない限り脅威はやってこないという事だ。」
なんで俺なんだよ。
どうして俺が人を殺し続けなけりゃいけないんだ!
あぁ、いっそ・・・
「あぁッ、あァあああぁあああぁアッ」
魔人の長
「・・・何をしている。」
日数にすればさほどでもないが、体感ではとても久しいこの頭痛。
頭が勝ち割れそうになる。
「ず、頭痛が・・・。」
魔人の長
「頭痛・・・あぁ、そうか。」
「・・・・・何だお前。
この頭痛のこと何か知ってるみたいな言い方しやがって。」
魔人の長
「あぁ、知っているがそれがどうした?
知っていても伝えるとは言ってないがな。」
「何で知ってるんだよ。」
魔人の長
「どうして言わなければいけない?」
「・・・・・何なんだよ、本当に。」
魔人の長
「・・・話はこれだけだが、まだそこで屯するのか?」
「出て行けってか?」
魔人の長
「そう聞こえないのか?
お前に戦う意思がないのなら、ここにいる必要はもうないぞ。」
・・・・・・・・いつから俺は、周りに自分を支配されだしたのだろう。
断るなんて、できない。
「・・・・・どうすれば強くなれる?」
魔人の長
「・・・フン。
その理解の速さだけは褒めてやるよ。」
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