昼夜逆転転生異世界生活〜夜に強いヴァンパイヤになりました

パブロフ

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『トラドン』からの異世界に転生

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いや~まさか『トラドン』で死ぬとは思いませんでしたよ。



霞む視界。遠くで聞こえるサイレンの音。身体は痛みもないが、動かす事が出来ない。

俺は卒業旅行の旅費を集める為、様々な深夜のバイトに明け暮れる毎日を送っていた。

就職活動はすんなり決まり、4月からは社会人の仲間入り。

その前に羽目を外す為、下準備として纏まった金を稼いでいた。

仮眠をとったら早速海外に旅立つ予定。3ヶ月かけて世界を一周するつもりだ。

未知なる体験への期待と、徹夜明けの妙なテンションで、自然に鼻歌を歌いながら横断歩道を歩いている。

すると横からトラックが近づいてくる。

妙に蛇行しながら走っているので運転席を見ると、運転手は見事に頭で船を漕いでいた。

どこかでラノベの様な展開だ。

周りに猫やら可愛い幼馴染の女の子や唯一無二の親友がいないのを確認する。いや、そ
もそもそんな輝かしい友人関係なんて俺にはなかった。

俺は急いで車道から離れる。

結構な速度で通りすぎたトラックは、ガードレールに直撃し、豪快な音を立てて横倒しになる。

フラグに気がつかなかったら、ラノベでよくある『トラドン』で死ぬところだった。

冷や汗をかき鼓動が急激に高くなる中、倒れいるトラックに目がいく。

こんな時は110番か?それとも119番か?徹夜明けで半分麻痺した頭が空回りする。

取り敢えず運転手無事か?俺はトラック駆け寄ったところで思考が停止した。

なぜか目の前に『トラ』がいた。

そして、俺は次の行動に移る前に見事にトラに襲われてこの世を去る事になった。

もっと夜に強ければ…正常な判断ができていればと思ったのだが時にすでに遅い。

いや正常な判断でもトラに襲われたら無理か…。

人生はこれからだと思っていた。

色々な体験をして、様々な人と出会い、幸せな人生を送りたかった。もっと生きていたかった。

ギャグの様な人生の最期を迎え、自分がこれ程、生きる事に執着を持っていたのかと驚いた。




頭の上から変な声が聞こえてくる。

「御免なさい。手違いで貴方は予定外の死を迎える事になりました。別の世界で転生できますが希望はありますか?」

よくあるラノベの展開の様な声が聞こえてくる。

俺は迷わず答えた。

「夜に強くて死なない体をください。外見はイケメン。且つ今と変わらない年齢から始めたいです」

異世界で転生してすぐ死んだら元も子もないし、やり直すのならばイケメンにしてくれた方が何かと過ごしやすいと直感で要望した。

「ふむふむ貴方の希望はわかりました。出来る限り希望に添える様しましょう。それでは新しい世界でも頑張って生きてください。あっ設定間違えた……」


最後の変なこといっていたが、反論する間も無く意識がどこかに飛んで行った。
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