暁の刻

煉獄薙

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「…早く用意しろ!」

屯所内は騒がしくなっていた。

雫が敵側についたという情報はもうすでに屯所中に広まっていた。

嘆き悲しむ人もいたが、雫と親しくない隊士は『やはり』といった反応だった。

一番隊の隊士は、家族の事情を考えて、あちら側についたのだと悲しんでいた。

土方さん達には、ある程度詳しいところまで教えた。

赤い眼、久坂…………しかし自分の任務のことには触れていない。

そんなことをいったら、察しのいい土方さんは新撰組の未来に気づいてしまう。

今は、雫の来る前の殺伐とした空気に戻っている。

元々強いルールで拘束していた新撰組だから、仲間ごっことは違うのかもしれない。


雫が邪魔をしてくること以外は、きちんと歴史通りに進んでいる。


雫の現れるタイミングを東雲が予測して、僕が雫たちの計画を邪魔しているからなのかもしれない。


今日は古高俊太郎という男を捕らえた。

彼は長州の味方をしていて、武器を密輸して長州に受け渡ししていた。

それを山崎さんが調査し、土方さんが拷問して自白させる。

内容は、『風の強い日に火を放ち、天皇を連れ出す』というもの。

これをきっかけに、屯所内は騒がしくなっていた。


池田屋事件が始まる。

土方さんたちは、大和屋にかけているのだが、本当は池田屋。

そして、僕は池田屋に行く。

この時に吉田を殺せば、僕の仕事は終わりなんだ。



太陽が沈み、夜が始まろうとしていた。


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