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本編
先輩夫婦
俺がリュミエールに迫ってから、俺たちの関係は少しだけ気安いものになった。
というか俺の方が、気軽に彼に接する事が出来るようなったのだと思う。
情けない所も見られたし、親のことを含め俺がどんな環境で育ったかを話しても、彼は引いたりしなかった。
あまりに違いすぎる環境に、勝手に卑屈になっていたのは俺だった。打ち明けて、構える必要がなくなったとも言える。
両親に合わせた日に様子がおかしくなったから、リュミエールはしばらく会わせない方が良いかと、思ったようだった。
俺は逆に会いたいなと思った。
普通の家庭の形というものをもっと知りたかった。何よりリュミエールが育った家に興味があったから。
気にしているのは雰囲気で分かったから、よかったらまたご飯でも一緒にと言うと、リュミエールは驚いたあと、とても喜んでくれた。
それから、何回か週末にご飯をご一緒している。
彼と暮らし始めてそろそろ二カ月だ。
俺は日常会話くらいは、出来るようになった。
趣味……と言うほどでもないが、最近は庭の草花を整えることにハマっている。
動物はもちろん、植物すらまともに育てた事が無かったから、最初は自信がなかった。
でもちゃんと毎日手入れをすれば、少しずつ成長していく。その変化が面白くて、良いなと思えた。
リュミエールは庭を好きにして良いと言ってくれて、休みの日に、苗を買いにいくのにも付き合ってくれた。
土なんて何でも良いのかと思っていたけれど、色々あって、お店の人に沢山きいてしまった。
俺が読めるくらいの入門書みたいなのも買ってくれたから、毎日その本と睨めっこしながら、作業している。
夜は時々、良い雰囲気になったら、キスをしてそのまま触り合いに流れ込むこともあった。
ただ、気持ちいいだけの触れ合いは、まるで麻薬のように俺を夢中にさせた。
心地の良い倦怠感というものがあることも初めて知った。
けれど、リュミエールまだ俺に射れようとしたことは無い。俺たちが身体的に繋がった事はないわけだ。
だいぶ子どもに見えるというこの見た目がいけないのだろうか。
それとも、キスも操を立てて、大事にしてきた人だ。
俺がはっきり気持ちを返すの待っている?
そういうの良いから、ちゃんと抱いてって迫るかどうか、最近少し悩んでいる。
「君が良かったらなんだが……兄が会いたがっていてね。この家に来たいと言うんだ」
いつものように食事をしているときに、リュミエールがそう尋ねてきた。
「会いたがってるって、俺に? 何番目のお兄さん?」
「2つ年上のルナールだ。私に良い相手がいないことを一番心配してくれていた。もちろん、エクレが嫌じゃなければ……」
2つ年上って事はΩのお兄さんか。ちょっとだけ会ってみたい気持ちもあった。
「俺は大丈夫。むしろ会ってみたいかも」
兄弟ってどんな感じなんだろう。一人っ子だった身からすると、予想もつかない。
週末にお兄さんは、旦那さんと一緒に会いにくるという。
丁度いいかもしれない。若い夫婦の様子を知る良い機会になるような気がした。
「こんにちは、君がエクレくんか。ようやく会えて嬉しい。僕はルナール、愚弟が世話になっている」
リュミエールより明るい髪だった。プラチナブロンドと言える髪。そして、快活な笑顔。
「お会いできてうれしいです。ルナールさん」
彼は大きく頷くと、いきなりハグをしてきた。
「可愛らしいねえ。僕より小柄なΩにあったのは、初めてかもしれない!」
ご両親お二人が静かな印象だったため、活発なルナールさんに少し驚いてしまった。彼は俺よりもがっしりとした体格で、背も少しだけ高いようだった。
「兄さん! いきなり失礼だろ」
「ごめん、驚かせた? 年の近いΩと話す機会はなかなか無くてね。義兄のパートナーとはよく会ってるんだけど、10近くは年が違うから」
「いえ……大丈夫です。Ω同士で会う事はあまりないんですか?」
「あんまりないねぇ……。Ωが沢山あつまるってなると警護が必要になるし、結局身内とかの知り合いで会うくらい。だから僕、友達も少ないんだよね」
友人が少ないと言われて、少し親近感がわいた。俺も元の国で、友人といえるような存在はいなかったから。
「ルナール、そろそろ俺も挨拶がしたいんだが」
「あ、ごめん。こっちは旦那のオーベル。中央区だから一人でも大丈夫って言ったんだけど、付いてきちゃった」
「悪いが中央区でも一人歩きはさせられないな。オーベルだ、リュミエールとは職場の同期で付き合いも長い。貴方に会えて嬉しいよ」
これぞ、αって感じの色男がそう挨拶をしてくれた。黒い髪に青い瞳、リュミエールの家系は色素が明るい人が多かったから、新鮮だった。
「エクレです。よろしくお願いします」
「良かったなぁ。こんな可愛いらしい子を見つけられて。リュミエールがどれだけ必死に、自分の唯一を探していたか教えようか?」
オーベルさんがそう笑うと、リュミエールが慌てて割って入った。
「よしてくれよ、エクレが聞きたいなら私から話す。オーベルが言うと、話を盛られてしまう」
お茶をしながら話をしようと、リビングへと通した。
「入ってくるときに思ったけど、綺麗なお庭だね。リュミエールにこんな趣味はなかったから、エクレくんの趣味かな?」
「はい。好きにさせて貰ってます。まだ大きな植物には手を出してないんですけど、もう少し慣れたら低木も植えたいです。植物同士の相性とかもあるみたいで」
まだまだ勉強中だった。ただ、植物を育てるのは楽しいと思った。
「ほんとは、庭師とかに頼んだ方が良いんでしょうけど……」
「整ってて、センスあると思うよ。良いなぁうちの庭は芝生だけ。子どもたちと犬が走るからね。花は植えると可哀相で」
「犬は君の希望だろ」
ルナールさんは動物がとても好きらしい。家で犬3匹と猫2匹それに兎も飼っているそうだ。
「エクレくんは動物は好き?」
「好きかどうか……分からないです。野良猫はみることがあったけど、触らせてはくれないし」
飼える環境ではなかったから、飼った経験がなかった。
「怖くないなら触りにおいで、アニマルセラピーって言って、動物に触ると癒やされるしね」
「ご迷惑でないなら伺いたいです」
「おいで! 大歓迎! あと、そんなに丁寧に話さなくても大丈夫だよ」
「丁寧ですか? リュミエールに教えて貰ったからかな?」
この国の言葉は、ほとんどリュミエールに教えて貰っている。言語統一薬で話した時もそうだったけれど、彼の話す言葉は綺麗だったから、それがうつっているのかも。
「ははーん。自分好みに、教育してるってことか」
「そういう訳じゃない! 何処でも通用するところから教えてるんだ。あと、私がいない間は、エンデさんが教えてくれてるから」
確かに、エンデさんの教えてくれる言葉もきっちり、かっちりって感じかもしれない。
「リュミエールの好み? 気になります」
先程のオーベルさんの言葉が気になってそう聞き返してしまった。
「こいつは箱入りの坊ちゃんだったからなぁ。清楚で大人しい感じのお姫さまみたいな子が好きだった」
オーベルさんが笑いながらそう言う。
お姫さまみたいな子。全く俺とはかけ離れている。
リュミエールさんはかるくオーベルさんを小突くようなしぐさをした。
「エクレ、気にしないでくれ。大昔の話だし、物語の登場人物の好みでいうなら、といった話だから」
「俳優とかの好みと、実際付き合いたい相手って違ったりするよね~。僕も物語のなかなら、ムキムキの騎士とかが好き」
「は? 君は俺が鍛えてたら、そのままで良いのにって言ったじゃないか」
「だから、リアルの話じゃないってば。夫にしたいなら、貴方が一番だよ、ダーリン」
そう言ったルナールさんは、さっと隣に座っていたオーベルさんに口づけた。
熱々なαとΩのカップルだ。もうお子さんもいるらしいが、新婚さんみたいだった。
「はぁ……。人の家だぞ、そのくらいにしてくれよ」
「ごめん、ごめん。あれ? エクレ顔が赤いよ?」
「えっ!? あ、いや……。好きあってる恋人ってこんな感じなんだなって思って……」
店で修羅場みたいなのは沢山見て来たけれど、まともに付き合っている人たちをみた事はあまりない事だった。
少しだけ、気恥ずかしさといたたまれなさを感じて俯いてしまう。
「えー! 何それ、めちゃくちゃかわいい! ほら、リュミエールもしてあげたら」
「君たちが帰ったらゆっくりするよ。これ以上かわいい彼の顔をみせたくないしね」
リュミエールはそっと、俺の頭を撫でてくれた。
「かぁー嫉妬深いねぇ」
オーベルさんは、やれやれと言った風に肩をすくめた。
「エクレくん、俺が振っといてなんだか、好みの話とかは横に置いておいてくれ。リュミエールは君に会ってから、職場でも毎日、毎日君の話ばかりだよ」
「え、そうなんですか?」
仕事場のリュミエールの事を聞く機会はそうはなかった。
「俺とこいつは担当部署が違うから、そう会うわけじゃないんだが、時間が合うなら、昼飯は一緒に食べることもある。そのたびに聞かされてるよ、今日の朝食は好みにあったみたいだったとか、昨日買ってきた花に夢中だとか」
知らなかった友人にそんな風に話してくれていたなんて。
「そうだったんですね。ちょっと恥ずかしいな」
「君が嫌なら控えるよ。ただ、つい些細な事が嬉しくて……。私はそんなに話してたか?」
「勘弁してくれよ。やっと見つけた相手だから、今は仕方ないって俺がどんだけ話に付き合ってやってると思ってんだ」
「別に……俺の話をするのは良いけど、ほどほどにね」
その呆れたようなオーベルさんの様子に、思わずそう笑ってしまった。
ルナールさんと、オーベルさんの掛け合いは面白いし、知らないリュミエールの話を聞けるのは楽しかった。
ルナールさんは子どもの頃の話をしてくれるし、オーベルさんは働き出してからの彼を知っている。
思ったよりも話が弾んで、自分でも驚いていた。
「そうだ! 中央区の外になるけど、この時期に綺麗に花が咲くところがあってね。この国の名所の一つなんだ。良かったら一緒に行こうよ」
ルナールの提案にどう答えたらいいか分からなくて、咄嗟に横に座っていたリュミエールを見た。
「この時期に花っていうと、東区の外れか? ……申請を出せば許可は通るかもしれない」
「護衛はΩが一人でも二人でも付くのは同じだしな」
リュミエールの言葉にオーベルさんがそう続ける。意外にも彼らは乗り気のようだった。
「エクレはどうだい? 見てみたい?」
リュミエールは俺に確認してきた。
「行けるなら、行きたいかも。花もみてみたい」
買い物に行くのは中央区ばかりだったし、その外を見てみたかった。
「じゃあ行こう! 決定ね! いつがいいかなぁ。見ごろもあるし2週間後の休みなら、申請も間に合いそう?」
「良いんじゃないか? 子どもたちも連れていくか?」
オーベルさんの言葉にルナールさんは、軽く首を振った。
「分かってないなぁ。 ダブルデートだよ! たまには、僕ら二人って言うのもいいでしょ? 父さんたちなら、喜んで見ててくれると思うし」
お子さんたちはご実家に預けるらしい。
最近連れて行っていなかったらしく、そろそろ孫の顔がみたいと言われていたから、丁度いいと言っていた。
ルナールさんがいったデートという言葉に、急にソワソワと浮き足立つ。
「誰かと、そんな風に遠出するのは、初めてです」
俺の言葉に、三人が急に静かになる。
「……やっぱり私たちだけで行くかい?」
突然、リュミエールがそんな事を言い出した。
「えーーそれだと、申請に時間かかるんじゃない?花の見頃が終わっちゃうよ!エクレくんは観察期間って奴なんでしょ?理由付は多い方が良い。大丈夫! 道中だけ一緒で、ついたら邪魔はしないから」
ルナールさんはそう楽しそうに笑っていた。
休日にデートに行く。
なんて縁のない事だろう。
憧れていたかと言われると分からないけれど、どうしようもなく楽しみにしている自分がいた。
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