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本編
式の準備
エクレにプロポーズする日、私はとても緊張していた。一世一代の事だった。
性急ではないか、もう少し待つべきではないかという気持ちもあったけれど、時間を置くことで、また彼を不安にさせるのではと思った。自分はいくら考えても、気持ちに変わりは無いのだから、伝えるのは早い方が良い筈だ。
番の関係を結ぶ事と、婚姻関係を結ぶ事はイコールではない。
事情があって籍を入れないことも、我が国でも認められている。事実婚というものだ。
その場合の子どもの親権については、度々議論がなされており、裁判沙汰になることも、珍しいことではない。とりあえずは、第一子が産み親性に、第二子がいる場合は配偶者に、一番の権利があるとされるのが通例だ。それも今後変わるかもしれない。
事実婚はβ同士の恋人たちに多くみられ、番を関係を結んだαとΩで籍をいれないことは、大変稀な事とされていた。ただ……相手が招かれビトであるということは、その稀な部類に分類されてもおかしくはない。そもそも育った環境が違い価値観が違うのだ。相手が嫌がっているのに、無理やり結婚をするということは、無論許される事ではない。
エクレがどう思っているのか、少し不安ではあった。彼は家族というものに、あまり良い印象を持っていない。主に父親の影響だろうけれど。法的に籍を入れるという事は、様々な補償を受けられる代わりに、強制力もある。彼はそれを窮屈に感じるかもしれない。
大聖堂に行くときは本当に緊張していた。
エクレに会う前は女神様を頼り、毎週祈りに来ていたものだ。どうか私の唯一と合わせて下さいと、何度願った事だろう。
その後、エクレに出会う事ができた後も、お礼に一度祈り来ていた。同居し始めてからは、忙しくて少し足が遠のいてしまったが。
彼と無事に番えた事を感謝していると、隣にキラキラと光の粒が舞い降りた。
エクレは最初気づいていなかった。
輝く粒が彼を照らし、神聖なほど美しかった。
女神の祝福。この目で見るのは初めてだった。
「え、何これ。演出?」
周囲のざわめきでようやく気付いたエクレは、困惑しているようだった。
「祝福を受けたんだ。凄い、私も実際に見たのは初めてだよ。あぁそうか、エクレだからこそ、かもしれない」
エクレは招かれビトだ。その後の様子を女神様も気にしていたのかもしれない。
彼は何を祈ったのだろうか。いずれにしろ女神はそれに対して祝福した。
私は、自分の持ちうる全てをかけて、幸せにしたいと改めて思った。
いよいよ、今日の最大の目的を果たす時がきた。
大聖堂の庭園にある女神像の前で告白や、プロポーズをするのはこの国の定番だった。
女神の前で誓うのだから、生半可な決意ではない。それくらいの、気持ちで挑んでいるという証明だった。
「エクレ、聞いて欲しい」
跪いてそう懇願すると、彼は服が汚れるよっと少しズレた心配をした。
普通ならこのシチュエーション、次に何が言われるのか予想がつくのだが、彼はそれを知らない。
「私と結婚して欲しい。正式に家族になってくれないか?」
「えっ?あ、なるほど、これってそういう……」
心底、驚いている様子で、言葉も尻すぼみになっていく。まだ、早かっただろうか。
「番になったから、なし崩しでとはしたくなかったんだ。君がまだこういうのは困るというなら、とりあえずは待つけど……」
無理に押し付けるつもりは当然無かった。今日の返事は諦めようとすると……。
「違うよ! えっと……嬉しいです。あの、お受けします、でいいのかな?」
エクレは慌てたようにそう答えた。照れたように、少しこちらを伺いながら、そう返事をする彼は、とても可愛らしかった。
「本当かい?良かった!ありがとう。女神の名に誓うよ、君を大切にする」
流されたという様子ではない、きちんと頷いてくれた。
それが分かるくらいには、ずっと彼の事を見て来ていた。
「紹介する。一番上の兄のオルディと妻のエルフィ。二番目の兄のジェネとその妻のサージュだ」
後日家族と顔合わせをする場を設けた。エクレはルーナル兄さんたち以外の兄夫婦と初めて顔を合わす。
上の兄二人と会うのは、私も久しぶりだった。家庭を持ち子どもが出来れば、当然そちらが優先になる。
「リュミエールの運命が見つかったと聞いてから、ずっと会いたかったんだ。オルディという、この子をよろしく頼むよ」
「ジェネだ。よろしく。いやぁ、本当に国内で見つかって一安心したよ。本腰入れて国外を探すかって言ってたからなぁ」
「エクレです。お会いできるのを楽しみにしていました」
オルディ兄さんとジェネ兄さんの言葉に、エクレはそう答えた。
エクレと兄たちでは一回りほど年が違う。二人ともいかにもαといった風貌で私よりも背が高い。威圧感を受けていないか心配したが、エクレは自然体だった。以前、両親と初対面した時よりは緊張していないようだ。
「若々しくて、小さくて、可愛くて、理想のお嫁さんじゃない! 守ってあげられるお姫様みたいな子が良いって言ってたものね」
エルフィさんは兄の幼馴染みだったため、幼い頃から番を夢見ていた私を知っている。エクレを見て、そうはしゃいだ。
「えっ、いや、俺とてもそんな感じでは……」
この国のΩとしては、エクレは大変小柄で可愛らしい。本人はそんな自覚は薄いが、守ってあげたくなるは間違いなく当てはまる。
「でも、お聞きして良いなら、おいくつなの?番に年の差は関係ないとは言いますが……随分お若いわ」
サージェさんは、エクレの幼いと言っていいほどの見た目に、思わずと言った風に尋ねた。
「19歳です。本当はもう少し年上の可能性もあるのですが、正式にそう登録しました」
番届を出す際に、エクレの戸籍も正式に作られた。暦の数え方に僅かに違いがみられたものの、19歳でも問題ないだろうとのことだった。
「まぁ19歳……。なら何の問題もありませんね」
「いくらリュミエールが焦ってるからって、流石に16歳に満たない子に、結婚を申し込まないって」
サージェさんにジェネ兄さんがそうフォローしてくれた。まぁ今見ても、エクレは成人しているようには見えない。この国の成人は16歳。それに達してすぐ、満を持して申し込んだと思ったのかもしれない。
「俺は、招かれビトって言うらしくて……。見た目と、あと考え方も常識も、少し皆さんと違うかもしれませんが、色々教えて下さい」
あまり口外する事では無いけれど、私の家族にはちゃんと伝えておきたいと、エクレから事前に相談を受けていた。
「えぇ! そうだったの! じゃあ小柄なのもそれが理由なのね。わぁ……招かれビトかぁ」
エルフィさんが感動したようにそう言った。
「文字通り、自分の番を呼び寄せたわけだ。リュミエールの執念だな」
ジェネ兄さんは、そう茶化してくる。
「エクレはさ、リュミエールから色々教わったんだ。この国も言葉もね。なんかさぁ、良いよね。そう言うの男の夢じゃない?」
ルナール兄さんも囃し立てるように横から口を出す。
「そういった事情でしたの。招かれビトの事は少し話にあがっていましたね。まさか本人に会えるとは……。これから先、Ωとして困ることもあるかと思います。どうぞ、気軽に相談して下さいね」
サージェさんは既に、政府の仕事に復職している。招かれビトがこの国に現れたことを、耳にする機会もあったのだろう。
「それで、式はどうする予定なの? 準備にはどれくらい時間がいるかしら」
母が嬉しそうに切り出す。ずっと相手が見つからず心配をかけていた末息子の結婚だ。両親は随分と張り切っているようだった。
「そうだな、何処まで知り合いを呼ぶかで規模も変わってくる。二人はどうしたいんだ?」
父もすっかり乗り気である。
「えっと、皆さんはどうされたんですか?」
エクレはきょろきょろと全員の顔を見渡しながら尋ねた。パディーラの結婚式がどんなものか様子を知りたいのだろう。
「それぞれの家族と、友達と、職場の人ってとりあえず出せるだけ招待状を出したかなぁ。一生に一度の行事の予定だったし、盛大にしたくて」
「予定ってなんだよ。実際一回きりだったろうが」
ルナール兄さんの言葉に、オーベルが呆れた様につっこむ。
「やっぱり衣装も拘りたいわ! いくつかお店を紹介できるわよ。リュミエールだってエクレちゃんを着飾りたいでしょ」
エルフィさんは職業柄、服にかなりお金をかけたはず……。お色直しも沢山したし、何着かは自分でデザインしたウエディングドレスだったはずだ。
「僕は結局ドレスは着なかったけど、Ωだと一着くらい着たりしてるよ。エクレが興味あるならありだね」
「ドレス?ウエディングドレスって事!? 想像もしたことなかった……」
ルナール兄さんの言葉に、エクレは驚いて声をあげた。
「エクレちゃんのドレス素敵だと思うけどなぁ。男性向けのデザインも色も沢山あるのよ。ちょっとでも興味あるなら、検討してみてほしいわ」
エルフィさんが楽しそうに勧めてくる。
エクレは少し困ったように俺を見上げた。
「一回試しに着てみるのも良いんじゃないか? 写真だけでも良いし」
「リュミエールがそう言うなら……」
私はエクレにはとても似合うと思う。中性的な彼の容姿なら様々なジャンルを着こなせるだろうと思っていた。
着てみたら案外良いと本人も思うこともあるかもしれない。
「大聖堂を借りるなら、かなり前から予約が必要ですね。通常の式場でもプランは沢山あります。場所は大事ですから、お二人で実際見てまわるのも良いのでは?」
サージェさんとジェネ兄さんの式はたしか大聖堂を借りていた。パディーラの女性は、あそこで式を上げる事に憧れを持つ人も多いのだ。
「エクレ、身内だけの式にすることも出来る。君はあまり人が多いのは、好まないだろう」
β同士では、式は身内だけで、そのあとのパーティで友人を招くという人も最近は多いらしい。
「リュミエールは? 本当は招待したい人、沢山いるんじゃないの?」
「私は……」
世話になった上司や、ずっと心配してくれた友人を招待できればしたい。けれど、それは私の都合だ。
エクレは、それが出来ない。彼が向こうの世界で招待したかった人がいても不可能なのだ。そこが少し引っかかっていた。
「俺はさ、こうやって考えてもそんな人いないの。向こうでもし結婚するってなったとしても式なんてしなかったと思う。まぁ結婚するって事が、そもそも前の俺にとったらびっくりな事態というか……」
式に乗り気でないなら、やはり家族だけにしようと、続けようとすると、彼はこういった。
「だから、リュミエールが招待したい人は全員声かけてよ。お世話になった人なんでしょ?貴方が見せたい人に、見せれたらそれで良い。俺、頑張ってちゃんとする。それで俺の事、その人たちに紹介してよ」
「本当に構わないのかい? それなりの数になると思うよ」
「一緒なら平気だ。それに結婚式するなら、リュミエールも後悔がないようにしないと。一度きり……なんでしょ?」
そう悪戯っぽく微笑んだ。先のルナール兄さんの発言も受けてだろう。
「えぇ、めっちゃ健気じゃん!エクレ、なんか他で要望あったら全部言いな。お兄ちゃんが叶えてあげる!甘いもの好きだっけ?大きいケーキ頼もうよ」
ルナール兄さんがたまらないと言った様子で、ギュッと彼を抱きしめた。あぁ……本当は私がそうしたかったのに。
「お兄ちゃん……?」
「そうだよ。リュミエールと結婚するなら、僕は君の義兄になる。なんでも言いな。かわいい弟よ」
そう言うと他の兄さんや、義姉さんたちまで、便乗していた。
沢山声をかけられて、エクレはキョロキョロとした後、本当に嬉しそうに笑った。
「たくさん、兄弟が出来て嬉しいです。よろしくお願いします」
ずっと見たかった光景だった。
私だって自分の運命を家族に紹介したかった。この人が私のパートナーだと。そして、それを認めて欲しかったのだと思う。
エクレが許してくれるなら、本当に世話になった人を招待しよう。私の伴侶はこんなに素晴らしい人なんだよ、と見てもらいたかった。
そして、エクレにも沢山の祝福を貰えたらこんなに嬉しい事は無い。
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