スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第76話 セカンケイブ攻略、はじめました #1

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「さてと、取り敢えずこれで今日やるべき事は全部終わったわね」
そう言って僕達を見るクーラ先生。今日は移動日で、ダンジョン探索は明日からの予定になってる。
「宿に入るにはまだ早いし、今更何か買うような物はないし……どうしよっか」

とそこに声を上げたのはノルトだ。
「先生、それならボクの家に来ませんか? 街から少し行った所にある農園なんです」
そのノルトの提案にクーラ先生が思案気な表情を浮かべたのは、ほんの少しの時間だけだった。
「他に用事もないし、いいかもね。みんなはどう?」
「いいんじゃない? あたしも興味あるし」
「ああ、俺もいいと思うぞ」
「家庭訪問、お宅拝見」

反対意見は誰からも出ない。そして僕ももちろん――
「さんせー。ノルトの農園って一度見てみたかったんだよね」

って事で今日これからの予定が決定。そしてクーラ先生はと言うと――
「じゃあみんな行ってらっしゃい。私はこっちにいるから、戻ったら宿で声を掛けて」
って事で、ノルトの家には僕達だけで行く事になった。



王都から来た時とは反対側の門から街を出ると、こちらもまた草原に続く道だった。その道をみんなでワイワイと歩くこと約20分、ノルトが前方を指差した。
「ほら、あそこに見えるのが僕の家だよ」
その指の示す方向に見えるのは一軒の大きな家、とその回りに立ち並ぶ大きな倉庫。
更に更にその後ろに広がるのは……すっごく広々とした農園。広っ、どこまで続いてるの!?
これ、アーシュの家の広がっちゃった庭よりも、もっとすっと広いんじゃないかな……

で、そこからもうちょっとだけ歩いた僕達はノルトの家に到着した。
「ただいまー」
ノルトが扉を開けると、玄関先でノルトのお母さんが出迎えてくれた。
「お帰りノルト。それにそちらは友達の皆さんだね。ようこそうちの農園へ。いつもノルトがお世話になってるね」

「はい、急にお邪魔してすみません。僕達ノルトと同じパーティのメンバーなんです」
「あっはっはっ、そんな畏まる事ないよ。それに皆さんが来るかもしれないってノルトから聞いてたから全然急じゃないって」

流石はノルト、抜かり無い。

「それで父さん達は今日は何を見てるの?」
「ああ、多分今頃は果樹園だと思うよ。桃とサクランボの収穫が来週頃から始められそうだからね」
「へえ、今年はちょっと早いのかな? じゃあみんな、今日は果樹園を見に行こうか」

農園に移動した僕達は、ノルトの案内でその広い敷地を進んでいく。
こうやって歩いてみると広さが凄く実感できる。それに道も馬車とか通れそうなくらいに広いのは……収穫とかの為かな?

「この辺りの畑は今はほうれん草とかの葉もの野菜だね。その向こうは今休ませてて、夏頃に冬野菜の種を蒔くんだ」
そんなノルトの説明を受けながら次に差し掛かったのは、さっきまでとは打って変わって背の高い植物が立ち並ぶ畑。
「ここはとうもろこし畑だよ。この様子だと来月頃から収穫出来るかな」

とうもろこしってこんなに大きかったのか。僕達よりも背が高いから向こうが全然見えないよ。
「とうもろこしって木に生るんだって思ってたわ」
「ははっ、そう思ってる人って結構多いみたいだね」

「――それでここから向こうが果樹園だよ。どう? 中々のものだろ?」
僕達の目の前に立ち並んでいるのは、実をつけた沢山の木々。
奥の方に並んでるのはまた別の種類みたい。たくさんの白い小さなのは、花?
「ここでは区画に分けていろんな果樹を育ててるんだ。夏から秋にかけて収穫する果物が多いから、今はちょうど花の時期と実りの時期が重なる、凄く短い期間なんだ。この景色を見せる事が出来てよかったよ」

淀みなく説明を続けるノルト、凄く楽しそうだ。

「この時期の悩みは果物泥棒と害獣と嵐だね。果物って、泥棒と魔物、それに鳥や動物からも狙われるんだ。だから毎年この時期は、昼も夜も冒険者に見回りを依頼してるんだよ」

ああ、それでか!

「だから冒険者ギルドに昼間から人が多かったのか。ヒトツメのギルドは昼間はガラガラだから不思議に思ってたんだよ」
「そうだね。多分さっきあそこにいたのは早朝から昼頃まで見回りしてた人達じゃないかな」

さっきのあの……えっと泣きながらアーシュの魔法で流されてった……何だっけ……あ、テンプレさんも。
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