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第77話 手加減は、道具で解決すればいい #2
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さあ、今日もやって来ましたセカンケイブダンジョン入口!
「今日はカルアのカードで入るわよ。昨日は結局何事も無かったし、もう気が済んだでしょ? 大体、もしカードの持ち主を選んで発動するなんて事あったら、それギルドが設置した罠って事になるわよ?」
あれ? 言われてみれば確かにその通りだ……
「そうか……よし、じゃあみんな行くよ!」
「「「「おー!」」」」
カードを翳して、ダンジョン突入!
クーラ先生の言った通り、僕のカードでも何事もなく普通に入れたよ。
よかった、僕の気にし過ぎだったみたい……
「【スティール】」
ゴブリンとゴブラットは何の問題も無く【スティール】出来た。
まあ森のゴブリンにも出来たし、当然か。
あっそうだ、パーティ戦だから魔石は共有ボックスに収納しなきゃ。
「カルア……」
「これがカルア君の【スティール】かぁ。何て言うか……」
「カル師、実は死神?」
「カルアあんた……魔法だけじゃなくってスキルまでインチキ臭いわね!」
これが今回初めてスティールを見たみんなの感想。
クーラ先生は呆れ顔だし、ノルトは珍しく言葉に詰まってる。
で、ワルツ? 死神って不吉すぎじゃないかな!
あとアーシュ、また『インチキ臭い』って言った……
そしてヒトツメでの特訓で散々見てきたネッガーはと言うと――
「フィラストダンジョンでのカルアはもっと凄かったぞ。部屋中に溢れた千匹以上の魔物を一度に全滅させてたからな」
――その時の様子を淡々と暴露してた。
「っ千匹以上!? ホントに!?」
「ああ、本当だ。目の前を覆い尽くす全てのバットが一瞬で地に落ちて、その魔石が全部カルアの目の前に現れるんだ。あれは凄い光景だったぞ」
「うわぁ……」
「激☆ヤバ師……」
チラチラとこちらに送るみんなの視線がチクチクとむず痒い。そんな中――
「ふーん、なら第3階層まではあたしたちの出番は無さそうね。じゃ、サクサク行くわよ」
ひとり平常運行のアーシュに引っ張られて、みんなも気持ちを入れ替え再始動した。
ホント心強い影のリーダーだよ……
それから特に何事もなく第3階層まで踏破した僕達は、ゴブリーダーが出てくる第4階層の手前で軽く打ち合わせを始めた。
「――じゃあ僕達はゴブリーダーの魔力を消耗させればいいんだね。それでどうやって魔力を消耗させるの?」
あれ、そう言えばどうすればいいのかな?
ゴブリーダーは魔法攻撃とかしてこないし……
教えて! クーラ先生!
「そうね、ゴブリーダーの魔力はか【テイム】用だから少しずつ【テイム】で消耗し続けるはずよ。戦闘とかで細かく指示を出し続けると普段よりも消耗が激しくなるだろうから、一緒にいる魔物を出来るだけ倒さずに戦闘を続けてみて」
「あの、【テイム】してる魔物に【回復】を使ったりはしますか?」
「【回復】か……個体によるかもしれないけど、確かあったはず。戦術に組み込む価値はあると思うわ」
「じゃあ作戦よ。カルアはゴブリーダーにひたすら【スティール】し続けて。他のみんなはゴブリーダーには牽制程度、ゴブラットへは倒しきらない程度の攻撃よ」
「「「「了解!」」」」
作戦は決まった。
僕達は階段を降りて第4階層に到着、作戦が無事に的中した事でサクサクと進んで行って、そしてこの階層も簡単に踏破した。
そしてここまでの戦闘で分かった事は――
まず、ゴブリーダーの多くは自分やゴブラットがある程度ダメージを受けると【回復】を使ってくる。
つまり【回復】させればさせるだけ戦闘時間を短縮できるって事だ。
そして、個体によって差があるけど【回復】を3回から7回くらい使ったところで【スティール】が通るようになる。
個体によって魔力量が違うのか、それとも気性が荒かったり力が強いゴブラットを【テイム】すると魔力の消耗が激しいとか? うーん、どっちもありそう。
あと最後に、全く【回復】を使わないゴブリーダーでも、10分くらい戦闘を続けたところで【スティール】が通った。
このゴブリーダー、【回復】が使えない個体だった? それとも使いどころを迷っているうちに全滅しちゃった、とか?
「さて、じゃあ第5階層に降りるわよ。次はゴブリカオンが出るようになるのよね。昨日はみんなそれぞれ剣の一撃で終わっちゃったけど、今日はゴブリーダーに【回復】を使わせるように手加減よろしく。乱戦になると思うから、敵よりも味方に気を付けて!」
そしてゴブリカオンとの戦闘では――
「ちょ……この剣斬れすぎ!」
「軽く当てただけなのに相手の速度で軽く真っぷたつって……」
「手加減、激☆ムズ」
「この速さの相手に剣での手加減は難しそうだ。素手でやるか」
「そうね、ネッガー以外は魔法に切り替えて!」
――なんて事が最初にあった。
これ、手加減出来る武器が必要かも。手加減って言うと……打撃かなぁ。じゃあどんな感じで……
そうだな、当たった瞬間にベクトル付加、速度を落とさず気持ちよく振り切れる撲撲剣! あ、斬らないから剣じゃないや。なら撲撲棒!
うん、何かいいかも!
あとゴブリカオンへの【スティール】は……
最初は通らなかったんだけど、少し経つと通るようになった。って事は魔力を【身体強化】みたいに使ってるって事かな?
「さあ、いよいよ最下層ね。って言っても、ゴブリンマジシャンはほっとけばどんどん魔力を使ってくから、程々に攻撃してくくらいでいいと思うわ! 注意が必要なのはゴブリンマジシャンとゴブリーダーとゴブリカオンが一緒に出てくるパターンね。乱戦に魔法が加わるから集中して!」
そして最下層の戦いが始まった。
アーシュが指示した通り、ゴブリンマジシャンだけの群れは対処が簡単。だって魔法を避けているだけでどんどん魔力を消耗してくれるから。
【スティール】は最初からずっと連打し続けてるから、魔力が減ってスキルが通った瞬間に魔石が抜けて倒れていく。
ゴブリカオンは動きが速いから注意が必要だけど、【スティール】は結構早い段階で通るようになる。ゴブリーダーは放置で。【回復】で勝手に消耗してくから。
それにしても、あとどれくらいで次の【スティール】に進化するんだろう。ゴールが見えないって不安だよ……
第6階層の最奥に到達した僕達、いよいよボスのゴブリンソーサラーとの戦いだ……けど、正直こいつが一番怖くない。
だってゴブリンソーサラーって、使える属性が増えたゴブリンマジシャンって感じだし。だからこれまでと同じように魔法を使わせて魔力が減ったところを【スティール】で、なんて思ってたんだけど……
「みんな、こいつは【スティール】を使わないで普通に倒しなさい」
そんな指示がクーラ先生から出て、ちょっとビックリ。
何で?
「ボスの間はギルドで映像監視していて、数日の間だけだけど記録が残るのよ。だからここでは【スティール】は禁止ね」
なるほど……ってそう言えば前にヒトツメのボスの間で金属バットに【スティール】したような?
あの時の映像は大丈夫だったのかな……?
考え事をしてるうちにゴブリンソーサラーは他のみんながサクッと剣で倒して、ボス戦は僕の出番がないまま終了となった。ここまで終始相手を弱らせるだけだったみんなの格好の憂さ晴らし相手になっちゃったみたい。
みんな……それにボスも何かゴメン。
「そろそろお昼かしら。このまま出口に向かって、今日は外で食べましょ」
「今日はカルアのカードで入るわよ。昨日は結局何事も無かったし、もう気が済んだでしょ? 大体、もしカードの持ち主を選んで発動するなんて事あったら、それギルドが設置した罠って事になるわよ?」
あれ? 言われてみれば確かにその通りだ……
「そうか……よし、じゃあみんな行くよ!」
「「「「おー!」」」」
カードを翳して、ダンジョン突入!
クーラ先生の言った通り、僕のカードでも何事もなく普通に入れたよ。
よかった、僕の気にし過ぎだったみたい……
「【スティール】」
ゴブリンとゴブラットは何の問題も無く【スティール】出来た。
まあ森のゴブリンにも出来たし、当然か。
あっそうだ、パーティ戦だから魔石は共有ボックスに収納しなきゃ。
「カルア……」
「これがカルア君の【スティール】かぁ。何て言うか……」
「カル師、実は死神?」
「カルアあんた……魔法だけじゃなくってスキルまでインチキ臭いわね!」
これが今回初めてスティールを見たみんなの感想。
クーラ先生は呆れ顔だし、ノルトは珍しく言葉に詰まってる。
で、ワルツ? 死神って不吉すぎじゃないかな!
あとアーシュ、また『インチキ臭い』って言った……
そしてヒトツメでの特訓で散々見てきたネッガーはと言うと――
「フィラストダンジョンでのカルアはもっと凄かったぞ。部屋中に溢れた千匹以上の魔物を一度に全滅させてたからな」
――その時の様子を淡々と暴露してた。
「っ千匹以上!? ホントに!?」
「ああ、本当だ。目の前を覆い尽くす全てのバットが一瞬で地に落ちて、その魔石が全部カルアの目の前に現れるんだ。あれは凄い光景だったぞ」
「うわぁ……」
「激☆ヤバ師……」
チラチラとこちらに送るみんなの視線がチクチクとむず痒い。そんな中――
「ふーん、なら第3階層まではあたしたちの出番は無さそうね。じゃ、サクサク行くわよ」
ひとり平常運行のアーシュに引っ張られて、みんなも気持ちを入れ替え再始動した。
ホント心強い影のリーダーだよ……
それから特に何事もなく第3階層まで踏破した僕達は、ゴブリーダーが出てくる第4階層の手前で軽く打ち合わせを始めた。
「――じゃあ僕達はゴブリーダーの魔力を消耗させればいいんだね。それでどうやって魔力を消耗させるの?」
あれ、そう言えばどうすればいいのかな?
ゴブリーダーは魔法攻撃とかしてこないし……
教えて! クーラ先生!
「そうね、ゴブリーダーの魔力はか【テイム】用だから少しずつ【テイム】で消耗し続けるはずよ。戦闘とかで細かく指示を出し続けると普段よりも消耗が激しくなるだろうから、一緒にいる魔物を出来るだけ倒さずに戦闘を続けてみて」
「あの、【テイム】してる魔物に【回復】を使ったりはしますか?」
「【回復】か……個体によるかもしれないけど、確かあったはず。戦術に組み込む価値はあると思うわ」
「じゃあ作戦よ。カルアはゴブリーダーにひたすら【スティール】し続けて。他のみんなはゴブリーダーには牽制程度、ゴブラットへは倒しきらない程度の攻撃よ」
「「「「了解!」」」」
作戦は決まった。
僕達は階段を降りて第4階層に到着、作戦が無事に的中した事でサクサクと進んで行って、そしてこの階層も簡単に踏破した。
そしてここまでの戦闘で分かった事は――
まず、ゴブリーダーの多くは自分やゴブラットがある程度ダメージを受けると【回復】を使ってくる。
つまり【回復】させればさせるだけ戦闘時間を短縮できるって事だ。
そして、個体によって差があるけど【回復】を3回から7回くらい使ったところで【スティール】が通るようになる。
個体によって魔力量が違うのか、それとも気性が荒かったり力が強いゴブラットを【テイム】すると魔力の消耗が激しいとか? うーん、どっちもありそう。
あと最後に、全く【回復】を使わないゴブリーダーでも、10分くらい戦闘を続けたところで【スティール】が通った。
このゴブリーダー、【回復】が使えない個体だった? それとも使いどころを迷っているうちに全滅しちゃった、とか?
「さて、じゃあ第5階層に降りるわよ。次はゴブリカオンが出るようになるのよね。昨日はみんなそれぞれ剣の一撃で終わっちゃったけど、今日はゴブリーダーに【回復】を使わせるように手加減よろしく。乱戦になると思うから、敵よりも味方に気を付けて!」
そしてゴブリカオンとの戦闘では――
「ちょ……この剣斬れすぎ!」
「軽く当てただけなのに相手の速度で軽く真っぷたつって……」
「手加減、激☆ムズ」
「この速さの相手に剣での手加減は難しそうだ。素手でやるか」
「そうね、ネッガー以外は魔法に切り替えて!」
――なんて事が最初にあった。
これ、手加減出来る武器が必要かも。手加減って言うと……打撃かなぁ。じゃあどんな感じで……
そうだな、当たった瞬間にベクトル付加、速度を落とさず気持ちよく振り切れる撲撲剣! あ、斬らないから剣じゃないや。なら撲撲棒!
うん、何かいいかも!
あとゴブリカオンへの【スティール】は……
最初は通らなかったんだけど、少し経つと通るようになった。って事は魔力を【身体強化】みたいに使ってるって事かな?
「さあ、いよいよ最下層ね。って言っても、ゴブリンマジシャンはほっとけばどんどん魔力を使ってくから、程々に攻撃してくくらいでいいと思うわ! 注意が必要なのはゴブリンマジシャンとゴブリーダーとゴブリカオンが一緒に出てくるパターンね。乱戦に魔法が加わるから集中して!」
そして最下層の戦いが始まった。
アーシュが指示した通り、ゴブリンマジシャンだけの群れは対処が簡単。だって魔法を避けているだけでどんどん魔力を消耗してくれるから。
【スティール】は最初からずっと連打し続けてるから、魔力が減ってスキルが通った瞬間に魔石が抜けて倒れていく。
ゴブリカオンは動きが速いから注意が必要だけど、【スティール】は結構早い段階で通るようになる。ゴブリーダーは放置で。【回復】で勝手に消耗してくから。
それにしても、あとどれくらいで次の【スティール】に進化するんだろう。ゴールが見えないって不安だよ……
第6階層の最奥に到達した僕達、いよいよボスのゴブリンソーサラーとの戦いだ……けど、正直こいつが一番怖くない。
だってゴブリンソーサラーって、使える属性が増えたゴブリンマジシャンって感じだし。だからこれまでと同じように魔法を使わせて魔力が減ったところを【スティール】で、なんて思ってたんだけど……
「みんな、こいつは【スティール】を使わないで普通に倒しなさい」
そんな指示がクーラ先生から出て、ちょっとビックリ。
何で?
「ボスの間はギルドで映像監視していて、数日の間だけだけど記録が残るのよ。だからここでは【スティール】は禁止ね」
なるほど……ってそう言えば前にヒトツメのボスの間で金属バットに【スティール】したような?
あの時の映像は大丈夫だったのかな……?
考え事をしてるうちにゴブリンソーサラーは他のみんながサクッと剣で倒して、ボス戦は僕の出番がないまま終了となった。ここまで終始相手を弱らせるだけだったみんなの格好の憂さ晴らし相手になっちゃったみたい。
みんな……それにボスも何かゴメン。
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