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第68話 五色が揃ったら次はアレですよね #3
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今日から始まった特別授業、一日中座学って初めてだったけど、今日の授業は全部終了した。そして今日の僕はそのまま真っ直ぐ部屋に帰って、そして――
ヒトツメに転移した。
「何だカルア、随分久し振りじゃないか」
「ホントだねえ。学校はどうだい? 楽しくやってるかい?」
「おいおい、まさか寂しくなって帰ってきたんじゃあないだろうな? ホームシックってやつかあ? ぎゅーってしてやるから、こっち来いよ! がはははは」
今日もギルドの食堂では一仕事終えた皆さんがパーティ中だった。
そうなんだ。あれは『冒険者がやるパーティ』ってやつだったんだ。アーシュのお陰でついに判明、あの人達はみんな冒険パリピなんだって。
「いやだなあ、そんなホームシックとかじゃあないですよ。友達も出来たし、その友達とパーティを組んで冒険者もやってるんですから」
「「「「「なんだってーーーーっ!!」」」」」
うわぁ、皆さん驚きすぎ!
「そいつはめでたい! よかったなあカルア! こっちには年の近い冒険者がいなかったからなあ。うんよかったよかった!」
「ホントだねえ。あたしも嬉しいよ。ああ、あのカルアがねえ……」
「おお、本当によかった! ほら、ぎゅーってしてやるから、こっち来いって!」
やっぱりここはあったかいなあ……
「もう! 皆さん大袈裟すぎですよ! でも……ありがとうございます」
「ばっ……ばかやろう! こちとら最近年のせいか涙腺が緩みっぱなしなんだ! 妙な不意打ちするんじゃねえ!!」
「あははは……何ですか、それ」
「ああもうほら、行った行った! いつまでもピノちゃんを待たせるんじゃないよ!」
「もう、分かりましたよー」
そして僕はパリピの皆さんのテーブルを離れ、ピノさんの待つカウンターへ。
「ふふふ、こんにちはカルア君。みんなカルア君に会えてうれしそうですね。皆さん最近はいつもカルア君の話ばっかり――」
「ちょっとピノちゃん! それ言っちゃダメーー!!」
「はーーい。ごめんなさーーい」
ふふふっ、相変わらず楽しそうだなあ。
「それで今日の御用は私ですか? それともギルマス? まさかパルム――」
「ちょピノ! 自分の冗談に刺さって冷気振り撒かないで!!」
隣のカウンターのパルムさんからもそんな冗談が。これも相変わらずだなあ……少し焦ったような声でツッコむところとかも。
「あははは、今日はピノさんに用事があって」
「あっはい、私ですねっ! ――っと、先に片付けなきゃいけない仕事があるから、ちょっと待ってて貰えますか? その間ギルマスとお話しします?」
「そうですね、じゃあギルマスのところで待ってます」
一人廊下を進んで、やってきた一番奥のギルマスの執務室。もうすっかり慣れちゃった。
最初はあんなにドキドキしてたのになあ。
コンコンコン。
「うむ、入って構わんぞ」
「失礼しまーす」
ギルマスの声にそう返事をして扉を開ける。その向こうに見えたのは少し驚いた顔のギルマスだったけど、すぐにその表情を笑顔に変えて僕を招き入れてくれた。
「おおカルア君、こちらに来るのは珍しいな」
「こんにちはギルマス。今日はちょっとピノさんに用事があって」
「そうかそうか。ここは君のホームグラウンドだ。折角【転移】が使えるようになったんだから、遠慮なくいつでも来るといい」
「はい、ありがとうございます」
こう暖かく迎え入れてもらえると、『帰ってきたなあ』って感じでほっとする。
「そう言えばギルマス、もしかしてまた臨時講師の依頼とかって来てたりします?」
「うむ、よく知ってるな。学校で聞いたのか?」
「はい。2週間後くらい後にクーラ先生の引率でフタツメのダンジョンに行く事になって、その間の臨時講師を手配するかもって聞きました」
「ああそれだ、間違いない。だがそうか、2週間後に……ならばネッガー君の指導はその前にしておきたいところだな」
ん? ネッガーへの指導……?
「あの、それって?」
「ああ、先日彼に相談を受けてな。それで私の戦闘方法を彼に伝授しようと考えているのだ。今のままだと少し不器用な戦い方に偏りそうだからな」
へえ、そうだったんだ……
「やっぱりギルマスくらいになると、そういう事も見えてくるんですねえ……凄いや」
「まあ、そう素直に感心されると若干くすぐったいのだが……おや、ピノ君が来たようだぞ」
「え? 本当ですか?」
コンコンコン
「ギルマス、よろしいですか?」
「ホントだ……」
「まあこういった技術を伝授するつもりなのだよ。――ピノ君、構わないぞ」
「失礼します……カルア君、お待たせしました」
「はいピノさん。じゃあギルマス、ありがとうございました」
「うむ、これからも頑張りたまえ」
久し振りのこの道。ピノさんと二人並んでギルドから家に向かう、楽しい帰り道。
家の近くまでやって来ると、井戸端に集まるいつもの奥様――サマンサさん達の姿が見えた。
「おやカルアじゃないか。今日はピノちゃんと一緒なんだね」
「はい。こんにちはサマンサさん」
「っ!? あんたあたしの名前を……って事はもしかして!」
「はいっ、母さんから聞きました!」
「っ!! そうかい、よかった……よかったねえ!!」
目に一杯の涙を浮かべるサマンサさん。ああ、母さんとの事もずっと心配掛けてたんだなあ……
「ありがとうございます! サマンサさん達にも色々お世話になって――」
「いいんだよそんな事は! ああ、これで今度こそあたし達もあんたの母親――リアベルとの約束を果たす事が出来たって事なんだねえ……」
「サマンサさん……」
「ああもう! くすぐったくってしょうがないから、急に名前で呼んだりするんじゃないよ! あたし達の事は今まで通り『奥様方』にしといてくれ!」
「はい! 分かりました!」
「ほらほら行った行った! ピノちゃんを待たせちゃいけないよ!」
奥様方への報告も無事に終わり、僕とピノさんは家に入る。
「それじゃあご飯の支度をしちゃいましょうか。材料も沢山ボックスに入ってるし、今日は何にしようかな。あっカルア君、空いた鍋があったら出しちゃって。それで作るから」
そんな感じで、僕の入り込む余地のない速さでピノさんが動き始めたんだけど――
今これ、【身体強化】してる? してない? どっちなんだろう……
あ、残像が一人増えた……
そして美味しい楽しい晩ご飯も終わり、いよいよ今日ヒトツメに帰ってきた本題を――
「実はピノさん、ピノさんにこんなのを作ったんです」
そして取り出すナックルダスター! ババンっ!!
「わっ素敵! 着けてみてもいい?」
「はい! 是非付けて下さい!!」
いそいそと両手にナックルダスターを嵌めるピノさん。笑顔が何だか眩しいや。
母さん、やっぱり女の子へのプレゼントはナックルダスターなんだね……
そしてナックルダスターに付与した【結界】の鎧の説明をして、早速ピノさんがそれを展開してみて――
「ふんふんなるほど、これくらいの消費量ならこのまま使っても魔力切れの心配は無さそうかな。あ、でも一瞬で全身を覆う『戦闘スーツ』か。顔が見えないなら丁度いいかも……今度ベルベルさんにお願いしてみようかな。色はそう、黒か銀で……」
――なんて声は……きっと気のせい。
だって、そんな事よりもっと嬉しい事があったんだから。そう、それは――
今度はちゃんと二人きりでピノさんにプレゼントする事が出来たってこと!
▽▽▽▽▽▽
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ヒトツメに転移した。
「何だカルア、随分久し振りじゃないか」
「ホントだねえ。学校はどうだい? 楽しくやってるかい?」
「おいおい、まさか寂しくなって帰ってきたんじゃあないだろうな? ホームシックってやつかあ? ぎゅーってしてやるから、こっち来いよ! がはははは」
今日もギルドの食堂では一仕事終えた皆さんがパーティ中だった。
そうなんだ。あれは『冒険者がやるパーティ』ってやつだったんだ。アーシュのお陰でついに判明、あの人達はみんな冒険パリピなんだって。
「いやだなあ、そんなホームシックとかじゃあないですよ。友達も出来たし、その友達とパーティを組んで冒険者もやってるんですから」
「「「「「なんだってーーーーっ!!」」」」」
うわぁ、皆さん驚きすぎ!
「そいつはめでたい! よかったなあカルア! こっちには年の近い冒険者がいなかったからなあ。うんよかったよかった!」
「ホントだねえ。あたしも嬉しいよ。ああ、あのカルアがねえ……」
「おお、本当によかった! ほら、ぎゅーってしてやるから、こっち来いって!」
やっぱりここはあったかいなあ……
「もう! 皆さん大袈裟すぎですよ! でも……ありがとうございます」
「ばっ……ばかやろう! こちとら最近年のせいか涙腺が緩みっぱなしなんだ! 妙な不意打ちするんじゃねえ!!」
「あははは……何ですか、それ」
「ああもうほら、行った行った! いつまでもピノちゃんを待たせるんじゃないよ!」
「もう、分かりましたよー」
そして僕はパリピの皆さんのテーブルを離れ、ピノさんの待つカウンターへ。
「ふふふ、こんにちはカルア君。みんなカルア君に会えてうれしそうですね。皆さん最近はいつもカルア君の話ばっかり――」
「ちょっとピノちゃん! それ言っちゃダメーー!!」
「はーーい。ごめんなさーーい」
ふふふっ、相変わらず楽しそうだなあ。
「それで今日の御用は私ですか? それともギルマス? まさかパルム――」
「ちょピノ! 自分の冗談に刺さって冷気振り撒かないで!!」
隣のカウンターのパルムさんからもそんな冗談が。これも相変わらずだなあ……少し焦ったような声でツッコむところとかも。
「あははは、今日はピノさんに用事があって」
「あっはい、私ですねっ! ――っと、先に片付けなきゃいけない仕事があるから、ちょっと待ってて貰えますか? その間ギルマスとお話しします?」
「そうですね、じゃあギルマスのところで待ってます」
一人廊下を進んで、やってきた一番奥のギルマスの執務室。もうすっかり慣れちゃった。
最初はあんなにドキドキしてたのになあ。
コンコンコン。
「うむ、入って構わんぞ」
「失礼しまーす」
ギルマスの声にそう返事をして扉を開ける。その向こうに見えたのは少し驚いた顔のギルマスだったけど、すぐにその表情を笑顔に変えて僕を招き入れてくれた。
「おおカルア君、こちらに来るのは珍しいな」
「こんにちはギルマス。今日はちょっとピノさんに用事があって」
「そうかそうか。ここは君のホームグラウンドだ。折角【転移】が使えるようになったんだから、遠慮なくいつでも来るといい」
「はい、ありがとうございます」
こう暖かく迎え入れてもらえると、『帰ってきたなあ』って感じでほっとする。
「そう言えばギルマス、もしかしてまた臨時講師の依頼とかって来てたりします?」
「うむ、よく知ってるな。学校で聞いたのか?」
「はい。2週間後くらい後にクーラ先生の引率でフタツメのダンジョンに行く事になって、その間の臨時講師を手配するかもって聞きました」
「ああそれだ、間違いない。だがそうか、2週間後に……ならばネッガー君の指導はその前にしておきたいところだな」
ん? ネッガーへの指導……?
「あの、それって?」
「ああ、先日彼に相談を受けてな。それで私の戦闘方法を彼に伝授しようと考えているのだ。今のままだと少し不器用な戦い方に偏りそうだからな」
へえ、そうだったんだ……
「やっぱりギルマスくらいになると、そういう事も見えてくるんですねえ……凄いや」
「まあ、そう素直に感心されると若干くすぐったいのだが……おや、ピノ君が来たようだぞ」
「え? 本当ですか?」
コンコンコン
「ギルマス、よろしいですか?」
「ホントだ……」
「まあこういった技術を伝授するつもりなのだよ。――ピノ君、構わないぞ」
「失礼します……カルア君、お待たせしました」
「はいピノさん。じゃあギルマス、ありがとうございました」
「うむ、これからも頑張りたまえ」
久し振りのこの道。ピノさんと二人並んでギルドから家に向かう、楽しい帰り道。
家の近くまでやって来ると、井戸端に集まるいつもの奥様――サマンサさん達の姿が見えた。
「おやカルアじゃないか。今日はピノちゃんと一緒なんだね」
「はい。こんにちはサマンサさん」
「っ!? あんたあたしの名前を……って事はもしかして!」
「はいっ、母さんから聞きました!」
「っ!! そうかい、よかった……よかったねえ!!」
目に一杯の涙を浮かべるサマンサさん。ああ、母さんとの事もずっと心配掛けてたんだなあ……
「ありがとうございます! サマンサさん達にも色々お世話になって――」
「いいんだよそんな事は! ああ、これで今度こそあたし達もあんたの母親――リアベルとの約束を果たす事が出来たって事なんだねえ……」
「サマンサさん……」
「ああもう! くすぐったくってしょうがないから、急に名前で呼んだりするんじゃないよ! あたし達の事は今まで通り『奥様方』にしといてくれ!」
「はい! 分かりました!」
「ほらほら行った行った! ピノちゃんを待たせちゃいけないよ!」
奥様方への報告も無事に終わり、僕とピノさんは家に入る。
「それじゃあご飯の支度をしちゃいましょうか。材料も沢山ボックスに入ってるし、今日は何にしようかな。あっカルア君、空いた鍋があったら出しちゃって。それで作るから」
そんな感じで、僕の入り込む余地のない速さでピノさんが動き始めたんだけど――
今これ、【身体強化】してる? してない? どっちなんだろう……
あ、残像が一人増えた……
そして美味しい楽しい晩ご飯も終わり、いよいよ今日ヒトツメに帰ってきた本題を――
「実はピノさん、ピノさんにこんなのを作ったんです」
そして取り出すナックルダスター! ババンっ!!
「わっ素敵! 着けてみてもいい?」
「はい! 是非付けて下さい!!」
いそいそと両手にナックルダスターを嵌めるピノさん。笑顔が何だか眩しいや。
母さん、やっぱり女の子へのプレゼントはナックルダスターなんだね……
そしてナックルダスターに付与した【結界】の鎧の説明をして、早速ピノさんがそれを展開してみて――
「ふんふんなるほど、これくらいの消費量ならこのまま使っても魔力切れの心配は無さそうかな。あ、でも一瞬で全身を覆う『戦闘スーツ』か。顔が見えないなら丁度いいかも……今度ベルベルさんにお願いしてみようかな。色はそう、黒か銀で……」
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