スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第68話 五色が揃ったら次はアレですよね #2

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おお! イッツァ、カラフル!!
へぇ、みんな少しずつ形が違うんだ。それに頭の部分はツルっとしたヘルムみたいな感じ。僕のはどんな感じなんだろう?

「ちょっとカルア、自分の姿が見たいんだけど! 何とかならない?」

うん、僕も見たいんだけど……鏡とか無いのかな?

「ああ、すぐに用意しましょう。【姿鏡すがたみ】」

校長先生の魔法で、僕達の前には凄く大きな魔力の板が現れた。その板には僕達の姿が写って……そうか、これ魔力で作った鏡だ。
見た感じ時空間魔法の組み合わせっぽいし、便利そうだから覚えとこっと。

で、その鏡に写る自分の姿をみんなそれぞれ手を振ったり身体を動かしたりして確認してる。
「ふーん、まあそんな悪くはないかな。動きやすいし実用性重視って感じ?」
「アーシュ、これ、超カッコいい」
「え、そう? ホントに? まあ感性は人それぞれだけど……」

アーシュはそれなりに、そしてワルツは凄く気に入ったみたい。

「それでカルア、この『戦闘スーツ』って、どんな機能があるの? お祖母さま達が作ったんだから、きっと凄い攻撃とか防御とかが用意されてるんでしょう?」

うっ、ちょっと答えづらい質問来た……

「ええっと、そういった機能は用意されてなくって、簡単に着脱出来るだけみたい」
「えっ、それだけ? それって何の意味があるの?」

不思議な顔をしたアーシュに昨日ミレアさんと話した内容を聞かせると、アーシュは納得の表情を浮かべて大きく頷いた。

「――と言う事で昨日渡したペンダントを調整するから、みんな一度スーツを解除してくれる? 『解除』を意識しながら魔力を止めれば出来るから」
「あ、ちょっと待って。私その前に『キーワード』を変えたいんだけど、どうやって変えるの?」
「ええっと、確か……」

昨日あの後ミレアさんが教えてくれた方法は――
「スーツを着た状態で『キーワード変更』って言ってから、新しいキーワードを言えばよかったはず」

キーワードを変えたかったのはアーシュだけじゃなかったみたい。みんな暫く自分のキーワードを考えて――
「よし、じゃああたしはこれね。『キーワード変更、オーロラウェーブ』」
「わたし、これ。『キーワード変更、プリズムパワー』」
「僕はどうしようかな。『キーワード変更、グリーンフラッシュ』」
「俺はシンプルに『キーワード変更、変身』」

――みんな結構良い感じかも。
「あれっ、カルアは変えないの?」
「うん。僕は『蒸着』のままにするよ。何だかカッコいいし」


キーワード変更を終えた全員からペンダントを受け取って、自動魔力充填の追加と、あと他にちょっとした調
出来上がったペンダントを返したら、そのままみんなまたスーツを装備したんだけど……

うーん、一人一人のキーワードは凄く良いと思うけど、一斉にやるとみんなバラバラで誰が何を言ってるのか全然分からない。これ、みんなで統一した方がカッコよくないかな?

「ペンダントの結界と風の循環は単独でも起動出来るけど、スーツを装着したら連動して起動するようにしたから。それと、ペンダントは自分の魔力じゃなくって自動充填した魔力で動作するようになったよ。結界の動作時間は10分間。一応20分くらいは稼働出来るんだけど、これはあくまで非常用だから普段は10分で解除するように心掛けて。残り時間が1分を切ったらペンダントが点滅してアラームが鳴るから、そこから1分以内に戦闘を終わらせること」

「「「「了解、博士!」」」」
「博士じゃないよっ!?」



カルア達と教師達が退出した校長室。その室内で一部の空間が溶けるように揺らめくと、その場にモリス、マリアベル、ミレアの3名の姿が現れた。
「いやあ、流石のカルア君もミレア君の【隠蔽】は見破る事が出来なかったようだねえ。よかったよかった」
「私のはプロテクトマシマシの軍事用だもの。それにしてもオートカ先輩、今日は用事で来れないなんて」

「ふん! いつもいつでも側にいるなんて保証は何処にも無いんだよ、このバカップルが」
「あははは、そりゃそうだ」
「バカップルって言った! でもいいですよーだ! それでも私は先輩の事を、いつでもいつも本気で想ってるんですから!」
「ああ、はいはい分かったよ。このバカップルが」
「二度も言った! 他の人からは言われた事ないのに……」



「あの、そろそろ本題に――」
出て来て早々騒々しい面々に、この部屋の現在の主であるラーバルはたまらず声を掛けた。
「ああそうだね、ほら静かにおし」
そう答えたのは以前の主であるマリアベル。彼女はニヤリと笑うと弟子と嘗ての教え子に問うた。
「――で、あんたたちはどう見た? あたしは上手く行ったんじゃないかと思ったがね」

「はいししょー。私も大成功だと思いまーす」
「うんうん、これはもう僕達の大勝利と言ってもいいんじゃない? 上手い事ミレア君の装備に落ち着いたからね。ふふふ、カルア君が異次元のやらかしを炸裂する前に、僕達の見知った技術に着地点を誘導する、か。全く大成功だよ。……これが毎回上手く行っちゃうとそれはそれで楽しくないけど、でもいつもいつも『想定外』に踊らされる僕達じゃあないんだよカルア君。ぬふふふふふふふふふ」

そう不敵に笑うモリス、そして――
「全くその通りさ。あっはっはっはっはっ……」
「姉弟子としては弟弟子君にやられっぱなしって訳には行きませんからね。うふふふふ……」
「ええ。生徒を導く事こそ教師の務めですからね。ふふふふふ……」
――満足げに笑う、大人気無い大人達の姿がそこにはあった。



一方こちらは、校長室を出て今日から始まる特別授業へ向かうカルア達。
「そう言えばカルア、さっきみんなのペンダントを再調整した時、何か別の事もしてなかった?」
先ほど朧げに感じた違和感をカルアに訊いてみたアーシュ。そのアーシュにカルアは軽く目を見開いた。

「よく気付いたねアーシュ。でも大した事じゃないよ? 魔石に中途半端な余裕が出来たからさ、全員分の魔力を結集して土人形を生み出す機能を追加しただけなんだ。ほら、攻撃とか防御の手が足りなくなった時に便利そうじゃない?」
「確かにそれなら微調整レベルね。でも中々気が利いた機能じゃない」
「でしょ?」

「でもあんたとノルトで本気を出したら、あたしたち全員が乗り込めるくらいの土人形ロボを作れるかもね」
「ああ、それも面白そう! ね、ノルト?」
「そうだね。それくらいだったら、ちょっと頑張れば出来るんじゃない? 今度やってみようか?」
「うん! みんなもいいよね?」

「「「「了解、博士!!」」」」
「博士じゃないよっ!?」
「「「「「あはははははははは……」」」」」

――皆で楽しげに笑う、何処までも無邪気な子供達の姿がそこにはあった。
こうして彼らは今日もまた、大人達の想定を越えて行く……
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