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第67話 全員で魔王クーラ先生に挑みます #3
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「うおっ!?」
お互いが纏った空間の断面同士の衝突により、カルアとネッガーそれぞれの結界が軋みを上げる。
余りに想定外の攻撃を受け対処に迷うネッガー。だがその間にも引き攣った顔のカルアがガンガンとネッガーに叩き付けられる。その結界同士の激しいぶつかり合いは、互いの空間を軋ませ歪ませ削り圧迫する。その結果――ネッガーとカルアの結界には砂嵐のような大きなノイズが走り、身じろぎするかのように大きく揺らぎ、そしてついには消滅してしまった。
それと同時に使い終わったカルアを投げ捨てたクーラは、ネッガーに激しい連打を浴びせ掛ける!
その激しい拳撃にネッガーは成す術もない。ただ只管ガードを続けていたが、やがて天を衝く勢いの拳が跳ね上がるとネッガーの腹にめり込み、その衝撃でネッガーの足は大地から引っこ抜かれた。
こうなればもうどうにもならない。宙に浮かされ自らの重さと力を攻撃に昇華する事が出来なくなったネッガーは、大地への帰還を許されず宙に浮かぶサンドバッグと化した。
やがてネッガーはぼろ雑巾のように地面に転がり……
そして他のメンバーにも変化が訪れた。
「え? あれ? うそっ落ちる!?」
空中から何とかクーラの隙を見つけようと凝視していたアーシュ、ノルト、ワルツの3名だったが、突然重力に逆らう事が出来なくなり落下していった。
それを次々と受け止めるクーラ。
そしてその3人にも一切の容赦がない攻撃が行われ――
「はい終了っと。最初ちょっと驚いたけど……まあ思った通りの展開ね」
――結局最後にはいつも通り地面に転がるオーディナリーダが出来上がったのである。
「――ちょっとカルア、この結界ってば燃費悪すぎよ!」
そんなアーシュの声に、僕も気付いてしまった――というか思い知った。
当たり前と言えばあまりに当たり前、むしろ何故気付かなかったんだってくらいの、致命的な欠陥に。
「そっかぁーーー……」
そりゃあ20倍の魔石じゃないと処理出来ないような魔法なんだから、使う魔力も多いに決まってるよねぇ……
そんな僕達にクーラ先生が優しげな言葉で止めを刺しに来た。
「まあそういう事。最初はどうしようかって思ったけどね。まあいくつか対処法は見つけたけど、魔力切れを誘うのが一番簡単な攻略方法だったわ。さあ、次は何を見せてくれるのかしら? 結界の展開方法を工夫するか、それとも魔力の補充方法を考えるか……ふふっ、次の対処法はその時に見せてあげるわ」
この一部始終を眺めて――いや見守っていたモリスとラーバルもまた、決着と共に肩の力を抜いた。
「そっかぁーーー。カルア君てば、うっかり自分の魔力量で設計しちゃったかあ」
「あの『身に纏う結界』は中々見事な技術でした。それだけに魔力の消費が大き過ぎた――という事ですか」
「自分の身体だけじゃなくってその服や装備品までトレースして、その通りに結界の形を変化させ続けるんだ、そりゃあバカみたいな量の魔力が必要になるよねえ。昨日はカルア君が軽々と飛び回り続けてたから僕もうっかりしてたけど、そりゃあ他の子達の魔力量じゃあ、ねえ」
そう感想を言い合うふたり。どちらも実に楽し気だ。
「しかしクーラ君は凄いねえ。その欠点をあっさりと見抜いて、しかもより魔力を使わせるようにって空中に投げ飛ばすんだから。ああそうか、打撃じゃなくて投げたってのは、打撃だと衝撃が届かなくて飛ばせないからなのか。なるほどなるほど。そして極め付けは『結界同士を衝突させて破壊した』って事だろうねえ」
「結界同士の衝突……ああ! カルア君を丸太のように振り回してたのはそういう意味でしたか!」
クーラの行動を振り返り、その一つ一つの動作を分析するにつれて驚きを更に深めていく二人。
「どこまで計算したのか。そしてどこまで知っていたのか……。空間の断面には物理攻撃も魔法攻撃も通用しない。だけど、もしそれが異なる空間同士の衝突なら……」
……はぁ、どうしようかな。
取り敢えずあの魔道具は後で改良するって事で、みんなに渡したまま解散したけど……
みんなの事を守りたい。
みんなの戦いの助けとなりたい。
その為に僕は……
「うーん、どうしよ」
その時、僕の目の前に浮かぶ一通の手紙――
あれ? デジャビュ?
◇◇◇◇◇◇
弟弟子君
話は聞かせてもらったわ。
ししょーのお店で待ってる。
◇◇◇◇◇◇
ああ、今日はミレアさんか……
それと手紙で届いたって事は……やっぱり今回もモリスさん経由?
お互いが纏った空間の断面同士の衝突により、カルアとネッガーそれぞれの結界が軋みを上げる。
余りに想定外の攻撃を受け対処に迷うネッガー。だがその間にも引き攣った顔のカルアがガンガンとネッガーに叩き付けられる。その結界同士の激しいぶつかり合いは、互いの空間を軋ませ歪ませ削り圧迫する。その結果――ネッガーとカルアの結界には砂嵐のような大きなノイズが走り、身じろぎするかのように大きく揺らぎ、そしてついには消滅してしまった。
それと同時に使い終わったカルアを投げ捨てたクーラは、ネッガーに激しい連打を浴びせ掛ける!
その激しい拳撃にネッガーは成す術もない。ただ只管ガードを続けていたが、やがて天を衝く勢いの拳が跳ね上がるとネッガーの腹にめり込み、その衝撃でネッガーの足は大地から引っこ抜かれた。
こうなればもうどうにもならない。宙に浮かされ自らの重さと力を攻撃に昇華する事が出来なくなったネッガーは、大地への帰還を許されず宙に浮かぶサンドバッグと化した。
やがてネッガーはぼろ雑巾のように地面に転がり……
そして他のメンバーにも変化が訪れた。
「え? あれ? うそっ落ちる!?」
空中から何とかクーラの隙を見つけようと凝視していたアーシュ、ノルト、ワルツの3名だったが、突然重力に逆らう事が出来なくなり落下していった。
それを次々と受け止めるクーラ。
そしてその3人にも一切の容赦がない攻撃が行われ――
「はい終了っと。最初ちょっと驚いたけど……まあ思った通りの展開ね」
――結局最後にはいつも通り地面に転がるオーディナリーダが出来上がったのである。
「――ちょっとカルア、この結界ってば燃費悪すぎよ!」
そんなアーシュの声に、僕も気付いてしまった――というか思い知った。
当たり前と言えばあまりに当たり前、むしろ何故気付かなかったんだってくらいの、致命的な欠陥に。
「そっかぁーーー……」
そりゃあ20倍の魔石じゃないと処理出来ないような魔法なんだから、使う魔力も多いに決まってるよねぇ……
そんな僕達にクーラ先生が優しげな言葉で止めを刺しに来た。
「まあそういう事。最初はどうしようかって思ったけどね。まあいくつか対処法は見つけたけど、魔力切れを誘うのが一番簡単な攻略方法だったわ。さあ、次は何を見せてくれるのかしら? 結界の展開方法を工夫するか、それとも魔力の補充方法を考えるか……ふふっ、次の対処法はその時に見せてあげるわ」
この一部始終を眺めて――いや見守っていたモリスとラーバルもまた、決着と共に肩の力を抜いた。
「そっかぁーーー。カルア君てば、うっかり自分の魔力量で設計しちゃったかあ」
「あの『身に纏う結界』は中々見事な技術でした。それだけに魔力の消費が大き過ぎた――という事ですか」
「自分の身体だけじゃなくってその服や装備品までトレースして、その通りに結界の形を変化させ続けるんだ、そりゃあバカみたいな量の魔力が必要になるよねえ。昨日はカルア君が軽々と飛び回り続けてたから僕もうっかりしてたけど、そりゃあ他の子達の魔力量じゃあ、ねえ」
そう感想を言い合うふたり。どちらも実に楽し気だ。
「しかしクーラ君は凄いねえ。その欠点をあっさりと見抜いて、しかもより魔力を使わせるようにって空中に投げ飛ばすんだから。ああそうか、打撃じゃなくて投げたってのは、打撃だと衝撃が届かなくて飛ばせないからなのか。なるほどなるほど。そして極め付けは『結界同士を衝突させて破壊した』って事だろうねえ」
「結界同士の衝突……ああ! カルア君を丸太のように振り回してたのはそういう意味でしたか!」
クーラの行動を振り返り、その一つ一つの動作を分析するにつれて驚きを更に深めていく二人。
「どこまで計算したのか。そしてどこまで知っていたのか……。空間の断面には物理攻撃も魔法攻撃も通用しない。だけど、もしそれが異なる空間同士の衝突なら……」
……はぁ、どうしようかな。
取り敢えずあの魔道具は後で改良するって事で、みんなに渡したまま解散したけど……
みんなの事を守りたい。
みんなの戦いの助けとなりたい。
その為に僕は……
「うーん、どうしよ」
その時、僕の目の前に浮かぶ一通の手紙――
あれ? デジャビュ?
◇◇◇◇◇◇
弟弟子君
話は聞かせてもらったわ。
ししょーのお店で待ってる。
◇◇◇◇◇◇
ああ、今日はミレアさんか……
それと手紙で届いたって事は……やっぱり今回もモリスさん経由?
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