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第56話 エルフ少女が世界を変えそうです #4
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「――この【加熱】【冷却】については数日内に発表する予定です」
「はあぁ、あっさりとそんな功績をねえ。もうそろそろ『発見・開発者カルア』って名前が騒がれそうだねえ。学校としては彼の情報をどうやって隠すつもりなんだい?」
「そうですね……こちらからは公式な発表をせず、欺瞞情報として『さる老齢のドワーフに弟子入りしているエルフの少女』という噂を広めようかと――」
「あっはっは、それは面白いねえ」
「くっくっくっ、『エルフの少女カルア』ってかい? そりゃあいい、あたし達もそれに乗っかろうじゃないか!」
「――それで彼の通信具の存在が発覚したのです」
「くくっ、授業中にピノの事を考えてたら発信しちまったってかい。こいつはミレアの奴に教えてやらないとねえ」
「あーーあ、ピノ君も気の毒に……」
「ああ大丈夫大丈夫。くくっ」
「――うっかり彼に『隠蔽』を見せてしまった事が、今でも気掛かりで……」
「ああ、あの子なら間違いなく何かやらかすだろうね」
「まあ間違いないだろうねえ。逆にもしこれで何もなかったら、僕はカルア君の健康状態を心配するよ?」
「彼の場合は、やらかす事が健康のバロメーターですか……」
「――そんな訳で、彼は一日にして【固定】【復元】【大回復】を習得してしまったんです」
「はぁ、【大回復】とはまた公表できない秘密が出来ちゃったねえ。それにしても時間の概念をそれ程簡単に認識させられる教え方か。想像するに体験型の方法なんだろうけど興味深いねえ。よかったら後で僕にも教えてくれるかい?」
「ええ。もちろん構いませんよ」
「ありがとう。ところでラーバル君、君気付いていないのかい? カルア君に応用魔法の【水刃】を見せた事の危険性に――」
「あああっ!!」
「――という事で、昨日『第一回カルア君対策会議』を実施したんです」
「なるほど、まあ固いメンバーを揃えたんじゃないのかい? それであいつらにはどこまで教えるつもりでいるんだい?」
「情報は必要最小限に絞るつもりです。それと今日ここで聞いた内容を伝えるつもりが無い事は言ってあります。彼らの身の安全を守る為だとキチンと説明して――」
「だったらいいさ。とは言っても、どのみちカルアがやらかして知られちまうんだろうけどね」
「――以上がカルア君の学校での様子です」
「ああ、よく分かったよ。――さてと、ここまで情報交換をしたんだ。もうあんたも『チームカルア』の一員って事でいいだろうさ。モリス、通信具を渡してやんな。どうせ用意してあるんだろう?」
「んふふふ、もっちろーん。さあラーバル君、これが君の通信具だ。ようこそ我ら『チームカルア』へ、歓迎するよ。でも情報の共有はともかくとして、学校内で起きた事は出来るだけ学校内で解決してくれよ? 学校の運営に関しては僕らは部外者なんだからさ」
「それはもちろんです。その為の『対策会議』『対策本部』『対策委員会』ですから」
「それじゃあモリス、最後にあんたのロクでも無い情報を聞こうじゃないか」
「りょーかい。これは入学2日目の夜の事なんだけど、想定外センサーがこの世の終わりみたいな物凄い反応をしてさ――」
「――魔石の圧縮、それに魔石パウダー……ですか」
「で、魔石の圧縮に関しては僕の方で研究を進めてるんだけど、今のところ10倍までは何の問題もなく安定してるね。衝撃とかによる問題もないし、このままなら近いうちに実用化も出来そうだよ。……ちなみにこれがその『10倍圧縮魔石』さ」
モリスが取り出した小さな魔石を手に取ったラーバルは思わず声を上げた。
「……重いな」
「だろう? 圧縮しても重さは変わらないからね。元はその10倍の大きさだから」
「で――性能は?」
「魔力効率は圧縮前と同等、付与出来る魔法や属性、それに充填できる魔力量も圧縮前と同等だよ」
「――つまり性能そのままで10分の1にまで小さく出来たって事かい」
「そう。そして恐らく、これくらいじゃあまだ限界じゃないだろうね」
「こいつはまたとんでもない発見をしたものだ。これも近いうちに発表するのかい?」
「ええ、『エルフ少女』の名前でね。ああ、それとこれも一緒に――」
そう言ってモリスが取り出したのは、小さなボトルに入ったクリーム状の何か。
「……これは?」
「原料はカルア君発見の魔石パウダー。それを加工してクリーム状にしたものなんだけど、……まあ一種の化粧品と言うか何と言うか」
モリスの言葉に怪訝そうな表情を浮かべるマリアベル。
「はん、化粧品だって? 一体どんな効果があるんだい?」
「パウダー状にする前にロベリー君が何やら付与したんだけど、多分『光属性』の何かと『水属性』の何かと【回復】ってところじゃないかなあ。あ、効果の方は『クリーム自体が持つ魔力と使用者本人の魔力による肌の若返り効果。塗ればたちまちぷるぷるに。魔力の多い人はより美しく、魔力が無い人もそれなりに美しく』だって」
その瞬間、モリスの手からボトルを奪い取ったマリアベルは、そのボトルを目の前に翳し驚愕の表情を浮かべた。
「なっ! なんだってぇーーーっ!! モリスっ、そりゃあ本当だろうね!? だとしたらあんた、このクリームで世界が変わるよ!?」
「……あははは、凄いな。ロベリー君の言ってた通りの反応だよ……」
▽▽▽▽▽▽
モリス 「一般用は抜いた魔石、高級品カルア君の魔石。効果の差は2倍です」
ベルベル「高級品を今すぐ10個用意しな。その前に公表すんじゃないよ!」
ラーバル「あれ? カルア君の話だったんじゃ……?」
「はあぁ、あっさりとそんな功績をねえ。もうそろそろ『発見・開発者カルア』って名前が騒がれそうだねえ。学校としては彼の情報をどうやって隠すつもりなんだい?」
「そうですね……こちらからは公式な発表をせず、欺瞞情報として『さる老齢のドワーフに弟子入りしているエルフの少女』という噂を広めようかと――」
「あっはっは、それは面白いねえ」
「くっくっくっ、『エルフの少女カルア』ってかい? そりゃあいい、あたし達もそれに乗っかろうじゃないか!」
「――それで彼の通信具の存在が発覚したのです」
「くくっ、授業中にピノの事を考えてたら発信しちまったってかい。こいつはミレアの奴に教えてやらないとねえ」
「あーーあ、ピノ君も気の毒に……」
「ああ大丈夫大丈夫。くくっ」
「――うっかり彼に『隠蔽』を見せてしまった事が、今でも気掛かりで……」
「ああ、あの子なら間違いなく何かやらかすだろうね」
「まあ間違いないだろうねえ。逆にもしこれで何もなかったら、僕はカルア君の健康状態を心配するよ?」
「彼の場合は、やらかす事が健康のバロメーターですか……」
「――そんな訳で、彼は一日にして【固定】【復元】【大回復】を習得してしまったんです」
「はぁ、【大回復】とはまた公表できない秘密が出来ちゃったねえ。それにしても時間の概念をそれ程簡単に認識させられる教え方か。想像するに体験型の方法なんだろうけど興味深いねえ。よかったら後で僕にも教えてくれるかい?」
「ええ。もちろん構いませんよ」
「ありがとう。ところでラーバル君、君気付いていないのかい? カルア君に応用魔法の【水刃】を見せた事の危険性に――」
「あああっ!!」
「――という事で、昨日『第一回カルア君対策会議』を実施したんです」
「なるほど、まあ固いメンバーを揃えたんじゃないのかい? それであいつらにはどこまで教えるつもりでいるんだい?」
「情報は必要最小限に絞るつもりです。それと今日ここで聞いた内容を伝えるつもりが無い事は言ってあります。彼らの身の安全を守る為だとキチンと説明して――」
「だったらいいさ。とは言っても、どのみちカルアがやらかして知られちまうんだろうけどね」
「――以上がカルア君の学校での様子です」
「ああ、よく分かったよ。――さてと、ここまで情報交換をしたんだ。もうあんたも『チームカルア』の一員って事でいいだろうさ。モリス、通信具を渡してやんな。どうせ用意してあるんだろう?」
「んふふふ、もっちろーん。さあラーバル君、これが君の通信具だ。ようこそ我ら『チームカルア』へ、歓迎するよ。でも情報の共有はともかくとして、学校内で起きた事は出来るだけ学校内で解決してくれよ? 学校の運営に関しては僕らは部外者なんだからさ」
「それはもちろんです。その為の『対策会議』『対策本部』『対策委員会』ですから」
「それじゃあモリス、最後にあんたのロクでも無い情報を聞こうじゃないか」
「りょーかい。これは入学2日目の夜の事なんだけど、想定外センサーがこの世の終わりみたいな物凄い反応をしてさ――」
「――魔石の圧縮、それに魔石パウダー……ですか」
「で、魔石の圧縮に関しては僕の方で研究を進めてるんだけど、今のところ10倍までは何の問題もなく安定してるね。衝撃とかによる問題もないし、このままなら近いうちに実用化も出来そうだよ。……ちなみにこれがその『10倍圧縮魔石』さ」
モリスが取り出した小さな魔石を手に取ったラーバルは思わず声を上げた。
「……重いな」
「だろう? 圧縮しても重さは変わらないからね。元はその10倍の大きさだから」
「で――性能は?」
「魔力効率は圧縮前と同等、付与出来る魔法や属性、それに充填できる魔力量も圧縮前と同等だよ」
「――つまり性能そのままで10分の1にまで小さく出来たって事かい」
「そう。そして恐らく、これくらいじゃあまだ限界じゃないだろうね」
「こいつはまたとんでもない発見をしたものだ。これも近いうちに発表するのかい?」
「ええ、『エルフ少女』の名前でね。ああ、それとこれも一緒に――」
そう言ってモリスが取り出したのは、小さなボトルに入ったクリーム状の何か。
「……これは?」
「原料はカルア君発見の魔石パウダー。それを加工してクリーム状にしたものなんだけど、……まあ一種の化粧品と言うか何と言うか」
モリスの言葉に怪訝そうな表情を浮かべるマリアベル。
「はん、化粧品だって? 一体どんな効果があるんだい?」
「パウダー状にする前にロベリー君が何やら付与したんだけど、多分『光属性』の何かと『水属性』の何かと【回復】ってところじゃないかなあ。あ、効果の方は『クリーム自体が持つ魔力と使用者本人の魔力による肌の若返り効果。塗ればたちまちぷるぷるに。魔力の多い人はより美しく、魔力が無い人もそれなりに美しく』だって」
その瞬間、モリスの手からボトルを奪い取ったマリアベルは、そのボトルを目の前に翳し驚愕の表情を浮かべた。
「なっ! なんだってぇーーーっ!! モリスっ、そりゃあ本当だろうね!? だとしたらあんた、このクリームで世界が変わるよ!?」
「……あははは、凄いな。ロベリー君の言ってた通りの反応だよ……」
▽▽▽▽▽▽
モリス 「一般用は抜いた魔石、高級品カルア君の魔石。効果の差は2倍です」
ベルベル「高級品を今すぐ10個用意しな。その前に公表すんじゃないよ!」
ラーバル「あれ? カルア君の話だったんじゃ……?」
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