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26、氷の聖女は幸せな夢を見る
しおりを挟むルナスside.
ランプライトに戻ると戦いは既に終わっていた。どうやら参加した者が言うには攻めてきたのはシルフィード公爵家だけだったらしい。
だからダリア達が落としたダルマスカ帝国製の魔導具を見つめつい呟いてしまったのだ。
「裏切られたってことかしらね? こんな高価な物をくれたのに……」
するとマリーン様があたしの持つ魔導具を指差し言ってきたのである。
「それを持っていた者達が向かった方向を思いだすといい」
「あっ、じゃあ……」
「うむ。きっとダルマスカ帝国の者達と接触したのだろうな」
「だったらダルマスカ帝国側の国境警備を強化させておかないと」
「それならオルデール王国の腰巾着をしてた第一騎士団を送ってやったらどうかしら。ランプライトも安泰だし」
エリスの言葉にあたしは顔を向ける。しかし父上は肩をすくめた。
「残念ながら連中は貴族と共にオルデール王国に逃げていったよ。もちろん丸裸に近い状態だったが」
「じゃあ冒険者ギルドの地下室に放り込んでるジークハルト達はどうすんのよ?」
「貴族全員に抗議文を書いた手紙を持たせたからすぐに使者が来るはずだ。そいつらに二度とこっちに関わらないと誓約書を書かせてから持って帰ってもらう」
「そうなるとジークハルトは王太子としては終了かあ」
「それにオルデール王国もだ。氷の聖女にした事は絶対に許される事じゃないからな」
父上が眉間に皺を寄せるとマリーン様も頷いた。
「今回はネイルズ共和国から強い抗議文を出させるつもりだ。それに聖リナレウス教国からもな。モルデンに言っておいてやろう」
「ありがとうございますマリーン様。そうなると後はセシル達か……あの場所で本当に良かったのか?」
「当たり前じゃない。だってあそこがセシルの帰る場所なんだから」
あたしが旧ハーツブルク邸がある方角を見ながらそう答えると父上は納得した表情を浮かべる。
「そうだったな。なら、心配する必要はないか」
「うん。だから心配しないで少しだけ眠ってもらおうよ」
そう言うと皆、黙って頷く。そして目を閉じ祈り出したのだ。もちろん、あたしはもうそんなことはするつもりはない。
だってそうだろう。セシル達はあんなに幸せそうに眠っているのだから。
だからあたしはそんなセシル達が待つ家へと大きく一歩足を踏み出すのだった。
ジークハルトside.
目を覚ますとオルデール王国の離宮のベッドの上だった。しかも起きた際すぐにバーンに言われてしまったのだ。
「昨日、第一王女殿下が王太子に正式になられ、それと同時にジークハルト様は一生離宮の奥での生活が決定されました」
だから状況を理解した私はバーンを睨んだのである。ただ、バーンは肩をすくめる。
「どうとらえてもらっても構いませんよ。ただ、言わせてもらえば貴方は王太子としては相応しくありませんでした」
「だが、私以外ではこの腐った国を維持するのはできないぞ」
「構いませんよ。我々は家族を連れこの国を出ますから」
「なるほど、そういうことか。だが少し良識があるだけのお前達が外で生きていけるとは思わないがな」
するとバーンは苦笑しながら頷いてきた。
「かもしれませんね。でもオルデール王国にいるよりはましでしょう?」
「……確かにそうだな。それならネイルズ共和国に行くといい。あそこならお前達でもやっていけるだろうからな」
「どういう風の吹き回しで?」
「今までの苦労に対する労いだ。最後に私がしてやれる」
バーンは少し驚いた顔を向けてくる。ただ、すぐに我にかえると咳払いし背を向けた。
「……では戻ります。ああ、部屋のものは全てここに置いておきましたので」
私はそう言われ小綺麗だが小さな部屋を見回す。すぐに近くにあった小さな額縁に入った絵を掴んだ。
「バーン、私の婚約者は誰だったか覚えてるか?」
バーンは立ち止まり振り向く。
「貴方にはもう婚約者はいませんが……でしたよ」
「すまないがもう一度婚約者の名前を言ってくれ」
「ええと……です」
「わかった。もういい」
そう言うと私は視線を落とした。何が描かれているかわからない小さな絵に。認識できないのだ。
いや違う。彼女の顔も名も思い出せない。それに姿も……
思い出そうとしても頭の中にもやがかかってしまうのだ。深く愛していた事実だけを残しながら。
なぜなんだ⁉︎
思わず頭を掻きむしっていると突然、頭の中に声が響く。
(今後一生存在を知ることはない。お前はあの娘を散々傷付けたんだからな)
「傷付けただと……」
そう呟いた後、彼女を何度も言葉で傷付けている自分が脳内に映ったのだ。私は顔を歪める。
「だから、もう傷付けないよう知る事ができないと……」
すると正解だとばかりに脳内に今度は彼女のいない花が舞い散る花園が映ったのだ。
私は思わず目を瞑り項垂れた。理解したからだ。彼女との一番大事な思い出。始まりのあの美しい光景さえ記憶から消えてしまったことに。
だからその後は絶望感に襲われながら生きて行くしかなかったのである。
クレインside.
罪人として鉱山送りになった後、僕は毎日誰とも関わることなく一心不乱に採掘作業を行っていた。
少しでも忘れたいからだ。僕に起こったことを。
なのに今日も鉱山労働者達の話し声が聞こえ現実に引き戻されてしまったのだ。
「なあ、あんたはオルデール王国から来たんだよな。最近、あの国はどうなんだ?」
「数年前から内乱で滅茶苦茶だよ。まあ、貴族連中が苦しんでるんだから俺としてはざまあみろって感じでもあるんだがな」
「ははっ。そのうちお貴族様もここに入ってくるかもな。そういえば、その国の第一王子だった奴が病死したらしいな」
「ああ、離宮に幽閉されてたが一年ももたなかったらしい。全く、お偉いさんの体は弱いからな。知ってるか? 第一王子は勇者パーティーにいたが聖女……様の力で強くなってただけらしい。それなのに勇者を抜いた連中で聖女……様を殺してしまったんだからな。全く罰当たりだよ」
「でも、勇者パーティーは全員オルデール王国の連中だったんだろう? それなら罰がしっかりと降ったんじゃないか。聖リナレウス様はきちんと見ていたって事だな」
「ふん。その罰でオルデール王国は滅茶苦茶だぞ」
「なんだ? お前煽りを喰らっちまった口か?」
「俺はオルデール王国の酒場で喧嘩して相手をやり過ぎちまったんだよ」
「お前……そりゃ関係ねえだろう!」
「だな!」
「ぎゃははははっ」
仕事もせずに彼らは馬鹿笑いをする。ただ、僕の耳にはその笑い声が遠くから聞こえるように感じた。ジークハルト様が亡くなったことを知ってショックを受けたからだ。
まあ、少しは羨ましいとも思ってしまったが。だってジークハルト様はあの地獄から解放されたのだから。
彼女の存在しない世界から。
僕はふと自分の手に持つつるはしを見つめた。まあ、すぐに頭に浮かんだ考えを追払い再び仕事をすることにしたが。
だって僕はもう罪を償うと決めたからだ。
今度こそ絶対に。
その思い込めてつるはしを振り下ろす。ただ、岩に当たる寸前止めた。坑道を支える鉄柱を叩く音と監督官の声が坑道内を響き渡ったからだ。
「お前ら喜べ! 先ほど各国で魔王を討伐したこの日は聖女の日と決定になった。だから、今日だけは祝い酒が何処でも出る事になる。つまりここでも出るって事だ!」
「うおおーー!」
すぐに坑道内に歓喜の声が響き渡る。もちろん僕もだ。何せ思い出したからだ。彼女を。
「聖女セシル様!」
すると頭の中で声が響いてきたのだ。
(やり方は間違っていたが、お前はあの娘を助けようとしていた。だから今日という日だけは思い出させてやろう)
僕はすぐさま地面に頭を擦り付けた。言葉にならない声を発しながら。
そして涙を流しながら必死に思い出したのだ。旅した日の彼女の姿を。あの花園の光景を。
クレインはその後、真面目に鉱山労働者として働き聖女の日には涙を流しながら祈りを捧げた。
そして、ある日落盤事故に遭い死んだのである。穏やかな顔を浮かべながら。
ダリアside.
あの後、私は国境付近でダルマスカ帝国軍と戦った。
ちなみにそれ以降の記憶ははっきりとしていない。気づくと魔物が蔓延り廃墟となったダルマスカ帝国の王都を意味もなく彷徨い歩いていたからだ。
こいつらと一緒に。
私は視線を隣に向ける。
「ググルッ!」
「ギギイィッ!」
「ガアアアッ!」
側には同じ様に萎れて真っ黒い影の様になった存在がいてときおり何か叫んでいる。もちろん何を言っているかわからないので無視だ。
いや、違う。常に苦しみと絶望感に支配されているため話す気にならないのだ。
もちろん話せる状態だとしてもあんな気持ち悪いものに話しかける気はないが。自分のことは棚に上げながらそう思っていると物陰から冒険者が突然飛び出してきた。
「おい討伐対象がいたぞ。しかし何度も復活するって面倒な魔物だな」
「このダルマスカって元王都を百年間彷徨っているんだろう?」
「ああ、聖女殺しをしたシルフィード一家だ」
「あれ、聖女って生きてたんじゃなかった?」
「そこんところは有耶無耶みたいだが死んだってのが濃厚な説なんだよ。てか、そろそろやるぞ!」
「あいよ」
冒険者は聖水を取り出し武器にかけると私達に向かってくる。もちろん私は戦う気はないのになぜか勝手に体が冒険者を攻撃してしまったのだ。
や、やめてよ!
私は必死に叫ぶが口から出た声は言葉になっていなかった。
「ヴァアアアアッ!」
「ちっ、気持ち悪い声だな」
そう吐き捨てる様に言うと冒険者は剣を振りかざし私の体を真っ二つに切り裂いた。もちろん痛みがきて私は叫んでしまう。心の中でも。
酷いわよ! なんでこんなことを⁉︎
すると突然記憶が溢れだし私達が聖女を殺したから代わりに浄化作業をしているのを思い出してしまったのだ。
もちろん理不尽だと私は心の中で叫ぶ。だって永遠に浄化作業をしろと言われたから。
でも……
消滅していく負の力でできた体から私の魂が抜け出し地面に溶ける様に沈んでいく。その瞬間期待してしまったのだ。もしかしたらこの永遠に続く地獄から解放されるのではと。
しかし、すぐに黒い煙の様な塊が現れ私の魂に絡んで巻きついてくると再び別の記憶を思いだしてしまったのだ。復活して繰り返すという記憶を。
い、嫌よ! もう死なせてえーー!
しかし私の魂の叫びなんて気にする様子もなくどんどん黒い煙の塊、負の力が集まっていき体を作り上げていく。
「ちっ、ゴミが!」「役立たずめ!」「汚らしいわねえ」など数えきれない声が聞こえながら。
更には最後に必ず私の声も。
「その顔、最高よ」
そして再び廃墟となったダルマスカ帝国の王都に記憶を無くした状態で現れると私は意味もなく彷徨い歩くのだった。
心の底から自らの過ちに気づき懺悔するまで……
ルナスside.
ランプライトであった件から二週間後、聖リナレウス教国、ネイルズ共和国、ランプライト共同で聖女の本来の役割が発表された。
ちなみにその際にオルデール王国がした事は話には出なかった。なぜかというとオルデール王国がしたことを皆が既に知っていたからだ。しかも隣の大陸まで。
なので全ての国から交流を絶たれたオルデール王国はほどなくして孤立。更には内乱までおきているしまつらしい。
まあ、それでもダルマスカ帝国よりはまだましかもしれないが。何せ一年経った現在は魔物が蔓延る魔都として冒険者の稼ぎ場になっているから。理由はもちろん言わずとも知れず。
なので他国の警戒をすることがなくなったランプライトは前より平和になっていたのだ。
◇
あたしは日課の広間に置かれた氷の中で眠り続ける二人に声をかける。
「セシルとカシム。今日もランプライトはいつも通りよ」
それから側にいるエリスとマリアに顔を向けた。今日もダンジョンにでも行こうかと声をかけるために。
まあ、すぐに扉の方に視線を向けたが。アインが慌てた様子で駆け込んできたからだ。ただ、いつもと違う様子に眉を顰めたが。
「どうしたのよ?」
「教会でお告げがあった」
「お告げね? まさかまた魔王が現れたとか……」
「違う。今日は魔王を討伐した日だから皆で祈りを捧げて聖女に感謝しろって」
「はっ、今更なんでそんな……」
思わずそう呟くと突然頭の中に声が響いてきたのだ。
(ふん、皆の声が届けば起きるかもしれんだろう。さっさとやれ)
「あっ⁉︎」
「えっ?」
「今、声が……」
「したな……」
あたし達は顔を見合わせる。しかし、すぐに頷くとセシル達に向かって祈りを捧げたのだ。この声は聖リナレウスのものだったからもしかしたらと思ったからだ。
そしてそのもしかしては当たった。氷の中で眠るセシルの口元が緩んだから。
「セシル!」
あたしは必死に祈る。するともう一度口元が緩んだのだ。今度ははっきりと。
「今笑ったわよね?」
隣で氷に顔を押し付けているエリスがそう聞いてくる。あたしは力強く頷いた。
「絶対笑ったよ。今までこんな事なかった」
「じゃあ、もしかして……」
エリスの嬉しそうな表情にマリアは何度も頷く。
「かもしれないわ! ねえ、兄さん!」
「ああ、くそ! こうなったら俺は町の皆に声をかけまくってくるぜ!」
「なら、私もいくわ!」
「二人共頼むよ! きっと皆の声が届けばセシルとカシムは起きるから!」
あたしの言葉に二人はガッツポーズをして走り去っていく。
その後ろ姿を頼もしげに見ているとエリスが肩を叩いてきた。
「ねえ、セシルさんが起きたら最初になんて声をかけようか?」
「そうねえ……。まあ、今は言わないかな」
「えーー、なんでよ」
エリスは不満顔で睨んできたが、あたしは口角を上げるだけにした。
だってセシルが起きたら直接言うからだ。
お寝坊さんおはようって。
あたしはそう心に決めながら今も少しだけ目元が動いたセシルに微笑むのだった。
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