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幕間3:明治村近傍
幕間3-2:明治村近傍/初戦
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エイトの旦那が広場の芝生公園の行き当たりに場所をとる。そして〝来賓〟が来るのを待つ。
インセクトドローンのもたらす視界の中、二人の男が歩いてくる。そしてそれを捉えるのはエイトの旦那の役目だ。
芝生広場の片隅でエイトの親父は仁王立ちになり睨みつけていた。頭部のガトリングヘッドが予備回転を始める。
いよいよだ。こっちから仕掛ける。エイトの旦那はよく通る低い声でしっかりと告げたのだ。
「一回しか言わねえぞ」
それは独特の抑揚をもって辺りに響いた。
「俺に勝て」
それは真剣勝負。場数を踏んだ本物の男だけが仕掛けることを許されるガチの戦いだった。
予備回転したガトリングヘッドがさらに回転をあげたようだ。
「負けたら――」
――キュゥイイイイン――
「――死ぬぞ」
その言葉はトリガーだった。回転するガトリング銃身がさらに勢いを上げる。そして赤いマズルフラッシュと伴いながら赤熱化した粒子ビームをばらまいたのだ。
そしてすかさずエイトから指示が飛ぶ。
「追え」
「おう」
やることはわかってる。余計な言葉は必要ない。
逃げ出したあの連中を俺の〝蜂〟が追う。今のところ気づいてないらしい。
芝生広場をスルーしシアトル協会の前を抜ける。そのまま走り続け、ハワイ移民集会所の脇を過ぎ、橋を渡れば、その先に〝宇治山田郵便局舎〟
そこで奴らの動きは鳴りを潜めた。物陰へと隠れたのだろう。
「どうだ?」
「なかなかいきがいいな。動きが早いしフットワークもいい。物陰に隠れたようで――、っと見つけた! エイト」
「なんだ」
「当たってるぜ一発、肩口を貫通してる」
「応急処置か」
「見事だ。手早いもんだぜ」
「そうか、次の動きを逃すなよ?」
「OK、任せろ」
そして再びターゲットの二人が動き出した。
郵便局裏から芝居小屋へと抜ける道のその道すがらだった。
「いたいた。このまま5丁目の方に――」
俺が確認の声をあげようとしたその時だ。奴らもまた強力な牙を持っていたのだ。
――バチイッ!!!――
凄まじい電磁ノイズが迸る。
高周波の電磁パルス。電子回路を狂わせる強力なジャミング攻撃。
「がああぁっ!」
俺は思わず悲鳴を上げた。インセクトドローンたちは精密なコントロールをするために俺の中枢部分にダイレクトにリンクしている。そのため――
「畜生! やりやがったなあいつら!」
――こういう事が起きると俺の頭脳に焼けるような痛みが走るのだ。
「どうした?」
エイトは奴らを追って歩き始めていた。
「蜂どもがやられた。電磁パルスだ。小型メカを焼く強力なやつだ」
「何でそんなの持ってんだ、やつら?」
「多分どっちかが、その手の技術を持ってんだろう。本格的な技術を持ったインテリ崩れだ」
その言葉にエイトがつぶやく。
「なるほどそいつは面白いな。ひとつ加点だな」
エイトが笑いながら言っている。勘弁してくれよ。蜂一匹だって安くねえんだぜ?
「ちくしょう逃げられた。続きの蜂をばらまく。すこし待ってくれ」
とは言え俺が身を切りながら敵策を行っていることをエイトはちゃんと分かっていた。
「無理すんなよ? 長丁場だからな。集中力切れるほど消耗するなよ」
「大丈夫わかってるよ」
そんなやり取りを交わしながら俺は。第二陣の蜂たちを放った。そしてエイトがつぶやいた。
「なかなか楽しませてくれる連中だな。これは期待できるぜ」
ゲームはこれからが佳境なのだから。
インセクトドローンのもたらす視界の中、二人の男が歩いてくる。そしてそれを捉えるのはエイトの旦那の役目だ。
芝生広場の片隅でエイトの親父は仁王立ちになり睨みつけていた。頭部のガトリングヘッドが予備回転を始める。
いよいよだ。こっちから仕掛ける。エイトの旦那はよく通る低い声でしっかりと告げたのだ。
「一回しか言わねえぞ」
それは独特の抑揚をもって辺りに響いた。
「俺に勝て」
それは真剣勝負。場数を踏んだ本物の男だけが仕掛けることを許されるガチの戦いだった。
予備回転したガトリングヘッドがさらに回転をあげたようだ。
「負けたら――」
――キュゥイイイイン――
「――死ぬぞ」
その言葉はトリガーだった。回転するガトリング銃身がさらに勢いを上げる。そして赤いマズルフラッシュと伴いながら赤熱化した粒子ビームをばらまいたのだ。
そしてすかさずエイトから指示が飛ぶ。
「追え」
「おう」
やることはわかってる。余計な言葉は必要ない。
逃げ出したあの連中を俺の〝蜂〟が追う。今のところ気づいてないらしい。
芝生広場をスルーしシアトル協会の前を抜ける。そのまま走り続け、ハワイ移民集会所の脇を過ぎ、橋を渡れば、その先に〝宇治山田郵便局舎〟
そこで奴らの動きは鳴りを潜めた。物陰へと隠れたのだろう。
「どうだ?」
「なかなかいきがいいな。動きが早いしフットワークもいい。物陰に隠れたようで――、っと見つけた! エイト」
「なんだ」
「当たってるぜ一発、肩口を貫通してる」
「応急処置か」
「見事だ。手早いもんだぜ」
「そうか、次の動きを逃すなよ?」
「OK、任せろ」
そして再びターゲットの二人が動き出した。
郵便局裏から芝居小屋へと抜ける道のその道すがらだった。
「いたいた。このまま5丁目の方に――」
俺が確認の声をあげようとしたその時だ。奴らもまた強力な牙を持っていたのだ。
――バチイッ!!!――
凄まじい電磁ノイズが迸る。
高周波の電磁パルス。電子回路を狂わせる強力なジャミング攻撃。
「がああぁっ!」
俺は思わず悲鳴を上げた。インセクトドローンたちは精密なコントロールをするために俺の中枢部分にダイレクトにリンクしている。そのため――
「畜生! やりやがったなあいつら!」
――こういう事が起きると俺の頭脳に焼けるような痛みが走るのだ。
「どうした?」
エイトは奴らを追って歩き始めていた。
「蜂どもがやられた。電磁パルスだ。小型メカを焼く強力なやつだ」
「何でそんなの持ってんだ、やつら?」
「多分どっちかが、その手の技術を持ってんだろう。本格的な技術を持ったインテリ崩れだ」
その言葉にエイトがつぶやく。
「なるほどそいつは面白いな。ひとつ加点だな」
エイトが笑いながら言っている。勘弁してくれよ。蜂一匹だって安くねえんだぜ?
「ちくしょう逃げられた。続きの蜂をばらまく。すこし待ってくれ」
とは言え俺が身を切りながら敵策を行っていることをエイトはちゃんと分かっていた。
「無理すんなよ? 長丁場だからな。集中力切れるほど消耗するなよ」
「大丈夫わかってるよ」
そんなやり取りを交わしながら俺は。第二陣の蜂たちを放った。そしてエイトがつぶやいた。
「なかなか楽しませてくれる連中だな。これは期待できるぜ」
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