僕の彼女はヒーローなんです

テル

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1番

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 僕の名前は相浦 和輝あいうら かずき。どこにでもいる普通の高校生1年生。勉強も運動もこれといって得意なわけではないが苦手なわけでもない。順位付けされるものならいつも中間。1位にはならないがビリにもならない。
 そんな僕が唯一1番になれるものがあった。それは……。
「それじゃ出席を取る。えーっと1番は……相浦 和輝!」
「はい!」
 そう、出席番号である。五十音順に並ぶ出席番号において「あ」「い」「う」が並ぶ僕の名前はまさに無敵。小学校、中学校1番以外の番号になったことは一度もなかった。
「次は……愛川 雪乃あいかわ ゆきの!」
「はい」
 僕は名前を呼ばれた女子生徒の方を見ていた。
 愛川 雪乃、僕と同じで「あ」と「い」で始まりさらに次に来る「か」もあ行の次に強い。恐らく中学までは出席番号1番の座を保持し続けていたに違いない。
「でもここでは僕が1番だ」
 小さい声でそう呟いた僕の声が聴こえたのだろうか。彼女が一瞬こちらを見たような気がして僕は慌てて目線を逸した。

 出席番号でこそ僕は彼女に勝っていた。けれどそれ以外の全てにおいて彼女は僕に勝っていた。成績優秀で運動神経も抜群。おまけに可愛いときている。才色兼備とはまさしく彼女のことだろう。
 当然彼女はクラスの人気者、それに比べて僕は教室の隅がお似合いの日陰者……俗に言うぼっちだ。
 そんな彼女と僕に接点なんてあるわけもなく、特に何も起きないままこの学校に入学してから数ヶ月が過ぎていた。
 
「なあ和輝。今日帰り駅前のゲーセン行かね?」
「ああいいよ」
 こいつは橋本 翔太はしもと しょうた。小学校からの同級生にして僕の数少ない友人の1人。
「なんか新作のレースゲーム入ってるらしいのよ」
「へー、じゃあ勝負して負けた方がハンバーガー奢りってのはどう?」
「その話乗った!」
 いつもの調子で駅前のゲームセンターへと向かう僕達。まさかあんなことが起きるとは知らずに……。
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