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ミュータント
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結論から言おう。僕達は強盗事件に巻き込まれた。
ゲームセンターに向かう前に所持金を確認した僕は、そのあまりの少なさを嘆くと共に翔太に駅前の銀行に寄ることを提案、銀行に着いた僕は翔太を外で待たせその間にATMでお金を下ろしていた。
それが今からおよそ30分前のこと。現在の僕は両腕を縄で縛られ他の客達と共に建物の隅に座り込んでいる。
「妙な動きをしたやつは容赦なくぶっ殺す」
そう語るのはこの事件の犯人。その手には銃はおろか刃物も持っていない。
ではどうやって犯人はこの強盗事件を起こしたのか。それを説明するにはまずこの世界に起きたある異変についてを語らなければならない。
今から遡ること数十年前、世界各地に隕石が降り注いだ。歴史の教科書によるとそれらは不思議な光を放っており、現在もあらゆる機関が研究しているらしい。日本にもいくつか落下しており、その中の1つは都内にある博物館で見ることが出来る。
その隕石が落ちてから数年後、これまた大きなニュースが世間を騒がすことになる。それは、人間を越えた人間、ミュータントの出現である。
国内で初めて確認されたミュータントの女性は、念動力で小学生くらいの子供を宙に浮かすことが出来たらしい。現在では国内で数万人のミュータントが確認されている。
なぜ僕がそんなことに詳しいのか。別に歴史の勉強をしたからではない。ただ中学時代の僕はミュータントに憧れていたのだ。ある日突然手から炎が出たり空を飛べたり、あるいは体に電気を帯びたり動物に変身したり、そんな厨二な妄想に浸っていた時期が僕にもあったのだ。
さて、目の前の犯人についての話に戻そう。恐らくこの犯人の能力はメタモルフォーゼと呼ばれるもの。その腕は肥大化し、表面は爬虫類のような鱗に覆われ爪は刃物のように鋭い。そんな物を向けられれば何の能力も持たない人間は従うしかない。
「警察を呼びやがったか」
遠くから聞こえるパトカーのサイレン、けれど犯人はそれに動じる様子はない。それだけ自分の力に自信があるのだろうか。
「まあいい。こっちには人質が居るんだ」
平日だけあって客も相当な数がいた。警察もおいそれと突入することは出来ないだろう。
「なんでこんな目に……」
数十分前の自分をぶん殴ってでも止めたい気分だった。犯人のミュータントはバッグに大量の現金を詰めている。隙をついて逃げれないだろうか、等と色々考えてはみるもののそれを行動に移す勇気僕にはなかった。
気がつくと警察と犯人の交渉が始まっていた。犯人は逃走用の車を要求している。応じなければ人質を1人ずつ殺すと叫んでいるのが聞こえた。
異変に気づいたのはそんな時だった。空気がやけに冷たい。誰かが空調を弄ったわけはないだろうし、今は夏だ。吐く吐息も白くなり、状況は明らかに変わり始めていた。
「なんだ、急に寒く……」
周囲の異変に気づき立ち上がろうとした犯人が自分の体に起きた出来事を理解するのにあまり時間はかからなかった。その足元は氷つき床に張り付いて離れなかったのだ。
「く、くそったれ!まさかこいつは!」
「そう! そのまさかよ!」
その瞬間犯人の周囲を囲むように巨大な氷の壁が現れた。それと共に窓から何者かが飛び込んできた。
「あ、あれは! フリーズガールだ!」
誰かがそう叫んだ。
「私が来たからにはもう大丈夫よ」
深夜アニメに出てきそうな魔法少女がそこに居た。
ゲームセンターに向かう前に所持金を確認した僕は、そのあまりの少なさを嘆くと共に翔太に駅前の銀行に寄ることを提案、銀行に着いた僕は翔太を外で待たせその間にATMでお金を下ろしていた。
それが今からおよそ30分前のこと。現在の僕は両腕を縄で縛られ他の客達と共に建物の隅に座り込んでいる。
「妙な動きをしたやつは容赦なくぶっ殺す」
そう語るのはこの事件の犯人。その手には銃はおろか刃物も持っていない。
ではどうやって犯人はこの強盗事件を起こしたのか。それを説明するにはまずこの世界に起きたある異変についてを語らなければならない。
今から遡ること数十年前、世界各地に隕石が降り注いだ。歴史の教科書によるとそれらは不思議な光を放っており、現在もあらゆる機関が研究しているらしい。日本にもいくつか落下しており、その中の1つは都内にある博物館で見ることが出来る。
その隕石が落ちてから数年後、これまた大きなニュースが世間を騒がすことになる。それは、人間を越えた人間、ミュータントの出現である。
国内で初めて確認されたミュータントの女性は、念動力で小学生くらいの子供を宙に浮かすことが出来たらしい。現在では国内で数万人のミュータントが確認されている。
なぜ僕がそんなことに詳しいのか。別に歴史の勉強をしたからではない。ただ中学時代の僕はミュータントに憧れていたのだ。ある日突然手から炎が出たり空を飛べたり、あるいは体に電気を帯びたり動物に変身したり、そんな厨二な妄想に浸っていた時期が僕にもあったのだ。
さて、目の前の犯人についての話に戻そう。恐らくこの犯人の能力はメタモルフォーゼと呼ばれるもの。その腕は肥大化し、表面は爬虫類のような鱗に覆われ爪は刃物のように鋭い。そんな物を向けられれば何の能力も持たない人間は従うしかない。
「警察を呼びやがったか」
遠くから聞こえるパトカーのサイレン、けれど犯人はそれに動じる様子はない。それだけ自分の力に自信があるのだろうか。
「まあいい。こっちには人質が居るんだ」
平日だけあって客も相当な数がいた。警察もおいそれと突入することは出来ないだろう。
「なんでこんな目に……」
数十分前の自分をぶん殴ってでも止めたい気分だった。犯人のミュータントはバッグに大量の現金を詰めている。隙をついて逃げれないだろうか、等と色々考えてはみるもののそれを行動に移す勇気僕にはなかった。
気がつくと警察と犯人の交渉が始まっていた。犯人は逃走用の車を要求している。応じなければ人質を1人ずつ殺すと叫んでいるのが聞こえた。
異変に気づいたのはそんな時だった。空気がやけに冷たい。誰かが空調を弄ったわけはないだろうし、今は夏だ。吐く吐息も白くなり、状況は明らかに変わり始めていた。
「なんだ、急に寒く……」
周囲の異変に気づき立ち上がろうとした犯人が自分の体に起きた出来事を理解するのにあまり時間はかからなかった。その足元は氷つき床に張り付いて離れなかったのだ。
「く、くそったれ!まさかこいつは!」
「そう! そのまさかよ!」
その瞬間犯人の周囲を囲むように巨大な氷の壁が現れた。それと共に窓から何者かが飛び込んできた。
「あ、あれは! フリーズガールだ!」
誰かがそう叫んだ。
「私が来たからにはもう大丈夫よ」
深夜アニメに出てきそうな魔法少女がそこに居た。
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