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訓練施設ラストホープ
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翌日僕は雪乃に指定された場所に来ていた。
「ここって……スポーツジム?」
「表向きはね。付いて来て」
雪乃に導かれるまま僕達はビルの奥へと向かった。
「これってスタッフ用のエレベーターじゃないの?」
「うん。普通のお客さんはまず使わないでしょ」
言葉の意味は理解出来なかったが僕は誘われるままエレベーターに乗り込んだ。
「ヒーロー名フリーズガール」
雪乃は一言そういうとエレベーターのパネルに顔を近づけた。
『網膜スキャン、声紋認証完了。ようこそフリーズガール』
機械的な声がエレベーター内に響くと行き先のボタンを押していないにも関わらずエレベーターは地下へと動きだした。
「これ……どうなってるの?」
「表向きは会員制スポーツジム、けど地下には別の施設があるのよ。ヒーロー専用の訓練施設がね」
何分経っただろうか。かなり深い場所まで来たのは間違いなかったが階数の表示はされていなかった。
「長いね……」
「様々な能力のヒーロー達が自由に能力を使える場だからかなりの広さが必要なのよ。だからこんな地下深くになったみたいね」
「そうなんだ。というかそんな場所に僕が来ていいの?」
「いいのよ。和輝は私のサポーターなんだから」
「サポーター?」
その言葉の意味を聞く前にエレベーターは目的地へと到着した。
「ようこそ。ヒーロー訓練施設ラストホープへ」
「ラストホープ?」
「最後の希望って意味」
「そんな大げさな」
中はとても広く訓練施設というよりはまるで実験施設のようだった。
「ここでは能力をテストして色んなデーターが取ることも出来るのよ」
「データ?」
「そう。例えば火を操る能力ならどのくらいの温度まで上げられるのかとか、体を硬化させる能力ならどの程度の耐久力を持っているのかとか、全部数値化してくれるの」
「す、凄いね。想像してたよりずっと凄い所に来ちゃったみたいだ」
施設の奥へと歩いていると白衣を着た男性が僕らに声をかけてきた。
「やあフリーズガール。君が誰かと来るなんて珍しいね。その子は……ヒーロー志望の子かい?」
「ううん違うの。彼は私のサポーターで」
「相浦 和輝です。よろしくお願いします」
「ご丁寧にどうも。私はここの職員の水鳥 翔吾だ。気軽に水鳥博士と呼んでくれ。私はその呼び名を気に入っている」
「は、はぁ。分かりました」
水鳥博士と名乗るその男はどこか楽しそうだった。
「それにしても一匹狼の君がまさかサポーターを連れてくるなんてね。どういう心境の変化だい?」
「べ、別に博士には関係ないでしょ」
「おや、少し顔が赤いんじゃないかい?」
「そ、そんなことあるわけないでしょ!」
僕はこんなに慌てる雪乃の顔を初めて見た。対照的に博士はとても楽しそうだ。
「和輝君。彼女のことをしっかり支えてあげてくれたまえ」
「は、はい!」
雪乃の投げる氷の玉を避けながら博士は走り去っていった。
「もう……ほんとなんなのあの人」
「面白い人だったね」
「面白くない!」
怒った顔もまた可愛い、なんて言ったら殴られるだろうか。
そんなことを考えながら進むと雪乃は金属製の扉の前で立ち止まった。
「ここが目的地?」
「そう。ここで私の必殺技を作るの。さあ行きましょ和輝」
僕は覚悟を決めた。平凡な日常はもう帰って来ない、けれど彼女を支えてみせると。
「ここって……スポーツジム?」
「表向きはね。付いて来て」
雪乃に導かれるまま僕達はビルの奥へと向かった。
「これってスタッフ用のエレベーターじゃないの?」
「うん。普通のお客さんはまず使わないでしょ」
言葉の意味は理解出来なかったが僕は誘われるままエレベーターに乗り込んだ。
「ヒーロー名フリーズガール」
雪乃は一言そういうとエレベーターのパネルに顔を近づけた。
『網膜スキャン、声紋認証完了。ようこそフリーズガール』
機械的な声がエレベーター内に響くと行き先のボタンを押していないにも関わらずエレベーターは地下へと動きだした。
「これ……どうなってるの?」
「表向きは会員制スポーツジム、けど地下には別の施設があるのよ。ヒーロー専用の訓練施設がね」
何分経っただろうか。かなり深い場所まで来たのは間違いなかったが階数の表示はされていなかった。
「長いね……」
「様々な能力のヒーロー達が自由に能力を使える場だからかなりの広さが必要なのよ。だからこんな地下深くになったみたいね」
「そうなんだ。というかそんな場所に僕が来ていいの?」
「いいのよ。和輝は私のサポーターなんだから」
「サポーター?」
その言葉の意味を聞く前にエレベーターは目的地へと到着した。
「ようこそ。ヒーロー訓練施設ラストホープへ」
「ラストホープ?」
「最後の希望って意味」
「そんな大げさな」
中はとても広く訓練施設というよりはまるで実験施設のようだった。
「ここでは能力をテストして色んなデーターが取ることも出来るのよ」
「データ?」
「そう。例えば火を操る能力ならどのくらいの温度まで上げられるのかとか、体を硬化させる能力ならどの程度の耐久力を持っているのかとか、全部数値化してくれるの」
「す、凄いね。想像してたよりずっと凄い所に来ちゃったみたいだ」
施設の奥へと歩いていると白衣を着た男性が僕らに声をかけてきた。
「やあフリーズガール。君が誰かと来るなんて珍しいね。その子は……ヒーロー志望の子かい?」
「ううん違うの。彼は私のサポーターで」
「相浦 和輝です。よろしくお願いします」
「ご丁寧にどうも。私はここの職員の水鳥 翔吾だ。気軽に水鳥博士と呼んでくれ。私はその呼び名を気に入っている」
「は、はぁ。分かりました」
水鳥博士と名乗るその男はどこか楽しそうだった。
「それにしても一匹狼の君がまさかサポーターを連れてくるなんてね。どういう心境の変化だい?」
「べ、別に博士には関係ないでしょ」
「おや、少し顔が赤いんじゃないかい?」
「そ、そんなことあるわけないでしょ!」
僕はこんなに慌てる雪乃の顔を初めて見た。対照的に博士はとても楽しそうだ。
「和輝君。彼女のことをしっかり支えてあげてくれたまえ」
「は、はい!」
雪乃の投げる氷の玉を避けながら博士は走り去っていった。
「もう……ほんとなんなのあの人」
「面白い人だったね」
「面白くない!」
怒った顔もまた可愛い、なんて言ったら殴られるだろうか。
そんなことを考えながら進むと雪乃は金属製の扉の前で立ち止まった。
「ここが目的地?」
「そう。ここで私の必殺技を作るの。さあ行きましょ和輝」
僕は覚悟を決めた。平凡な日常はもう帰って来ない、けれど彼女を支えてみせると。
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