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第三部 うしなわれた宝玉
序章
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雲のない西の空に夕焼けのなごりがうっすら残る時間帯。黄昏とも言われる時間になって、ようやく顔を上げる。
夢中になって書類をかたづけていたためか、室内が闇に閉ざされようとしていることにも気づかなかったことにレイヴァンはおどろく。
今日は、夜会が開かれる日であるから早々に仕事を終えようと考えていたのに予定通りに進まない。特に今日は、大切な日であるのに、うまくことが運ばないから苛立っていた。
マリアの誕生日である今夜、開かれる舞踏会は貴族達に「女性である」と公表し、正式に「王位継承者」とする式典がおこなわれる。こんなめでたい日に一番の臣下である自分が遅れるわけにいかないとレイヴァンは思ったのだ。けれども、準備をしなくてはならない時間はとうに過ぎた。あと一刻もすれば、夜会が開かれてしまう。
「ああ、まずい」
つぶやいて騎士として甲冑をまとい帯剣する。着慣れぬ正騎士長としての漆黒のマントをまとい羽根飾り帽子をかぶった。マントの胸元に国王からいただいた軍事勲章をつけて、鏡の前に立った。
見慣れない自分の姿にとまどいが消えないまま、正騎士長となって新しく与えられていた部屋をあとにした。
正騎士だったときよりも、マリアの部屋が近い。嬉しいが、レイヴァンにとってはおちつかないことがある。正騎士と同様に個人に部屋を割り当てられているのはかわらないが、今までの部屋よりもうんと広く、豪華なかざりがたくさん施されていることだ。ベッドひとつとっても、赤と金の天蓋カーテンがついているし、壁には真っ赤な壁紙が張り巡らされ、床は天井にぶらさがったシャンデリアを反射するほどうつくしい。
離宮から王城へと戻ってきて部屋に割り当てられたときもそうだが、もどるたびに自分には身に余ると感じてしまうのだ。
「おやおや、いかがなさいました? 正騎士長殿」
おどけた口調で声をかけてきたのは、正装に身を包んだソロモンである。口元には意味ありげな笑みが浮かんでいる。
「どうもしない」
つめたく返したが気にもとめていないらしく、ソロモンはレイヴァンの肩に腕を乗せた。
「そうには見えませんでしたぞ。無意識ですか、ふかぁい溜息が零れてましたぞ?」
聞いておどろく。溜息をこぼしたつもりなど、本当になかったからだ。
「正騎士長という任はそれほど重いのですか。それとも姫様と婚姻を結びたいという話を、陛下にいうことができなかったからですか」
一理あった。国王が倒れていらい、レイヴァンは仕事が増えて「望み」を口にする機会がなかったのだから。
「いや……」
逡巡していると、ライトブルーのドレスをまとった少女がこちらの姿をみつけて駆けてきた。
「レイヴァン!」
ずいぶんと伸びた薄い金の髪をなびかせて、青い金剛石の瞳をうれしげに細め、明るい声を響かせていた。驚きの声に変わってまだ慣れないヒールに足をもつれさせ、顔面が床とぶつかろうかというとき。レイヴァンが躰を支え、ことなきを得た。
「大丈夫ですか、マリア様」
「ありがとう、レイヴァン」
少女――マリアは、照れた表情で笑い礼をいった。すると、ピナフォアを振り乱しながらビアンカが駆け寄ってきた。
「姫様、大丈夫ですか。だから、走らないよう申しましたのに」
すっかりメイドが板に付いたビアンカに、マリアは「ごめん」とレイヴァンから離れる。背後でソロモンが咳払いした。
「姫様、自重してくださいね。それにしても、ビアンカはずいぶんと見違えましたね」
数日前にマリアが女性だと知らせたとき、まったく動揺を見せなかったのだ。
「とんでもございません。わたしなんて、まだまだです」
「謙遜しなくてもよろしいですよ、事実ですから」
わざとらしくビアンカにいい、マリアとレイヴァンを見て深い息を吐いた。
「本当に進歩がない」
「おい」
レイヴァンがことさら低い声を出すと、ソロモンは肩をすくめて話をそらした。
「夜会の会場へ向かいましょう」
公爵であるソロモンに手を引かれながらマリアは、会場へつくとすでに名前も知らぬ貴族達が上品な声をひびかせていた。いくつもある机上には、豪勢な食事が置かれ、給仕が軽妙な動きで貴族に葡萄酒や三変酒(シャンパン)といったお酒を運んだり注いだりしている。
はじめて出席する夜会にマリアが会場を見回していると、壇上にいた国王オーガストが声を張った。
「いま、会場にファーレンハイト公爵にエスコートされて来ましたのがわたしの娘、クリストファー……否、マリア・アイドクレーズです」
国王がソロモンをラストネームで呼び、マリアを本来の名に訂正して言えば、貴族達が言葉をかわしあう。どのような言葉であるか、マリアには聞こえぬがどうも居心地の悪さを感じ、ソロモンにエスコートされながらうつむいていれば、ソロモンが出来るだけ柔らかく微笑んでくれた。
「あなたは堂々としていればよろしいのですよ、お姫様」
かわらないソロモンの声にマリアが顔を上げて笑みを零したとき、わかい女性の黄色い声があがる。どうやら、ソロモンに向けられた声らしく貴族の二十代前半頃の息女が頬をあからめ、うっとりと胸の前で手を組んでいた。
「あれがファーレンハイト公爵? わかくして家を継いだと聞いていたけれど、本当にお若くて薔薇のように品のある笑顔を浮かべられるのね」
「ファーレンハイト公爵もいいけれど、後ろに控えているエーヴァルト卿もいいですわ。あのわかさで王族に次ぐ正騎士長であらせられるのですもの」
ひそひそと話す声がマリアの耳にとどいた。ふたりは、貴族達から好感触であるらしい。自分のことをひとつも言われないのは、すこしほっとするけれど、ふたりの側にいるのがいたたまれず逃げ出してしまいたい感情にかられてしまう。
「姫君」
耳元でソロモンにささやかれ、うつむいていたのだと気づく。ごめんと紡がれようとした唇が、ソロモンの言葉によってかたまってしまった。
「いけませんよ、姫君。そのようにうつむいては、せっかくのかわいい顔が台無しです」
甲高い声がいっそう、つよく会場にひびいた。けれど、マリアは困惑してしまいそんな声も耳に入っていなかった。むろん、後ろでレイヴァンが不機嫌そうにしていたことなど知るよしもない。
玉座の前まで来ると、ソロモンは優雅にマリアから離れ後ろで跪く。国王は、玉座から降りるとマリアが女性であることを告げ、いままで男だと言ってきたことを謝罪した。形の上だけでも貴族達は納得を示して拍手が会場を満たす。やがて、音が止むとマリアを正当な王位継承者として認めることを宣言し、臣下に“あるもの”を持ってくるよう命じた。
少し経って、臣下がもどってきたが、臣下は冷や汗を浮かべて国王に耳打ちする。臣下の言葉を聞いていくうちに、国王はあおざめていった。
「なんだって」
国王はしばし悩んで、マリアに壇上へあがらせた。玉座のとなりにある椅子に座る。レイヴァンとソロモンはいぶかしげな表情をうかべたまま、マリアの後ろに控える。貴族達も、おちつかないのか。さわがしい。
「皆、申し訳ない。正当王位継承の儀はここで終わらせてもらう。どうやら神官殿が急遽、こられなくなったらしい」
貴族達の声がやんだ。マリアが小首を傾げていると、後ろでソロモンがつぶやいた。
「神官が来れないのは、おかしい」
「ソロモン、わかってて言ってるだろう。理由は別のところにある」
神官は城に来ているらしい。朝には、あいさつに行ったそうだ。
「ならば、もうひとつ可能性があるとするならば……」
レイヴァンとソロモンの会話に耳を側立てている間に、赤いカーペットの上を貴族達が我先にとあいさつをしていた。娘しかいない貴族はさっさとあいさつすれば去ってしまうが、息子を持つ親たちはアピールすることに必死だ。息子自身は、最低限の礼儀をわきまえていたり、嫌そうな表情を浮かべていたりと様々であるが……。
溜息を吐けばレイヴァンが「陛下、姫様はおつかれのようです。すこし休まれませんか」と進言してくれた。深く感謝しつつ、マリアはふたりに促されるまま会場をあとにした。
「ありがとう、ふたりとも」
月のかおりがただよう中庭が近い廊下へ出て、マリアは気の抜けた笑みを浮かべて二人に告げた。けれど、ふたりの双眸はけわしげに揺れる。
「マリア様、少しお時間いただいてもよろしいですか」
うなづくと漆黒のマントがゆれて、マリアを横抱きにした。
「申し訳ございません、その靴では歩きづらいのではと」
「かまわないよ」
レイヴァンはちいさく微笑むだけにとどめ、夜の気配が満ちた廊下を駆けていった。
しばらくして古い扉の前へ来た。兵士が槍を持って立っている。黒い騎士レイヴァンの顔だけで、すんなりと中へ入れた。はじめての部屋にマリアはやや戸惑ったが、降ろされてなれないヒールの靴で床の上に立つ。硝子ケースの中にあるものを覗き込んだ。薄暗い部屋の中で、天井にあるステンドグラスを通し射し込む月の光を反射して銀の鎖がかがやく。元は首飾りであったのだろうが、引きちぎられて無残な姿へと変貌していた。
「これはいったい……」
つぶやいたマリアの後ろで、ソロモンが眉間に皺を寄せる。
「これは正当なる王位継承者に贈られるものです。即位するまで身につけなくてはいけないもののはずですが」
こうなっては、身につけることもできない。となりにいるレイヴァンも無言でうなづく。これでは、儀式を執り行うこともできないであろう。むしろ、この状態で儀式を執り行えば沽券に関わる。
「どうやら、姫様を継承者と認めたくない者がこの城の中にいるようです」
ソロモンは顎をさすりながら黙り込む。いくつか、はかりごとをめぐらせているのだろう。レイヴァンも表情は晴れないままであるが「会場へ戻りましょう」とマリアの手を取る
廊下へと出るとソロモンは考えたいと、部屋へ戻ってしまった。もとより夜会に出ることも嫌であった様子なので、もう戻りもしないだろう。
「マリア様、中庭へ出ませんか」
レイヴァンの申し出を受け入れた。正直、夜会に戻るのはつらい。
手を引かれるまま中庭へ出ると、冷たい風が頬を撫でる。身震いすれば漆黒のマントが肩にかけられた。
「着ていて下さい」
かすれた声で「ありがとう」とマリアはかえし、レイヴァンを向き直る。
「レイヴァンは、どう思う?」
「そうですね、マリア様が即位するのをよく思わない者がいるのでしょう」
城に出入りする人である可能性が高い。マリアは凜然とした瞳で、くちびるをひらいた。
「確執があるのだろうか」
青い瞳がゆらいだ。彼女の心には、不安が募っていることだろう。不安を包み込むように黒い瞳が細められた。
「そうかもしれません。けれど、ないかもしれません。俺は、あなたが心配することなど何もないなどとは申しません」
黒い騎士の体がゆれて、片膝が地面に付いた。
「どうか、あなたが思うままに」
さきほどとは打って変わって、低い位置にいるレイヴァンの顔を見つめた。蒼穹の瞳に光が産まれて笑顔をこぼした。
「まだ何一つかえせないけれど、わたしの臣下でいてくれてありがとう」
マリアは“王子の表情”にかわる。
「わたしは、何も知らぬままの阿呆でいたくはない。力を貸してくれるだろうか」
「あなたの仰せのままに」
かしづくレイヴァンが頭を低く下げる。闇の中で静寂をやぶる洋琵琶(リュート)の音が風にながれてくる。視線を向ければ、いままでなりを潜めていたギルが月明かりの元へ出てきた。
「おや、正騎士長様はお姫様と逢い引き中ですか」
あいかわらずの軽口をすべらせるギルにマリアが反対しようとしたとき。
「そうだ、だから邪魔をしないでもらおうか」
何を言い出すのかと思って、まじまじと騎士を見つめる。騎士は真剣そのもので冗談でかえしている様子ではなかった。ギルがややひるんで、軽口でかえす気にもなれず肩をすくめた。
「お姫様は、そんなつもりではなかったようですぞ」
「それはいけない」
レイヴァンがマリアの肩をつかむ。口角が上がり、瞳がいやらしくきらめいた。
「あなたにはもっと“自覚”をしていただかなくては」
目の前にいるのはレイヴァンであるはずなのに、どこか恐怖を覚えうろたえる。先ほどまで、黒い瞳にはやさしい光が宿っていたというのに、今は武器を持ち戦うときの瞳と同じで冷たい光を宿している。彼自身は気づいていないのだろうが、戦いとなると彼の瞳はひどく凍えて見える。瞳の色も彼自身も何一つ変わっていないのに、淡々と戦場を見つめる目は、どこかおそろしい。
「な、なにを……」
“姫”である自覚が足りないのだろうか。レイヴァンの瞳があやしくきらめいた。
「むろん、女性であるという自覚ですよ」
日に焼けた無骨な手が頬にふれ、輪郭をなぞる。体をふるわせて、目をとじたマリアの首筋に舌を這わせた。あでやかな声が桜色の唇から漏れれば、レイヴァンはにやりとした。
「そんな声で俺を誘惑して、いけないお姫様ですね」
「違う!」
ささやかれた言葉にすかさず否定したけれども、レイヴァンの手が下へ下へと滑っていく。ドレスの上から腰をなでられ、魅惑的な声をあげてしまう。マリア自身も逆上せていくのを実感する。
「おひめさま?」
レイヴァンがあわててマリアから離れると、フィーネが中庭へ出ていた。此度の夜会には出ていないから、服装がいつものワンピースだ。
「フィーネ、どうかしたの?」
フィーネのうしろからレジーとジュリアもあらわれた。どうやら、マリアをさがしていたらしい。
「そろそろ、夜会に戻って欲しいって陛下が」
マリアはつかれた笑みをうかべてうなづく。正直、夜会に戻るのは気が重いのだ。
「マリア、つかれてる?」
レジーには嘘が通らないから、マリアは素直にうなづいた。
「実はね、夜会に出たことがないから疲れてしまって」
それに継承者の証である首飾りが砕けていたことのほうが、気になっていたのだ。
「それでしたら、陛下に申して姫様を休ませてもらうよういいましょうか」
「いや、主役であるわたしが抜けては意味がないだろう。大丈夫だよ」
レイヴァンは騎士らしくマリアの手を取ると、夜会の会場へと戻っていった。
黒いマントをレイヴァンにかえして会場の扉をくぐると、ゆるやかな宮廷音楽がとまっていた。
「なんだと、おぬし、なんと言った?」
「ああ、何度でも言ってやるさ。お前は、領地の者から王によって決めらた税の倍を徴収しているそうじゃないか」
闇色のヒゲをたくわえた悪人面の貴族がいった。するとさけんでいたやせた貴族は、こぶしを握り締めて感情を押し殺しながら口をひらく。
「いいえ、陛下。わたくしは、そのようなこと、行ってはおりませぬ」
血走った瞳を向けられれば、王が辟易しながらも「まあまあ、おちついて」と二人の間に入ってなだめる。
「陛下、いったいいかがなさったのですか」
ひとつ溜息をついてから、レイヴァンが王に低い声をかけた。
「おお、マリアにレイヴァン。二人とも、戻っていたのか」
小声でベルク公爵閣下がロイス侯爵が不正を行っていると、言い出したと教えてくれた。どうやら、黒いヒゲの男がベルク公爵でやせた男がロイス侯爵らしい。
「レイヴァン、二人をとめてもらえないだろうか」
貴族同士のいさかいに介入するのは、どうも嫌なのか。レイヴァンは微妙な顔をする。王族に次ぐ地位である正騎士長であるため、貴族に口出ししても問題のない身分であるが、気が乗らないのだろう。ひとつ、息を吐き出して口を開いたとき。
「お二人とも、いかがなさいましたか」
場に似つかわしくない柔らかい声がひびく。うすい緑色のドレスを纏ったディアナがあらわれたのだ。二人に笑顔を向ければ、萎縮して頭を下げる。
「これはこれは、ディアナ閣下。お見苦しいところをお目にかけてしまい、申し訳ございませんでした」
うったえを起こしたベルク公爵が我先にとあやまった。表情には、あせりが浮かんでいる。
「まさか、あなた様がいらっしゃるとは思わず」
「あら、私がいなかったら何をするおつもりだったの?」
微笑みを浮かべているのに、腹の底まで見透かすような瞳にみすえられベルク公爵は冷や汗を浮かべる。
「い、いいえ、何もいたしません」
「なら、良いのだけれど」
青い瞳がするどく光る。すぐにいつも暖かな眼差しへと変わって「さ、夜会を続けましょう」と声をかければ、会場にいる音楽団が音を奏で始めた。
「姫様、夜会は楽しんでおりますか」
ディアナの視線がマリアに変わった。呆然としつつ「ええ」とうなづけば、儚げな笑みを浮かべる。
「ディアナ、助かった。一時はどうなることかと」
「お兄様、あなたがしっかりしなくては駄目ではないですか」
ディアナに返す言葉もないようで、王はうなだれてしまう。
「此度は姫様が正式に王位継承者となった宴です。楽しまなくてはいけませんわ。そうだ。せっかくですから、だれかと踊りませんか」
今まで男として生きてきた上、“姫”としての教育はまったく受けてこなかったマリアである。とうぜん、踊り方など知るはずがない。ダンスの腕よりも、剣の腕の方があきらかにまさっている。
「いや、わたしはかまわない。皆で楽しんでもらえれば」
いつの間にかディアナの後ろにいたリカルダが「何をおっしゃっていますの」と声をあげた。
「一回は踊らないと、失礼に当たります」
リカルダもフィーネも自分が運営している孤児院であずかるから会いにくくなる。姫様の踊っている姿を見せてあげてくださいと、ディアナも賛成を示した。
「しかし、わたしは踊ったことがないし」
ちいさくなるマリアに、無骨な手がすっと差し出される。
「よろしければ、わたくしのお相手を願えますか。姫様」
頭を垂れているのは、レイヴァンであった。たしかに、レイヴァン相手であれば気を遣わなくても良い。その手をとった。
黒い騎士に手を引かれ、会場の中央へと滑り出る。いささか、緊張したがレイヴァンに任せるままに動いていれば、なんとなく踊れている気がした。
しかし、ダンスを終わってリカルダの元へもどれば「なんという踊り方をしているのですか」と声をあびせられたのはいうまでもない。
夢中になって書類をかたづけていたためか、室内が闇に閉ざされようとしていることにも気づかなかったことにレイヴァンはおどろく。
今日は、夜会が開かれる日であるから早々に仕事を終えようと考えていたのに予定通りに進まない。特に今日は、大切な日であるのに、うまくことが運ばないから苛立っていた。
マリアの誕生日である今夜、開かれる舞踏会は貴族達に「女性である」と公表し、正式に「王位継承者」とする式典がおこなわれる。こんなめでたい日に一番の臣下である自分が遅れるわけにいかないとレイヴァンは思ったのだ。けれども、準備をしなくてはならない時間はとうに過ぎた。あと一刻もすれば、夜会が開かれてしまう。
「ああ、まずい」
つぶやいて騎士として甲冑をまとい帯剣する。着慣れぬ正騎士長としての漆黒のマントをまとい羽根飾り帽子をかぶった。マントの胸元に国王からいただいた軍事勲章をつけて、鏡の前に立った。
見慣れない自分の姿にとまどいが消えないまま、正騎士長となって新しく与えられていた部屋をあとにした。
正騎士だったときよりも、マリアの部屋が近い。嬉しいが、レイヴァンにとってはおちつかないことがある。正騎士と同様に個人に部屋を割り当てられているのはかわらないが、今までの部屋よりもうんと広く、豪華なかざりがたくさん施されていることだ。ベッドひとつとっても、赤と金の天蓋カーテンがついているし、壁には真っ赤な壁紙が張り巡らされ、床は天井にぶらさがったシャンデリアを反射するほどうつくしい。
離宮から王城へと戻ってきて部屋に割り当てられたときもそうだが、もどるたびに自分には身に余ると感じてしまうのだ。
「おやおや、いかがなさいました? 正騎士長殿」
おどけた口調で声をかけてきたのは、正装に身を包んだソロモンである。口元には意味ありげな笑みが浮かんでいる。
「どうもしない」
つめたく返したが気にもとめていないらしく、ソロモンはレイヴァンの肩に腕を乗せた。
「そうには見えませんでしたぞ。無意識ですか、ふかぁい溜息が零れてましたぞ?」
聞いておどろく。溜息をこぼしたつもりなど、本当になかったからだ。
「正騎士長という任はそれほど重いのですか。それとも姫様と婚姻を結びたいという話を、陛下にいうことができなかったからですか」
一理あった。国王が倒れていらい、レイヴァンは仕事が増えて「望み」を口にする機会がなかったのだから。
「いや……」
逡巡していると、ライトブルーのドレスをまとった少女がこちらの姿をみつけて駆けてきた。
「レイヴァン!」
ずいぶんと伸びた薄い金の髪をなびかせて、青い金剛石の瞳をうれしげに細め、明るい声を響かせていた。驚きの声に変わってまだ慣れないヒールに足をもつれさせ、顔面が床とぶつかろうかというとき。レイヴァンが躰を支え、ことなきを得た。
「大丈夫ですか、マリア様」
「ありがとう、レイヴァン」
少女――マリアは、照れた表情で笑い礼をいった。すると、ピナフォアを振り乱しながらビアンカが駆け寄ってきた。
「姫様、大丈夫ですか。だから、走らないよう申しましたのに」
すっかりメイドが板に付いたビアンカに、マリアは「ごめん」とレイヴァンから離れる。背後でソロモンが咳払いした。
「姫様、自重してくださいね。それにしても、ビアンカはずいぶんと見違えましたね」
数日前にマリアが女性だと知らせたとき、まったく動揺を見せなかったのだ。
「とんでもございません。わたしなんて、まだまだです」
「謙遜しなくてもよろしいですよ、事実ですから」
わざとらしくビアンカにいい、マリアとレイヴァンを見て深い息を吐いた。
「本当に進歩がない」
「おい」
レイヴァンがことさら低い声を出すと、ソロモンは肩をすくめて話をそらした。
「夜会の会場へ向かいましょう」
公爵であるソロモンに手を引かれながらマリアは、会場へつくとすでに名前も知らぬ貴族達が上品な声をひびかせていた。いくつもある机上には、豪勢な食事が置かれ、給仕が軽妙な動きで貴族に葡萄酒や三変酒(シャンパン)といったお酒を運んだり注いだりしている。
はじめて出席する夜会にマリアが会場を見回していると、壇上にいた国王オーガストが声を張った。
「いま、会場にファーレンハイト公爵にエスコートされて来ましたのがわたしの娘、クリストファー……否、マリア・アイドクレーズです」
国王がソロモンをラストネームで呼び、マリアを本来の名に訂正して言えば、貴族達が言葉をかわしあう。どのような言葉であるか、マリアには聞こえぬがどうも居心地の悪さを感じ、ソロモンにエスコートされながらうつむいていれば、ソロモンが出来るだけ柔らかく微笑んでくれた。
「あなたは堂々としていればよろしいのですよ、お姫様」
かわらないソロモンの声にマリアが顔を上げて笑みを零したとき、わかい女性の黄色い声があがる。どうやら、ソロモンに向けられた声らしく貴族の二十代前半頃の息女が頬をあからめ、うっとりと胸の前で手を組んでいた。
「あれがファーレンハイト公爵? わかくして家を継いだと聞いていたけれど、本当にお若くて薔薇のように品のある笑顔を浮かべられるのね」
「ファーレンハイト公爵もいいけれど、後ろに控えているエーヴァルト卿もいいですわ。あのわかさで王族に次ぐ正騎士長であらせられるのですもの」
ひそひそと話す声がマリアの耳にとどいた。ふたりは、貴族達から好感触であるらしい。自分のことをひとつも言われないのは、すこしほっとするけれど、ふたりの側にいるのがいたたまれず逃げ出してしまいたい感情にかられてしまう。
「姫君」
耳元でソロモンにささやかれ、うつむいていたのだと気づく。ごめんと紡がれようとした唇が、ソロモンの言葉によってかたまってしまった。
「いけませんよ、姫君。そのようにうつむいては、せっかくのかわいい顔が台無しです」
甲高い声がいっそう、つよく会場にひびいた。けれど、マリアは困惑してしまいそんな声も耳に入っていなかった。むろん、後ろでレイヴァンが不機嫌そうにしていたことなど知るよしもない。
玉座の前まで来ると、ソロモンは優雅にマリアから離れ後ろで跪く。国王は、玉座から降りるとマリアが女性であることを告げ、いままで男だと言ってきたことを謝罪した。形の上だけでも貴族達は納得を示して拍手が会場を満たす。やがて、音が止むとマリアを正当な王位継承者として認めることを宣言し、臣下に“あるもの”を持ってくるよう命じた。
少し経って、臣下がもどってきたが、臣下は冷や汗を浮かべて国王に耳打ちする。臣下の言葉を聞いていくうちに、国王はあおざめていった。
「なんだって」
国王はしばし悩んで、マリアに壇上へあがらせた。玉座のとなりにある椅子に座る。レイヴァンとソロモンはいぶかしげな表情をうかべたまま、マリアの後ろに控える。貴族達も、おちつかないのか。さわがしい。
「皆、申し訳ない。正当王位継承の儀はここで終わらせてもらう。どうやら神官殿が急遽、こられなくなったらしい」
貴族達の声がやんだ。マリアが小首を傾げていると、後ろでソロモンがつぶやいた。
「神官が来れないのは、おかしい」
「ソロモン、わかってて言ってるだろう。理由は別のところにある」
神官は城に来ているらしい。朝には、あいさつに行ったそうだ。
「ならば、もうひとつ可能性があるとするならば……」
レイヴァンとソロモンの会話に耳を側立てている間に、赤いカーペットの上を貴族達が我先にとあいさつをしていた。娘しかいない貴族はさっさとあいさつすれば去ってしまうが、息子を持つ親たちはアピールすることに必死だ。息子自身は、最低限の礼儀をわきまえていたり、嫌そうな表情を浮かべていたりと様々であるが……。
溜息を吐けばレイヴァンが「陛下、姫様はおつかれのようです。すこし休まれませんか」と進言してくれた。深く感謝しつつ、マリアはふたりに促されるまま会場をあとにした。
「ありがとう、ふたりとも」
月のかおりがただよう中庭が近い廊下へ出て、マリアは気の抜けた笑みを浮かべて二人に告げた。けれど、ふたりの双眸はけわしげに揺れる。
「マリア様、少しお時間いただいてもよろしいですか」
うなづくと漆黒のマントがゆれて、マリアを横抱きにした。
「申し訳ございません、その靴では歩きづらいのではと」
「かまわないよ」
レイヴァンはちいさく微笑むだけにとどめ、夜の気配が満ちた廊下を駆けていった。
しばらくして古い扉の前へ来た。兵士が槍を持って立っている。黒い騎士レイヴァンの顔だけで、すんなりと中へ入れた。はじめての部屋にマリアはやや戸惑ったが、降ろされてなれないヒールの靴で床の上に立つ。硝子ケースの中にあるものを覗き込んだ。薄暗い部屋の中で、天井にあるステンドグラスを通し射し込む月の光を反射して銀の鎖がかがやく。元は首飾りであったのだろうが、引きちぎられて無残な姿へと変貌していた。
「これはいったい……」
つぶやいたマリアの後ろで、ソロモンが眉間に皺を寄せる。
「これは正当なる王位継承者に贈られるものです。即位するまで身につけなくてはいけないもののはずですが」
こうなっては、身につけることもできない。となりにいるレイヴァンも無言でうなづく。これでは、儀式を執り行うこともできないであろう。むしろ、この状態で儀式を執り行えば沽券に関わる。
「どうやら、姫様を継承者と認めたくない者がこの城の中にいるようです」
ソロモンは顎をさすりながら黙り込む。いくつか、はかりごとをめぐらせているのだろう。レイヴァンも表情は晴れないままであるが「会場へ戻りましょう」とマリアの手を取る
廊下へと出るとソロモンは考えたいと、部屋へ戻ってしまった。もとより夜会に出ることも嫌であった様子なので、もう戻りもしないだろう。
「マリア様、中庭へ出ませんか」
レイヴァンの申し出を受け入れた。正直、夜会に戻るのはつらい。
手を引かれるまま中庭へ出ると、冷たい風が頬を撫でる。身震いすれば漆黒のマントが肩にかけられた。
「着ていて下さい」
かすれた声で「ありがとう」とマリアはかえし、レイヴァンを向き直る。
「レイヴァンは、どう思う?」
「そうですね、マリア様が即位するのをよく思わない者がいるのでしょう」
城に出入りする人である可能性が高い。マリアは凜然とした瞳で、くちびるをひらいた。
「確執があるのだろうか」
青い瞳がゆらいだ。彼女の心には、不安が募っていることだろう。不安を包み込むように黒い瞳が細められた。
「そうかもしれません。けれど、ないかもしれません。俺は、あなたが心配することなど何もないなどとは申しません」
黒い騎士の体がゆれて、片膝が地面に付いた。
「どうか、あなたが思うままに」
さきほどとは打って変わって、低い位置にいるレイヴァンの顔を見つめた。蒼穹の瞳に光が産まれて笑顔をこぼした。
「まだ何一つかえせないけれど、わたしの臣下でいてくれてありがとう」
マリアは“王子の表情”にかわる。
「わたしは、何も知らぬままの阿呆でいたくはない。力を貸してくれるだろうか」
「あなたの仰せのままに」
かしづくレイヴァンが頭を低く下げる。闇の中で静寂をやぶる洋琵琶(リュート)の音が風にながれてくる。視線を向ければ、いままでなりを潜めていたギルが月明かりの元へ出てきた。
「おや、正騎士長様はお姫様と逢い引き中ですか」
あいかわらずの軽口をすべらせるギルにマリアが反対しようとしたとき。
「そうだ、だから邪魔をしないでもらおうか」
何を言い出すのかと思って、まじまじと騎士を見つめる。騎士は真剣そのもので冗談でかえしている様子ではなかった。ギルがややひるんで、軽口でかえす気にもなれず肩をすくめた。
「お姫様は、そんなつもりではなかったようですぞ」
「それはいけない」
レイヴァンがマリアの肩をつかむ。口角が上がり、瞳がいやらしくきらめいた。
「あなたにはもっと“自覚”をしていただかなくては」
目の前にいるのはレイヴァンであるはずなのに、どこか恐怖を覚えうろたえる。先ほどまで、黒い瞳にはやさしい光が宿っていたというのに、今は武器を持ち戦うときの瞳と同じで冷たい光を宿している。彼自身は気づいていないのだろうが、戦いとなると彼の瞳はひどく凍えて見える。瞳の色も彼自身も何一つ変わっていないのに、淡々と戦場を見つめる目は、どこかおそろしい。
「な、なにを……」
“姫”である自覚が足りないのだろうか。レイヴァンの瞳があやしくきらめいた。
「むろん、女性であるという自覚ですよ」
日に焼けた無骨な手が頬にふれ、輪郭をなぞる。体をふるわせて、目をとじたマリアの首筋に舌を這わせた。あでやかな声が桜色の唇から漏れれば、レイヴァンはにやりとした。
「そんな声で俺を誘惑して、いけないお姫様ですね」
「違う!」
ささやかれた言葉にすかさず否定したけれども、レイヴァンの手が下へ下へと滑っていく。ドレスの上から腰をなでられ、魅惑的な声をあげてしまう。マリア自身も逆上せていくのを実感する。
「おひめさま?」
レイヴァンがあわててマリアから離れると、フィーネが中庭へ出ていた。此度の夜会には出ていないから、服装がいつものワンピースだ。
「フィーネ、どうかしたの?」
フィーネのうしろからレジーとジュリアもあらわれた。どうやら、マリアをさがしていたらしい。
「そろそろ、夜会に戻って欲しいって陛下が」
マリアはつかれた笑みをうかべてうなづく。正直、夜会に戻るのは気が重いのだ。
「マリア、つかれてる?」
レジーには嘘が通らないから、マリアは素直にうなづいた。
「実はね、夜会に出たことがないから疲れてしまって」
それに継承者の証である首飾りが砕けていたことのほうが、気になっていたのだ。
「それでしたら、陛下に申して姫様を休ませてもらうよういいましょうか」
「いや、主役であるわたしが抜けては意味がないだろう。大丈夫だよ」
レイヴァンは騎士らしくマリアの手を取ると、夜会の会場へと戻っていった。
黒いマントをレイヴァンにかえして会場の扉をくぐると、ゆるやかな宮廷音楽がとまっていた。
「なんだと、おぬし、なんと言った?」
「ああ、何度でも言ってやるさ。お前は、領地の者から王によって決めらた税の倍を徴収しているそうじゃないか」
闇色のヒゲをたくわえた悪人面の貴族がいった。するとさけんでいたやせた貴族は、こぶしを握り締めて感情を押し殺しながら口をひらく。
「いいえ、陛下。わたくしは、そのようなこと、行ってはおりませぬ」
血走った瞳を向けられれば、王が辟易しながらも「まあまあ、おちついて」と二人の間に入ってなだめる。
「陛下、いったいいかがなさったのですか」
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「おお、マリアにレイヴァン。二人とも、戻っていたのか」
小声でベルク公爵閣下がロイス侯爵が不正を行っていると、言い出したと教えてくれた。どうやら、黒いヒゲの男がベルク公爵でやせた男がロイス侯爵らしい。
「レイヴァン、二人をとめてもらえないだろうか」
貴族同士のいさかいに介入するのは、どうも嫌なのか。レイヴァンは微妙な顔をする。王族に次ぐ地位である正騎士長であるため、貴族に口出ししても問題のない身分であるが、気が乗らないのだろう。ひとつ、息を吐き出して口を開いたとき。
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「これはこれは、ディアナ閣下。お見苦しいところをお目にかけてしまい、申し訳ございませんでした」
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「まさか、あなた様がいらっしゃるとは思わず」
「あら、私がいなかったら何をするおつもりだったの?」
微笑みを浮かべているのに、腹の底まで見透かすような瞳にみすえられベルク公爵は冷や汗を浮かべる。
「い、いいえ、何もいたしません」
「なら、良いのだけれど」
青い瞳がするどく光る。すぐにいつも暖かな眼差しへと変わって「さ、夜会を続けましょう」と声をかければ、会場にいる音楽団が音を奏で始めた。
「姫様、夜会は楽しんでおりますか」
ディアナの視線がマリアに変わった。呆然としつつ「ええ」とうなづけば、儚げな笑みを浮かべる。
「ディアナ、助かった。一時はどうなることかと」
「お兄様、あなたがしっかりしなくては駄目ではないですか」
ディアナに返す言葉もないようで、王はうなだれてしまう。
「此度は姫様が正式に王位継承者となった宴です。楽しまなくてはいけませんわ。そうだ。せっかくですから、だれかと踊りませんか」
今まで男として生きてきた上、“姫”としての教育はまったく受けてこなかったマリアである。とうぜん、踊り方など知るはずがない。ダンスの腕よりも、剣の腕の方があきらかにまさっている。
「いや、わたしはかまわない。皆で楽しんでもらえれば」
いつの間にかディアナの後ろにいたリカルダが「何をおっしゃっていますの」と声をあげた。
「一回は踊らないと、失礼に当たります」
リカルダもフィーネも自分が運営している孤児院であずかるから会いにくくなる。姫様の踊っている姿を見せてあげてくださいと、ディアナも賛成を示した。
「しかし、わたしは踊ったことがないし」
ちいさくなるマリアに、無骨な手がすっと差し出される。
「よろしければ、わたくしのお相手を願えますか。姫様」
頭を垂れているのは、レイヴァンであった。たしかに、レイヴァン相手であれば気を遣わなくても良い。その手をとった。
黒い騎士に手を引かれ、会場の中央へと滑り出る。いささか、緊張したがレイヴァンに任せるままに動いていれば、なんとなく踊れている気がした。
しかし、ダンスを終わってリカルダの元へもどれば「なんという踊り方をしているのですか」と声をあびせられたのはいうまでもない。
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