マントラアクターズ

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第十三話 バグ称号とステータス

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「お前ら地球の人間を呼び出したのは私だ。地球の神とは元々仲が良くてな。あいつの提案でできたマントラというゲームは私の世界にイメージを直結して遊ぶものだったのだ。その地球の神と神の酒場で飲んでいた時に、近頃隕石が降ってきて人が沢山死んでしまうと嘆いておってな。その死んだもののうちマントラと言うゲームに、言うなればこの世界によく馴染んだ者達はこっちの世界に呼び寄せた。」

なるほど。マントラがこの世界とよく似ているのは理解出来た。
しかし直結という割には変わっているところもあるが、そのあたりはゲームとの違いということだろうか。

「ふむ。それでは、あなた様によって私たちは死からすくい上げられたということですな。」
「まあ、そうなるんだが、急なことになってしまって済まなかった。こっちの世界に呼び出してしまったことで再度死にそうになる者が出るなど思っていなかったからな。呼び出せる魂にも上限があって、生き残れるようになるべく強者を選んだのだが。」
「ふむ。ではゴールドクラス以上の魔物を単体で倒せるような人物がこちらの世界に呼び出されているということですかな?」
「そうだ。【救世の旅人たち】という称号は目印みたいなもんだ。つけられたものはこちらに召喚されることになっていた。」
「……なるほどなるほど。バグ称号問題は意外とあっさり解決してしまいました。」

なるほど。
いせタビビトときせタビビト。両方正解だったわけか。

「申し訳ありません女神様。こちらの世界に来てからステータス画面が確認出来なくなっていまして。称号の確認もできなくなっていたのです。」
「………え?ステータス確認出来ない?【ステータス】って言っても出てこない?」
「はい。」
「………………あっれー?おかしいな。」

そう言うと女神様はおもむろに立ち上がりこちらにプルプルと爆弾を震わせながら近付いてくる。
なんというご褒美。なんという光悦!!

「ちょっと失礼するよ。」

目の前にまできた二つの爆弾、いやメロン、じゃなかったスイカ!はセバスのデコに手を押し当てる。

「……あちゃー。こりゃいかん。色々間違ってるな。こっちに来てるみんなステータス確認出来ないのか?」
「その通りです!!ムフフファア!!!」
「こりゃ参ったな。うーん?あ、そっか。私が経由すればいいのか。……こんなかんじか?」

女神様のスイカを目前でRECしていると、司会を何かが遮る。
消そうとしても消えない。ええい!!消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ……

「おい、お前がなんで妨害してんだ。維持するの大変じゃねえか。」
「ホホホ!これは失礼しました。おお!これは間違いなくステータス画面!!」

目の前にはマントラで慣れ親しんだステータス画面が出てきている。
ログアウトボタンが無く、時間も出てきていない些細な違いはあるものの、自分のステータスは確認できるようだ。

ーーーーーーーーーーーーーー

〇セバス・チャン爺ちゃん(26)
種族:(new)龍人種

職業:魔術師[level293]

HP:68000/87000
MP:560000/680000

Str(力):128
Agi(速さ):321
Vit(防御力):134
Int(知力):568
Dex(器用度):458
Luk(運):168

称号【エンチャンター】神獣喰:機獣喰:龍喰:(new)ドラゴンブレイカー:ハートシューター:ダンボールソルジャー:五大龍の血脈:紳士:鬼将軍:魔物の天敵:環境破壊者:クンフーマスター:ダイダルからの刺客:英雄:到達者:上級執事:下級庭師:孤高の狩人:(new)ヴェーダの守護:(new)救世の旅人たち

所有スキル《オリジナル》1《エンシェント》3《エクストラ》3《ユニーク》6《戦技》28《パッシブ》9《アクティブ》18

ーーーーーーーーーーーーーー

「レベルがだいぶ上がっておりますな。それにマントラの時とはステータスが大幅に上がっております。と言うか1桁違います。」
「ああ、それは私と地球の神からの贈り物ってとこだ。levelに関しては下手な事じゃ死なないように経験値取得が三倍になってる。元々お前達は強かっただろうが、この世界じゃほぼほぼ負けることは無いだろう。」
「一般人の皆様に怖がられないかが気になりますな。」
「一般人の皆はそもそもステータスなんて確認する術無いからな。強いか弱いか。それだけだから問題はないと思うぞ。」
「なるほどなるほど。というか私、龍人種に進化しております!」
「それはドラゴンズエンチャントの影響だろう。セバスは進化前ドラゴニックだったろう。蒼、華、灰、地、翡翠の五大龍を倒しているんだし、むしろ必然的な進化だな。」
「エンチャンターになるためには五大龍を倒せと言われましたからな。」
「まあ間違ってはいないがそれどこ情報だ。」
「蓬莱仙人と言うNPCの方です。」
「ウーズ王国のか?」
「ええ。路上で杖のみを使って宙に浮くと言うパフォーマンスをしている怪しい方です。」
「そいつはこの世界の副神だ。三人いるうちの一人なんだが、そうか。お前、気に入られてたんだな。」
「そうなのでしょうか?」
「ああ。じゃなきゃエンチャンターになる近道なんて教えねえよ。普通はエンチャントを5個同時に切らすことなく2週間過ごすってのが正攻法だからな。」
「……それはおそらくMPの関係上無理な話ではないですか?」
「まあ普通は五大龍倒せっても無理な話なんだけどな。」
「そこは人のつながりでございます。私には幸い頼る隣人が多かったですから。」
「セバスの人徳ってやつか。まあいい。深山波瑠よ。この世界はお前達旅人を歓迎する。何をしてもいいぞ。英雄になるなり、産業改革起こすなり。悪いこと以外ならなんでもいい。」
「なんでも、ですか。盛大すぎてどうすればいいか分かりかねますな。」
「好きなように生きろってことだ。お、もうそろそろ時間だな。」

見ると、メギドの時と同じように足の先から光の粒子になって消えている。
問題なくあちら側に呼ばれているようだ。
そこでふと、今朝の夢のことを思い出した。

「(…この…界を、助け…さい)」

思い出すと同時に、夢の中で感じていた不安感と疑問が出てきて、セバスは珍しく混乱していた。

「あ、言い忘れてたがステータス画面は教会に来て祈れば見せてやれる。仲間にも言っといてくれ。」
「ヴェーダ様!消える前にひとつお聞きしたい!今朝夢で何か言ったのは!…………」
「……夢?……何だったんだ?」

言い終わる前に、セバスの見ている景色が移り変わる。真っ白な空間から飛んだと思うと、上へ上へと登っていく。

「何ともタイミング悪いですな。まあ、教会に行けばまた聞けますか。」

景色が完全に移り変わると、目の前にはメギドとライム、そしてグリードが立っていた。
何だかスターム城が懐かしい気がする。

「セバスちゃま、ミッションコンプリートなの。」
「ええ。ありがとうございます、ライムさん。」
「セバス様、お帰りなさいませ。重ね重ね、この度はありがとうございます。」
「メギド。これは私の想いから故に、感謝であればついて来てくれたライムさんとグリードさんにしてください。」
「やっぱりお前ら2人が揃うといろいろ会話が固いな。もっと砕けれないのか。」
「グリードさん。私はおそらくもうセバス仕様から抜け出せません。」
「私はどちらでも大丈夫なのですが、セバス様の前であればこちらの方がメギドらしくて気持ちがいいです。」
「2人とも真性の変態プレイヤーなの。なりきると言うより、既にその本質に迫ってるの。」
「それは俺達も言えないと思うがな。こっちの世界に来てる連中は皆だが、順応が早すぎる。」
「あ、そういう事に関連して1つ。私この箱の中で面白い人に会いました。」
「面白い人なの?まだ中に人がいるの?」
「いえ、その人は私を時の狭間から転移させていましたから、厳密に言うとこの箱の中ではなく別の空間に呼び寄せられた訳なのですが。そのあたりの細かいことは取り敢えず置いておきまして。私この世界の女神様に出会いました。」
「「「…ほう?」」」

まあそう言う反応になりますよね。
俺だって同じ反応すると思うもの。
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