神すら喰らいしスキルと世界に抗う大罪スキル

てる

文字の大きさ
7 / 44

7:物を投げる際は周りを確認し確実に狙ったものだけに当てるべし

しおりを挟む
    適当に森の中を歩くが、いつでも戦えるよう周囲を警戒しながら進む。するとゴブリンに似てはいるがそれよりも一回り大きくい存在を見つける。

    身長はゴブリンより頭一つ分大きい、150㎝位だろうか、手には棍棒らしき物も持っており、今までの敵よりも強そうに感じられる。



「あれは、ホブゴブリンか…。つーか奥まで進んでもゴブリンってどうなってんだよ」


    悪態を付きながらも新たなスキルを得られるかもしれないことに、心踊らせ戦うことにする。


    まずは様子見で石を投げて攻撃する。スキル”命中率上昇”により多少軌道がズレても補正により当てることが出来のでそこまでコントロールは重要じゃない。
    力を込め、石を投擲するとホブゴブリンの胸を貫いた。


「グギャァァァァ」


    石が貫通し最期の叫びとばかりに叫び声をあげながらドサッと倒れるホブゴブリン。
    初めて戦う敵だからと言う事で、纏衣まといも使い攻撃したがどうやらオーバーキルだったようだ。


「ありゃ、まじか」


    唯の石で殺せるとは思ってもいなかったので少々の驚きを禁じ得ない。が最初のころは普通のゴブリンすら結構時間がかかったのに今回はゴブリンとは言えその上位種である、ホブゴブリンを投石だけで倒せたのだ。着実に強くなっていることが目に見えても分かり嬉しさがこみ上げるてくる。



(まぁゴブリン程度そこまで強くはないのだが…)


    ホブゴブリンの叫びを聞き、他のモンスターが襲ってこないとも限らないのでここを離れる。
    囲まれたら厄介であるためだ。そこで今では結構なじみになったアナウンスが入る。


≪魂を消化  …魂に付随する情報の取得。開示しますか?≫


    情報の開示を要求すると情報が頭の中に浮かぶ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・ホブゴブリン
レベル:13
体力 :235
魔力 :80
筋力 :200
敏捷 :100
耐性 :80


スキル
筋力強化  LV2
体力強化  Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    上位種になっただけだというのにステータスが大幅に上がり強くなっていた。一発で倒せたのは心臓を貫いたからだろか。お陰で魔石も砕いたが、気にしない。そう、男は小さいことで一々文句は言っていられないのだ。


≪魂を喰らった事によりその全ての権利が譲渡されます≫


    スキル"体力強化Lv1"を習得し再びモンスターを探そうとした矢先、矢が飛んでくるのを捉えた。


    地面をゴロゴロ転がり回避。距離をとったと思った所で、顔をあげるとそこにはいくつもの緑色をした奴らがこちらに視線を向けていた。
    ホブゴブリンの声のした方に行く途中だったのかもしれない。


(何で囲まれてんだか、つーかホントゴブリンばっかだな)


    囲まれているとは言ってもそこまで数は多くなくせいぜい五匹程度だ。その全てがホブゴブリンである。
    見た感じだと…ホブゴブリンアーチャー1、ホブゴブリンメイジ1、ホブゴブリンファイター2、ホブゴブリンモンク1というなんともゴブリンまみれの顔ぶれだ。

    だが、種族は同じでもタイプが違う。豪華な面子だ。特に今までメイジなんてのは見たことがなかったので戦闘中だというのに心が躍ってしまいそうになる。

    そんな考えをしているとモンクが襲い掛かってきた。
    両の拳を交互に突き出し連続で殴り掛かってくる。
    アーチャ―、メイジは後方から援護射撃し、ファイターは背後に周り、後ろから剣で切り付けてくるといった見事な連携だった。



    だが、所詮はゴブリン。ホブゴブリンモンクが繰り出す右フックを身をかがめ回避すると、背後からホブゴブリンファイターが剣で横なぎの攻撃を仕掛けてくる。屈んだ状態から左腰に差してある剣を抜き時計回りに回転し剣を受け止める。


「グギ」


    止められると思ってなかったのか悔しそうな声を漏らす。が、そんなことはお構いなしにさらに時計回りに回転すると同時に、モンクの片足を掴み上げ、刃を交えているファイターに目掛けてぶつける。そうしたことで射線が開き遠距離攻撃の矢と火の玉が飛んでくる。
    横に転がり回避し直ぐに起き上がり地面を蹴ると先程吹っ飛ばした二匹に窮迫していく。


「まずは二匹」


    そう言い一気に仕留めようとするが横からもう一匹のファイターが突っ込んできたためにそちらを先に処理せざるえなくなった。

    攻撃を回避し横なぎに一閃。ファイターを一匹を仕留めることに成功する。が、直ぐに援護射撃がきて近接戦のモンクとファイターに近づけず一旦歩みを止められてしまう。
    先程倒したファイターのスキルを得てステータスが上昇するのを感じながらどう倒すかを考える。


(後方射撃は面倒だな。何より木なんかで姿を隠せる。射線から位置はある程度把握できるのが救いだろうな)


    考えてると近接二匹が突っ込んでくる。自らも走って近付く。ファイターに向かい剣を投げ飛ばす。


「ギャッ…」


「これで三匹、あとはアーチャーとメイジか」


    スキル”拳技”、”筋力強化”、”纏衣”により強化された攻撃でモンクの顎をアッパー。顎が砕け、脳にダメージがいきグラリと倒れた。
    ファイターもまさか剣が飛んでくるとは思ってなかったのか、対処に手間取り頭に剣が刺さり息絶えていた。

    近接タイプがいなくなったことで今までより苛烈な攻撃がくる。
    アーチャーが矢を放ち、同時にメイジが杖を構えるがメイジは魔法を使ってこない。
    避けた所を狙うつもりなのだろう。


だがその目論見通りに動くほどセリムは、お人よしでも善人でもない。

    スキルにより強化されている肉体により、自分よりも大きなモンクの死体を掴み矢が飛んでくる方に投げ飛ばした。そして直ぐ近くに転がっていた石をメイジに向かって蹴る。
    その隙に投げた剣をファイターから抜き取り、ついでにファイターの剣も拾っとく。

    ちょうどその時に死体を投げられ慌てて回避したアーチャーが木から落ちたため拾った剣をアーチャーに向かい投げることで仕留める。同時に後方でドサリと言う音が鳴り、振り向くとメイジが死んでいる事を確認することが出来た。


「石、中々使えるな」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ホブゴブリンファイター
レベル:12
体力 :230
魔力 :100
筋力 :320
敏捷 :200
耐性 :93


スキル
剣技  LV2
敏捷強化  Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ホブゴブリンモンク
レベル:13
体力 :200
魔力 :90
筋力 :280
敏捷 :270
耐性 :80


スキル
拳技  LV3



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ホブゴブリンアーチャー
レベル:15
体力 :190
魔力 :110
筋力 :170
敏捷 :280
耐性 :150


スキル
命中率上昇  Lv3
耐性強化   Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・ホブゴブリンメイジ
レベル:16
体力 :230
魔力 :200
筋力 :100
敏捷 :130
耐性 :200


スキル
魔力強化  LV1
火魔法  Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    また囲まれて集団戦になっても面倒だったのでホクホク顔をしながら、いそいそとその場を離れるのだった。



「連携は結構ウザかったけど、一匹一匹はが大した事なかったな。それよりも、ついに魔法が…」


    移動しながら悪態を付く。が魔法を手に入れたことで気分を良くなり、さっきまでの気持ちはどこかにいってしまう。

    やはりファンタジーと言ったら魔法だろうと心の奥では思っていたので、やっと魔法が得られたことに気分が高まってしまうのだ。

    その所為で調子に乗り、この後○ブリンスレ○ヤーとなったのは言うまでもないことか…


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...