31 / 44
31:教え合い
しおりを挟む
待ち合わせの場所に指定されたギルドへと歩を進め、今し方到着するセリム。素材を売るために少し早めに来たから時間的にはまだ平気な筈だ。絡まれたり等と言った危ない目には遭っていないし、もちろん絡むなどという事はない。そんなこんなでギルドに到着。
ギルドに入り周りを見渡しキーラがいない事を確認する。確認を終ると今のうちに素材を売りに受付への元へと行く。その時にセリムはこちらを窺う周囲の視線が数日前に比べ減っていることに気付く。
が、視線の意味を理解していないセリムは生憎と無視すると言うしか選択肢しか持ち合わせていなかった。
素材を売りたいと受付嬢に話しかける。今日はフィーネは居ないようだったので違う人物に話しかける。黒髪ボブの人族受付嬢だ。
「はい、では売りたい素材を出してもらえますか?」
受付嬢はそういいながら笑顔を向けてくる。営業スマイルなのだろうがこうも笑顔を向けられると気持ちが和む。そんな一人勝手に和まされながら受付嬢の指示に従う。
素材を出していくと受付嬢の顔が少し引き攣っているというか驚きに染まっているのが見て取れた。
(何か変な事しただろうか?)
何故だと理由の考えてもさっぱり思い当たる節がないために答えは出ない。そこへ受付嬢が言葉を発する。
「えっと、これってミノタウロスの角ですよね?」
「ん? あぁ、そうですね」
驚いてはいたがそれで声を荒立てなかったのは受付嬢のスキルゆえか…セリムは何の問題があるのかとそれが何か問題が?といった視線で見返すと
「確か、セリムさんはまだDランクだったと思いますが…」
「よく知ってますね、それで何が問題なんです?」
受付嬢が自身のランクを知っていたことに多少なりとも驚く。して、色々覚えるの大変だろうなーとどうでもいい事をつい考えてしまった。
「いえ、特に問題があると言うわけではありません。ただ、Dランクの方がBランクの素材を持っているのが…」
そこまで言われセリムも「あぁ、なるほど」と受付嬢の言いたいことがやっと理解できた。要は何でお前みたいな初心者冒険者がこんな素材持ってんだ?お?何か不正取引でもしてんのか?といった所だろう。言葉遣いは適当だが、大方間違ってはいないはずだ。
「それは数日前に闘技のダンジョンでとってきたんですよ」
「え? 闘技のダンジョンをクリアしたんですか?」
今度は冷静ではいられなかったのか叫び声にも似た声を上げてしまう受付嬢。その声で周囲の冒険者の視線が一斉にこちらに集まる。
「おい、今聞こえたか? 闘技のダンジョンクリアだってよ」
「はぁ? 何言ってんだ、あいつって確かこの前Dに上がったっていう新人だろ」
「そんな奴がクリアできるわけねーよ。基本はCランク相当のモンスターだが、ボスはBだぞ。倒せるわけがねぇよ」
周囲からリサラちゃん、あいつに何かされたのか? だったら俺がガツンと言ってやると言った声が上がるが直ぐに止められていた。何でもあの小僧はオード達を倒したあとに装備などを全て盗っていく追剥屋だ、と。
酷い言われようだ。キーラとの試合では何も取ってないだろうが、と周囲へ文句を心の中だけで唱えていく。
「嬢ちゃん、セリムの言ってることは本当だ」
後ろを振り返るとそこにはここ数日一緒に居たアーサーがいた。
アーサーが黒髪ボブの受付嬢ーーリサラと言う名前らしい子に事情を説明してくれたおかげで事なきえた。リサラが精算を行っている最中にアーサーへ礼を述べる。
「助かった、あんたでも役に立つんだな」
助けた者へ対しての助けられた者が言うセリフではなかったが礼を受けたアーサーはそれを気にした様子もなく…と言うわけにはいかなかった。
「んだとぉ、この前だって聖剣について教えてやったり手配者について役に立つ情報言ってやっただろうがよ」
子供っぽく役に立たないと言う事を全力で否定しにかかっていた。上げている例がちょっと微妙なところではあったが…
「て言うか、何でアーサー、あんたががここにいんだ?」
アーサーも冒険者なのでいてもおかしくはないのだが、寧ろ今の言い方ではいるのがおかしいと言う意味以外捉え方がないだろう。何故セリムがこんな質問をしたかと言うとアーサー自身が「今日は休みにする」と言っていたからだ。
他意はない。
「大人は色々あんだよ、それよりキーラの事頼んだぞ」
それだけ言い二階へと上がっていくアーサー。ちょうど精算が終わり金を受け取る。
素材の売却も終わり後はキーラが来るのを待つだけなので依頼ボードを眺めて待っていることにした。
(やっぱBまでは雑魚ばっかだな)
Dランクから順に見ていくがA以上のモンスターでなければ今の自分の力を試せる奴はいないとミノタウロスと戦った時点で考えていたので自然とまだ自身では受けられないAランクの依頼を見ることになる。
冒険者のランクはEから始まりSSSまである。その内、街中の依頼しか受けられないEを除きC~SSは一つ上のランクまでの依頼を受けられるようになっている。ランクに関しても自身と同じランクの依頼をある一定数クリアするか、一つ上の依頼を一定数クリアするかランクアップできるらしい。ダンジョンの帰りに今更ながらこの事をキーラに聞いてみたらすごいドヤ顔で「しょうがないわね。知らないなら教えてあげるわ」と上から目線で教えられた。
Aランクの依頼には神獣や幻獣と言った獣系が多い。洞窟に潜むと言われるメドュ―サ。切り立った崖を巣を作るとされるグリフォン。火山地帯いるとされるケルベロスなどと言ったどれも個人討伐には向かないとされているモンスターばっかりだ。生息場所の問題もあるがやはり一番はその強さだろう。
そんな感じで依頼ボードを眺めついでに横にある手配者ボードに目を移す。特にこれと言って目新しい情報は公開されていなかった。見終わり酒場で待つかと身をひるがえそうとすると
「セリム、見つけたわよ」
そう言って近づいてきたのは今日の約束相手キーラだった。エルフなだけあり金髪に碧眼、美しい見た目と言った想像の通りのものだがちょっと言葉が遣いが上からなのでどうしても残念感がある。もう少し上品な感じがあればな…
本人に聞かれたら間違いなく怒るであろうことを考えながらキーラの方へと向かう。道中とは言ってもギルドの中たった数mの距離だが自身に向かって歩を進めていた男性冒険者がいた事に気付いた。がっつりこっち見てたし。
(何か用でもあったのか?)
そう思いはするもがっつりスルーするセリム。男は
えっ!? マジ そこ無視しますぅ普通!
そんな悲哀を滲ませた瞳を向けていた。そしてそのままセリムが立ち去るのを眺めるのだった。
ギルドを出て都市アルスの門の警備兵にギルドカードを見せ壁の外へと出る二人。
壁を出てから三十m位進んだ所で立ち止まる。さすがに森に入って教えるのはどうかと思ったので街道から外れた草原でやることにした。
「んじゃ、ここでやるか」
「そうね。それじゃ早く無詠唱の仕方を教えて」
着くなりそう急かしてくるキーラ。どんだけ知りたいんだか。そうは言いながらもここは自身にも見返りがるのでしっかりとやるセリム。
「無詠唱は、あれだな。イメージが重要だ。詠唱っていうのは多分発動のイメージを補助するものだろう」
セリムは詠唱に関しては全く知らないし無詠唱も魂喰って記憶が流れ込んでくるので感覚で出来ていた為に殆ど適当に言っている。もしくは、生前本で読んだ内容の知識でこうゆう事言ってたなと思い起こしながら話をしているのに過ぎない。人様に教えるような知識など持ち合わせていないのだ、残念なことに…
「だから、まずは詠唱をせずに魔力を手に集めたりする事からじゃないか」
ちょっと雑な感じが否めないが、セリムもやり方を知らないので仕方がない。キーラはそんな雑にやられているとは露知らず一生懸命に聞いている。話の途中でコクコクと頷いたり、なるほどと言いながら。
セリムが一先ずは説明を終えたので今度はキーラに説明を求める。まだ、若干渋っていたが、「もぉ!」と言いながらも教えてくれた。
「二重発動(ダブルキャスト)は簡単よ。普通魔法を発動させる為には魔力を一か所に集めなきゃいけないけど、それを枝分かれさせるのよ」
なるほどなと仕組みが分かれば大した事ないものだった。要は一つの魔法を発動するには魔力を一か所に集めなきゃだが、二つ発動するなら発動するのに必要な魔力の糸とでもいえばいいのか?とりあえず発動させたい数に合わせて数を変えると。
教えてくれる事から専用スキルではないことは分かっていたが簡単だな。そう言えばキーラのステータスを見れば分かったな。と今更ながらに気付く。相変わらずおっちょこちょいなのかもしれないセリムであった。
そうしてこの日からキーラは無詠唱の特訓を。セリムは二重発動の特訓を始めるのだった。
魔力操作を訓練していたセリムは然程苦労することも無く三日程度で習得することになるが、キーラは「何でよぉ~もぉー」とセリムに恨めしい視線を向けていた。ここからさらに一週間かけてようやく何とか形になったキーラだった。
名前 キーラ・ストレア
年齢 :16歳
種族 :エルフ族
ランク:D
1次職 :魔術師
2次職 :魔導師
レベル :36
体力 :2300
魔力 :3500
筋力 :1900
敏捷 :2000
耐性 :2400
スキル
筋力強化 Lv2
体力強化 Lv2
敏捷強化 Lv2
耐性強化 Lv2
魔力強化 Lv4
魔法威力上昇 Lv3
火魔法 Lv4
水魔法 Lv3
風魔法 Lv6
雷魔法 Lv2
魔力操作 Lv5
二重発動 Lv4
無詠唱 Lv1
職業専用スキル
魔術領域 Lv3
摩天楼 Lv1
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :45
体力 :8100
魔力 :6700
筋力 :9200
敏捷 :7200
耐性 :7600
スキル
【神喰 LV4】
剣技 LV8
纏衣 LV10 max
【拳技 LV7】
【斧技 Lv4】
【筋力強化 LV10 】 max
【体力強化 Lv9】 up
【敏捷強化 Lv8】
【耐性強化 Lv3】
【魔力強化 Lv3】
【反射速度強化 Lv4】
【硬化 Lv6】
【気配遮断 Lv4】
【気配感知 Lv5】
【咆哮 Lv5】
【命中率上昇 Lv6】
【嗅覚上昇 Lv4】
【跳躍力上昇 Lv4】
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv5】
【水魔法 Lv4】
【風魔法 Lv3】
【白魔法 Lv4】
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv5】
【鑑定 Lv6】
【短剣術 Lv4】
【夜目 Lv3】
【魔力操作 Lv6→7】 up
【受け流し Lv5】
【統率 Lv3】
【罠師 Lv3】
【重量装備時重量軽減 Lv4】
【見切り Lv5】
【闘魂 Lv4】
【二重発動 Lv2】 new
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv4】
【瞬滅 Lv4】
【鉄壁硬化 Lv3】
【重撃破 Lv5】
【乱魔の一撃 Lv2】
【空拳 Lv4】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
ギルドに入り周りを見渡しキーラがいない事を確認する。確認を終ると今のうちに素材を売りに受付への元へと行く。その時にセリムはこちらを窺う周囲の視線が数日前に比べ減っていることに気付く。
が、視線の意味を理解していないセリムは生憎と無視すると言うしか選択肢しか持ち合わせていなかった。
素材を売りたいと受付嬢に話しかける。今日はフィーネは居ないようだったので違う人物に話しかける。黒髪ボブの人族受付嬢だ。
「はい、では売りたい素材を出してもらえますか?」
受付嬢はそういいながら笑顔を向けてくる。営業スマイルなのだろうがこうも笑顔を向けられると気持ちが和む。そんな一人勝手に和まされながら受付嬢の指示に従う。
素材を出していくと受付嬢の顔が少し引き攣っているというか驚きに染まっているのが見て取れた。
(何か変な事しただろうか?)
何故だと理由の考えてもさっぱり思い当たる節がないために答えは出ない。そこへ受付嬢が言葉を発する。
「えっと、これってミノタウロスの角ですよね?」
「ん? あぁ、そうですね」
驚いてはいたがそれで声を荒立てなかったのは受付嬢のスキルゆえか…セリムは何の問題があるのかとそれが何か問題が?といった視線で見返すと
「確か、セリムさんはまだDランクだったと思いますが…」
「よく知ってますね、それで何が問題なんです?」
受付嬢が自身のランクを知っていたことに多少なりとも驚く。して、色々覚えるの大変だろうなーとどうでもいい事をつい考えてしまった。
「いえ、特に問題があると言うわけではありません。ただ、Dランクの方がBランクの素材を持っているのが…」
そこまで言われセリムも「あぁ、なるほど」と受付嬢の言いたいことがやっと理解できた。要は何でお前みたいな初心者冒険者がこんな素材持ってんだ?お?何か不正取引でもしてんのか?といった所だろう。言葉遣いは適当だが、大方間違ってはいないはずだ。
「それは数日前に闘技のダンジョンでとってきたんですよ」
「え? 闘技のダンジョンをクリアしたんですか?」
今度は冷静ではいられなかったのか叫び声にも似た声を上げてしまう受付嬢。その声で周囲の冒険者の視線が一斉にこちらに集まる。
「おい、今聞こえたか? 闘技のダンジョンクリアだってよ」
「はぁ? 何言ってんだ、あいつって確かこの前Dに上がったっていう新人だろ」
「そんな奴がクリアできるわけねーよ。基本はCランク相当のモンスターだが、ボスはBだぞ。倒せるわけがねぇよ」
周囲からリサラちゃん、あいつに何かされたのか? だったら俺がガツンと言ってやると言った声が上がるが直ぐに止められていた。何でもあの小僧はオード達を倒したあとに装備などを全て盗っていく追剥屋だ、と。
酷い言われようだ。キーラとの試合では何も取ってないだろうが、と周囲へ文句を心の中だけで唱えていく。
「嬢ちゃん、セリムの言ってることは本当だ」
後ろを振り返るとそこにはここ数日一緒に居たアーサーがいた。
アーサーが黒髪ボブの受付嬢ーーリサラと言う名前らしい子に事情を説明してくれたおかげで事なきえた。リサラが精算を行っている最中にアーサーへ礼を述べる。
「助かった、あんたでも役に立つんだな」
助けた者へ対しての助けられた者が言うセリフではなかったが礼を受けたアーサーはそれを気にした様子もなく…と言うわけにはいかなかった。
「んだとぉ、この前だって聖剣について教えてやったり手配者について役に立つ情報言ってやっただろうがよ」
子供っぽく役に立たないと言う事を全力で否定しにかかっていた。上げている例がちょっと微妙なところではあったが…
「て言うか、何でアーサー、あんたががここにいんだ?」
アーサーも冒険者なのでいてもおかしくはないのだが、寧ろ今の言い方ではいるのがおかしいと言う意味以外捉え方がないだろう。何故セリムがこんな質問をしたかと言うとアーサー自身が「今日は休みにする」と言っていたからだ。
他意はない。
「大人は色々あんだよ、それよりキーラの事頼んだぞ」
それだけ言い二階へと上がっていくアーサー。ちょうど精算が終わり金を受け取る。
素材の売却も終わり後はキーラが来るのを待つだけなので依頼ボードを眺めて待っていることにした。
(やっぱBまでは雑魚ばっかだな)
Dランクから順に見ていくがA以上のモンスターでなければ今の自分の力を試せる奴はいないとミノタウロスと戦った時点で考えていたので自然とまだ自身では受けられないAランクの依頼を見ることになる。
冒険者のランクはEから始まりSSSまである。その内、街中の依頼しか受けられないEを除きC~SSは一つ上のランクまでの依頼を受けられるようになっている。ランクに関しても自身と同じランクの依頼をある一定数クリアするか、一つ上の依頼を一定数クリアするかランクアップできるらしい。ダンジョンの帰りに今更ながらこの事をキーラに聞いてみたらすごいドヤ顔で「しょうがないわね。知らないなら教えてあげるわ」と上から目線で教えられた。
Aランクの依頼には神獣や幻獣と言った獣系が多い。洞窟に潜むと言われるメドュ―サ。切り立った崖を巣を作るとされるグリフォン。火山地帯いるとされるケルベロスなどと言ったどれも個人討伐には向かないとされているモンスターばっかりだ。生息場所の問題もあるがやはり一番はその強さだろう。
そんな感じで依頼ボードを眺めついでに横にある手配者ボードに目を移す。特にこれと言って目新しい情報は公開されていなかった。見終わり酒場で待つかと身をひるがえそうとすると
「セリム、見つけたわよ」
そう言って近づいてきたのは今日の約束相手キーラだった。エルフなだけあり金髪に碧眼、美しい見た目と言った想像の通りのものだがちょっと言葉が遣いが上からなのでどうしても残念感がある。もう少し上品な感じがあればな…
本人に聞かれたら間違いなく怒るであろうことを考えながらキーラの方へと向かう。道中とは言ってもギルドの中たった数mの距離だが自身に向かって歩を進めていた男性冒険者がいた事に気付いた。がっつりこっち見てたし。
(何か用でもあったのか?)
そう思いはするもがっつりスルーするセリム。男は
えっ!? マジ そこ無視しますぅ普通!
そんな悲哀を滲ませた瞳を向けていた。そしてそのままセリムが立ち去るのを眺めるのだった。
ギルドを出て都市アルスの門の警備兵にギルドカードを見せ壁の外へと出る二人。
壁を出てから三十m位進んだ所で立ち止まる。さすがに森に入って教えるのはどうかと思ったので街道から外れた草原でやることにした。
「んじゃ、ここでやるか」
「そうね。それじゃ早く無詠唱の仕方を教えて」
着くなりそう急かしてくるキーラ。どんだけ知りたいんだか。そうは言いながらもここは自身にも見返りがるのでしっかりとやるセリム。
「無詠唱は、あれだな。イメージが重要だ。詠唱っていうのは多分発動のイメージを補助するものだろう」
セリムは詠唱に関しては全く知らないし無詠唱も魂喰って記憶が流れ込んでくるので感覚で出来ていた為に殆ど適当に言っている。もしくは、生前本で読んだ内容の知識でこうゆう事言ってたなと思い起こしながら話をしているのに過ぎない。人様に教えるような知識など持ち合わせていないのだ、残念なことに…
「だから、まずは詠唱をせずに魔力を手に集めたりする事からじゃないか」
ちょっと雑な感じが否めないが、セリムもやり方を知らないので仕方がない。キーラはそんな雑にやられているとは露知らず一生懸命に聞いている。話の途中でコクコクと頷いたり、なるほどと言いながら。
セリムが一先ずは説明を終えたので今度はキーラに説明を求める。まだ、若干渋っていたが、「もぉ!」と言いながらも教えてくれた。
「二重発動(ダブルキャスト)は簡単よ。普通魔法を発動させる為には魔力を一か所に集めなきゃいけないけど、それを枝分かれさせるのよ」
なるほどなと仕組みが分かれば大した事ないものだった。要は一つの魔法を発動するには魔力を一か所に集めなきゃだが、二つ発動するなら発動するのに必要な魔力の糸とでもいえばいいのか?とりあえず発動させたい数に合わせて数を変えると。
教えてくれる事から専用スキルではないことは分かっていたが簡単だな。そう言えばキーラのステータスを見れば分かったな。と今更ながらに気付く。相変わらずおっちょこちょいなのかもしれないセリムであった。
そうしてこの日からキーラは無詠唱の特訓を。セリムは二重発動の特訓を始めるのだった。
魔力操作を訓練していたセリムは然程苦労することも無く三日程度で習得することになるが、キーラは「何でよぉ~もぉー」とセリムに恨めしい視線を向けていた。ここからさらに一週間かけてようやく何とか形になったキーラだった。
名前 キーラ・ストレア
年齢 :16歳
種族 :エルフ族
ランク:D
1次職 :魔術師
2次職 :魔導師
レベル :36
体力 :2300
魔力 :3500
筋力 :1900
敏捷 :2000
耐性 :2400
スキル
筋力強化 Lv2
体力強化 Lv2
敏捷強化 Lv2
耐性強化 Lv2
魔力強化 Lv4
魔法威力上昇 Lv3
火魔法 Lv4
水魔法 Lv3
風魔法 Lv6
雷魔法 Lv2
魔力操作 Lv5
二重発動 Lv4
無詠唱 Lv1
職業専用スキル
魔術領域 Lv3
摩天楼 Lv1
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :45
体力 :8100
魔力 :6700
筋力 :9200
敏捷 :7200
耐性 :7600
スキル
【神喰 LV4】
剣技 LV8
纏衣 LV10 max
【拳技 LV7】
【斧技 Lv4】
【筋力強化 LV10 】 max
【体力強化 Lv9】 up
【敏捷強化 Lv8】
【耐性強化 Lv3】
【魔力強化 Lv3】
【反射速度強化 Lv4】
【硬化 Lv6】
【気配遮断 Lv4】
【気配感知 Lv5】
【咆哮 Lv5】
【命中率上昇 Lv6】
【嗅覚上昇 Lv4】
【跳躍力上昇 Lv4】
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv5】
【水魔法 Lv4】
【風魔法 Lv3】
【白魔法 Lv4】
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv5】
【鑑定 Lv6】
【短剣術 Lv4】
【夜目 Lv3】
【魔力操作 Lv6→7】 up
【受け流し Lv5】
【統率 Lv3】
【罠師 Lv3】
【重量装備時重量軽減 Lv4】
【見切り Lv5】
【闘魂 Lv4】
【二重発動 Lv2】 new
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv4】
【瞬滅 Lv4】
【鉄壁硬化 Lv3】
【重撃破 Lv5】
【乱魔の一撃 Lv2】
【空拳 Lv4】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる