1 / 14
第1章 五歳児
第1話 転生した話
しおりを挟む
「ねえコール、何見てるの?」読んでいた本のページを子供らしいもちもちした手が抑えつけた
「姉さんたちに貸してもらった魔法学教科書だよ、そんな乱暴に押さえつけるなよアルバス、ページにシワがつくかもしれないだろ」
はあ、アルバスと俺が読んだ幼い子供は盛大にため息をつく
「コールは本当に子供らしくないね 、今は遊びの時間だろ?なのにまだ勉強の本を読んでるの?そんなに本ばっかり読んでると頭でっかちになるよ~」
「まあまあ、いいじゃないの」アルバスの頭にぽすんと手が置かれる「コールはきっと学問の使徒アルト様のご加護を受けているのよ、将来は偉い学者様になるかもよ?」
「ヴィオラ姉さん」少し年長の少女の名を呼ぶと今度は俺の方に手が伸びわしゃわしゃ撫でられる
「でも確かにコールは子供らしくないわね、アルバスみたいに悪さばっかりしないのはいいけどもっとやんちゃでもいいのよ?」
「悪さばっかりってどういう意味だよー」アルバスが頰を膨らます
「昨日ヒキガエルを引き出しに入れて家庭教師を引っくりかえらせたのは誰だっけ?」「なっ、あれはわざとじゃないよ、でっかいヒキガエルだったから後でカレンに見せようととりあえず入れておいただけなのにあいつが勝手に開けるから」
「大きい、でしょう、後先生にあいつはないでしょう」少女が母親のように腰に手を当てていたずら者の弟を叱る
話の焦点が俺から外れた隙に少し自己紹介をしようと思う
俺の名前は炭井流斗(すみい りゅうと)、20歳、大学生。身長175cm、B型、さそり座。大学の友達との飲み会から帰ったらめちゃくちゃ吐くし痺れるしやばいそんなに飲んだっけ救急車呼ばなきゃと思ったら携帯が見つからない、助けを呼ぼうとアパートの外に飛び出したら意識がすうっと遠のいて地面にぶっ倒れる、最後に見たのは袖からカサカサ出て行く八本足の生き物通称蜘蛛。普通に都会に暮らしていて死因が蜘蛛による毒死とは予想していなかった。詳しくは覚えてないが日本で毒蜘蛛による死ぬ確率って相当低くなかったか……?そして次に目を覚ました時には体が縮んでいた。別に某APTX4869のせいではなくネット小説でよく見る異世界転生ってやつだ。つまりさっき俺が言ったプロフィール、全て前世の情報なので今の俺とは無関係です、すみません。
今の俺とはいうと剣と魔法のすごいファンタジーな世界の辺境伯の家に生まれた。バリバリ貴族です、ノーブルメンです。随分人生勝ち組のようだがそうでもない。なぜかというと俺の今の名前コールは生前愛読していた少年誌で連載されていた「黒龍レジェンド」の主人公に名前も見た目もそっくりなのだ。なおかつ世界観の設定も宗教や魔法の設定もあの漫画そっくりだったので俺が「黒龍レジェンド」の主人公に転生したのはほぼ間違いない。で、仮にも少年マンガの主人公、なんで転生したらまずいかというとこのコールという主人公かなりハードなバックグラウンドを持っていて生まれてすぐに母を失い数年後父を暗殺されおまけに物語の始まりに長兄も殺されている、つまり漫画の通り話が進めば俺は16歳で兄を殺されて謎の組織に命を狙われて逃げ回る超ハードな人生を送ることになる。
だから3歳の父親の葬式に前世の記憶を取り戻した時、俺はいくつかの誓いを立てた
1、酒は嗜む程度、決して携帯が見つからなくなるほど酔っ払はない
2、蜘蛛には気をつける
3、15までに自立してあわよくば長兄が殺されるのを阻止する
というわけで未来の為に多少今の遊び時間を犠牲にして自分を高めるため勉強や鍛錬に勤しんでいる。とはいえ今の俺はまだ5歳、本来なら遊びたい盛りの子供が自分から進んで勉強する姿は周囲に異様に映るようで、俺はかなり周囲に変わり者されている。ついたあだ名は「本の虫コール」
まあ仕方がないことだ、全ては自分の未来のために。
「姉さんたちに貸してもらった魔法学教科書だよ、そんな乱暴に押さえつけるなよアルバス、ページにシワがつくかもしれないだろ」
はあ、アルバスと俺が読んだ幼い子供は盛大にため息をつく
「コールは本当に子供らしくないね 、今は遊びの時間だろ?なのにまだ勉強の本を読んでるの?そんなに本ばっかり読んでると頭でっかちになるよ~」
「まあまあ、いいじゃないの」アルバスの頭にぽすんと手が置かれる「コールはきっと学問の使徒アルト様のご加護を受けているのよ、将来は偉い学者様になるかもよ?」
「ヴィオラ姉さん」少し年長の少女の名を呼ぶと今度は俺の方に手が伸びわしゃわしゃ撫でられる
「でも確かにコールは子供らしくないわね、アルバスみたいに悪さばっかりしないのはいいけどもっとやんちゃでもいいのよ?」
「悪さばっかりってどういう意味だよー」アルバスが頰を膨らます
「昨日ヒキガエルを引き出しに入れて家庭教師を引っくりかえらせたのは誰だっけ?」「なっ、あれはわざとじゃないよ、でっかいヒキガエルだったから後でカレンに見せようととりあえず入れておいただけなのにあいつが勝手に開けるから」
「大きい、でしょう、後先生にあいつはないでしょう」少女が母親のように腰に手を当てていたずら者の弟を叱る
話の焦点が俺から外れた隙に少し自己紹介をしようと思う
俺の名前は炭井流斗(すみい りゅうと)、20歳、大学生。身長175cm、B型、さそり座。大学の友達との飲み会から帰ったらめちゃくちゃ吐くし痺れるしやばいそんなに飲んだっけ救急車呼ばなきゃと思ったら携帯が見つからない、助けを呼ぼうとアパートの外に飛び出したら意識がすうっと遠のいて地面にぶっ倒れる、最後に見たのは袖からカサカサ出て行く八本足の生き物通称蜘蛛。普通に都会に暮らしていて死因が蜘蛛による毒死とは予想していなかった。詳しくは覚えてないが日本で毒蜘蛛による死ぬ確率って相当低くなかったか……?そして次に目を覚ました時には体が縮んでいた。別に某APTX4869のせいではなくネット小説でよく見る異世界転生ってやつだ。つまりさっき俺が言ったプロフィール、全て前世の情報なので今の俺とは無関係です、すみません。
今の俺とはいうと剣と魔法のすごいファンタジーな世界の辺境伯の家に生まれた。バリバリ貴族です、ノーブルメンです。随分人生勝ち組のようだがそうでもない。なぜかというと俺の今の名前コールは生前愛読していた少年誌で連載されていた「黒龍レジェンド」の主人公に名前も見た目もそっくりなのだ。なおかつ世界観の設定も宗教や魔法の設定もあの漫画そっくりだったので俺が「黒龍レジェンド」の主人公に転生したのはほぼ間違いない。で、仮にも少年マンガの主人公、なんで転生したらまずいかというとこのコールという主人公かなりハードなバックグラウンドを持っていて生まれてすぐに母を失い数年後父を暗殺されおまけに物語の始まりに長兄も殺されている、つまり漫画の通り話が進めば俺は16歳で兄を殺されて謎の組織に命を狙われて逃げ回る超ハードな人生を送ることになる。
だから3歳の父親の葬式に前世の記憶を取り戻した時、俺はいくつかの誓いを立てた
1、酒は嗜む程度、決して携帯が見つからなくなるほど酔っ払はない
2、蜘蛛には気をつける
3、15までに自立してあわよくば長兄が殺されるのを阻止する
というわけで未来の為に多少今の遊び時間を犠牲にして自分を高めるため勉強や鍛錬に勤しんでいる。とはいえ今の俺はまだ5歳、本来なら遊びたい盛りの子供が自分から進んで勉強する姿は周囲に異様に映るようで、俺はかなり周囲に変わり者されている。ついたあだ名は「本の虫コール」
まあ仕方がないことだ、全ては自分の未来のために。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる