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第零章 転生編
第15話 ~聖地会合~
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スルト村の聖地認定の日に皇帝ウィンザルフは騎士団、魔法師団を引き連れ帝都へ戻っていった。
村の者とマイルズ騎士団はそれを恭しく見送り、その日は聖地としてこれからどうなっていくかの話になる。話し合いの席には村の主だったいつもの者達に加え、団長ボルツと2番隊長コーデリアがこれに加わっていた。
「それにしてもロン。見事な腹の探り合いであったな」
「やめてくれボルツ。生きた心地がしなかった…」
はっはっは、と笑いながらボルツはロンの肩を叩く。
「”献上”は村の者がしないと意味が無いからな。俺たちは助け舟は出せないんだよ。それにあのお方に嘘や取り繕いは通用せんよ。お若くありながら、元老院の老人達や大臣達の横やりも軽くあしらっておられると聞く」
「ああ、俺でもすぐに分かった。この方に建前は通用しないってさ」
「それでも普通は言えませんよ。『邪魔だから持っていけ』なんて」
コーデリアが厭味ったらしく参戦してくる。
「コーデリア言い方! でもまぁ、事なきで終わってよかったよ」
ふふっと笑い、本題であるこれからの事についての話になる。コーデリアはあの狩り以降、ロンたち3人に対して初めて仲間というものを意識したのであろう、嬉しさ半面、不器用ながら素を晒すようになっていた。
「ではコーデリア、始めてくれ」
ボルツに促され、コーデリアは聖地と認定された地についての説明に入る。
「まず聖地と認定されたからには、色々この村に変化が起こります。まず、神獣の足跡について。ここは中の倒れている木々が処理され、足跡周辺を含めて整地されることになります。直接神獣の足跡に触れないよう、窪み全体に石畳が敷かれ、中央に神獣の像が祀られることになるでしょう」
「つまり、神獣様の足跡が観光地化するという事ですな?」
コーデリアの説明を村長ティムルが要約する。
「はい。正確には聖地巡礼という事になりますが、実際は観光と何ら変わりません。この整地作業につきましては、ここの領主である陛下の勅命で行われることになりますので、帝都もしくはそれを受けたマイルズの作業員がここに派遣されてくることになると思います。ですので、この村の方々に人的、金銭的負担は発生致しません」
「それは助かるな。周辺の警戒をしながら土木作業なんてやってたら、何年かかるか分かったもんじゃない」
「次に聖地の警備についてです。神獣の足跡はとても大きいので、警備の者もそれなりに人数が必要になります。とはいえ、こちらも帝都から派遣されてくる騎士団、もしくは魔法師団で構成されますので、村の方々の負担にはならないと思います。しかし―――」
「どうした?」
言葉に詰まったコーデリアをロンが気遣う。
「その者達はこの村に常駐することになりますので、見ず知らずの者達が新たにこの村に移り住む事になります。警備隊、事務官、それらを束ねる指揮官。おおよそ50~100名が新たに着任することになるでしょう」
「なんじゃそんな事か」
と、ティムルは軽く受け止める。
「儂らは別によそ者だ何だと言いはせん。こう言ってはなんだがの、不治の病を抱えた者達も受け入れてきたし、移住希望者を断ったことなどありはせん。コーデリア殿が気にするようなことではないわい」
「そうだぞコーデリア。俺もジェシカとここへ来たときは温かく迎え入れてもらえた。次の日からこいつらに狩猟を手伝わされたがな」
グイッと、親指で刺されるエドガーとオプト。
「そうだったか? がっはっは! まぁ即戦力で役に立ちそうだったし、放っておくわけないだろう!」
「だな。親父がもう歳で狩猟がしんどくなってきてたし、都合がよかったな」
「お前らなぁ…」
3人のやり取りで場が和む。コーデリアはそれを羨ましそうに見つめ、続ける。
「これも人に関することになりますが、聖地となったこの村には、移住希望者が増える事はまず間違いありません。しかし聖地に移住となると、これまでのように簡単に認められるものではなくなります。なにせ陛下の直轄地ですからね。租税を納めればそれで良しという訳ではなくなります」
「基本的に移住の可否は村の代表者、つまり村長殿の権利ではありますが、例えば過去に罪を犯した者や、その3親等までの子孫に移住は認められません。さらに、聖地で罪を犯した者には通常よりも遥かに厳しい処罰が与えられます。逆に言えば、野盗やそれに準ずる者達には、これ以上ない牽制になりますので、聖地となった後も犯罪はほとんど起らないでしょう」
「そういえば昔、勝手に村の蔵を漁ってる奴らがいて半殺しにしたなぁ。結局野盗かなんかだったのかあいつら」
「指名手配前の野盗じゃったよ。マイルズの騎士団がそう言っておったわい」
「まぁ、そんな事も無くなるんだ。有り難い事じゃないか」
「ま、まぁ、ロンさん達がいらっしゃっれば野盗などものの数では無いのでしょうが、そういう事です。今のところお伝えすべきなのはこれぐらいでしょうか、団長」
「うむ。そうだな」
次にボルツが発言し、場をまとめる。
「皆さん、これから色々大変でしょうが頑張って下さい。我々マイルズ騎士団にとって、この村は既に領内では無い状態です。残念ですが、お手伝いできるのもアルバニアで駐屯隊が編成され、到着して引き継ぐまでとなります。私は明日、今いる団員の半数を連れマイルズに戻らなければなりません。駐屯隊への引継と、残りの団員はここにいるコーデリアにお任せください」
「ロン、エドガー、オプト。短い間だがコーデリアを頼む」
「っ、団長! 私は子供ではありませんよ!」
「がっはっは! 頼まれてやるよボルツ!」
「はは、こちらこそよろしく頼むよコーデリア」
むくれるコーデリアにその場にいる全員が自己紹介し、会合は終了した。
村の者とマイルズ騎士団はそれを恭しく見送り、その日は聖地としてこれからどうなっていくかの話になる。話し合いの席には村の主だったいつもの者達に加え、団長ボルツと2番隊長コーデリアがこれに加わっていた。
「それにしてもロン。見事な腹の探り合いであったな」
「やめてくれボルツ。生きた心地がしなかった…」
はっはっは、と笑いながらボルツはロンの肩を叩く。
「”献上”は村の者がしないと意味が無いからな。俺たちは助け舟は出せないんだよ。それにあのお方に嘘や取り繕いは通用せんよ。お若くありながら、元老院の老人達や大臣達の横やりも軽くあしらっておられると聞く」
「ああ、俺でもすぐに分かった。この方に建前は通用しないってさ」
「それでも普通は言えませんよ。『邪魔だから持っていけ』なんて」
コーデリアが厭味ったらしく参戦してくる。
「コーデリア言い方! でもまぁ、事なきで終わってよかったよ」
ふふっと笑い、本題であるこれからの事についての話になる。コーデリアはあの狩り以降、ロンたち3人に対して初めて仲間というものを意識したのであろう、嬉しさ半面、不器用ながら素を晒すようになっていた。
「ではコーデリア、始めてくれ」
ボルツに促され、コーデリアは聖地と認定された地についての説明に入る。
「まず聖地と認定されたからには、色々この村に変化が起こります。まず、神獣の足跡について。ここは中の倒れている木々が処理され、足跡周辺を含めて整地されることになります。直接神獣の足跡に触れないよう、窪み全体に石畳が敷かれ、中央に神獣の像が祀られることになるでしょう」
「つまり、神獣様の足跡が観光地化するという事ですな?」
コーデリアの説明を村長ティムルが要約する。
「はい。正確には聖地巡礼という事になりますが、実際は観光と何ら変わりません。この整地作業につきましては、ここの領主である陛下の勅命で行われることになりますので、帝都もしくはそれを受けたマイルズの作業員がここに派遣されてくることになると思います。ですので、この村の方々に人的、金銭的負担は発生致しません」
「それは助かるな。周辺の警戒をしながら土木作業なんてやってたら、何年かかるか分かったもんじゃない」
「次に聖地の警備についてです。神獣の足跡はとても大きいので、警備の者もそれなりに人数が必要になります。とはいえ、こちらも帝都から派遣されてくる騎士団、もしくは魔法師団で構成されますので、村の方々の負担にはならないと思います。しかし―――」
「どうした?」
言葉に詰まったコーデリアをロンが気遣う。
「その者達はこの村に常駐することになりますので、見ず知らずの者達が新たにこの村に移り住む事になります。警備隊、事務官、それらを束ねる指揮官。おおよそ50~100名が新たに着任することになるでしょう」
「なんじゃそんな事か」
と、ティムルは軽く受け止める。
「儂らは別によそ者だ何だと言いはせん。こう言ってはなんだがの、不治の病を抱えた者達も受け入れてきたし、移住希望者を断ったことなどありはせん。コーデリア殿が気にするようなことではないわい」
「そうだぞコーデリア。俺もジェシカとここへ来たときは温かく迎え入れてもらえた。次の日からこいつらに狩猟を手伝わされたがな」
グイッと、親指で刺されるエドガーとオプト。
「そうだったか? がっはっは! まぁ即戦力で役に立ちそうだったし、放っておくわけないだろう!」
「だな。親父がもう歳で狩猟がしんどくなってきてたし、都合がよかったな」
「お前らなぁ…」
3人のやり取りで場が和む。コーデリアはそれを羨ましそうに見つめ、続ける。
「これも人に関することになりますが、聖地となったこの村には、移住希望者が増える事はまず間違いありません。しかし聖地に移住となると、これまでのように簡単に認められるものではなくなります。なにせ陛下の直轄地ですからね。租税を納めればそれで良しという訳ではなくなります」
「基本的に移住の可否は村の代表者、つまり村長殿の権利ではありますが、例えば過去に罪を犯した者や、その3親等までの子孫に移住は認められません。さらに、聖地で罪を犯した者には通常よりも遥かに厳しい処罰が与えられます。逆に言えば、野盗やそれに準ずる者達には、これ以上ない牽制になりますので、聖地となった後も犯罪はほとんど起らないでしょう」
「そういえば昔、勝手に村の蔵を漁ってる奴らがいて半殺しにしたなぁ。結局野盗かなんかだったのかあいつら」
「指名手配前の野盗じゃったよ。マイルズの騎士団がそう言っておったわい」
「まぁ、そんな事も無くなるんだ。有り難い事じゃないか」
「ま、まぁ、ロンさん達がいらっしゃっれば野盗などものの数では無いのでしょうが、そういう事です。今のところお伝えすべきなのはこれぐらいでしょうか、団長」
「うむ。そうだな」
次にボルツが発言し、場をまとめる。
「皆さん、これから色々大変でしょうが頑張って下さい。我々マイルズ騎士団にとって、この村は既に領内では無い状態です。残念ですが、お手伝いできるのもアルバニアで駐屯隊が編成され、到着して引き継ぐまでとなります。私は明日、今いる団員の半数を連れマイルズに戻らなければなりません。駐屯隊への引継と、残りの団員はここにいるコーデリアにお任せください」
「ロン、エドガー、オプト。短い間だがコーデリアを頼む」
「っ、団長! 私は子供ではありませんよ!」
「がっはっは! 頼まれてやるよボルツ!」
「はは、こちらこそよろしく頼むよコーデリア」
むくれるコーデリアにその場にいる全員が自己紹介し、会合は終了した。
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