『白亜の誓いは泡沫の夢〜恋人のいる公爵様に嫁いだ令嬢の、切なくも甘い誤解の果て〜』

柴田はつみ

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第十五章:泡沫から永遠へ〜愛に満ちた夜の始まり

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誤解が解消された後、キャロルは公爵と共に、その日のうちに公爵邸へと戻った。帰りの馬車の中、二人は決して手を離さなかった。

公爵は、キャロルの手を握りしめ、時折、彼女の額や手の甲に優しくキスを落とした。彼の瞳には、かつての冷たさは微塵もなく、ただキャロルへの熱い愛と、失いかけた妻を取り戻した安堵の光が宿っていた。

公爵邸に戻ると、執事のクレイグが深々と頭を下げて出迎えた。彼は、公爵夫妻の和解と、キャロルの表情から、すべてがうまく収まったことを悟ったようだった。

その夜、キャロルは自室で、侍女たちの手を借りながら、ゆったりとしたシルクのネグリジェに着替えた。彼女の心は、もう孤独と恐怖で満たされてはいない。

待ち望んでいた、真の夫婦の夜が来るのだという、甘い期待に胸が高鳴っていた。


公爵が私室に入ってきたとき、キャロルは暖炉の前で座っていた。公爵は、迷いもなくキャロルの元へ歩み寄り、彼女の前に跪いた。

「キャロル。君を傷つけ、孤独にさせた日々を、心から謝罪する。これからは、私のすべてをもって、君を愛し、守ることを誓う」

彼は、キャロルの手を取り、その手のひらに、熱いキスを何度も繰り返した。その激しく、真摯な愛情表現に、キャロルの頬は熱を持つ。

「リチャード様…もう、謝罪は不要です。わたくし、すべてを理解いたしました。そして、わたくしも、もうあなたから離れることはありません」

公爵は立ち上がり、キャロルを抱き上げると、そのまま二人が共に眠る天蓋付きのベッドへと運んだ。

この広大な部屋は、かつて、二人の間の隔たりを象徴していた。だが、今はもう違う。二人の間にあるのは、愛と、互いを求め合う熱だけだ。


公爵は、キャロルを優しくベッドに横たえると、その傍らに身を寄せた。彼は、キャロルの髪を愛おしそうに撫で、その顔をじっと見つめた。

「君を求婚した日から、私はずっと君を愛していた。だが、臆病だった。君が私を愛していないという現実を受け入れるのが怖く、君に嫌われるのが怖かった」

公爵は、キャロルの唇にそっと触れ、優しくキスをした。そのキスは、愛と、許しと、そして未来への希望に満ちていた。

「君の優しさ、強さ、そして…私を愛してくれた心。そのすべてが、私を救ってくれたのだ」

公爵は、キャロルを抱き寄せ、耳元で静かに、しかし、永遠を誓うように囁いた。

「君が私の傍にいてくれれば、私は何も恐れない。マーガレットの悲しみを乗り越え、前を向いて生きていける。だから、キャロル」

彼は、キャロルの頬に、深い愛情を込めてキスをした。

「これからは永遠に、私の隣にいてくれ。もう二度と、私の手を離さないでくれ」

キャロルは、公爵の胸に顔を埋め、深く頷いた。かつて、泡沫のように消えるかと思った白亜の誓いは、今、真実の愛によって、永遠の誓いへと変わった。

この夜、公爵夫妻の間にあったすべての誤解とすれ違いは、愛によって溶かされ、二人は初めて、真の夫婦として結ばれた。

冷徹と名高かった公爵の瞳には、愛する妻を抱きしめる喜びと、永遠の愛情だけが宿っていた。
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