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神同人作家と陸くんは嫉妬する
同人作家の恋人
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そのあと、どんな話をして藤田と別れたか全く記憶にない。家に着いて着替えもせずベッドに寝転び、すこし頭痛を覚えながら枕に顔を埋めた。
藤田が僕にそんな思いを抱いていたなんて全く気が付かなかった。たしかによく優しくしてくれるし、心配してくれるなあとは感じていたけれど……。彼氏がいることを告げる間もなく、回答はまた聞かせて、と遮られた。
藤田には悪いけど断るに決まってる。僕は元々男性が恋愛対象ではなくて、由宇さんは特別なんだ。だから、どんなに優しくてもそういう対象には見れない。でも断ったら気まずい関係になってしまうのかなあ。それもなんだか、寂しい気がするけれど……なんて、そんなことを思いながらため息をつく。
しばらく少し気持ちが落ち着いたころ、ベッドに投げていたスマホを手繰り寄せ、画面を開くと永田くんからメッセージが届いていた。
『スペース番号、発表されてるよ! すごいから見て!』
【Jパーク】では事前に各サークルのスペース番号と配置図がホームページで発表される。スペース番号は会場での住所って感じかな。各サークルの配置を確認して、効率的な会場の周り方を確認する。いつもなら発表された日はテンションが爆上がりなんだけど今、こんな状況でそれどころじゃない。
だけど返信しないわけにはいかないので、一応サイトを覗く。無意識に高西ユウ先生を一番に見てしまう自分に気づいてまた胸が痛んだ。『Aら2』が先生のスペース番号だった。そして永田くんが見て、と言っていたフクミチ先生のスペース番号を確認してみる。
「嘘……」
そこには『Aら3』と記載されていた。そして配置図を確認して僕は息を呑んだ。
高西ユウ先生とフクミチ先生が隣同士だったからだ。
それから頭痛が止まらなくなってきた。由宇さんと、早く仲直りしなきゃ。
ああでも【Jパーク】までの数週間前は修羅場のはず。僕らは知ってるんだ、この時期は作家さんたちが新刊を仕上げるために集中することを。だから邪魔しちゃ、ダメだ。いままでも、我慢してきたじゃないか。由宇さんが新刊を落とさないように。ファンのみんなが楽しみにしている作品を仕上げてもらうために……
そう思っているうちに、ポロリと涙が落ちた。
違う。何で我慢しないといけないんだ。高西ユウ先生の新刊とかそんなの、どうでもいい!
いま会わなきゃ、絶対後悔する。由宇さんから離れたくない。もう僕は由宇さんがいなきゃ生きてられない。寂しい、会いたいって気持ちを由宇さんにぶつけたい。思い切り抱きついて、由宇さんになんで連絡くれないの、と文句を言ってやりたい。というか、言ってやる。
僕はベッドから飛び降りて、スーツのままスマホと財布を手にして部屋を出た。
藤田が僕にそんな思いを抱いていたなんて全く気が付かなかった。たしかによく優しくしてくれるし、心配してくれるなあとは感じていたけれど……。彼氏がいることを告げる間もなく、回答はまた聞かせて、と遮られた。
藤田には悪いけど断るに決まってる。僕は元々男性が恋愛対象ではなくて、由宇さんは特別なんだ。だから、どんなに優しくてもそういう対象には見れない。でも断ったら気まずい関係になってしまうのかなあ。それもなんだか、寂しい気がするけれど……なんて、そんなことを思いながらため息をつく。
しばらく少し気持ちが落ち着いたころ、ベッドに投げていたスマホを手繰り寄せ、画面を開くと永田くんからメッセージが届いていた。
『スペース番号、発表されてるよ! すごいから見て!』
【Jパーク】では事前に各サークルのスペース番号と配置図がホームページで発表される。スペース番号は会場での住所って感じかな。各サークルの配置を確認して、効率的な会場の周り方を確認する。いつもなら発表された日はテンションが爆上がりなんだけど今、こんな状況でそれどころじゃない。
だけど返信しないわけにはいかないので、一応サイトを覗く。無意識に高西ユウ先生を一番に見てしまう自分に気づいてまた胸が痛んだ。『Aら2』が先生のスペース番号だった。そして永田くんが見て、と言っていたフクミチ先生のスペース番号を確認してみる。
「嘘……」
そこには『Aら3』と記載されていた。そして配置図を確認して僕は息を呑んだ。
高西ユウ先生とフクミチ先生が隣同士だったからだ。
それから頭痛が止まらなくなってきた。由宇さんと、早く仲直りしなきゃ。
ああでも【Jパーク】までの数週間前は修羅場のはず。僕らは知ってるんだ、この時期は作家さんたちが新刊を仕上げるために集中することを。だから邪魔しちゃ、ダメだ。いままでも、我慢してきたじゃないか。由宇さんが新刊を落とさないように。ファンのみんなが楽しみにしている作品を仕上げてもらうために……
そう思っているうちに、ポロリと涙が落ちた。
違う。何で我慢しないといけないんだ。高西ユウ先生の新刊とかそんなの、どうでもいい!
いま会わなきゃ、絶対後悔する。由宇さんから離れたくない。もう僕は由宇さんがいなきゃ生きてられない。寂しい、会いたいって気持ちを由宇さんにぶつけたい。思い切り抱きついて、由宇さんになんで連絡くれないの、と文句を言ってやりたい。というか、言ってやる。
僕はベッドから飛び降りて、スーツのままスマホと財布を手にして部屋を出た。
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