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天使は甘いキスが好き
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俊彦が完全に居なくなると、恵はホッとして力が抜けた。
ーーー疲れる。何あの人。
ふと、テーブルの上に置いていた恵の携帯が鳴り、着信履歴を見ると鈴からだった。
「龍之介さん! 従兄弟の鈴から写メが着てる」
恵は笑いながら、伊吹のケーキを頬張る大きな口を画面に映していた。
「子供って可愛いな」
ーーー俺がもし女の子なら、龍之介さんの子供が産めるのになぁ。
恵は耳まで紅くして、竜之介を見上げる。
ーーーやばい想像しちゃったよっ。
「どうした?」
「な、何でも無い何でも無い。それよりもう上行こうよ」
「あぁ」
龍之介は恵の手を握ると階段を上がって行った。
主寝室のふかふかのカーペットに、直接二人は座っている。
「何を想像してた?」
「…何も」
「そういえば、昔聞いた話だけど。子供を妊娠する想像をすると、想像妊娠って云って、お腹が大きくなるんだって」
恵はギョッとなって、自分のお腹を押さえた。
「嘘っ!?」
「らしいよ? 犬の話で聞いたけど」
恵は笑い出す龍之介を押し倒して、ムカつくサイテーと叫ぶ。龍之介は怒る恵の腰を抱き寄せて、自分の腰を押し付けた。
「っ!」
「恵が女の子なら、とっくに妊娠してるよ」
恵は頬を染めながら、龍之介の胸に頬を押し当てた。
「龍之介さんは…俺が女の子の方が良かった?」
「ん? 君は君だよ。俺の大切な細川恵だ」
恵は双眸を閉じて、龍之介の心音を聞いた。
「うん…ねぇ? 龍之介さんの心臓の音が聞こえるよ?」
トクントクン。生きている証。大好きな人の鼓動。
「恵…」
着替えたパジャマの裾から、龍之介の両手が潜り込む。恵は身体を起こして、パジャマのボタンを外した。
「明日教会に行ってみる? ステンドガラス細工が展示してあるんだ」
「あ。俺、龍之介さんの行く所なら、何処だって行きたい」
唇を重ね。肌を重ねて行く。二人はベッドへ向かうのももどかしく、そのままカーペットの上で抱き合った。
雪の重みで大木の枝からドサリと白い塊が落ち、キラキラと朝日に照らされて煌めく。ビックリした野ウサギが、小さな足跡を残して掛けて行く。
龍之介に夜中、新しいパジャマに着替えさせられたのだろう。ベッドの上で恵は目覚めると、違うパジャマを着ていたのに気付く。龍之介はまだ横で眠っている。恵は起こさない様に、そっとベッドから抜け出すと、カーテンを開けて感嘆の吐息を吐いた。
「一面真っ白だっ」
恵はパジャマを脱ぐと、急いで着替えて主寝室を出た。俊彦もまだ起きてない様だ。恵は内心ホッとして、玄関の鍵を開けて外へ出た。
「うっわぁぁっこんなにいっぱいの雪、伊吹が見たら喜ぶぞ~」
恵はウサギの小さな足跡を見付ける。足跡を追って恵は駆け出すが、ベチャンと雪の上にすっ転んだ。
「ぷはっ」
顔中雪だらけにして起き上がる。
「そうだ! 約束通り雪ダルマ作って、龍之介さんをビックリさせてやろうっと」
恵は早速玄関前に積もった雪を、小さな玉を作って転がし始めた。
龍之介が目覚めると、隣に寝ている筈の恵が居ない事に飛び起きた。ガウンを着て主寝室を出る。コーヒーの良い香りがリビング中に広がっている。俊彦は着替えてテーブルで寛いでいた。
「おはよう龍之介」
「…おはよう。恵を見なかったか?」
俊彦は肩を竦めて、庭を指差す。
「お前さんの可愛い恋人は、今頑張って雪ダルマ作ってるよ」
「何?」
龍之介は窓辺に歩み寄って、外を見る。恵は腰ぐらいの雪ダルマを二つと、ウサギをいくつか作っていた。
「恵っ!」
恵は龍之介の声に振り返ると、すっかり頬を紅くした顔で微笑んだ。
「おはよう龍之介さん! 見て見て、凄いでしょうっ玄関前はいつでも車出せるよ?」
ーーー本当に雪ダルマを作ったのか。
「早く中へ入って。風邪をひくよ?」
恵は直ぐ行くと返事をして、二つの雪ダルマに、小石と枯れ枝で顔を作り、龍之介の元へ掛けて行く。
「お陰で玄関前は綺麗になったよ。ありがとう恵」
「うん。後ね? あの雪ダルマ龍之介さんと俺だよ?」
不恰好な雪ダルマに、龍之介が微笑む。まるで父親が子供にする様に、頭を撫でた。
「上手く出来てる」
「そこのお二人、好い加減寒いから中入って閉めてくれるかな?」
ーーー疲れる。何あの人。
ふと、テーブルの上に置いていた恵の携帯が鳴り、着信履歴を見ると鈴からだった。
「龍之介さん! 従兄弟の鈴から写メが着てる」
恵は笑いながら、伊吹のケーキを頬張る大きな口を画面に映していた。
「子供って可愛いな」
ーーー俺がもし女の子なら、龍之介さんの子供が産めるのになぁ。
恵は耳まで紅くして、竜之介を見上げる。
ーーーやばい想像しちゃったよっ。
「どうした?」
「な、何でも無い何でも無い。それよりもう上行こうよ」
「あぁ」
龍之介は恵の手を握ると階段を上がって行った。
主寝室のふかふかのカーペットに、直接二人は座っている。
「何を想像してた?」
「…何も」
「そういえば、昔聞いた話だけど。子供を妊娠する想像をすると、想像妊娠って云って、お腹が大きくなるんだって」
恵はギョッとなって、自分のお腹を押さえた。
「嘘っ!?」
「らしいよ? 犬の話で聞いたけど」
恵は笑い出す龍之介を押し倒して、ムカつくサイテーと叫ぶ。龍之介は怒る恵の腰を抱き寄せて、自分の腰を押し付けた。
「っ!」
「恵が女の子なら、とっくに妊娠してるよ」
恵は頬を染めながら、龍之介の胸に頬を押し当てた。
「龍之介さんは…俺が女の子の方が良かった?」
「ん? 君は君だよ。俺の大切な細川恵だ」
恵は双眸を閉じて、龍之介の心音を聞いた。
「うん…ねぇ? 龍之介さんの心臓の音が聞こえるよ?」
トクントクン。生きている証。大好きな人の鼓動。
「恵…」
着替えたパジャマの裾から、龍之介の両手が潜り込む。恵は身体を起こして、パジャマのボタンを外した。
「明日教会に行ってみる? ステンドガラス細工が展示してあるんだ」
「あ。俺、龍之介さんの行く所なら、何処だって行きたい」
唇を重ね。肌を重ねて行く。二人はベッドへ向かうのももどかしく、そのままカーペットの上で抱き合った。
雪の重みで大木の枝からドサリと白い塊が落ち、キラキラと朝日に照らされて煌めく。ビックリした野ウサギが、小さな足跡を残して掛けて行く。
龍之介に夜中、新しいパジャマに着替えさせられたのだろう。ベッドの上で恵は目覚めると、違うパジャマを着ていたのに気付く。龍之介はまだ横で眠っている。恵は起こさない様に、そっとベッドから抜け出すと、カーテンを開けて感嘆の吐息を吐いた。
「一面真っ白だっ」
恵はパジャマを脱ぐと、急いで着替えて主寝室を出た。俊彦もまだ起きてない様だ。恵は内心ホッとして、玄関の鍵を開けて外へ出た。
「うっわぁぁっこんなにいっぱいの雪、伊吹が見たら喜ぶぞ~」
恵はウサギの小さな足跡を見付ける。足跡を追って恵は駆け出すが、ベチャンと雪の上にすっ転んだ。
「ぷはっ」
顔中雪だらけにして起き上がる。
「そうだ! 約束通り雪ダルマ作って、龍之介さんをビックリさせてやろうっと」
恵は早速玄関前に積もった雪を、小さな玉を作って転がし始めた。
龍之介が目覚めると、隣に寝ている筈の恵が居ない事に飛び起きた。ガウンを着て主寝室を出る。コーヒーの良い香りがリビング中に広がっている。俊彦は着替えてテーブルで寛いでいた。
「おはよう龍之介」
「…おはよう。恵を見なかったか?」
俊彦は肩を竦めて、庭を指差す。
「お前さんの可愛い恋人は、今頑張って雪ダルマ作ってるよ」
「何?」
龍之介は窓辺に歩み寄って、外を見る。恵は腰ぐらいの雪ダルマを二つと、ウサギをいくつか作っていた。
「恵っ!」
恵は龍之介の声に振り返ると、すっかり頬を紅くした顔で微笑んだ。
「おはよう龍之介さん! 見て見て、凄いでしょうっ玄関前はいつでも車出せるよ?」
ーーー本当に雪ダルマを作ったのか。
「早く中へ入って。風邪をひくよ?」
恵は直ぐ行くと返事をして、二つの雪ダルマに、小石と枯れ枝で顔を作り、龍之介の元へ掛けて行く。
「お陰で玄関前は綺麗になったよ。ありがとう恵」
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