14 / 16
秘書は蜜愛に濡れる…柏木陽斗の場合 その2と2/1
しおりを挟む
柏木陽斗は目深に目深に被った帽子を少し上げて、ショウィンドウに映るディオの姿にドクンと胸を鳴らした。
先日事務所の社長から、ディオ・ランバート・ヴィルテアなる人物を、陽斗のマンションにホームステイさせると云われてから、反発した陽斗が家出をしたのだ。
仕事はこなすが自宅には帰らず、高校時代の友人の自宅に転がり込んだりしていたが、とうとうディオに見付かったのだ。
ーーーなんで僕の家なのに、なんであいつと一緒に住まなきゃなんないのさ? 奈緒って人の所に行きゃあ良いじゃんか。
それに。
ーーー僕…失恋しちゃったんだな。
憧れていた細川大樹は、大事な恋人が居る。
綺麗で優しい高平奈緒。
ーーーいっそやな奴なら、とことん嫌えたのに。
「今夜は誰の家に泊まろうかな」
「…陽斗?」
呼ばれて振り返れば、高校時代の友人の1人が、びっくりして陽斗を見詰めていた。
「高木?」
「おう。久しぶりだな~何こんな時間に? 撮影終わったのか?」
「うん」
「何々? うわ、本物?」
すらりと背の高い高木が、連れの男に頷いてみせた。
「陽斗こいつルームメイトの充」
「こんばんわ」
陽斗は背の高いもう1人の男に挨拶をする。
「すげ~俺の姉貴あんたのファンでさ、もし良かったら俺らのアパートに遊びに来ねぇ?」
「今から?」
「そうしろよ。俺ら2人だけだし…ってか、芸能人は忙しいか?」
訊かれて陽斗は顔を横に振った。
「大丈夫。行って良いなら行きたい! ってか今日泊めて貰っても良いかな?」
高木と充が顔を見合わせて、にやりと笑った。
「良いぜ? ちょうど俺らナンパしに銀座に来たけど…良いや今夜は」
「ナンパ? お前相変わらずだな。まさか付き合ってる彼女とか居たりするのか? 高校の頃よく彼女変わってたけど」
「そうだっけ?」
高木は陽斗の肩に手を回して歩き出す。
陽斗はチラリと背後を見たが、もうディオの姿は見えなかった。
ーーーなんだよあいつ…。
胸がキュンとして、寂しさが過ぎる。
ーーー別に、あんな奴知らないし、どうせ社長か草壁さんに頼まれたんだろうし…。
なんだかムカつく。
途中、コンビニに寄って菓子とアルコール類を調達した3人は、高木の住むアパートへ遣って来た。
築30年だという6畳2間の古い部屋を見渡して、陽斗はちょこんと座った。
脱ぎ散らかした洋服や、エロ雑誌が無造作に置かれている。
「狭くて悪いな」
「そんな事ないよ。小さい時は似たような所に居たし」
陽斗はどこで寝ようかと辺りを見渡して、缶ビールを飲み出した充に飲めと促された。
「僕、アルコール飲めないんだ。ジュースで」
「少しぐらい良いだろう?」
陽斗は困って高木を見た。が、高木は何やらテレビのリモコンを持ってごそごそと動いている。
「高木?」
陽斗はやんやと騒ぐ充を余所に、高木に近付いた。
「面白いやつ借りたんだ。観たら結構面白くてさ。そんなに良いなら見繕って体験してみようかって、充と話してたんだよな」
「そうそう」
「?」
先日事務所の社長から、ディオ・ランバート・ヴィルテアなる人物を、陽斗のマンションにホームステイさせると云われてから、反発した陽斗が家出をしたのだ。
仕事はこなすが自宅には帰らず、高校時代の友人の自宅に転がり込んだりしていたが、とうとうディオに見付かったのだ。
ーーーなんで僕の家なのに、なんであいつと一緒に住まなきゃなんないのさ? 奈緒って人の所に行きゃあ良いじゃんか。
それに。
ーーー僕…失恋しちゃったんだな。
憧れていた細川大樹は、大事な恋人が居る。
綺麗で優しい高平奈緒。
ーーーいっそやな奴なら、とことん嫌えたのに。
「今夜は誰の家に泊まろうかな」
「…陽斗?」
呼ばれて振り返れば、高校時代の友人の1人が、びっくりして陽斗を見詰めていた。
「高木?」
「おう。久しぶりだな~何こんな時間に? 撮影終わったのか?」
「うん」
「何々? うわ、本物?」
すらりと背の高い高木が、連れの男に頷いてみせた。
「陽斗こいつルームメイトの充」
「こんばんわ」
陽斗は背の高いもう1人の男に挨拶をする。
「すげ~俺の姉貴あんたのファンでさ、もし良かったら俺らのアパートに遊びに来ねぇ?」
「今から?」
「そうしろよ。俺ら2人だけだし…ってか、芸能人は忙しいか?」
訊かれて陽斗は顔を横に振った。
「大丈夫。行って良いなら行きたい! ってか今日泊めて貰っても良いかな?」
高木と充が顔を見合わせて、にやりと笑った。
「良いぜ? ちょうど俺らナンパしに銀座に来たけど…良いや今夜は」
「ナンパ? お前相変わらずだな。まさか付き合ってる彼女とか居たりするのか? 高校の頃よく彼女変わってたけど」
「そうだっけ?」
高木は陽斗の肩に手を回して歩き出す。
陽斗はチラリと背後を見たが、もうディオの姿は見えなかった。
ーーーなんだよあいつ…。
胸がキュンとして、寂しさが過ぎる。
ーーー別に、あんな奴知らないし、どうせ社長か草壁さんに頼まれたんだろうし…。
なんだかムカつく。
途中、コンビニに寄って菓子とアルコール類を調達した3人は、高木の住むアパートへ遣って来た。
築30年だという6畳2間の古い部屋を見渡して、陽斗はちょこんと座った。
脱ぎ散らかした洋服や、エロ雑誌が無造作に置かれている。
「狭くて悪いな」
「そんな事ないよ。小さい時は似たような所に居たし」
陽斗はどこで寝ようかと辺りを見渡して、缶ビールを飲み出した充に飲めと促された。
「僕、アルコール飲めないんだ。ジュースで」
「少しぐらい良いだろう?」
陽斗は困って高木を見た。が、高木は何やらテレビのリモコンを持ってごそごそと動いている。
「高木?」
陽斗はやんやと騒ぐ充を余所に、高木に近付いた。
「面白いやつ借りたんだ。観たら結構面白くてさ。そんなに良いなら見繕って体験してみようかって、充と話してたんだよな」
「そうそう」
「?」
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる