鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー

吉良龍美

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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー

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「うえ~~~~~~~~~~!?」
「それ決定っ!」
 女子と男子が真っ二つで叫ぶ。鈴はキョトンとしていた。
「鈴君も里桜君も絶対可愛いメイドになれるわよ?」
 川辺りさがウインクする。一斉に視線が里桜に向かった。
「良いなそれ」
 疾風がにやけたので、里桜が睨む。
「疾風先生、話が解る~」
「で? メニューだな問題は」
「飲み物はコーヒーとかオレンジ、ジンジャーで良いんじゃない?」
「うちには幸運にも調理部が五人も居るわよ?」
 女子達がどんどん話しを進めて行く。
「俺メイドの恰好するのか?」
「うわっキモ」
「うっせーお前もな」
「でも、鈴がメイド」
 その言葉に男子が黙る。ミニスカートに二―ハイ姿。鈴への妄想が膨らみ前屈みになる男子が続出。無言で教室を飛び出す数名の男子に、女子がブリザードの眼差しで見送った。
 衣装はサイズがまちまちなので、裁縫が得意な子達が布の回収から始める事になり、メニューはケーキとプリンを作る事にして、材料購入の班に分かれた。

 隼人はあずさの指定して来た駅の改札口に居た。
「お待たせしてごめんなさいね」
 ピンク色のショートワンピースを着たあずさは、幸せそうに微笑する。
「何処へ行きますか?」
「水族館。昔デートした所が良いわ。思い出を作りたいの」
 あずさは隼人の腕に手を添えて、改札口を抜けると丁度やってきた電車に乗り込んだ。あずさはおなかをそっと撫でて、車窓の外を見詰める。
「鈴君凄く良い子ね。可愛らしくて、女の子のようだわ。あんな子が実の弟なら、可愛がれたのに」
「…先輩?」
 あずさは横に座る隼人を見る。
「夢に出るの。私があの子を殺す夢」
 隼人は息を呑み込んだ。
「只の夢よ。…ふふ」
 隼人は、あずさに握られた右手を振り払う事が出来ずに、背筋に悪寒が走るのを感じていた。
「もう直ぐ素敵な事が起きるわ」
 ベビーカーに乗せた子供をあやす夫人を遠くで見詰め、歌うようにあずさが話す。
「とても素敵な事よ?」

 山野井あずさが行きたいと望んだのは、母校の大学だった。卒業してから一度も脚を運んでいなかったから、隼人懐かしくて頬が緩んでしまう。
「ねえ、覚えている?」
 今は授業中のせいか、周りにあまり学生が居ない。チラホラと木陰のベンチで、次の抗議を待つ者が読書や雑談をしている。
「何をです?」
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