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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー
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「撮るな変態」
里桜が噛み付く。ジンが鼻で笑うと、鈴に歩み寄ってその片頬を撫でた。
「可愛いな」
鈴が頬を染める。ドキドキして眼を伏せると、扉の向こうから春彦と美代が顔を出した。
「きゃーーーーーー鈴ちゃん!」
美代が鈴に抱き着いて可愛いを連発。女子達が唖然とした。
「あの人誰!?」
「あー、ごめん俺の妹」
「「「はあ?」」」
生徒達が双眸を見開く。
「久しぶり、鈴ちゃん会えて嬉しい。ほんでもって~」
美代が剛を一瞥して一言。
「熊もね」
「誰が熊じゃっ!!!」
「やだ~熊がミニスカ? キッモ」
「う、うるせーっ! 好きでこんな格好……」
情けなくなって涙が出そうだと剛は唸る。
やんやと美代と剛がいがみ合う。なんだが気が合っているようだ。鈴が困って美代の背を突いた。
「午前中だけのメイド当番だから、午後から着替えたら校内を一緒に見て回ろうね?」
「えっ? そのままの格好で良いじゃない? せっかく可愛いのに」
デジカメも持参して来たと、がっかりして云う。
「母ちゃんにこの格好は見付かるとちょっと…」
「む~~~」
「ほら美代、邪魔になるから行くよ? 鈴ちゃん後でね? …剛」
ビクッと肩を揺らした剛が汗ダラダラで春彦を振り返る。
「それお持ち帰りで」
「「「………怖くて聞けない」」」
生徒達がドン引いた。
「父さん」
疾風が豚汁とカレーの販売ブースに来ると、生徒とその家族らしき人達で賑わっていた。
「疾風、なんだもう買いに来たのか? まだ昼までには時間があるだろう」
「買いに来たんじゃないよ残念ながら。隼人が退院の迎えは良いそうだから、序でにこっちへ直接顔を出すってさ。なんかあずささんのお父さんだっけ? 院長先生と話し済んだら来るみたいだけど」
「そうなのか? あぁ、私の携帯にメール来ていたのか。気付かなかったよ」
晴臣が携帯を確認する。薫が振り返って「大丈夫?」と訊いて来た。
「だと思って隼人が俺に電話寄越して来た。あいつ…記憶戻ったってさ」
「っ! まあっ本当に? 良かったわ!」
「それは良かった。これで鈴君も…」
晴臣と薫がハッとして黙り込む。
「?」
疾風が首を傾げる。そこへ校内アナウンスで疾風が呼ばれた。
「わりぃ俺行くから」
「あ、あぁ。また後でな」
晴臣と薫が見送り、薫は嘆息する。
「鈴君の気持ちを優先してあげよう」
「……ええ」
涙を浮かべた薫が俯いて首肯した。
「オレンジジュース二につと、チョコクレープひとつ」
鈴がメモを衝立の向こう側に声を掛ける。すると剛が鉢巻を巻いて「おう」と云った。結局剛はメイド役は没になった。何故ならその異様な出で立ちにちいさな子供が恐怖で泣き叫んだからだ。今は体操着に鉢巻き姿だ。剛本人は「助かった」と喜んでいる。
「お姉ちゃんのメイドさん可愛い!」
幼稚園児が母親とやって来て、「一緒に写真撮って」とせがまれ、鈴はしゃがんで園児と保護者の携帯で記念写真を撮る。するとちょっとした列ができて、写真撮影会が始まった。
「鈴君のおかげで客ががっぽり♪ 鈴君は特別そこで看板やってて!」
女子の一声に鈴が眼を丸くする。「一緒に写真撮って」は可愛いおちびさん達だけではない。何故かオタク系の怪しげなおっさんまで並んでいた。
「…午前中の我慢か」
「鈴」
メイド服から制服に着替えた里桜が、鈴に声を掛ける。
「生徒会の方行くけど、無理するなよ? 女子には声掛けといたから」
「うん、いってらしゃい。あの、後で話があるんだけど、いい?」
「え? あぁ~大丈夫だけど、生徒会の用事終わってからになるぞ?」
「うん、それで大丈夫」
里桜が鈴の頭を撫でる。
「後でな」
里桜が噛み付く。ジンが鼻で笑うと、鈴に歩み寄ってその片頬を撫でた。
「可愛いな」
鈴が頬を染める。ドキドキして眼を伏せると、扉の向こうから春彦と美代が顔を出した。
「きゃーーーーーー鈴ちゃん!」
美代が鈴に抱き着いて可愛いを連発。女子達が唖然とした。
「あの人誰!?」
「あー、ごめん俺の妹」
「「「はあ?」」」
生徒達が双眸を見開く。
「久しぶり、鈴ちゃん会えて嬉しい。ほんでもって~」
美代が剛を一瞥して一言。
「熊もね」
「誰が熊じゃっ!!!」
「やだ~熊がミニスカ? キッモ」
「う、うるせーっ! 好きでこんな格好……」
情けなくなって涙が出そうだと剛は唸る。
やんやと美代と剛がいがみ合う。なんだが気が合っているようだ。鈴が困って美代の背を突いた。
「午前中だけのメイド当番だから、午後から着替えたら校内を一緒に見て回ろうね?」
「えっ? そのままの格好で良いじゃない? せっかく可愛いのに」
デジカメも持参して来たと、がっかりして云う。
「母ちゃんにこの格好は見付かるとちょっと…」
「む~~~」
「ほら美代、邪魔になるから行くよ? 鈴ちゃん後でね? …剛」
ビクッと肩を揺らした剛が汗ダラダラで春彦を振り返る。
「それお持ち帰りで」
「「「………怖くて聞けない」」」
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疾風が豚汁とカレーの販売ブースに来ると、生徒とその家族らしき人達で賑わっていた。
「疾風、なんだもう買いに来たのか? まだ昼までには時間があるだろう」
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「そうなのか? あぁ、私の携帯にメール来ていたのか。気付かなかったよ」
晴臣が携帯を確認する。薫が振り返って「大丈夫?」と訊いて来た。
「だと思って隼人が俺に電話寄越して来た。あいつ…記憶戻ったってさ」
「っ! まあっ本当に? 良かったわ!」
「それは良かった。これで鈴君も…」
晴臣と薫がハッとして黙り込む。
「?」
疾風が首を傾げる。そこへ校内アナウンスで疾風が呼ばれた。
「わりぃ俺行くから」
「あ、あぁ。また後でな」
晴臣と薫が見送り、薫は嘆息する。
「鈴君の気持ちを優先してあげよう」
「……ええ」
涙を浮かべた薫が俯いて首肯した。
「オレンジジュース二につと、チョコクレープひとつ」
鈴がメモを衝立の向こう側に声を掛ける。すると剛が鉢巻を巻いて「おう」と云った。結局剛はメイド役は没になった。何故ならその異様な出で立ちにちいさな子供が恐怖で泣き叫んだからだ。今は体操着に鉢巻き姿だ。剛本人は「助かった」と喜んでいる。
「お姉ちゃんのメイドさん可愛い!」
幼稚園児が母親とやって来て、「一緒に写真撮って」とせがまれ、鈴はしゃがんで園児と保護者の携帯で記念写真を撮る。するとちょっとした列ができて、写真撮影会が始まった。
「鈴君のおかげで客ががっぽり♪ 鈴君は特別そこで看板やってて!」
女子の一声に鈴が眼を丸くする。「一緒に写真撮って」は可愛いおちびさん達だけではない。何故かオタク系の怪しげなおっさんまで並んでいた。
「…午前中の我慢か」
「鈴」
メイド服から制服に着替えた里桜が、鈴に声を掛ける。
「生徒会の方行くけど、無理するなよ? 女子には声掛けといたから」
「うん、いってらしゃい。あの、後で話があるんだけど、いい?」
「え? あぁ~大丈夫だけど、生徒会の用事終わってからになるぞ?」
「うん、それで大丈夫」
里桜が鈴の頭を撫でる。
「後でな」
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