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出会い系喫茶から逃げ出したが変な店で女王様に鞭で打たれ、モシモシ倶楽部の三人に助けられる。
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あらすじ
出会い系喫茶でビデオチャットしてるとモシモシ倶楽部のトンキーさんと偶然画面が繋がった。トンキーさんが居たのは変な店で女王様に鞭で打たれてる。モシモシ倶楽部の三人に助けられて間違えてスカウトされたとやっと判った。
彩香ちゃんが席に付いてどうしようかと思案顔で上を向いて天井を見つめた。
黒く塗られた天井には薄暗い蛍光灯の明かりが並んでるだけ。
天井を見ただけでいい考えが思いつくはずもない。
あらためてパソコンの画面を眺めてみると、男の子の顔が沢山映っている。
ともかく今はビデオチャットの続きをするしかない。
すぐに次の相手が声を掛けてきた。
彩香ちゃんのパソコンの画面に映ったビデオチャットの相手は、白い服を着た中年の変なおじさんだ。
今度もまた変な事を聞かれるかと思うと、とても相手にする気なんか起きない。
彩香ちゃんが「私たち本当はロボットなんです」と言って誤魔化してチャットを止めようとした。
男はちょっと驚いた顔をしたが、何度か頷いた後に納得した顔で彩香ちゃんの見つめ返した。
目を大きく開いてじっと彩香ちゃんの顔を見続けてまるでにらめっこでもしてるよう。
男の眉毛が大きく上下に動いて、彩香ちゃんは思わず笑いそうになった。
彩香ちゃんの反応を確かめるようにして、今度は男が目をくるくると回して動かした。
面白がってからかってるらしいが、彩香ちゃんはどう反応していいのか判らずに今度は口をすぼめた。
男はゆっくりと息を何度も吸い込むとゆっくりとした声で話しだした。
「本当のロボットなら何でもできるよね、人間そっくりのロボットなんだから。どんな事ができるのかな」と男は一つ一つ言葉を句切るようにゆっくりと喋った。
男は彩香ちゃんが冗談を言ってるんだとは思ってるらしいと有紀は思った。
ロボットがこんな所でビデオチャットの相手なんかしてるわけがない。
彩香ちゃんはどう答えていいのか判らずに困ってる。
どうせからかわれているだけだと思ったらしくて彩香ちゃんは「今日は良い天気ですね」と適当に返事をした。
「そうだね、今日はとっても良い天気だ、今日は何月何日だか判るかな」と男が聞いてきた。
彩香ちゃんが「今日は6月4日です」と答えると、男の目がぱっと開いて驚いた顔をしている。
ロボットだったら今日が何月何日か判るはずがないので、それで驚いたらしいと有紀にもなんとなく判った。
「それじゃあ、好きな食べ物は何かな」と聞かれて彩香ちゃんはどう答えていいのか判らないでまた困ってしまった。
ロボットなんだから食べ物なんか食べるわけ無い。
きっとからかわれてるのだと思って彩香ちゃんは「たこ焼きです」と答えてみた。
「そうだね、たこ焼きは美味しいね、どんな味のたこ焼きが好きなのかな」とまた変なことを聞かれた。
「ケチャップ味です」と答えると画面が変わって変な顔が映った。
まるでお面を被ってるような顔はどう見てもロボットの顔。
口や目も動くらしくて、彩香ちゃんの顔を見つめてじっとして動かない。
しばらくして口が動くと「今晩は、今日はどんな気分かな」と話しかけて来た。
まるでコンピューターが喋ってるような声だ。
誰かがロボットの振りをしてチャットの相手をしてるのかも知れないけど、なんでそんな事をするのか判らない。
「彼氏いるのかな、好きなタイプはどんなかな」と男が言い出した。
ナンパのつもりらしい。
「一人で歩いてるときなんか、声かけられちゃったことあるかな」とか聞かれたけど、うっかり答えられない。
「格好いい男の子に声を越えかけられたら、ついてっちゃいたくなるよね、行くならカラオケ、公園、マクドナルドのどれが良いかな」とか聞かれたけど、これじゃあまるでアンケート調査だ。
横から急に画面が開いて誰かがチャットに割り込んできた。
「いや、こんな所で油売ってちゃだめじゃん、ぺ」とかいきなり言われて有紀はびっくりしてしまった。
お笑いタレントの「モシモシ倶楽部」のトンキーさんだ。
将来の日本の番組でモシモシ倶楽部の三人がチャットを体験するシーンがあるらしい。
それでトンキーさんがビデオチャットに来てるらしい。
番組のスタッフが三人がどっかに行ってしまって困って探してるとトンキーさんが教えてくれた。
ついさっき声を掛けてきたスカウトの人はテレビ局じゃなかったんだ。
モシモシ倶楽部の三人に迎えに来てくれるというので、これでやっとこのビデオチャットの店から出られるので一安心だ。
さっきの受付で待っているとなかなかトンキーさんが来ない。
しばらく待ってると横のドアがあいて男が三人出てきた。
「いや、待たせたね」と男の一人が馴れ馴れしく声をかけてきた。
ジャンパーを着た中年男で全然知らない顔。
お腹がでっぷりと太っていて歳は有紀のお父さんくらいに見える。
この店で他の女の子とビデオチャットしてた男達みたいだ。
「君たち、可愛いね、カラオケが好きなんだってね」と男に誘われた。
モシモシ倶楽部の三人が来るまで待とうと思ったけどもしかしてモシモシ倶楽部の三人は店を間違えたのかもしれない。
仕方なく目の前の男三人と一緒に店を出ることした。
カラオケ店だと言われて入った店はなんだか変な感じだ。
一応はカラオケボックスみたいな作りになってるけど正面が大きな鏡張りだ。
この店では面白いショーが見られると男に言われた。
男が壁際のスイッチで照明の明かりを消すと、鏡の向こうが透けてみえた。
壁の鏡はマジックミラーになっていてるらしい。
その向こうにも鏡があって、部屋の中は左右からマジックミラーで見える仕組になってる。
マジックミラーの向こうで男の人が四つんばいになって「ワンワン」と声を出しながら部屋の中を四つんばいのまま動き回ってるのが見えた。
それも女子高生のセーラー服をきて、プリーツスカートの下に青い男物のトランクスが見えてる。
見たことのある顔だと思ったら、さっきビデオチャットで話しをしたモシモシ倶楽部のトンキーさんだ。
トンキーさんのすぐ横に鞭を持った女の人らしい姿がある。
背が高くて足も長くてすらりとしていてまるでモデルさんみたいな美人だ。
黒い皮の衣装にはとがった鋲が沢山ついていて、鎧でも着てる見たいな感じ。
黒いピンヒールは踵が高くて踏みつけられたらとても痛そうだ。
「生意気だぜ、こうしてくれる」と芝居じみた声で言いながら女王様は鞭を振り上げて、トンキーさんのお尻めがけて鞭を叩きつけた。
「ぎゃーー、ーーあああ」と鞭が打ち下ろされるたびにトンキーさんが大げさに身体を震わせて叫んでる。
なんでこんなことになってるのか判らない。
これもテレビかなんかの収録なんだろうか。
有紀の隣に座った男が手にしたグラスを無理矢理に、有紀の口元に押しつけてきた。
お酒を一口飲み込んだだけで、胃袋が燃えるように熱くて目眩がした。
このままじゃ大変な事になりそう。
なんとか逃げ出す方法を考えようと思ったけどいいアイデアが浮かばない。 とっさに彩香ちゃんが「私も鞭でぶって欲しいんです」と男に大きな声で叫んだ。
「ぶたれるのが好きなんだ。それは、いい。面白いぜ」と男が言ってくれたのでこれはなんとかなると有紀は思った。
「そうです、私もぶたれるの大好きなんです」と有紀も調子を合わせた。
「思い通りにしてやるぜ」と男の一人が言うと、他の二人も納得した顔で頷いた。
カラオケルームを出て隣の部屋に案内されると女王様が鞭をしならせ三人の顔を見た。
真横から明るい照明が床と天井から女王様の顔を照らしてる。
照明の向こうは奥を客席風の作りでテーブルが並んでいて客らしい男の姿が見えた。
客席の反対側の壁は古びたレンガ造りで、中世の古城みたいな雰囲気。
斜めにバッテンになった変な形の十字架が壁に組み込んである。
十字架の両側に女の人が裸で縛られている大きな絵が飾ってある。
モシモシ倶楽部のトンキーさんが居るはずだと思って見回してみたけど何処にも見当たらない。
「さあ、そこに四つんばいになるのよ、お尻をこっちに向けてね」と女王様が鞭をしならせて言った。
「さっさとやるんだよ、痛い目に遭いたくないだろう」と女王様に言われて有紀は訳が分からなくなった。
四つんばいになれば鞭でお尻を叩かれて痛い目に遭わされちゃう。
それなのに痛い目に遭いたくないだろうなんて言うのは、何を言ってるのか判らない。
客席から「早くしろ」と男の声が聞こえた。
すぐその後から「真面目にやれー」とまた別の男の声が部屋に響いた。
急に彩香ちゃんは舞台の中央ですくっと立つといきなり踊りながら「アルプス一万尺」を歌い出した。
なんとか誤魔化そうとしてとっさに思いついたらしい。
江実矢君もすばやく彩香ちゃんの隣で変な格好で踊り出した。
こうなったら有紀もやるしかないと思って、彩香ちゃんの隣で一緒に声を合わせた。
「バカヤロー、ふざけんじゃねえ、金返せ」とまた客席から大声でどなる声が聞こえたけど、彩香ちゃんは一生懸命踊り続けてる。
有紀のすぐ頭の上をぴしゃりと鋭い音がして、有紀は首をすくめた。
「四つんばいになれっていってんだろ」と女王様が乱暴な口調でわめき立てた。
「ここに四つんばいになるんだよ、さっさとやれ」と女王様が鞭を振ると、ピューと空気を引き裂く音が有紀の顔のすぐ前に鳴り響いた。
彩香ちゃんが女王様の前に一歩出ようとしたとき、江実矢君が彩香ちゃんを引き留めた。
「叩くなら、僕を叩いて」と言って江実矢君はそのまますぐ女王様の目の前に両手をついた。
彩香ちゃんは巨乳だし、有紀だって中学生にしては大きすぎるくらいの胸がある。
だけど江実矢君は男の子だから、胸はぺちゃんこだし足だって細い。
どうみたって見せ物になるようなお色気たっぷりの体じゃない。
「ちょっと、あんた年幾つなの」と女王様が怪訝な顔で聞いた。
「私達中学二年です」と彩香ちゃんが大声で答えた。
女王様は何度も江実矢君のお尻を鞭の先でつついたが、すぐには男の子だとは気がつかないみたい。
細い足と小さな体つきは女の子だったら中学生になったばかりくらいの体型だ。
中学生だと判ったらきっと帰してもらえると思って有紀は女王様の答えをまった。
「それは、ちょうどいい、中学生ならいい商売になるってもんよ」と女王様が口元をにやりとさせた。
「さっさと床に四つんばいになるんだ」と女王様が言うと鞭の先を三人の目の前につきだした。
鞭でお尻をぶたれるのはいやだけど、逆らったりするともっと大変な事になりそう。
彩香ちゃんが仕方なく江実矢君の横で床に膝を付いた。
有紀も彩香ちゃんの隣で膝を付いて四つんばいになった。
「さあ、生意気な中学生を懲らしめてやる」と女王様が大声で怒鳴り声を上げて、鞭をしならせた。
有紀は耳元に響く鞭の音が怖くて体ががたがた震えてきた。
女王様が振り上げた鞭を有紀のお尻に思い切り強く叩きつけてきた。
鞭の先が有紀のお尻にぶつかったとき、有紀は思わず身震いをした。
その次の瞬間にあれっと思って有紀は思わず女王様の方に顔を向けた。
思った程痛くない。
女王様も相手が中学生だから手加減してくれてるらしい。
つぎに女王様が鞭を振り上げて、江実矢君のお尻を叩いた。
「ぐえっ」と江実矢君が声にならないうめき声を上げると、四つんばいの体が床に倒れ込んだ。
鞭でお尻を軽く叩かれただけでそんなに痛がる分けがない。
男の子の急所に鞭の先が当たっちゃったらしい。
女王様もそんな強く叩いていないのに江実矢君がどうしてこんなに痛がってるのか不思議そうな顔をして鞭の先を確かめてる。
次に彩香ちゃんが鞭で叩かれる番だ。
彩香ちゃんは大声で「お願いタスケテー」と叫ぶと四つんばいのまま這って逃げようとした。
その時いきなり客席からセーラー服を着た女子高生が三人舞台に駆け上がってきた。
三人は女王様の目の前で「シュワー」と叫ぶと変な格好で踊り出した。
映画で見る空手の格闘シーンの真似をしてるらしい。
よくみるとモシモシ倶楽部の三人だ。
三人とも女子高生のセーラー服をきてるけど、スカートから出た足にはすね毛が見えてる。
三人はヘンテコナ踊りを続けて彩香ちゃんと有紀と江実矢君の周りを取り囲んだ。
女王様が鞭を振り上げてモシモシ倶楽部の三人に叩きつけてきた。
鞭に叩かれるのはよっぽど痛いらしくてモシモシ倶楽部の三人は今度は彩香ちゃんの後に隠れた。
男の癖に女の子の後に隠れるなんて、よっぽどの弱虫だ。
女王様もセーラー服を着た三人がテレビでよく見るお笑いタレントのモシモシ倶楽部だと気が付いたみたい。
「あんた達、もう良いから帰って。ショーの邪魔しないでくれる」と女王様が呆れた顔をして吐き捨てるようにいった。
女王様の気分が変わる前に逃げ出すのが一番だ。
みんなで一緒に店をでると大あわてで大通りを駆け抜けた。
彩香ちゃんが一息つこうと立ち止まるとトンキーさんがすぐに彩香ちゃんの手を取って引っ張った。
「収録が遅れて大変なんだ、すぐ来て、駆け足」とトンキーさんに言われて急いで原宿の竹下通りまで駆け足で戻った。
テレビ局のディレクターがちょうど竹下通りの一番奥で待ち構えていた。
「いや、なんでもいいから、すぐ撮影するから」とディレクターが困った顔でスタッフに指図してる。
「最初に、スカウト役の俳優さん紹介しときゃよかったんだ、いや俺のせいです、ほんとにスンマセン」とディレクターが頭を下げたけど、本気で自分が悪いと思ってるのじゃあないみたい。
本当は「何してやがる、馬鹿ヤロー」と言いたい所だけど、素人の中学生が相手なのでじっと我慢してる様子。
撮影は予定を大幅に超過してしまって、もうとても時間がない。
彩香ちゃんと有紀と江実矢君の三人が居ないので仕方なく代役でモシモシ倶楽部の三人がセーラー服を着せられて撮影してたらしい。
すぐにスカウト役の俳優さんが呼ばれて、声を掛けられる場面を撮影した。
スカウトの場面はもうそれでいいとディレクターのオッケーが出たのでさっそく近くに止まっている放送局の車に局に戻った。
次はタレントの事務所のセットでの収録だ。
最初は簡単な面接の後契約書にサインして、そのあと写真撮影。
タレント事務所が三人を歌手デビューさせるというストーリーなので、会議の様子なども再現ドラマ風に収録した。
もちろんタレント事務所なんか全部嘘で会議なんか適当にそれらしくやってるだけで、本当に歌手デビューの会議なんかじゃない。
あとは三人でデビュー曲を歌うということになって、新しく作ってもらった歌を教えてもらった。
最後に衣装をつけて振り付け師の先生にその場で適当に踊りを教えてもらって踊りの練習をしてる場面を撮って収録は終了した。
出会い系喫茶でビデオチャットしてるとモシモシ倶楽部のトンキーさんと偶然画面が繋がった。トンキーさんが居たのは変な店で女王様に鞭で打たれてる。モシモシ倶楽部の三人に助けられて間違えてスカウトされたとやっと判った。
彩香ちゃんが席に付いてどうしようかと思案顔で上を向いて天井を見つめた。
黒く塗られた天井には薄暗い蛍光灯の明かりが並んでるだけ。
天井を見ただけでいい考えが思いつくはずもない。
あらためてパソコンの画面を眺めてみると、男の子の顔が沢山映っている。
ともかく今はビデオチャットの続きをするしかない。
すぐに次の相手が声を掛けてきた。
彩香ちゃんのパソコンの画面に映ったビデオチャットの相手は、白い服を着た中年の変なおじさんだ。
今度もまた変な事を聞かれるかと思うと、とても相手にする気なんか起きない。
彩香ちゃんが「私たち本当はロボットなんです」と言って誤魔化してチャットを止めようとした。
男はちょっと驚いた顔をしたが、何度か頷いた後に納得した顔で彩香ちゃんの見つめ返した。
目を大きく開いてじっと彩香ちゃんの顔を見続けてまるでにらめっこでもしてるよう。
男の眉毛が大きく上下に動いて、彩香ちゃんは思わず笑いそうになった。
彩香ちゃんの反応を確かめるようにして、今度は男が目をくるくると回して動かした。
面白がってからかってるらしいが、彩香ちゃんはどう反応していいのか判らずに今度は口をすぼめた。
男はゆっくりと息を何度も吸い込むとゆっくりとした声で話しだした。
「本当のロボットなら何でもできるよね、人間そっくりのロボットなんだから。どんな事ができるのかな」と男は一つ一つ言葉を句切るようにゆっくりと喋った。
男は彩香ちゃんが冗談を言ってるんだとは思ってるらしいと有紀は思った。
ロボットがこんな所でビデオチャットの相手なんかしてるわけがない。
彩香ちゃんはどう答えていいのか判らずに困ってる。
どうせからかわれているだけだと思ったらしくて彩香ちゃんは「今日は良い天気ですね」と適当に返事をした。
「そうだね、今日はとっても良い天気だ、今日は何月何日だか判るかな」と男が聞いてきた。
彩香ちゃんが「今日は6月4日です」と答えると、男の目がぱっと開いて驚いた顔をしている。
ロボットだったら今日が何月何日か判るはずがないので、それで驚いたらしいと有紀にもなんとなく判った。
「それじゃあ、好きな食べ物は何かな」と聞かれて彩香ちゃんはどう答えていいのか判らないでまた困ってしまった。
ロボットなんだから食べ物なんか食べるわけ無い。
きっとからかわれてるのだと思って彩香ちゃんは「たこ焼きです」と答えてみた。
「そうだね、たこ焼きは美味しいね、どんな味のたこ焼きが好きなのかな」とまた変なことを聞かれた。
「ケチャップ味です」と答えると画面が変わって変な顔が映った。
まるでお面を被ってるような顔はどう見てもロボットの顔。
口や目も動くらしくて、彩香ちゃんの顔を見つめてじっとして動かない。
しばらくして口が動くと「今晩は、今日はどんな気分かな」と話しかけて来た。
まるでコンピューターが喋ってるような声だ。
誰かがロボットの振りをしてチャットの相手をしてるのかも知れないけど、なんでそんな事をするのか判らない。
「彼氏いるのかな、好きなタイプはどんなかな」と男が言い出した。
ナンパのつもりらしい。
「一人で歩いてるときなんか、声かけられちゃったことあるかな」とか聞かれたけど、うっかり答えられない。
「格好いい男の子に声を越えかけられたら、ついてっちゃいたくなるよね、行くならカラオケ、公園、マクドナルドのどれが良いかな」とか聞かれたけど、これじゃあまるでアンケート調査だ。
横から急に画面が開いて誰かがチャットに割り込んできた。
「いや、こんな所で油売ってちゃだめじゃん、ぺ」とかいきなり言われて有紀はびっくりしてしまった。
お笑いタレントの「モシモシ倶楽部」のトンキーさんだ。
将来の日本の番組でモシモシ倶楽部の三人がチャットを体験するシーンがあるらしい。
それでトンキーさんがビデオチャットに来てるらしい。
番組のスタッフが三人がどっかに行ってしまって困って探してるとトンキーさんが教えてくれた。
ついさっき声を掛けてきたスカウトの人はテレビ局じゃなかったんだ。
モシモシ倶楽部の三人に迎えに来てくれるというので、これでやっとこのビデオチャットの店から出られるので一安心だ。
さっきの受付で待っているとなかなかトンキーさんが来ない。
しばらく待ってると横のドアがあいて男が三人出てきた。
「いや、待たせたね」と男の一人が馴れ馴れしく声をかけてきた。
ジャンパーを着た中年男で全然知らない顔。
お腹がでっぷりと太っていて歳は有紀のお父さんくらいに見える。
この店で他の女の子とビデオチャットしてた男達みたいだ。
「君たち、可愛いね、カラオケが好きなんだってね」と男に誘われた。
モシモシ倶楽部の三人が来るまで待とうと思ったけどもしかしてモシモシ倶楽部の三人は店を間違えたのかもしれない。
仕方なく目の前の男三人と一緒に店を出ることした。
カラオケ店だと言われて入った店はなんだか変な感じだ。
一応はカラオケボックスみたいな作りになってるけど正面が大きな鏡張りだ。
この店では面白いショーが見られると男に言われた。
男が壁際のスイッチで照明の明かりを消すと、鏡の向こうが透けてみえた。
壁の鏡はマジックミラーになっていてるらしい。
その向こうにも鏡があって、部屋の中は左右からマジックミラーで見える仕組になってる。
マジックミラーの向こうで男の人が四つんばいになって「ワンワン」と声を出しながら部屋の中を四つんばいのまま動き回ってるのが見えた。
それも女子高生のセーラー服をきて、プリーツスカートの下に青い男物のトランクスが見えてる。
見たことのある顔だと思ったら、さっきビデオチャットで話しをしたモシモシ倶楽部のトンキーさんだ。
トンキーさんのすぐ横に鞭を持った女の人らしい姿がある。
背が高くて足も長くてすらりとしていてまるでモデルさんみたいな美人だ。
黒い皮の衣装にはとがった鋲が沢山ついていて、鎧でも着てる見たいな感じ。
黒いピンヒールは踵が高くて踏みつけられたらとても痛そうだ。
「生意気だぜ、こうしてくれる」と芝居じみた声で言いながら女王様は鞭を振り上げて、トンキーさんのお尻めがけて鞭を叩きつけた。
「ぎゃーー、ーーあああ」と鞭が打ち下ろされるたびにトンキーさんが大げさに身体を震わせて叫んでる。
なんでこんなことになってるのか判らない。
これもテレビかなんかの収録なんだろうか。
有紀の隣に座った男が手にしたグラスを無理矢理に、有紀の口元に押しつけてきた。
お酒を一口飲み込んだだけで、胃袋が燃えるように熱くて目眩がした。
このままじゃ大変な事になりそう。
なんとか逃げ出す方法を考えようと思ったけどいいアイデアが浮かばない。 とっさに彩香ちゃんが「私も鞭でぶって欲しいんです」と男に大きな声で叫んだ。
「ぶたれるのが好きなんだ。それは、いい。面白いぜ」と男が言ってくれたのでこれはなんとかなると有紀は思った。
「そうです、私もぶたれるの大好きなんです」と有紀も調子を合わせた。
「思い通りにしてやるぜ」と男の一人が言うと、他の二人も納得した顔で頷いた。
カラオケルームを出て隣の部屋に案内されると女王様が鞭をしならせ三人の顔を見た。
真横から明るい照明が床と天井から女王様の顔を照らしてる。
照明の向こうは奥を客席風の作りでテーブルが並んでいて客らしい男の姿が見えた。
客席の反対側の壁は古びたレンガ造りで、中世の古城みたいな雰囲気。
斜めにバッテンになった変な形の十字架が壁に組み込んである。
十字架の両側に女の人が裸で縛られている大きな絵が飾ってある。
モシモシ倶楽部のトンキーさんが居るはずだと思って見回してみたけど何処にも見当たらない。
「さあ、そこに四つんばいになるのよ、お尻をこっちに向けてね」と女王様が鞭をしならせて言った。
「さっさとやるんだよ、痛い目に遭いたくないだろう」と女王様に言われて有紀は訳が分からなくなった。
四つんばいになれば鞭でお尻を叩かれて痛い目に遭わされちゃう。
それなのに痛い目に遭いたくないだろうなんて言うのは、何を言ってるのか判らない。
客席から「早くしろ」と男の声が聞こえた。
すぐその後から「真面目にやれー」とまた別の男の声が部屋に響いた。
急に彩香ちゃんは舞台の中央ですくっと立つといきなり踊りながら「アルプス一万尺」を歌い出した。
なんとか誤魔化そうとしてとっさに思いついたらしい。
江実矢君もすばやく彩香ちゃんの隣で変な格好で踊り出した。
こうなったら有紀もやるしかないと思って、彩香ちゃんの隣で一緒に声を合わせた。
「バカヤロー、ふざけんじゃねえ、金返せ」とまた客席から大声でどなる声が聞こえたけど、彩香ちゃんは一生懸命踊り続けてる。
有紀のすぐ頭の上をぴしゃりと鋭い音がして、有紀は首をすくめた。
「四つんばいになれっていってんだろ」と女王様が乱暴な口調でわめき立てた。
「ここに四つんばいになるんだよ、さっさとやれ」と女王様が鞭を振ると、ピューと空気を引き裂く音が有紀の顔のすぐ前に鳴り響いた。
彩香ちゃんが女王様の前に一歩出ようとしたとき、江実矢君が彩香ちゃんを引き留めた。
「叩くなら、僕を叩いて」と言って江実矢君はそのまますぐ女王様の目の前に両手をついた。
彩香ちゃんは巨乳だし、有紀だって中学生にしては大きすぎるくらいの胸がある。
だけど江実矢君は男の子だから、胸はぺちゃんこだし足だって細い。
どうみたって見せ物になるようなお色気たっぷりの体じゃない。
「ちょっと、あんた年幾つなの」と女王様が怪訝な顔で聞いた。
「私達中学二年です」と彩香ちゃんが大声で答えた。
女王様は何度も江実矢君のお尻を鞭の先でつついたが、すぐには男の子だとは気がつかないみたい。
細い足と小さな体つきは女の子だったら中学生になったばかりくらいの体型だ。
中学生だと判ったらきっと帰してもらえると思って有紀は女王様の答えをまった。
「それは、ちょうどいい、中学生ならいい商売になるってもんよ」と女王様が口元をにやりとさせた。
「さっさと床に四つんばいになるんだ」と女王様が言うと鞭の先を三人の目の前につきだした。
鞭でお尻をぶたれるのはいやだけど、逆らったりするともっと大変な事になりそう。
彩香ちゃんが仕方なく江実矢君の横で床に膝を付いた。
有紀も彩香ちゃんの隣で膝を付いて四つんばいになった。
「さあ、生意気な中学生を懲らしめてやる」と女王様が大声で怒鳴り声を上げて、鞭をしならせた。
有紀は耳元に響く鞭の音が怖くて体ががたがた震えてきた。
女王様が振り上げた鞭を有紀のお尻に思い切り強く叩きつけてきた。
鞭の先が有紀のお尻にぶつかったとき、有紀は思わず身震いをした。
その次の瞬間にあれっと思って有紀は思わず女王様の方に顔を向けた。
思った程痛くない。
女王様も相手が中学生だから手加減してくれてるらしい。
つぎに女王様が鞭を振り上げて、江実矢君のお尻を叩いた。
「ぐえっ」と江実矢君が声にならないうめき声を上げると、四つんばいの体が床に倒れ込んだ。
鞭でお尻を軽く叩かれただけでそんなに痛がる分けがない。
男の子の急所に鞭の先が当たっちゃったらしい。
女王様もそんな強く叩いていないのに江実矢君がどうしてこんなに痛がってるのか不思議そうな顔をして鞭の先を確かめてる。
次に彩香ちゃんが鞭で叩かれる番だ。
彩香ちゃんは大声で「お願いタスケテー」と叫ぶと四つんばいのまま這って逃げようとした。
その時いきなり客席からセーラー服を着た女子高生が三人舞台に駆け上がってきた。
三人は女王様の目の前で「シュワー」と叫ぶと変な格好で踊り出した。
映画で見る空手の格闘シーンの真似をしてるらしい。
よくみるとモシモシ倶楽部の三人だ。
三人とも女子高生のセーラー服をきてるけど、スカートから出た足にはすね毛が見えてる。
三人はヘンテコナ踊りを続けて彩香ちゃんと有紀と江実矢君の周りを取り囲んだ。
女王様が鞭を振り上げてモシモシ倶楽部の三人に叩きつけてきた。
鞭に叩かれるのはよっぽど痛いらしくてモシモシ倶楽部の三人は今度は彩香ちゃんの後に隠れた。
男の癖に女の子の後に隠れるなんて、よっぽどの弱虫だ。
女王様もセーラー服を着た三人がテレビでよく見るお笑いタレントのモシモシ倶楽部だと気が付いたみたい。
「あんた達、もう良いから帰って。ショーの邪魔しないでくれる」と女王様が呆れた顔をして吐き捨てるようにいった。
女王様の気分が変わる前に逃げ出すのが一番だ。
みんなで一緒に店をでると大あわてで大通りを駆け抜けた。
彩香ちゃんが一息つこうと立ち止まるとトンキーさんがすぐに彩香ちゃんの手を取って引っ張った。
「収録が遅れて大変なんだ、すぐ来て、駆け足」とトンキーさんに言われて急いで原宿の竹下通りまで駆け足で戻った。
テレビ局のディレクターがちょうど竹下通りの一番奥で待ち構えていた。
「いや、なんでもいいから、すぐ撮影するから」とディレクターが困った顔でスタッフに指図してる。
「最初に、スカウト役の俳優さん紹介しときゃよかったんだ、いや俺のせいです、ほんとにスンマセン」とディレクターが頭を下げたけど、本気で自分が悪いと思ってるのじゃあないみたい。
本当は「何してやがる、馬鹿ヤロー」と言いたい所だけど、素人の中学生が相手なのでじっと我慢してる様子。
撮影は予定を大幅に超過してしまって、もうとても時間がない。
彩香ちゃんと有紀と江実矢君の三人が居ないので仕方なく代役でモシモシ倶楽部の三人がセーラー服を着せられて撮影してたらしい。
すぐにスカウト役の俳優さんが呼ばれて、声を掛けられる場面を撮影した。
スカウトの場面はもうそれでいいとディレクターのオッケーが出たのでさっそく近くに止まっている放送局の車に局に戻った。
次はタレントの事務所のセットでの収録だ。
最初は簡単な面接の後契約書にサインして、そのあと写真撮影。
タレント事務所が三人を歌手デビューさせるというストーリーなので、会議の様子なども再現ドラマ風に収録した。
もちろんタレント事務所なんか全部嘘で会議なんか適当にそれらしくやってるだけで、本当に歌手デビューの会議なんかじゃない。
あとは三人でデビュー曲を歌うということになって、新しく作ってもらった歌を教えてもらった。
最後に衣装をつけて振り付け師の先生にその場で適当に踊りを教えてもらって踊りの練習をしてる場面を撮って収録は終了した。
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セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
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