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第三章 -女騎士凌辱篇-

#061.豚鬼vs小鬼戦争 <Ⅰ>

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 ふわりと甘い花蜜の香りが、夜風にたゆたう――。
 四つの満月期が重なる、百年に一度の”月天の宵”から早十日ほどが過ぎ――夜空を飾る”四つの月”もまちまちに欠け始めて、日ごとに夜闇が深くなってきた宵の頃――


「ふ、ふむ、だいぶ月明かりも弱くなったな……やはり≪女将校エステラ≫隊長殿の仰る通り、今夜から篝火かがりびを用意した方が良いな…うん……」


 ≪女将校≫エステラ=バルクホルン部隊に所属する≪新米女騎士≫は、初めての”夜間警備”任務に際して、少し緊張した面持おももちで金髪を掻き上げると、いそいそと篝火を準備し始めた。


「これで良し…と。ふむ…今宵も、何も無ければ良いがな……」


 ほうっと溜息をこぼしながら、≪新米女騎士≫は独りつぶやく――。
 現在、対サキュバス用に女騎士団員のみで編成された≪女将校≫エステラ=バルクホルン部隊は、大陸西端にある開拓拠点≪メドック村≫にて、駐在警護の任務に就いていた。

 特産の”蜂蜜酒メドリ”になぞらえ≪メドック村≫と命名された花蜜香る開拓村――
 凶悪な魔獣モンスター彷徨さまよう大陸有数の魔境”魔の森”から約1km程という近境に開拓されたこの≪メドック村≫は、その外周部を対魔獣モンスター防衛用の”ほり”と”木製防壁”でぐるりと囲わせた、さながら”木製の城塞都市”の様相を呈している。

 そんな≪メドック村≫の出入口は二か所だけ。王都方面の街道に面した”東門”と――今まさに≪新米女騎士≫が門番を務めている”魔の森”に面した”西門”である。


「うむ…異常なし、異常なし、と……」


 東西の”門”は日が昇ると共に開門され、日が沈むと共に閉門される。
 現時刻は真夜中であり、その高さ2m超の観音開き式の”木製門扉”には、ぶっとい木製の”閂”かんぬきが横串され、その門扉を固く閉ざしていた。

 ”西門”の内側にいる≪新米女騎士≫としては、木製防壁に設けられた”覗き窓”から、時折り外部の様子を確認するぐらいしかやる事はないのだが――つい緊張してか、そわそわと何度も”覗き窓”を見てしまう。

 いや、だからこそ――


「――…っ、あれは…っ…ッ」


 ”魔の森”から”開拓メドック村”へと至る野道の暗がりを――””が近づいてくる。

 ≪新米女騎士≫は一瞬だけ驚愕すると、その正体を掴もうと”覗き窓”からジッとそれを睨み据える。そして次の瞬間――苦い表情と共に≪新米女騎士≫はグッと息を飲んだ。


 ◆


「……うぅ…ひっぐ……ひくっ……ううぅ…っ……」


 月明かりの淡い輝きがうっすらと光差し――その”村娘の少女”を照らし出す。
 その少女は涙で瞳を潤ませ、何かに恐怖する様に手足をカタカタと震わせながら、よろよろと歩いてくる。
 その衣服は無惨にも引き裂かれ、まだ幼さが香る乳房や、何かの体液でドロリと汚れた太ももをあらわにしている。

 その少女は今朝方”魔の森”へ薬草摘みに出かけて、そのまま行方不明になっていた――この”開拓メドック村”に暮らす少女だった。
 村でも大騒ぎになっており、無事に帰って来たのであれば喜ばしい事である。だが、そのボロボロになった様子を見れば――少女の身に”むごたらしい姦淫事”が起きたのは容易に想像できた。

 今すぐ少女の傍らへ駆けつけて”もう大丈夫だぞ”と優しく抱き締めてやりたい――そう思った≪新米女騎士≫は門扉を閉ざす”閂”かんぬきに手を掛けて――歯噛みしながらグッと思い留まる。

 夜間警備中は何事が起きても”門扉”だけは開放しない――それは門番の鉄則である。


(――くっ、だが、心を深く傷つけた少女を……このまま朝まで、村の外で過ごさせるのは……あまりに非情ではないか…ッ…)


 ≪新米女騎士≫はギシリと拳を握り締めて苦悶する――とその時だった。


「――…ひっ、い…いやあ…ぁ…ッ…――!?」


 村の外から――少女の絶望にかすれた小さな悲鳴が聞こえてくる。

 ≪新米女騎士≫はハッと顔を上げると、急いでもう一度”覗き窓”から少女の様子を窺う――そしてその光景に絶句した。

 よろよろと野道を歩いていた”村娘の少女”の背後から、薄汚い緑肌&矮小な体躯のバケモノ――【小鬼ゴブリン】が三匹程、追い掛けてきたのだ。

 少女は背後に迫る【小鬼ゴブリン】達を見ると、ガタガタと震えながら必死に”門扉”を目指して逃げてくる。だが乱暴に”初めて”の貞操を奪われた後遺症なのか、股ぐらの痛みに苦しむ少女の足取りは遅く――ギタギタと醜悪に笑いながら疾駆する【小鬼ゴブリン】との距離はどんどん縮まっていた。

 ≪新米女騎士≫は思わず――”早くこっちへ来い”――と叫びかけて、言葉を飲み込む。


(あの少女が”門扉ここ”まで逃げれたら…何だというのだ…ッ……結局、私が”門扉”を開けねば……村の外で…ッ…門の向こう側で……私の眼前でッ……あの少女が【小鬼ゴブリン】どもに凌辱レイプされるのを、ただ見るだけではないか…ッ……!!)


 ≪新米女騎士≫がギリリッと歯噛みしながら苦悶する――その時だ。

 ”覗き窓”から外部の様子を窺っていた≪新米女騎士≫と、よろよろと逃げていた”村娘の少女”の視線が合う。


「――あっ…あ、た…たすけ――うぐっ…っ!?」


 少女が”助け”を求めて≪新米女騎士≫へ手を伸ばした瞬間――【小鬼ゴブリン】の投げた”石”が少女の後頭部に命中し、少女は野道に倒れ込んでしまう。そして――


「…ぁ…や…うそ……やだ…もうゆるし…て…――いやあぁ…っ…――」


 少女が頭部の痛みを堪えながら上体を起こした時には――すでに【小鬼ゴブリン】どもが”村娘の少女”を取り囲んでいた。【小鬼ゴブリン】達はギタァと醜悪に微笑みながら、その薄汚い腰布をミチミチと勃起させまくる。それを見た少女が小さな悲鳴を漏らす――その時だ。


「――おのれッ…薄汚い”小鬼ゴブリン”ども、その少女から離れろ…っ…!!」


 気づけば≪新米女騎士≫は――門扉を閉ざす”閂”かんぬきを引き抜き、木製扉を開け放つと――腰に提げた長剣を引き抜きながら”少女”のもとへ駆けていた。

 ◆

 ――”ゲッギャギャ…ッ…人間は知恵者ダガ、時に”合理的”デハなくなる…”――
 ――”…ツマリ…ソウ仕向ケレバ良いのダ…ッ…ゲギャギャ…ッ…!!…”――

 ◆

 ≪新米女騎士≫が長剣を横薙ぎに構え、”少女”のもとへ疾駆する――。
 少女に群がる【小鬼ゴブリン】達はそれを見ると、慌てた様に道端にある石を拾い上げて、≪新米女騎士≫へ投げつけてくる。

 それを見た≪新米女騎士≫はフッと鼻で笑うと、疾駆したまま華麗なる剣捌きで【小鬼ゴブリン】達の投石をスパパッと斬り払っていく――だが次の瞬間。


「――っぐう!? くっ…目が…ッ…!!」


 【小鬼ゴブリン】達が投げつける”石”の中に――”目つぶしの紙玉”――が混じっていた事に気づけず、それを疾駆する勢いのまま斬り払ってしまった≪新米女騎士≫は、もろに”目つぶしの粉”を顔面に浴びてしまう。

 ――”ゲギャギャ…ッ…ニンゲンは視覚が八割ダカラなぁ…ッ…”――
 ――”視覚サエ奪ってシマエば…ソノ脅威度は格段に下ガル…ッ…”――


「くそっ…”小鬼ゴブリン”ごときが…ッ…――」


 ≪新米女騎士≫は【小鬼ゴブリン】達を接近させまいと長剣を振り回しながら、腰に提げた”革鞄ポーチ”から目を治すための”薬水瓶ポーション”を取り出そうとする――だがその瞬間【小鬼ゴブリン】の投石が”薬水瓶ポーション”をバリンッと叩き割る。

 ≪新米女騎士≫は舌打ちしながら二本目の”薬水瓶ポーション”を取り出して――次の瞬間、再び【小鬼ゴブリン】の投石が”薬水瓶ポーション”をバリンッと叩き割ってしまう。


(――ッ!?…ぐ、偶然か…いや違う…ッ、コイツら…人間との戦闘に慣れている…ッ…!?)


 その時になって――≪新米女騎士≫は背筋をゾクリッと凍らせる。
 気づけば周囲三方向から――”ヒュンヒュン…ッ”――という何かを振り回す”風切り音”が聞こえてくる。

 それが遠心力を利用して投石の破壊力を増大させる投擲武器――”投石紐スリング”――の風切り音だと気づいた時には――≪新米女騎士≫の後頭部にゴヅッと投石が命中し、≪新米女騎士≫を昏倒させていた。


「う…ぐ…ッ…」
(コイツら…さっきまで…道端の石を拾い…”手投げ”で投石する…滑稽な姿を見せたのも……すべて私を油断させるための作戦か…ッ…――)


 意識を朦朧とさせた≪新米女騎士≫は――すでに手に持っていた”長剣”や腰に提げていた”革鞄ポーチ”を【小鬼ゴブリン】達に奪われている事にもまだ気づかない。そして――


「――…ひぎッ…!?」


 突如、手足を襲った激痛に――≪新米女騎士≫はビグリッと身体を跳ね上げさせる。その傍らでは、錆びた短刀ナイフを手に持った【小鬼ゴブリン】達が、≪新米女騎士≫の手足を斬り刻んだ快感に酔い痴れる様にギタギタと笑っていた。

 ――”ゲギャギャ…ッ…ニンゲンの”メス”を虜囚にシタラ…ッ…”――
 ――”…スグに”手足の腱”を切り…逃ゲレなくスルのだァ…ッ…ゲギャギャ”――


「ひ…ひぐっ…うぅ…っ…――」


 手足を動かせぬ無力状態となり――
 視界を失った暗闇に放り出されて――
 周囲からギタギタと醜悪な哄笑と悪臭を感じるごとに――

 ≪新米女騎士≫は初めて【小鬼ゴブリン】に――”恐怖”――を覚え込まされた。

 ≪新米女騎士≫は痛みと恐怖に全身をカタカタと怯え震わせると、股間を小水でジュワァと濡らしながら、何とか動かぬ手足で必死に這い逃げようとする――だが次の瞬間。

 ――”…鍛練サレタ人間は回復力も高ク厄介だァ…戦線復帰サセテは為らぬ…”――
 ――”ダガ…”メス”の戦意を奪ウのは実に簡単ダァ……”――


『ゲッギャギャ…ッ…ヨクゾ先陣を果たシタ…ッ、コレは褒美ダァ…許可シテやろう…ッ……コノ”メス”が戦意喪失シ…涙を涸らシ…心がヘシ折れるマデ……たっぷり”凌辱”シテやるのダァ…ッ…ゲギャギャ…ッ!!』


 さっきまで此処には居なかった――だが確実にこの戦場を支配していた”何者か”の命令が――夜闇に響き渡る。
 次の瞬間、興奮に雄叫びを上げた【小鬼ゴブリン】達が股間の肉棒をブグブグと膨張させると――≪新米女騎士≫にぞわぞわと群がり、その革鎧や衣服をビリビリと剥ぎ取っていく。


「ひっ…や、やめろ…ッ……や、やめてくれ……ひっ…やあぁ…ッ…――!?」


 ≪新米女騎士≫の悲鳴と貞操が――【小鬼ゴブリン】達からまろび出る”淫欲のうねり”に呑み込まれ、掻き消えてゆく。

 ”やめろ”と叫ぼうとした口内には薄汚い肉棒が突っ込まれ、痛む手足を手足をバタつかせれば錆びた短刀ナイフでまた斬り刻まれる。初めは抵抗を試みた≪新米女騎士≫も――その裸体カラダをねぶられ、清らかだった純潔の”肉壺”をゾリゾリとおぞましい”四股陰茎”で掻き回され、その膣奥に一匹目、二匹目、三匹目と【小鬼ゴブリン】の悪臭漂うドロドロの精液をどぷどぷと流し込まれてゆき…――

 四半刻三○分も待たず――
 どす黒い”絶望”に瞳の光を塗り潰された≪新米女騎士≫は――モノ言わぬ”孕み袋”に堕ちていた――。

 ◆

 そんな光景を眺めながら――狡猾なる”小鬼ゴブリン”の王位魔獣ロワ・モンスター小鬼王ゴブリンキング】はギタァと邪悪に微笑むと――”村娘の少女”の頬をベロォと優しく舌舐める――”…ウマくイッタなァ…”――とニタつき、その若さで潤む”村娘の少女”の肉壺にドプりドプりッと精液を噴き出させながら。
 ≪新米女騎士≫が”孕み袋”に堕ちる過程を見せられた”村娘の少女”は――すでに”絶望”で心沈み、糸が切れた人形の様にピクリとも動かない。そんな”少女”が凌辱に心壊れる様をたっぷり愉しむと【小鬼王ゴブリンキング】はギタギタと笑いながら、下っ端の”小鬼ゴブリン”どもに”使用済み”の少女をくれてやる。
 さあァ…戯れはここマデだァ…――!!


『ゲギャギャ…ッ…!!』
『ゲッギャギャア…ッ…!!』
『ゲギャゲギャゲギャ…ッ…!!』


 狡猾なる”小鬼ゴブリン”どもの醜悪な哄笑が、夜闇に連鎖してゆく――。
 悪逆に昂ぶる”小鬼ゴブリン”どもの獣慾が渦巻く中――【小鬼王ゴブリンキング】は”閂”かんぬきの引き抜かれた”開拓メドック村”の門扉を悠然と開け放ちながら、ギタギタと邪悪な哄笑を上げる――まるで”獣の首輪”を解き放つかの様に…――


『ゲッギャギャ…ッ…サァ…”豚”オークが支配スル…この”開拓メドック村”を蹂躙せよォ…ッ!! オスなぶり殺せッ…メスは死ぬマデ犯シテ孕ませろォ…!! コノ”村”を地獄に堕トセ…ッ…我らが”小鬼ゴブリンの王国”をおこスための”にえ”にシテやるのダァ…ッ…ゲッギャギャ…ッ…!!』


 刹那、二百匹を超える”小鬼ゴブリン”の軍勢が――静寂なる”開拓メドック村”へと雪崩れ込んでいった…――


 ◆◇◆
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